D story   作:Azzoo

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前回までのあらすじ
チルノVSフランが終わり、続いて大妖精VS霊夢。
が、本当にできるのだろうか・・・・。


憎しみの雷編
第26話「狂気」


―――――――秋名山 午後20;10――――――――

ダウンヒルのスタート地点。大妖精と霊夢がいる。バトルの準備をしているようだ。そこに、先ほどバトルを終えたチルノとフランが来る。

霊「あら、お疲れ様。で、バトルどうだった?」

 

フ「勝ったよ。もちろん。」

 

チ「負けちゃったよ…。大ちゃん。」

 

大「大丈夫だよ、チルノちゃん。あとは私に任せて。必ず取り返してくるから。」

 

2人がそれぞれ自分の車に乗り込む。ふと、その時だった。

ブロロロロロロロロローーーーーーーン

黄色いシビックが通る。その車はどこかのデモカーなのか相当ボディチューニングされていた。

 

霊「!」

 

霊夢が無意識にアクセルを全開にする。

 

大(え!?ちょっと霊夢さん!!)

 

大妖精がそう思い、アクセルを踏んだ時はもう遅い。もうそこに、ロードスターの姿はなかった。

霊(しょうがない…じゃない。勝手に動いちゃったんだもの…。大ちゃん。バトルはまた今度にしましょう。)

 

??「フフフ…。あなたの実力試させてもらうわよ。霊夢さん。」

 

そういう。

第1コーナーから第1ヘアピンまでのコーナー付近はかなりスピードが乗る。そこで並んだ、黄色のシビックと赤のロードスター。

 

霊(クッ!外見からも見えたけど、あいつは間違いなくレーシング仕様ね…。スピードののり方が段違いだわ。)

 

??(向こうは県外遠征しようとはいえ、所詮はただのストリートチーム。私たちとはまるでわけが違う!)

 

霊(クソッ!まだ伸びるのか…!?)

 

第1ヘアピンに突入する。ここで、シビックが前に出る。アウト側からコースインしたロードスターで、先ほどの区間で並んでいたわけだから、当然インに入る余裕などない。

 

??(もらい!)

 

霊(クッ!絶対抜き返してやる!)

 

続いて、第2ヘアピンからの連続コーナー区間。ここで、シビックの強さが出る。

シビックは立ち上がり重視のセッティングなのか、コーナーを120㎞前後で出て、そこからさらに加速していく。今の秋名の走り屋の中ではかの86をも超えるペース配分だった。

 

霊(チッ!どんどん離れていく…!食いつけない!)

 

??(フフッフフフッどんどん離れてく…。あなたはこんなものだったっけ?博麗霊夢。)

 

霊夢は諦めたわけではない。まだチャンスはある…。そう信じていた。

 

第3、第4ヘアピン。ここで離れれば絶対に追いつけなくなる。

そう悟った霊夢は第3ヘアピンに自分が

(もう無理!)と思ったスピードでコーナーに突っ込む。その時の霊夢は正気ではなかった。なにせ、このように序盤からじわじわ来る利き方で負けようとして阿多バトルなんて体験したことがなかったからだ。

 

霊(ここを125キロぐらいで…抜けた!まだ余地はある!まだ抜けるはず!)

 

そう思った霊夢だが、今までとはわけが違う。いつもは安全領域で抜けてるコーナーだ。高速域で抜けられるはずもなく、ガードレールにロスタのボディをこすり付けて走る。そうするしかなかったのだ。勝つためには。

 

??(そこまで無理するか…。じゃあこっちもそれ相応の対応をさせてもらうよ。)

 

第4ヘアピンを抜ける。ここでも直線が速い(仕様の)シビックが立ち上がりを見せる。

霊(くそっ!!何で、何でくつけないのよ!)

