DATE A LIVE ZERO   作:LBW

1 / 1



どうも、初めての人は初めまして。ぐだぐだやって行きます。


とある人間の前日譚

 

 

 

 

その身体は血の海に沈んでいた。

その身体はもう「無い」筈だった。

その身体は至る所に傷があり、そこから血が垂れ続けている。

その身体に反応はない。

その身体は止まる事を知らない。

その身体は「死」を求める。

その身体は、

その身体は。

縺昴?霄ォ菴薙?縺昴?霄ォ菴薙?縺昴?霄ォ菴薙?縺昴?霄ォ菴薙?縺昴?霄ォ菴薙?縺昴?霄ォ菴薙?縺昴?霄ォ菴薙?縺昴?霄ォ菴薙?縺昴?霄ォ菴薙?縺昴?霄ォ菴薙?縺昴?霄ォ菴薙?縺昴?霄ォ菴薙?縺昴?霄ォ菴薙?縺昴?霄ォ菴薙?縺昴?霄ォ菴薙?縺昴?霄ォ菴薙?縺昴?霄ォ菴薙?縺昴?霄ォ菴薙?縺昴?霄ォ菴薙?縺昴?霄ォ菴薙?縺昴?霄ォ菴薙?縺昴?霄ォ菴薙?縺昴?霄ォ菴薙?縺昴?霄ォ菴薙?縺昴?霄ォ菴薙?縺昴?霄ォ菴薙?縺昴?霄ォ菴薙?縺昴?霄ォ菴薙?縺昴?霄ォ菴薙?縺昴?霄ォ菴薙?縺昴?霄ォ菴薙?縺昴?霄ォ菴薙?縺昴?霄ォ菴薙?縺昴?霄ォ菴薙?縺縺縺縺縺縺縺縺縺縺縺縺縺縺縺縺縺縺縺縺縺縺縺縺縺ーーーー

 

 

ーーーーまだ、終わらない。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーー

《とある人間の前日譚》

ーーーーーーーー

 

 

 

 

 

6月13日

 

朝起きてベッドから降りて背を伸ばす。それから、カーテンを開けて顔を洗う。

その時、ふと鏡に映った自分の姿が見えた。

 

(本当に嫌になる。)

 

鏡に映る自分は白の様な、銀の様な髪色をしていて目も同様に目も灰色。そしておまけに肌まで病的に白く、中々日本では見ない色をしていた。所謂、アルビノという奴だ。さらに、顔は中性的で女装してもバレない位の美形だったのだが、これを彼はあまり好んでなかった。

 

溜息をつきながら朝食を摂り、登校する。その時、ふと昨日見た夢を思い出した。

 

血の海に浮かぶ肢体、その体を抱き抱える女性と短銃を構えるゴシックドレスの女性..........あれ、女性にしか囲まれてないや。

あと、もう一人誰か居たような........まぁ、気のせいか。

 

そんな事を考えてる内に学校に着き、『2-A』と書かれた教室に入った。

ドアを開けると、がららとローラーの音が鳴り、教室へと一歩を踏み出す。すると、教室で談笑していた生徒達が一斉にこっちを向いた。

 

..........この見た目だからだろう、こんなにも怪奇の目を向けられるのは。正直、この視線はいつまで経っても慣れることも無くやっぱりキツい。

それに、元々僕は目立つのが嫌いだ。これで自分が目立ちたがり屋だったらどれ程良かった事だろうか...........。

兎も角、僕はこのいつまで経っても視線のせいで毎日憂鬱になってしまうのだ。

 

「ハァ........」

 

軽い溜め息をつくと、また鬱と疲労を意識してしまい肩が重くなって来た。

席に着くとBluetoothのイヤホンをつけて突っ伏した。目を閉じて流れてる曲に耳を傾けてみると、J-POPのアップテンポな曲が聞こえてくる。

 

「ーーーぇ。」

 

