機動戦士ガンダムSeeD DESTINY~ANOTHER DESTINY~ 作:Pledge
少しずつ書いて蓄積したものが、ようやく形になりましたので更新させて頂きます。
未だに凍結中ということにさせて頂いているのですが、これからもこのような感じで更新することになってしまうと思います。
最悪、本当に完全凍結ということもありますので、これからも作品のタイトルには凍結中の文字を付けてさせて頂きます。
それでは、久し振りの話ではありますが、お楽しみ頂けたらなと思います。
レオハルトとシャムス・ミューディーら二人との戦闘は、【アルカナム】指令室でモニタリングしていた。
ハインラインやコートニーが見守る中、レオハルトが苦戦を強いられているのは明らかだった。
「リベラント隊長が苦戦するとはな。敵も機体、パイロット共にやるようだな」
「敵の機体、
「こんな微妙な時期に仕掛けてくるとはな。恐らく、正規軍ではあるまい」
「どういうことですか?」
ハインラインとアジモフが二人で考察していると、隣にいたコートニーがハインラインの言葉に質問を投げかける。
「正規軍がこんな無茶なことはせんだろう。万が一何かあっても切り捨てられる、非正規の部隊だろう」
「狙いは、やっぱり……」
「リベラント隊長も言っていたが、【NJC】しかないだろう。(だが、この場所がこれほど正確に……)」
コートニーの質問に答えつつ、ハインラインは極秘である【アルカナム】の存在・位置が敵に知られていた事実に驚きを隠しきれない。
【アルカナム】の存在を知っているのは、【プラント】でも極一部。【WIA】長官の座に就いたレオハルトでさえ、今回の任務をきっかけに知ったくらいである。
「(奴らの目的は十中八九、【NJC】。ならば、静かに近付き潜入した方が確実のはず。入り口が分からなかった?リベラント隊長が出撃した今、港の場所に大体の見当は付いたはずだ。だが、敵艦に動きは無い。どういうことだ)」
ハインラインが敵の狙いに疑問と不信感を抱いている時、レーダーに注意を払っていたオペレータの一人が焦った様子で声を張り上げる。
「敵艦よりMS発進!機影一です!!UNKNOWNです!」
「何だと!?」
「こちらにまっすぐ向かってきます!」
「(……まさか!敵艦の攻撃、敵のMS出撃。すべて陽動ということか!?ならば、今回の襲撃は……!)」
ハインラインが思案している間、オペレータのその言葉を聞いたコートニーは踵を返した。
「どこに行く」
「出撃します」
「機体が無い。……まさか、ザクで出る気か!?」
「そうです」
ハインラインの問いかけに、コートニーは背中越しに短く答える。その答えは、ハインラインが予想した通りのものだった。
だが、それは自殺行為でしかない。
「あの機体は【NJC】あってこその機体だ」
「賭けです。機体に【NJC】を搭載していないことが解れば、ここには無いと思い撤退するかもしれません」
「そんな保証は無い。分が悪すぎる賭けだ」
「そうだとしても、それに賭けるしかありません。【NJC】を渡すわけにはいかないのですから」
そう言い残し、コートニーは駆け出し格納庫に向かった。コートニーは格納庫に居たクラークに声を掛け、出撃することを告げる。
「無茶を言うな!死ぬつもりか!?」
「死ぬつもりはないです」
「……どうなっても知らんぞ!」
クラークはヤケクソ気味にそう言い放つと、部下たちに出撃準備の指示を出す。その間にコートニーは手早くパイロットスーツに着替えると、【NJC】が取り外された量産試作型ザクのコックピットに飛び込む。
「コートニー・ヒエロニムス、発進します!」
レオハルトが出撃した場所と同じハッチが開き、そこから灰色のザク量産試作型が飛び出す。コートニーはすぐに【PS装甲】を展開すると、灰色だった機体カラーが瞬く間に黄色へと変化する。