 

誰も助けてくれない走る密室で、霊夢はほぼ極限状態にあった。――――その時。

 

 

ビチッ

 

 

霊「な、何!?!!バッテリー切れ!?なんで!?なんで今なのよ?!」

 

??(ロスタが遠ざかっていく…。ついに諦めたのか。フン。まあいい。勘弁してあげるよ。)

 

霊「走れ!!走れ――――――!!!」

 

一瞬、バッテリーが元に戻り、再び走り始めるロスタ。だが、それはほんの一瞬だけであった。

 

霊「何故っ・・・・。」

 

霊夢はこの時敗北を決したのであった。

といっても、バッテリーが上がっているのだ。帰れない。

―――ふとその時。一台の車が止まった。大妖精のレビンだった。あの時からずっと追いかけていたのだった。

大「霊夢さん…。大丈夫ですか?」

 

霊「だめよ…。バッテリーあがっちゃって。電気ちょっと貸してくれる?」

 

大「いいですよ。」

 

そういうと、レビンのボンネットを開き、電気ケーブルをつなぐ。バッテリーを充電するのだ。

霊「あのね…、大ちゃん。必要最低限でいいからね。」

 

大「分かってます。そんなに貸しませんよ。」

 

霊「フッ。さすがね。」

 

―――――――次の日。

霊夢はおぼつかない足取りでロードスターのもとに向かう。

 

――――ふと、ボンネットに手を触れる。湯気(っぽいもの)が出ていたからだ。

霊「あつっ!!!!何…これ。クっソ熱いじゃない!」

 

そう、霊夢のロードスターにはかなり前から異変が起こっていたのだ。

 

 

原因は…『鳳凰』だった。あの技は、エンジンルーム内の温度を急上昇させ、一時的にエンジンの機能を向上させるものだったのだ。妹紅は前日に強弱を調整できるまでになっていたからよかったものの、霊夢はあのバトルが一番最初に出したのだ。当然調整など利くわけがない。

 

 

霊「…。あなたに無理はさせないわ。今日はバスで行くから、ゆっくり休むといいわ。」

 

そういうと、麓にあるバス停目指して、歩き始めた。

ロードスターのボンネットには飽和となって出てきた水滴で覆い尽くされていた。

 

――――3時間後(ぐらい)サンドレーシングガレージ――――――

霊「おはようございま~す。」

 

レ「何言ってるの!?もう午前11:30よ!?いったい…何があったの!?」

 

霊「いや、今日はバスで来た。そう言えば大体わかるでしょ?」

 

レ「全然。っていうかあんた元気なそうよ?今日は安静にしてる?」

 

霊「いや、いつも通りにやって。こうなってる理由はフランに言えば大体わかるはずだから。」

 

レ「え、ええ。わかったわ。今日はなるべく緩やかなのにしとくわ。」

 

霊「ええ。頼む。」

 

レ「ええ。じゃあ、持ち場に。」

 

霊「うん。」

 

そういうと、歩くのが何とかという歩き方で、持ち場に向かう。――――

レ「ねえ!霊夢。今日はもう、休みでいいわ。」

 

霊「えっ…。でも…。」

 

レ「いいの。減給なんてしないから。ね?家まで送っていくから。」

 

霊「わ、わかったわよ。そんなに言うならよろしく頼むわ。」

 

そういうと、レミリアは霊夢を支えながら、S2000のもとに向かう。

レ「あなたのこんな姿見たことなかったから…。いつも元気で。明るい霊夢が見たいの。ね?」

 

霊「べ、別に気にすることなんてないわよ?まあ確かに3時間ぐらいかかっちゃったけど…。でも、別にどうってことないわよ。」

 

レ「強がらないの。」

 

霊「ヘイヘイ。」

 

そういいながら、レミリアは秋名へと向かう。霊夢の元気な顔を見るために。

―――――午後0;00 秋名山 博麗神社(仮)―――――

レ「じゃあ今日はゆっくり休んで。明日また来てね。」

 

霊「うん。」

 

ブオオオォォォォォォォオオオオン

レミリアのS2000を見ながら霊夢が言う。

 

霊「さて・・・・。寝るか・・・・。」

 

 




次回予告
体調を崩した霊夢。それを知らない魔理沙。
そして…。ロードスターに悲劇が訪れる。
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