ブローの名のもとに、新しい出会いがあるものだ。
以上。
(要するに前回までの本編を見直してくださいということ。
―――私は…何をやっていたんだ…ろう。―――
落ち込む霊夢。その額からは涙がこぼれぽたぽたとロードスターに零れ落ちる。ボンネットからは、エンジンブローのせいからか、煙が上がっている。
霊「何で…あなたの声が聞こえなかったんだろう…私。走りに行くってだけで馬鹿みたいにあなたを乗り回しちゃって。ほんと……。」
――――その時。霊夢のうるんだ眼に何筋もの光が差し込む。そちらの方を見る。涙のせいでよくわからないが、大きなレッカー車らしき車が見える。
??「ブローぐらいで泣くなんて。ほんと、ネガティブな考え方なんだから。もっとポジティブに考えなさいよ。」
霊「誰――?」
??「わざわざここまで来たのよ。あなたを迎えにね。とにかく、やれることやっちゃいましょう。」
霊「う…うん。」
そう霊夢がうなずく。
うるんだ目がスッと乾く。
霊「か、母さん!?」
千「あれ?気づいてなったの?」
そういう会話をしながらも、作業を進める2人。
作業が終わり、レッカー車に乗り込む。そして動き出す。
霊「ねえ―――母さん?」
千「ん?どうしたの?」
霊「今までどこにいたの?」
千「今から向かうところよ。」
霊「そっか―――。」
千「あんた。自分のせいだと思ってる?」
霊「う―うん。」
千「大当たりよ。でも半分不正解。」
霊「?」
千「あんたのロードスター。だいぶ型落ちなの。だから仕方がなかった。ということよ。」
霊「仕方ない―――か。」
それからは2人は一言もしゃべらなかった。
――――目的地 午後21:30――――
目的地に着く。そこはある工場だった。
??「おかえりなさい。で、どう?」
千「うん。やっぱり落ち込んでるみたいね。」
??「そっか。まあ仕方ないね。」
霊夢が下りる。
霊「母さんその人――あなたもしかして蘇我屠自古?」
屠「そうだよ。すごく落ち込んでるみたいね。こっちへ来て、ちょっと落ち着こう。」
霊「うん。」
霊夢と屠自己はガレージに横付している部屋に向かう。
千代はロードスターを見ながら、
千「また、こいつをどうしようってのかね。屠自古ちゃん。」
と嘆く。
一方の霊夢と屠自古は部屋に入り、話し始める。
霊「…。」
屠「まずは、ここにいる理由でも話しておこう。私はここで――」
霊「どうせ、修理やらなんやらでしょ?」
屠「そういうと思ったよ。違うんだな。私は、レーシングモデルカー。つまり、各ショップのデモカーを専門で扱ってる。」
霊「!?そんなんで商売成り立つもんなの?」
屠「成り立つもんなのよ、これが。」
霊「ねえ・・。一つ聞いていい?」
屠「何?」
霊「ロードスターのエンジンブローの原因、わかるだけ教えてくれる?」
屠「そうだね…。一目見ただけじゃ…。わからないこともあるだろうけど…。なんていうか…。うん。『鳳凰』が原因だね、たぶんだけど。」
霊「それ…知ってるの?」
屠「もちろん。私は妹紅や慧音とも仲は良い方なんだ。うちのお得意さんだし。」
霊「あいつらの地元って、たしか栃木じゃなかったっけ?」
屠「それは違うね。たしかに本拠地は栃木にあるんだろうけど、あいつらは各地を転々としているんだ。もちろんここを訪れたときだってある。そうだね―――関係といえば、『ここにレースでつぶれかかっているエンジンはないか』とか聞いてきたのが始まりだったな。」
霊「!!」
屠「フフ。驚くのも無理はない。デモカー専門だから、どんなエンジン扱っててもおかしくはないさ。」
霊「ここに来たってことは…。私のロードスターも?」
屠「もちろんそのつもりだけど。あなたにはちょっとテストというか、練習をしてもらいたいんだ。」
霊「練習?」
屠「ああ。うちでロードスターを改良している間、あなたにはうちのデモカーを使ってもらう。かなりパワーアップする予定だから、それを扱いきれなくても、駄目なんだ。あなたには最高の状態で今後のバトルに臨んでもらいたいんだ。」
霊「ここの―――デモカー?」