僕の聴いている曲は、雑食と言えるほどに統一感がない。因みに、今聴いてる曲は某恋愛アニメの主題歌だ。やっぱフレデリ◯クいいよね。

 

「ねぇ!」

 

すると肩を軽めに叩かれたので、上体を起こしながらイヤホンを外して横を見ると黒髪の女子生徒がこちらを見ていた。えっと........名前は確か........。

 

「まだ寝ぼけてるの?」

 

「..........えーと、誰だっけ?」

 

言ってしまった。寝ぼけてて余りにも名前が出てこなかった。

 

「もう、忘れたの?『山打 紗和』だよ?」

 

「.........あー、そうだ。山打さんだ。えーと、何か用?」

 

目をパチパチさせる僕がそう言うと彼女は呆れたように溜め息をついた。何かやらかしたっけ?

 

「あのね、今日は日誌の提出日でしょ。出してないのはあと貴方だけだよ?」

 

「あ、そっか。ごめん。」

 

めんどくさい、とか内心思ってる事は口に出さずに100%作り笑みで日誌を出して紗和に渡した。

すると、あろう事か彼女は僕の日誌を開いて読み始めた。

 

「『6月12日、今日はクソほどつまらない実習授業があった。』」

 

「ちょっとぉ⁉︎」

 

さわから にっしを とりかえそうとした!▽

 

しかし よけられてしまった!▽

 

「『更には先生が二人一組でグループを作れと言ってきた。人数が奇数なのを知ってての事だろうか。』」

 

「あっちょ、モウヤメルンダ!」

 

「『お陰で、一人余ってしまって白い目で見られてしまった、ちくせう。』」

 

「モウヤダ.......コロシテ」

 

さわ の こうげき は こうか は ばつぐんだ!▽

 

ぼく は めのまえ が まっくら に なった!▽

 

「まったく、これに懲りたらちゃんと出してね?」

 

「ハイ......」

 

このやり取りは、彼と彼女が毎朝やってる事であり、周りの生徒はこれを見て、「あ、またやってる」と思われてたりする。

 

それから彼は、人に日誌を見られた羞恥心と、本音という名の愚痴を他人に聞かれて周りの人の視線に耐えられなくなり、真っ赤になった顔を隠すように机に突っ伏した。

 

因みに、本人は周りに白い目で見られてると考えているが、実際はカップルを見るようなあったかい目で見られているという事を彼はまだ気付いて居ない。

 

 

 

 

 

 

時間が過ぎて昼休み。

 

「はぁ.......」

 

本日何度目になるか分からない溜息をつく。因みに、今は屋上で缶コーヒー片手に弁当のフランスパンに噛り付いている。

いつもなら周りにはいくつかのグループがある筈なのに、今日に限って屋上には自分一人しか居なかった。

 

にしても本当に碌な事が無い、彼女はいっつもそうだ。そもそもとして僕は目立ちたく無いのに、彼女は執拗に突っかかって来る。ほんと何なんだ、アイツはストーカーか何かか?

 

「ハァ〜.........」

 

もう一度溜息をつく。そして今朝の視線を思い出して胃が痛くなってくるのを感じた。

それから数分、耳にイヤホンをつけて3つ目のパンの袋を出そうとした所で屋上のドアが開いた。

 

「ちょっと、よろしくて?」

 

女性の声がしたので、そっちの方を見ると眼帯をつけた黒髪の少女がいた。顔立ちは端整で、十人中十二人は美しいと答えるであろう容姿だった。そういえば名前は........

 

「えっと......」

 

「『時崎 狂三』ですわ。」

 

「あぁ、狂三さんだ。んで、僕に何か用?」

 

「いえいえ、紗和さんと仲睦まじくやってる人がいると噂で聞いたので。その人を見に来ただけですわ。」

 

その言葉に少しイラッとした。何だよそれ、僕はそんなに話題になってるのか?

