D story   作:Azzoo

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前回までのあらすじ。
ブローの名のもとに、新しい出会いがあるものだ。
以上。
(要するに前回までの本編を見直してくださいということ。


第28話「デモカー」

 

―――私は…何をやっていたんだ…ろう。―――

 

 

落ち込む霊夢。その額からは涙がこぼれぽたぽたとロードスターに零れ落ちる。ボンネットからは、エンジンブローのせいからか、煙が上がっている。

 

霊「何で…あなたの声が聞こえなかったんだろう…私。走りに行くってだけで馬鹿みたいにあなたを乗り回しちゃって。ほんと……。」

 

――――その時。霊夢のうるんだ眼に何筋もの光が差し込む。そちらの方を見る。涙のせいでよくわからないが、大きなレッカー車らしき車が見える。

 

??「ブローぐらいで泣くなんて。ほんと、ネガティブな考え方なんだから。もっとポジティブに考えなさいよ。」

 

霊「誰――?」

 

??「わざわざここまで来たのよ。あなたを迎えにね。とにかく、やれることやっちゃいましょう。」

 

霊「う…うん。」

 

そう霊夢がうなずく。

うるんだ目がスッと乾く。

 

霊「か、母さん!?」

 

千「あれ?気づいてなったの?」

 

そういう会話をしながらも、作業を進める2人。

作業が終わり、レッカー車に乗り込む。そして動き出す。

霊「ねえ―――母さん?」

 

千「ん?どうしたの?」

 

霊「今までどこにいたの?」

 

千「今から向かうところよ。」

 

霊「そっか―――。」

 

千「あんた。自分のせいだと思ってる?」

 

霊「う―うん。」

 

千「大当たりよ。でも半分不正解。」

 

霊「?」

 

千「あんたのロードスター。だいぶ型落ちなの。だから仕方がなかった。ということよ。」

 

霊「仕方ない―――か。」

 

それからは2人は一言もしゃべらなかった。

 

――――目的地 午後21:30――――

 

目的地に着く。そこはある工場だった。

??「おかえりなさい。で、どう?」

 

千「うん。やっぱり落ち込んでるみたいね。」

 

??「そっか。まあ仕方ないね。」

 

霊夢が下りる。

霊「母さんその人――あなたもしかして蘇我屠自古?」

 

屠「そうだよ。すごく落ち込んでるみたいね。こっちへ来て、ちょっと落ち着こう。」

 

霊「うん。」

 

霊夢と屠自己はガレージに横付している部屋に向かう。

 

千代はロードスターを見ながら、

千「また、こいつをどうしようってのかね。屠自古ちゃん。」

と嘆く。

 

一方の霊夢と屠自古は部屋に入り、話し始める。

霊「…。」

 

屠「まずは、ここにいる理由でも話しておこう。私はここで――」

 

霊「どうせ、修理やらなんやらでしょ?」

 

屠「そういうと思ったよ。違うんだな。私は、レーシングモデルカー。つまり、各ショップのデモカーを専門で扱ってる。」

 

霊「!?そんなんで商売成り立つもんなの?」

 

屠「成り立つもんなのよ、これが。」

 

霊「ねえ・・。一つ聞いていい?」

 

屠「何?」

 

霊「ロードスターのエンジンブローの原因、わかるだけ教えてくれる?」

 

屠「そうだね…。一目見ただけじゃ…。わからないこともあるだろうけど…。なんていうか…。うん。『鳳凰』が原因だね、たぶんだけど。」

 

霊「それ…知ってるの?」

 

屠「もちろん。私は妹紅や慧音とも仲は良い方なんだ。うちのお得意さんだし。」

 

霊「あいつらの地元って、たしか栃木じゃなかったっけ?」

 

屠「それは違うね。たしかに本拠地は栃木にあるんだろうけど、あいつらは各地を転々としているんだ。もちろんここを訪れたときだってある。そうだね―――関係といえば、『ここにレースでつぶれかかっているエンジンはないか』とか聞いてきたのが始まりだったな。」

 

霊「!!」

 

屠「フフ。驚くのも無理はない。デモカー専門だから、どんなエンジン扱っててもおかしくはないさ。」

 

霊「ここに来たってことは…。私のロードスターも?」

 

屠「もちろんそのつもりだけど。あなたにはちょっとテストというか、練習をしてもらいたいんだ。」

 

霊「練習?」

 

屠「ああ。うちでロードスターを改良している間、あなたにはうちのデモカーを使ってもらう。かなりパワーアップする予定だから、それを扱いきれなくても、駄目なんだ。あなたには最高の状態で今後のバトルに臨んでもらいたいんだ。」

 

霊「ここの―――デモカー?」

 

屠「ああ、着いてきて。」

 