屠「ああ、着いてきて。」
屠自古に連れられ、第2ガレージに向かう。
そこで霊夢は唖然とした。昨日負けたシビックがあるのだ。
霊「え!?これって…。」
屠「そうさ。ちょうどデータ採ってる時に、あなたたちがいたから、足しにしたものさ。それで、急についてこなくなったから、何かあると思って、19:30ぐらいには千代さんを赤城の麓にスタンバイさせておいたのさ。」
霊「!!」
霊「それで…。いつから使ってもいいの?」
屠「もろん、今からだよ。ほら、これがキーだよ。」
屠自古の手元から、霊夢の手元にキーがわたる。
それを持ち、霊夢がシビックに乗り込み、エンジンをかける。
屠「あんたのロードスターもそれぐらいにするつもりでいるから、ちゃんと慣れておきなよ。それじゃ、行ってきな。」
霊夢がうなずく。そして、ガレージを出る。
霊(この感覚…。すごい。しっかりしたパワーチューンになってる。これなら奴に―――ぬえにも勝てると思う。)
そう思いながら、霊夢は帰路に就くのであった。
一方の屠自古は第1工場にいた。
屠「さーて、さっそく修理…といいたいところだけど。」
千「だけど?」
屠「今日はもう終わりにして、明日こいつをある場所に移動させる。」
千「どこに?」
屠「鳳凰が原因と言ったらわかる?」
千「全然。」
屠「はあ…。まあ明日明かすさ。今日はもう終わりにしようよ。」
千「うん。」
そういうと、千代と屠自古は、第1、第2ガレージの端にあるスイッチを押す。すると、ガレージのシャッターが下がるのだった。
――――翌日 7:30 博麗神社(仮)―――――
霊「さて…。行こうか、新たな相棒さん。」
そういうと、霊夢はサンドガレージに向かう。
――――午前9:15 サンドガレージ―――――
霊「おはようさん。レミリアさん。」
レ「おはようってどうしたの?今日は妙に早いじゃない。」
霊「速いって…。それでも遅れてるんだけだけどね。」
レ「あはは。(汗)それで、昨日はどうだった?」
霊「昨日は散々だった、とだけ言っておくわ。」
レ「ふーん。寝たの?」
霊「寝てるわけないでしょ。散々だったっていうぐらいなんだから。」
レ「あ、そっか。じゃあ持ち場について。」
霊「わかった。」
レミリアが社長室に入ると、電話が鳴っていた。
レ(あーはいはい今出ますよー。)
ガチャッ
レ「もしもし?どちらさま?」
文『射命丸ですが、レミリアさんですかな?』
レ「そうですが。で、ブン屋。何か用?」
文『寝ぼけてるんですか?バトルの申し込みですよ?』
レ「あ、うん。そうだったね。うん。昨日は霊夢のことが心配で全然眠れなかったのよ。」
文『なんか変なk』
レ「バトル申込み拒否すんぞコラ!(激怒)」
文『すみませんでした。』
レ「よろしい。で、バトルはどこでやるの?」
文『土坂でお願いします。』
レ「はいはい。土坂ね。」
文『ちょっといいですか?霊夢さん呼んでもらえます?ぬえさんが話したいって。』
レ「ぬえが?まあいいけど。」
――――数十分後――――
霊「もしもし、ブン屋?はやくぬえ出しなさい。」
文『ちょっと待っててくださいね。』
ぬ『よう。霊夢さん。』
霊「ムカつくいい方してないで、はやく要件言いなさい。」
ぬ『へいへい。今度のバトル、土坂でやるってことは聞いてるね?』
霊「ええ。レミから聞いてるわ。」
ぬ『そこの復路なんでけど、私と再戦してもらいたいんだ。』
文『え!?何いってるんですか!?復路は椛のはずですよ!?』
ぬ『椛のやつから連絡入って、『取材入っちゃったからいけなくなった』って。』
文『椛の野郎…。』
ぬ『言っとくけど、私はあれがバトルだとは思ってないから。あんた、あの時赤城走るの初めてだったんでしょ?』
霊「そうだけど。あ、あと私、乗り換えたから。」
ぬ『まじか。何にに乗り換えたんだ?』
霊「ひ み つ 。(ガチャッ」
次回予告
ぬえという名の壁。だがそれを乗り越えようとするから強くなるのだ。
車を乗り換えた今。もう怖くない。
上りだろうと下りだろうと、勝たなきゃいけないことには変わりないんだから―――。