「敵機、確認。……事前情報と機体が酷似。目標機体であると推定。スウェン・カル・バヤン、敵機の鹵獲を開始する」
スウェン・カル・バヤン。シャムスやミューディー同様、【アクタイオン・プロジェクト】で開発された最後の一機に搭乗する、最後のパイロットである。
階級は中尉であるためか、シャムスやミューディーたちの指揮官的立場にある。
性格は感情が無いに等しいほど乏しいが、強制的に受けた洗脳教育と特殊訓練で培った技術によりその戦闘能力は、ナチュラルは当然ながら一般的なコーディネイターを凌ぐ実力を持つ。
そんな彼の搭乗機体は、【アクタイオン・プロジェクト】によって再生産されたI.W.S.Pと呼ばれた特殊武装を装備した
他の二機と同様、
「こいつも新型!うまくいってくれよ……!!」
コートニーはそう叫びながら、背部のバックパック両脇に一対で装備されていた“大口径レールガン”を発射する。
だが、スウェンは難なく避けると
この装備は一般的なビームライフルが単発式なのに対し、連射性能を重視して開発されており重心を拳銃程度のサイズにまで切り詰められている。これによって収束率の低下は免れなかったが、ノワールには何の問題も無い。
“ビームライフルショーティー”から連射されるビームが、コートニーに襲い掛かる。コートニーはすぐさまその場を離れるが、スウェンは銃口の向きを変えコートニーを追尾する。
スウェンは“ビームライフルショーティー”の攻撃を止めると、背部のウイング内側に装備されている“MAU-M3E4 2連装リニアガン”を発射。
この武装は近接戦闘を主眼に置いたノワールの特性に合わせ、近距離での破壊力向上を目的とした弾体の高初速化・高速連射性能・省電力化に重点が置かれている。
目的通り、高速でコートニーに飛来していくリニアガン。コートニーは唇を噛み締めると、左手にしていたシールドでリニアガンを防ぐ。衝撃で後ろに吹っ飛びつつも、コートニーはスウェンへと視線を向ける。
だがその時には、スウェンはノワールの90tを自力飛行させるほどの揚力を生み出すウイングを存分に生かし、コートニーとの距離を一気に詰めにかかる。
「くそっ!」
“MR-Q10 フラガラッハ3ビームブレイド”を両手に携える敵を見てコートニーは舌打ちをすると、自身も背部のバックパックから“DFX25高周波ブレードトマホーク”と名付けられた近接武器を手にする。
右から振り下ろされたフラガラッハを避け、コートニーは反撃とばかりにブレードトマホークを横薙ぎに払う。だが、その攻撃は軽く避けられてしまうとスウェンは機体を逆時計回りに回転させ左手のフラガラッハを下から上へと振り上げる。
だが、コートニーはその攻撃に何とか反応し機体をわずかに下げることで回避。至近距離から“大口径 レールガン”を発射。だが、その時にはすでにノワールは離脱しており、ビームライフルショーティーの雨がコートニーを襲う。
「(速い……!!)」
コートニーは“対ビームシールド”を正面に向けながら後退しつつ、敵の速さに苦慮する。コートニーは視線をコンソールへと向けると、エネルギーゲージはすでにイエローゾーンだった。
「(残り、5分!)」
コートニーは再び敵に意識を集中すると、トマホークを収納し再びビームライフルを手にして応戦するため集中するのだった。
コートニーが出撃したことは、離れた場所で戦闘していたレオハルトの元にハインラインから通信が入る。
「リベラント隊長!ヒエロニムスがザクで出撃した!」
「何!?【NJC】が外されたザクでか!」
「ああ!現在、敵の新型と交戦中だ!だが、エネルギーがあと5分しか保たん!救援に向かってくれ」
「ちいっ!!」
ハインラインからの言葉にレオハルトは苦々しい顔で舌打ちをすると、ビームサーベルで斬りかかってくる
「いい加減に!!」
「墜ちろ!!」
