機動戦士ガンダムSeeD DESTINY~ANOTHER DESTINY~ 作:Pledge
もう12月。まさに、光陰矢の如しですね。
皆さん、風邪やインフルエンザにはお気を付けください。
私は極力家から出ないことで、予防に努めています。
今話ですが、あまり長くなるのもどうかと思い、途中で切りました。
今回も、楽しんで頂けたら幸いです。
レオハルトはやや長めのヴァジュラを構え、
だが、
最初の斬り結びで
「ちいっ!」
「逃がさん!」
だが、そんなことは開発に多少なりとも関わったレオハルトなら百も承知。単純なパワー差で敵を押し切り、撃墜。鹵獲できれば尚良いのだが、欲張り過ぎても良くない。
内心そう考えながら、レオハルトは
「こいつ!くそっ、アウルッ!!」
その間もレオハルトが振ったヴァジュラをシールドで防ぎ、わずかに後退しサーベルを受け流す。お返しとばかりに右手のヴァジュラを振る。
だが、レオハルトは機体を時計回りで回転。振り下ろされたサーベルを回避すると同時に、右脚で
衝撃で機体が吹っ飛び、コックピット内も激しく揺さぶられパイロットも苦悶の表情を浮かべる。レオハルトは回し蹴りを喰らわせ右脚が地面に着くと同時にスラスターを噴射。
転倒した
レオハルトは
「何やってんだよ、スティング!」
「うるせぇ!」
距離を取ったOURANOS《ウラノス》に、
レオハルトはサイドステップで回避。だが、
レオハルトは後方に下がりつつヴァジュラを収納して空いた右手に、サイドスカートにマウントしていたビームライフルで
「くそっ、どうなってんだ!こいつも、あいつも!新型は3機だろう!何の情報も……!!」
新型は3機。彼ら強奪犯が新型機がここにあること、3機は存在すること。一体どこから情報を得たのか定かではないが、何故か
謎は多いが、想定外の事態に
時間は少々戻り、
同じように、
シンは両手の“MMI-710 エクスカリバー レーザー対艦刀”を柄の部分で連結したアンビデクストラスフォームと呼ばれる形態を取り、
初撃はサイドステップで回避されるが、シンはエクスカリバーを振り回すと振り下ろしたのは逆のエクスカリバーで
だが、
宙で1発、着地したところでもう1発撃つが、
MA形態においては砂漠や密林での高い運動性、悪路走破性を駆使した一撃離脱戦法や対艦戦闘、近距離戦闘を得意とする。
四脚歩行形態の元となったTMF/A-802
「何!?」
まさか向かってくるとは思ってなかったのか、
背部に2門装備された“MA-81R ビーム突撃砲”を発射。再びシンは左腕のシールドで防ぐと、右手のエクスカリバーを投擲。
投擲されたエクスカリバーは
「こいつ!」
強力な攻撃を防いだ衝撃で機体が吹き飛ぶ中、
「シン!命令は捕獲だぞ!分かっているのか、あれは我が軍の!」
「分かってます!でも、逃げられるくらいなら撃墜しますよ!機密漏洩と比べるまでも無いでしょ!」
その時、交戦するシンに通信がつながる。サブモニターに黒服の男が映し出されると、シンの撃墜を前提とした行動に注意が入る。
だが、シンの返事は焦りからか早口ではあるものの、非常に現実的な答えだった。
以前、シンたち3人はレオハルトによるMS教練を受けていた。当然ながらそれだけではなく、レオハルトは自分がこれまでに培ってきた知識や技術などを可能な限り3人に教えた。
無論、レオハルト自身もそれが必ずしも正しいことだとは思っていない。人間の数だけ違う考え方があるのだから、理解し納得したものだけを自分の中に落とし込むように、ということは伝えている。
レオハルトの言葉を、シン自身が理解し納得したものを自分の中に落とし込んでいった結果、今のシンに落ち着いたということなのだろう。
シンの言葉にたじろく黒服の男。シンは話は終わったとばかりに通信を切ると、再び
そして同時刻。
依然として、
レオハルトは敵のことを内心ながら称賛する。少数で敵地に潜入し、初見のMSを使う。これは極めて難しいことだろう。
だが、敵のパイロットたちは【プラント】の最新鋭のMSを使いこなしている。恐らく、並のコーディネイターより能力は上。ヘタすると、パイロットに内定していた人間より巧く使っているのではないかとさえ思ってしまう程だった。
個人の能力は高いが、連携の腕はまだまだ未熟と感じていた。現に、
「しつこいってんだよ!」
「アウル!」
急速に接近してきた