少しだけ不機嫌になった僕は、狂三に背を向けてパンに噛り付いて答えた。

 

「はぁ。んで、見てみた結果どうだった?」

 

「とても私好みのお方でしたわ、そうーーーー

 

 

 

ーーーー食 べ ち ゃ い た い く ら い に

 

 

 

背筋が凍るとはこの事か。いつの間にか、狂三は僕の肩に手を置いていて、僕の耳には息が掛かっていた。

 

「ッ⁉︎」

 

慌てて狂三の手を振りほどいて振り返れば、もうすぐそこに狂三の顔が車内の比じゃない距離にあった。

かなり慌ててる僕の様子を見て狂三は「きひひ」と笑った。

 

「とても初心な反応をなさるのですね?」

 

「.......そりゃそうだ。自慢じゃないけど、この見た目のせいで余り女子と話した事がないからしょうがないだろ。」

 

「あらあら、そうでしたの。」

 

そしてまた彼女は「きひひ」と笑って、僕から離れていった。

そのまま歩いて、屋上からのドアに手を掛けてから呟いた。

 

 

あまり、紗和さんを困らせないで下さいまし。」

 

 

本日二度目の底冷えするような声で言うと、屋上から出ていった。

自殺防止用のフェンスを背もたれにして、そのままずり落ちるようにして座る。

緊張してたのか額から大粒の汗が一筋垂れた。

 

「...........分かったよ。」

 

天を仰ぎながら呟いたその一言は群青へと吸い込まれていった。

 

 

 

 

 

放課後.......いや、本来ならば5時限目の途中だったのだが、狂三に色々言われてから授業を受ける気も失せてしまい、頭痛(サボり)で早退した。

 

「ハァ...........」

 

やっぱり溜息しか出ない。というか今日は溜息しかついてないような気がする。憂鬱だ、憂鬱が過ぎる。怠い、疲れた。

そんな呪詛を頭の中に思い浮かべながら俯いてふらふら歩く。すると、そんな事しか考えてなかったせいで誰かとぶつかってしまった。

 

「あ、すいませーーーー」

 

と、そこまで言ってから上を見上げるとガタイのいい不良とその取り巻きが立っていた。

 

あぁ、

 

「ア?なんだテメェ?」

 

本当に

 

「オイ!笑ってんじゃねぇぞ!」

 

憂鬱だ。

 

「なんか言えよ!コラ!」

 

瞬間、体が吹っ飛び、何かのコンクリートの壁に打ち付けられ、そしてそのまま、不良達に蹴られ続けた。

 

「がっ、ぐぁっ」

 

「おら、何か言ってみろよ!」

 

そう不良は言うとブレザーの襟を掴み、僕を締め上げた。

 

「...........」

 

「.....無言かこの野郎!」

 

そしてまた蹴られる、蹴られ続けた。

 

 

 

***

 

 

 

「ちっ、もう行こうぜ。」

 

あの後、裏路地に連れて行かれて、そこでも蹴られたが不良達も飽きたようでもう何処か行った。

そして独り取り残された僕は大の字になって寝っ転がるとボソッと呟いた。

 

「ほーんと、嫌になる。」

 

朝から周りの奇怪な物を見る目でみられて、どうでもいい奴にしつこく言われて、更にその自称友達とかいう奴から脅迫紛いの事をされて、最後にリンチと来た。本当に憂鬱だ。

...........あれ、でもこれ考えたら半分程僕のせいじゃん。ははっ、自覚したらしたでもっと憂鬱になって来た。

 

などと今までの事を考えながら起き上がると、視界の端に赤く煌めく宝石を捉えた。

 

「何だこれ。」

 

さっきの不良が持ってた物だろうか。いや、不良が持ってる物なのだろうか?

そう思いつつ、手に取るべく、宝石に手を伸ばした。

 

 

 

 

 

 

 

 

思えば、この時始まったのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

僕こと、月城 鈴音(つきしろ すずね)の話が。

 

 








...........ありがとうございました。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。