屠自古に連れられ、第2ガレージに向かう。

 

そこで霊夢は唖然とした。昨日負けたシビックがあるのだ。

霊「え!?これって…。」

 

屠「そうさ。ちょうどデータ採ってる時に、あなたたちがいたから、足しにしたものさ。それで、急についてこなくなったから、何かあると思って、19:30ぐらいには千代さんを赤城の麓にスタンバイさせておいたのさ。」

 

霊「!!」

 

霊「それで…。いつから使ってもいいの?」

 

屠「もろん、今からだよ。ほら、これがキーだよ。」

 

屠自古の手元から、霊夢の手元にキーがわたる。

 

それを持ち、霊夢がシビックに乗り込み、エンジンをかける。

 

屠「あんたのロードスターもそれぐらいにするつもりでいるから、ちゃんと慣れておきなよ。それじゃ、行ってきな。」

 

霊夢がうなずく。そして、ガレージを出る。

 

霊(この感覚…。すごい。しっかりしたパワーチューンになってる。これなら奴に―――ぬえにも勝てると思う。)

 

そう思いながら、霊夢は帰路に就くのであった。

 

一方の屠自古は第1工場にいた。

屠「さーて、さっそく修理…といいたいところだけど。」

 

千「だけど?」

 

屠「今日はもう終わりにして、明日こいつをある場所に移動させる。」

 

千「どこに?」

 

屠「鳳凰が原因と言ったらわかる?」

 

千「全然。」

 

屠「はあ…。まあ明日明かすさ。今日はもう終わりにしようよ。」

 

千「うん。」

 

そういうと、千代と屠自古は、第1、第2ガレージの端にあるスイッチを押す。すると、ガレージのシャッターが下がるのだった。

 

――――翌日 7:30 博麗神社(仮)―――――

霊「さて…。行こうか、新たな相棒さん。」

 

そういうと、霊夢はサンドガレージに向かう。

 

――――午前9:15 サンドガレージ―――――

霊「おはようさん。レミリアさん。」

 

レ「おはようってどうしたの?今日は妙に早いじゃない。」

 

霊「速いって…。それでも遅れてるんだけだけどね。」

 

レ「あはは。(汗)それで、昨日はどうだった?」

 

霊「昨日は散々だった、とだけ言っておくわ。」

 

レ「ふーん。寝たの?」

 

霊「寝てるわけないでしょ。散々だったっていうぐらいなんだから。」

 

レ「あ、そっか。じゃあ持ち場について。」

 

霊「わかった。」

 

レミリアが社長室に入ると、電話が鳴っていた。

レ(あーはいはい今出ますよー。)

 

ガチャッ

 

レ「もしもし?どちらさま?」

 

文『射命丸ですが、レミリアさんですかな?』

 

レ「そうですが。で、ブン屋。何か用?」

 

文『寝ぼけてるんですか?バトルの申し込みですよ?』

 

レ「あ、うん。そうだったね。うん。昨日は霊夢のことが心配で全然眠れなかったのよ。」

 

文『なんか変なk』

 

レ「バトル申込み拒否すんぞコラ!(激怒)」

 

文『すみませんでした。』

 

レ「よろしい。で、バトルはどこでやるの?」

 

文『土坂でお願いします。』

 

レ「はいはい。土坂ね。」

 

文『ちょっといいですか?霊夢さん呼んでもらえます?ぬえさんが話したいって。』

 

レ「ぬえが?まあいいけど。」

 

 

――――数十分後――――

霊「もしもし、ブン屋?はやくぬえ出しなさい。」

 

文『ちょっと待っててくださいね。』

 

ぬ『よう。霊夢さん。』

 

霊「ムカつくいい方してないで、はやく要件言いなさい。」

 

ぬ『へいへい。今度のバトル、土坂でやるってことは聞いてるね?』

 

霊「ええ。レミから聞いてるわ。」

 

ぬ『そこの復路なんでけど、私と再戦してもらいたいんだ。』

 

文『え!?何いってるんですか!?復路は椛のはずですよ!?』

 

ぬ『椛のやつから連絡入って、『取材入っちゃったからいけなくなった』って。』

 

文『椛の野郎…。』

 

ぬ『言っとくけど、私はあれがバトルだとは思ってないから。あんた、あの時赤城走るの初めてだったんでしょ?』

 

霊「そうだけど。あ、あと私、乗り換えたから。」

 

ぬ『まじか。何にに乗り換えたんだ?』

 

霊「ひ み つ 。(ガチャッ」

 




次回予告
ぬえという名の壁。だがそれを乗り越えようとするから強くなるのだ。
車を乗り換えた今。もう怖くない。
上りだろうと下りだろうと、勝たなきゃいけないことには変わりないんだから―――。
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