魔女の儀式は、その地方ならではのものだ。
こんなことは、本来ではありえない。だが、そこが魔女と人間の違いなのだと思う。
この話は、動画化の活動報告をする前に書いていたものです。
これからは、更新が超スローペースになります。首を長くしてお待ちいただけると、幸いです。
――――翌日 午後21:00 塩那峠頂上―――――
魔理沙は結局、昨日の夜感じたざらつきが何かわからなかった。
だが、アリスを見ると、すごくざらつきが激しくなった。
魔理沙は今、FDの中で気持ちを落ち着かせてる。
魔「まだざらついてる…。」
ハク「何を血迷ってるのさ。」
魔「やらなきゃいけないことはわかってるんだ…。」
ハク「やるしかない。そうでしょ?だったら全力でやってやろうじゃん。」
魔「ああ・・・・。やってやるさ。」
そういった魔理沙は、FDの中から出る。
霊「あ、魔理沙。どう?少しはましになった?」
魔「あぁ。少し…な。」
霊「やっぱり完全になおらない…か。」
魔「ま、でもやる気は出てきたから大丈夫だ。行けるぜ、レミ。」
レ「ええ。じゃあ行かせるわ。」
魔「じゃ、行ってくるぜ。」
霊「勝ってきなさいよ?」
魔「当たり前だろ♪」
FDに乗り、走り出す魔理沙。下にはいつも通り咲夜がいる。
FDが駐車場を出ると、レミリアがMRS側に行こうとする・・・が。
もうアリスのエボⅣの姿はなかった。
レ(あ…れ…?おかしいな…。)
――――塩那峠 ヒルクライムスタート地点―――――
2台のフロントライトがスタート地点に来る。
咲「お、魔理沙が来た。」
フ「あれ?もう1台来るよ?あれってアリス?」
咲「そうですね。」
FDとエボⅣが、進行方向に一度向かい、ターンして戻ってくる。
そして、咲夜とフランがいるところでぴたりと止まる。
魔理沙がFDから顔を乗り出して、咲夜に話す。
魔「なぁ…咲夜。」
咲「何?」
魔「さっきから気になってたんだが…。アリスから何か出てないか?」
咲「え?特に何も出てないけど・・・・。」
魔「そうか…。」
そういうと、魔理沙はFDから降りるそぶりを見せ、再び乗り込む。
すると、アリスも同じようなそぶりを見せる。それを見た魔理沙は、顔色が変わった。
魔(フッ。そういうことか。やっとわかったぜ。この気持ち悪さの意味。)
「いいぜ。咲夜。始めても。」
咲「え、ええ。それじゃ、カウント行きます!」
「5!4!3!2!1!GO!!」
エボⅣ先行、FD後追いでバトルが始まる。
勢いよくスタートした2台は、軽いコーナーをいくつか抜ける。
迷いがないFDの動きにも、アリスは動じなかった。せっかくの魔理沙とのバトルなんだから、私の本気絵おきちんと見せてあげないとね。そんな走りだった。
ハク「さすがにエボだね。結構速い。」
魔「そうか?私はそういう風に見えないけどな。」
ハク「どういうこと?」
魔「じきにわかるさ。こいつの『本当の姿が』な。」
ハク「……?」
2台は一つ目の折り返しに入る。
1つ前のコーナーを抜けたところから減速していった魔理沙に対し、アリスはコーナー前35M前ほどで急にブレーキをかける。
魔(あいつの走り方は…あんなもんじゃない。私とは紙一重の違いで、コナー出てすぐにブレーキかけるのが私で、10Mほどでブレーキかけるのがアリスだったはずだ。…ま、そんなことばかり気にしててもらちが明かないんだけどな。)
折り返しヘアピンの後は、中速セクションが3段目まで続く。
魔「ハク。じきに見えるといったが、もう見えてくるぜ。」
ハク「え?」
魔「次の折り返し、そしてそこからは岸壁から目を離すなよ。」
ハク「う、うん。」
中速セクションでアクセル全開にするFD。中間でエボが体制を崩し、その隙をついてFDが前に出る。
魔(さて…前に出れたのはいいが、問題はここからだ。とにかくもっと離しておこう。)
アクセル全開でコーナーをひょいひょいと抜けるFD。そして、2つ目の折り返しに入る。
ハク「ここから…?」
魔「ハク。融合できるか?」
ハク「いいけど…どうして?もう前に出てるよ?」
魔「私と同じ視線で見た方が分かりやすいし、もっと離しておきたいからな。」
ハク「う、うん。」
そう会話を交わすと、FDが光りはじめ、光の中から白いFDが現れる。
白魔「さて、攻めるか!」
(う、うん。)
アクセルを踏みこむ。当然前にぐんぐんと進む。
あっという間に3つ目の折り返しポイントに付く。エボがぴったりと張り付いている。
すると、折り返しのポイントの岸壁に、本来エボの中にいるべきアリスがいたのだ。
白魔(!!)
「分かっただろ?あいつはアリスじゃない。おそらくあいつの人形。蓬莱か上海だろう。」
(…え!?あれって…人形が操ってるの!?)
「そうとしか考えられまい。」
(た、たしかにそうだけど…。)
すると、アリスにも魔理沙の姿が見えたのか、折り返しの後、ブーストをかけたようにエボを加速させた。
白魔「やはり来たか…。だが、そっちの動きは想定済みだ!!」
FDが加速する。白いFDの加速はすさまじい。なにせ、VS文戦で体制を崩した文を速攻で置いてきぼりにしたほどだから。
――――3つ目の折り返しの岸壁。
パ「まったく。あなたも大胆なこと考えるわね。」
ア「当然よ。魔理沙と直接バトルだなんて、私にはまだ不向きだもの。」
パ「不向き?あなた、魔理沙を愛してたんじゃないの?」
ア「当然魔理沙のことは好きよ。実力でまだ追いつかないって面もあるし、私はこっち側のほうが速く走れるのよ。」
パ「ふーん。不思議なものね。実際に走るより、いいタイム出るなんて。」
ア「だから私はこう呼ばれるのよ。」
―――――『パペットマスター』ってね。
バトルはいよいよ終盤に入る。
スパートをかけたエボのペースに合わせて、FDも加速する。
当然、アリス(上海)のほうは人形のため、マスター以上のことはできないし、指示以上のことには対処しようがない。
アリスには、前を走るFDの姿は見えていた。だが、それ以上アリスはペースを上げなかった。
攻めて魔理沙とは正々堂々バトルしたい。私がこのエボに乗ってることがばれたって、それで魔理沙は降りて文句を言うような人じゃない。だから、私は私なりにやれることをやる。それがこのバトルで見出す、私なりの見解だから。
バトルはそのまま決着がついた。エボは永遠とFDの後ろをつけていた。
それで、アリスは満足だったのだろうか。正々堂々バトルするとは、どういうことなのか。はっきりとけりをつけたい魔理沙は、頂上に戻ってきた魔理沙に喝を入れる。
魔「アリス…。お前にとって正々堂々とはなんだ?」
ア「もちろん。こういうことよ。私は私にしかできないことをやる。それが私がこの世界でやる目的みたいなものなのだから。」
魔「ふーん。」
なぜか納得してしまった。
冷静に考えると、そうだ。私自身の考えを押し付けることはよくない。
むしろ、いろんな人のことを聞くことで、良いドライバーになれる。
そう理解したからだ。