レオハルトはブラインド攻撃に少々驚きつつも難なく回避。苛立ちが募ってきているとはいえ、未だに連携は忘れていないようだった。レオハルトは狙いがやや外れていることを残念に思いつつ操縦桿を倒す。
レオハルトはシールドを投げ捨て左手でヴァジュラを抜剣すると、左の操縦桿を倒し
レオハルトが上に視線を向けると、ヴァジュラを手にした
「っ!」
レオハルトも同じようにヴァジュラをぶつけ防ぐと、いつの間にか
「アウル!」
「もらったぁーっ!!」
再びコックピット内に鳴り響くアラート。だが、レオハルトはこの状況でも冷静だった。すでに
レオハルトはビームライフル手放し、右手にもヴァジュラを抜くと
「なっ!?」
「こいつ!?」
通常のMSに比べて大きい出力を持つ
その時、
攻撃範囲が広いという目的通り、3機編成でやってきた
だが、さらにその後ろからはまた別の編隊を
「スティング、次から次へと
「……くそっ!」
その時、アーモリーワン全体が激しく揺れ振動する。
一同は驚きつつも、揺れの正体にレオハルトはいち早く気付いた。
「(外からの攻撃?港か。まさか、こいつらの友軍?)」
レオハルトはこの揺れが外からの攻撃であると同時に、もしかして強奪犯の仲間なのではないかと推理する。
実際にレオハルトの推理は当たっており、港が攻撃され大爆発。港に駐留していたナスカ級やローラシア級は大損害を被り、港が復旧するまではかなりの時間を要するほどの被害を受けていた。
そんな中、【プラント】側の人間とは違い強奪犯はこの揺れに別の意味を見出していた。
「スティング、今の」
「ああ、お迎えの!時間だろ!?」
「遅刻。置いてかれるぜ?」
「お前も手を貸せ!こいつが!!」
今の爆発は強奪犯たちにとって、迎えの時間を知らせるアラーム音の様なもの。かなり荒っぽい方法ではあるが。
今までレオハルトは時間を稼いで友軍の到着を待ち、数で包囲し撃墜または鹵獲しようと考えていた。だが、今の揺れでレオハルトはその考えを改める。
今までは隠れていたであろう強奪犯の友軍が恐らくは港を攻撃し、我々の追撃を潰した。つまり、もうこれ以上はこの宙域に長居するつもりは無い。レオハルトは敵の撤退の意を感じたのだ。
ならば、友軍の到着を待っている時間も無い、とレオハルトは考え撃墜の確たる意思を持って攻勢に移る。
「アウル、離脱するぞ!援護しろ!ステラ、そいつを振り切れるか!」
「すぐに墜とす!」
今まで以上の激しい攻撃で
だが、ここで焦って攻撃を急いては離脱されるだけではなく、自身の撃墜の可能性もある。シンは多少の焦りを覚えつつも、
そして
すると、
だが、
「!」
レオハルトが目を見開いて驚いた瞬間、ビームが発射される。驚いたとはいえ、レオハルトは冷静さを失ったわけではない。
レオハルトは首を傾けて回避すると、
「(
「(ちいっ!この新型、厄介だな。攻撃が巧く躱される。こいつを墜とすのは骨だな)」
やや直情的な傾向が見られる
両者が考えていることは同じ。手強い、ということだった。
その頃、
「墜ちろーっ!!」
シンは
再び建物の陰から出て来た時にはMS形態へと戻り、振り下ろされたヴァジュラと
「くっそーっ!!」
シンは左手にしていたエクスカリバーを突き刺そうとするが、
そんな
「ステラ、もういい!離脱だ!!合流しろ!!」
「墜ちろ!墜ちろ!墜ちろーっ!!」
「じゃあ、お前はここで『死ね』よ!」
「っ!?」
「アウル!この馬鹿野郎!!」
「しょうがないじゃん。止まんないんだから」
その様子にイライラが爆発したのか、
「くそっ!!」
理由は分からないが突然動きを停止した
だが、
「ステラ!!」
「死ぬ、いや……。死ぬのはダメ……。いやぁあああああ!!」
表情は蒼白になり両手で身体を抱きしめうわ言の様に呟いていると、突然悲鳴を上げ
「結果オーライだろ?」
結果が良かろうと、過程が最悪ではないかと。
だが、今はそんなことを考えている余裕は無い。眼前には厄介な新型がおり、視線をずらすと
すでに作戦予定時刻は大幅に過ぎ、恐らくは友軍も守備隊と交戦をしているはず。可能な限りこの場を速やかに脱出するため、
レオハルトはやや焦りを覚えつつ、自身と対峙する
今話もご覧頂きありがとうございました。
恐らく、2019年の更新は今回で最後になるかと思います。
非常に遅い更新速度の作品ではありますが、2020年もご覧頂ければと思います。
少々早いですが、皆さんよいお年を。