VS針助戦開幕。
そして針助は、ハクのことについて語り始める。
「5.4.3.2.1.GO.」
2台がすり抜ける。
針(さて、まずは後ろから走りの把握からだ。どれだけやれるかわからせてもらう。話はそれからだ。)
魔(問題なのはあいつがどれだけやるか・・・か。)
もくもくとバトルを進める2台のFD。
第1セクションから第2セクションにかけて、上りが続く。さらにちょこまかと連続のコーナーが続くため、コースを覚えていなければ、確実に1つミスが出る。
針助はもちろん初見のコースで、コースを覚えてなどいない。だが、事前にプラクティスした魔理沙のペースについてくる。魔理沙はそれに怖さどころか、親しみさえ感じた。
魔「なんだろう…この感覚。妙だな。ハクが抜けて、おそらくこのFDも2,3割は遅くなってる。だからついてきたってそれほど苦じゃないんだ。でも・・変だな。」
針{いいか…。よく聞け。これはお前の脳に直接話しかけている。}
魔{…!!おまえ…そんなことできんのか?}
針{そりゃ、俺だって幽霊だからな。お前に取りつきさえすれば、そんなことも可能だな。}
魔{……!!}
針{で、ハクがカーナビだった理由。それはな…。}
――――――やつとは、ずいぶん前に出会った。
―――――何か普通なのに、魅力を感じる奴だったんだ。
―――――――俺はその時かられっきとした走り屋だったからかな。やつも走り屋になりたいって言ったんだ。
―――――その時ちょうど、やつの両親が死んだ。
――――――そして、少したってから、奴はなんと俺と同じFDを買ってきたんだ。
―――――――正直その時、びっくりしたんだ。
―――――――そして、ある日だ。俺は赤城山にハクがいるってことで、麓でスタンバイしてたんだ。…もちろん、付き合うためにな。これだけ長い期間一緒にいて、付き合ってないってのもあれだったし。
―――――その時、一台の車が上がっていった。車種は…たしかFDだったな。
―――――――そんでその後、奴は死んだ。崖から落ちて、検視の結果、即死だったそうだ。
――――――で、その知らせを翌日に聞いて、思いっきり泣いた。叫ぶように。
―――――その日の夜だった。突然、奴が現れて、こういったんだ。
――――「ねえ、針助君。」
―――――「な、なんだよ。いきなり。」
―――――「私、死んだのはわかるよね?」
―――――「あ、ああ。」
―――――「私のもとに来たいとは思わないの?」
―――――「は!!?」
―――――「だって、麓にいたんでしょ?あの時。」
―――――「な、何でそれを?」
―――――「幽霊になったんだよ、それぐらい当たり前じゃん。」
―――――「………。」
―――――「いい返事を待ってるよ。」
―――――――その後は…。わかるよな?俺はその日のうちに自殺した。
――――――俺は現実より、ハクを選んだんだ。
――――――本題に入ろうか。
―――――俺が幽霊となるとき、ハクがついてきてこう言ったんだ。
――――――「ねえ、ちょっとお願いがあるんだけど。」
――――――「なんだよ。」
―――――「私を生き返らせてくれる?」
――――――「は!?」
―――――「私、何かに取りついて、そこで生きようと思うんだ。それで、針助君には、取りつくところを見ててもらいたいんだ。というか、手伝ってほしい。」
――――――「そんなことで俺を誘ったのか!?」
――――――「そうだよ。(ニコッ)」
―――――「ま、しょうがねえか。で、ターゲットはもう決めてあんのか?」
――――――「あるよ。ほら、あそこの私のお姉ちゃんのFD。あそこに今夜中に取りつきたいんだ。」
――――「こ、今夜中…。わ、わかった。やるぞ。ほら。」
――――――「うん。」
―――――――それで、奴の姉。ハルのFDにあったカーナビに取りついたってわけだ。
魔{そ、そうだったのか…。}
針{どうだ?少しはあいつのことわかった気がするだろ?}
魔{ま、まあな。}
針(なら、行けるはずだ。)
針{このまま、下ってって、麓で折り返して、スタート地点に折り返すぞ。}
魔{おう。}
その後は、FDVSFDのバトルが続いた。抜きつ抜かれつのデットヒート。
3時30分くらいまで続いた。
―――――――午前3:34 土坂復路スタート地点―――――
ハク「どうだった?魔理沙。私のこと、少しはわかった?」
魔「ああ…。お前のこと、少しはわかった気がするぜ。ありがとな。針助。」
針「いいんだよ。ほら、手をつなげよ。」
ハク・魔「は?なにいってんの?」
針「ほら。」
いやいやながらも、2人が手をつなぐ。
すると、2人光り始める。
魔「な、なんだ、これ!?」
ハク「針助君何かしたの!?」
針「別に。」
数十秒すると、光るのが収まりその中から、一人の人物が出てきた。
それは、魔理沙でも、ハクでもなかった。
白っぽい魔女帽子に、銀髪の髪。ワンピースのうえに、前掛け。
それはまるで、ハクと魔理沙を足して2で割ったかのようだった。
白魔理「な、なんだ、これ!?なんか…。パワーが2倍になった気がするぜ!」
その瞬間、バッっとなって、白魔理が2つに分裂した。
魔「な、なんだったんだ?」
ハク「なんか…魔理沙と同じ景色が見えた気がする…。」
魔「あ、ああ。それじゃあ、今日もよろしくな。ハク。」
ハク「うん。」
するとハクの体はなくなり、魔理沙の黄色いFDに吸い込まれる。
そして魔理沙がFDに乗り込む。
朝が来る。山の外線には赤い光がかかっていた。
次回予告
朝が明け、昼が来て、夜が来る。
また来るVS文。
だが、もう前とは違う。
それを、見せる。
明日は卒業式でいろいろとあれなのでお休みします。