僕は幻想郷に入ってはいけなかったかも知れない。 作:敗北勇者
「ほら、零悟。もう起きる時間よ?」
「ん......まだ眠いよ......」
「私と布団どっちが大事だって言うの!?永遠のアイハ......?」
「ああ、ごめん。もう起きるよ」
「おはよ♪零悟」
「うん...おはよ」
こんな毎日が続いている。
永遠の愛を誓ったので縄から解放され、こんな毎日が続いている。毎朝彼女のキスで出迎えられる。普通に可愛いので悪くないのだが。
彼女に愛され僕は幸せだ。
そういえば、まだ彼女の名前を紹介していなかった。彼女は霊夢。ここ、博麗神社の巫女だ。
普段は全く参拝者が来ないこの神社で彼女は、掃除をしたり、のんびりしたり、のんびりしたり。
しかも彼女は、霊力?とかいうものを使えるらしく、空をとんだり、尋常じゃないことをしている。
そんな彼女にせかされ、僕は朝食へ向かう。
まだ眠いんだが。
何もすることないのに、早く起きる必要はないと思うんだがなぁ。
「はい。朝食。美味しく食べてね♪」
「いただきます」
食事は霊夢が僕に食べさせてくれる。俗に言うあーんってやつだ。最初はガチガチに緊張していたが、いまでは馴れてしまった。朝御飯はごく普通の日本人の朝御飯。でもこれが一番落ち着くのだ。
「はい、あーん」
「ん、おいひいよ」
「そう。それはよかったわ。」
こんな感じで朝御飯を食べ終わり、
「ごちそうさま。」
「お粗末様♪」
「じゃあ私は人里いってくるから。はい。ここ座って。」
僕の体を慣れた手つきで縛る霊夢。
霊夢が人里にいくときは、帰ってくるまで縛られて座っていなければならない。
なんでも、逃げないように、と言うことらしい。
これが愛なら仕方ないな。
縛られて座ってる間、僕はやることがないので、寝ていることが多い。時々考え事をしたり。
しかし。最近、僕が座っていると外で音がするときがある。階段を上ってくる音や、なにかが、空から滑空してくるときの空気の音など、今まで聞こえなかったような音が聞こえている。
あるときは、障子の隙間から、黄色がちらっと見えたりだとか。この神社に黄色は少ない。参拝客が来ているのだろうか?
「じゃあ、いってくるわね♪」
「いってらっしゃい」
行ってきますのキスと共に霊夢は出ていった。
神社が静かになったとたん、猛烈な眠気が襲ってきた。
そのまま僕は眠ってしまった。
ガタガタガタガタガタン!
その大音量で僕は目が覚めた。
うるさい。せっかく人が安眠してたのに。
誰だこんどは?
と、涼しい風が流れ込んできた。
僕が目を開けると、目の前には大空がって...何で障子破れてんの?
しかし、その疑問は、目の前にたった人を見た瞬間、雲散霧消した。
黄色い髪に、黒と白を基調とした帽子。手には魔法使いよろしく箒が握られていた。
「......誰?」