攻めているのに決定打が無く、ギリギリのところで防がれ反撃を喰らう。そんな状況にシャムスとミューディーは苛立ち始め、二人の攻撃は徐々に精彩を欠き始めていた。
瞬間、シャムスとミューディーの喉を食い千切る為に砥ぎ続けたレオハルトの鋭い牙が、シャムス・ミューディーに襲いかかる。
レオハルトは“ジェガ”と“ミスラ”で敵との距離を離すと、焦れたミューディーはビームサーベルを手にブースターを噴射し距離を詰めてくる。
レオハルトの瞳が妖しく輝きを放ち始めると、レオハルトは持っていたシールドをミューディーに向けて投擲する。続けざまに、レオハルトは投擲したシールドに“ジェガ”の引き金を引く。
発射されたビームはシールドに当たると兆弾のように進行方向を変え、その先にいるシャムスに飛んでいく。
「なっ!?」
始めて見る攻撃方法にシャムスは目を見開き驚くが、すぐに回避行動を取る。
「シャムス!?」
「バカ!前だ!!」
「!?」
シャムスを案じそちらへと視線を移すミューディー。だが、シャムスに言われ正面に視線を戻すと寸前までレオハルトが迫っていた。
レオハルトが振り下ろした“インティ”をシールドで防ぐミューディー。ミューディーは“スコルピオン”を発射し撃破を狙う。
レオハルトはわずかな機体の動きだけで回避すると、“94mm高エネルギービーム砲”を構えるシャムスに“ジェガ”で再び自身のシールドに向けて撃ち、再び兆弾攻撃。
続けて、“インティ”を投擲。投擲された“インティ”は、吸い込まれるように“94mm高エネルギービーム砲”に突き刺さった。
寸前でシャムスは“94mm高エネルギービーム砲”を手離すことで自機への被害を抑えると、爆炎でふさがかった視界に舌打ちをする。
「なっ!?」
爆炎でふさがった視界から、突如としてレオハルトが現れる。“ジェガ”を腰にマウントし、右手の指先から“MA-XM434 アムルタート ビームクロー”を収束した状態でシャムスに斬りかかる。
シャムスは反射的な動作で操縦桿を引くと、“350mmガンランチャー”“M9009B 複合バヨネット装備型ビームライフル”を連射しながら距離をとる。
だが、レオハルトは次々と飛んでくる“350mmガンランチャー”を細かい機動で左右に動きながら避けつつなおもシャムスと距離を詰めて行くが、左から猛スピードで斬りかかってくるミューディーに気付くと、レオハルトは操縦桿を限界まで引き戻し、機体に急激な急制動をかけ機体を停止。
「!? ちいっ!!」
レオハルトは“アムルタート”で
だが、引き金を引いたときにはそこにはすでにレオハルトの姿は無く、距離を取りビームライフルを向けるレオハルトにミューディーはビームガンの引き金を引いた。
間断なく浴びせられるビームの嵐。さらには、その攻撃にシャムスも加わり激しい攻撃を行う。
「・・・・・・」
一度すべてのスイッチをオフにし、その後まったく別のスイッチをオンにしただ目の前の敵を討つためだけにMSを動かすレオハルト。
前回の大戦の際、完全覚醒した【|Origin〈オリジン〉】。紅と金のオッドアイに変化したレオハルトの瞳。敵の動きを細かく観察し、敵の攻撃を難なく回避していくレオハルト。それはまさに予知とも言える程だった。
シャムスとミューディーによる見事な連携の攻撃に対し、完璧な回答を持つレオハルト。レオハルトは右のフットペダルを軽く踏み込み操縦桿をわずかに押し出すと、機体が側転のように横移動しつつレオハルトは引き金にかけた人差し指を四度引き絞る。
連続で発射されたビームは二発ずつそれぞれに向かっていく。ミューディーはシールドで防ぎシャムスも寸でのところで避けるが、レオハルトは操縦桿を限界まで押し込みフットペダルも強く踏み込む。
機体の各所に装備されたスラスターが火を噴き敵との距離を一気に詰めると、右肩上部に装備されている“350mmガンランチャー”を斬りおとした。
「くそがぁ!!」
距離がほとんど無いレオハルトに向けて、シャムスは“220mm多目的ミサイル6連装ポッド”を発射した。レオハルトはそれ以上の追撃はせず、向かってくるミサイルを“MMI-GAU2ピッキオ 78mm近接防御機関砲”で撃ち落していく。
再び爆炎で失われる視界。また爆炎からの突然の攻撃を予想し、シャムスは気を張る。だが、次の瞬間に通信機から聞こえてきたのはミューディーの悲鳴だった。
「ミューディー!!」
爆炎に突っ込み視界が晴れた先でシャムスが見たのは、“アムルタート”で左腕を斬り落とされた
レオハルトは先ほどと同じ、高速機動でミューディーに接近し“アムルタート”で左腕を斬り落としたのだった。
「何なのよ、こいつ!!さっきまでと動きが!」
「コーディネーターがぁっ!!」
両肩の装備を失いつつも、やる気は十分のシャムス。残った武装でミューディーを援護し、レオハルトを追いやるシャムスはミューディーの隣に並び立つと、二人は目の前の敵を憎々しげに睨み付ける。
そして、シャムスは目の前の敵を討たんと引き金に掛ける人差し指に力を込めようとした瞬間、暗闇の宇宙に発行する物体が打ち上がる。
「撤退信号!?スウェンが失敗したのか!」
突然の撤退を表す信号にシャムスは疑問を浮かべ、別働として動いている友軍の失敗を予想する。だが、その別働として動いていた友軍から通信が入ると、その言葉を聞きシャムスは苛立たしげに言葉を返す。
「・・・・・・ちっ、あぁ分かった!ミューディー、退くぞ!」
「スウェンが失敗したの?」
「いや、“スピア”はここには無い。ホアキン中佐の命令でもある!撤退だ!」
シャムスは唇を強く噛み締め苛立たしげに吐き捨てるようにそう言うと、機体を反転させ離脱していく。その後にミューディーが続く。
撤退していく敵を見送ることもなく、レオハルトは機体を反転させコートニーの元に向かう。通信を試みるが応答は無い。
レオハルトはフットペダルを強く踏み込み急ぎ、ついにコートニーを発見する。
「トニー!」
レオハルトがコートニーの元に到着すると、コートニーの乗るザクはボロボロの状態だった。
コックピット内部では機器類がショートし吹き飛んだ破片でトニーは身体に傷を負い、機体を襲った激しい衝撃でコートニーは頭部からも血を流していた。
「・・・・・・レ、レオ?どうやら・・・・・・僕の、勝ちのようですね・・・・・・」
「トニー!?トニー!・・・・・・笑うか。暢気なもんだ」
その言葉を最後に、コートニーは意識を手放す。レオハルトが声を上げるが、意識を失ったコートニーの口元には笑みが浮かんでいた。
レオハルトが攻勢に転じた同時刻。
コートニーはコンソール画面に表示される危険域に達したパワーゲージから視線を上げると、敵へと視線を向ける。
コートニーはストライクノワールから浴びせられる“ビームライフルショーティー”から逃れるべくデブリの陰に潜み、ひとまずはやり過ごし一息吐く。
デブリの陰から飛び出すと、コートニーは“ブレードトマホーク”を手にペダルを強く踏み込む。それを見て、スウェンも“フラガラッハ”を両手に接近する。
スウェンが“フラガラッハ”を袈裟斬りに振るうと、コートニーは操縦桿をわずかに引き戻しつつ左足のフットペダルを踏み込む。コートニーはザクの右半身をわずかに後退させることで回避すると、“ブレードトマホーク”を下から斬り上げるようにして振るう。
だが、スウェンは紙一重で機体を退かせて避ける。しかし、避けられるのもコートニーの計算通りである。
避けられた瞬間、コートニーはレールガンを発射する。コートニーは命中したと確信していた。だが、敵として向かい合うスウェンはコートニーの予想を上回っていた。
スウェンは操縦桿を限界まで戻しつつ両足のフットペダルを踏み込むと、機体は前転の要領でコートニーのザクを飛び越えていく。
「何て動きを・・・・・・!!」
自分が予想もしない動きに舌を巻きつつ、コートニーは急いで機体を反転させ攻撃に備える。だが、やはりスウェンの方が行動が速く振るわれた“フラガラッハ”によって左腕を斬り落とされる。
「ぐうぅっ!くっそぉーっ!」
何とか反撃に転じようと機体を反転させレールガンの引き金に引いた瞬間、ついに限界が訪れる。引き金を引いても弾が発射されず、コートニーはハッとした様子でエネルギーゲージへと視線を落とす。
「エネルギーが・・・・・・!!」
ついにエネルギーが限界を迎え、
「(エネルギー切れか・・・・・・。この機体は【NJC】を積んだ機体のはず。・・・・・・すでにここから運び出されたということか?)」
疑問を感じつつもスウェンは待機している母艦に連絡を入れ指示を仰ぐと、下された命令は撤退だった。スウェンは敵機を一瞥した後、撤退命令を受け入れ機体を反転させた。
そして、襲撃部隊の母艦ナナバルクの艦長席に座るのはホアキン中佐。今回の作戦の司令官であり、地球連合軍第八十一独立機動群【ファントムペイン】特殊戦MS小隊に所属するスウェンたち三人の指揮官でもある。
「(目標は奪取できなかったか。ガセネタを仕入れてくるとは)『コキュートス』め、しくじりおって」
ホアキンは『コキュートス』と呼ぶ人物の悪態を吐くと、操舵手に基地への帰還を指示するのだった。
戦闘終了後、レオハルトは負傷したコートニーを回収して『アルカナム』に帰投すると、コートニーはそのまま医務室に運ばれ治療を受けることになった。
極秘にしていた『アルカナム』への襲撃を本国に報告すると、レオハルトは詳細な内容を報告するため本国への帰還を命じられるのだった。
それからレオハルトは事後処理に追われることになった。【アルカナム】はその存在を知られた以上、保有することは無駄だと判断され放棄が決定。
【アルカナム】が極秘施設だったという秘匿性を考慮し、レオハルトが長官を務める【WIA】所属の特務部隊が派遣され、必要な物資を運び出し【アルカナム】は爆破し無事に処理された。
デュランダルとの話が終わった後、レオハルトはその足でコートニーのお見舞いに向かう。手術も難なく成功し今は順調に回復しているとあって、レオハルトは安堵し病院を後にした。
レオハルトはオープンカフェの店に入ると、テラス席に座りメニュー表を手に取り眺める。
「お疲れ様です、長官」
「報告」
レオハルトの真後ろの席に座っていた赤毛の女性が不意にレオハルトに話しかけるが、レオハルトは戸惑うことなくメニュー表から目を離さず一言だけ発する。
「クライン派は現在もアンダーグラウンドで活動を継続中。今は情報収集と戦力の増強に専念しています。さらに、パトリック・ザラを信奉する一部の派閥が行動を開始したようです。MSも手に入れているとか」
「クライン派からは目を離すな。ザラ派については、お前に任せる。可能なら始末しろ」
「了解しました。それと、【トロイ】についてですが。依然として尻尾が掴めません。ですが最近、【ブルーコスモス】の思想が顕著な一部の将校から、【コキュートス】という単語が出てきました」
「……引き続き、情報を集めろ」
「はっ」
会話時間は1分未満。相手は話した内容からも分かる通り、【WIA】の情報員である。小声で話し、万が一にも読唇術などで会話内容が漏洩しないようにメニュー表で口元を隠す。
報告が終ると赤毛の女性は席を立ち、会計を済ませ人混みの中に消えていった。
レオハルトはメニュー表をテーブルに置き、小さく溜め息を吐く。内も外も動き始めてきたことに嫌な予感を感じつつも、レオハルトは近付いてきたウェイターにコーヒーを注文する。
「(【コキュートス】……。嫌なコードネームだ。先手を取れるか、後手に回るか。……【奴ら】だという確証は無いが、前例もある。可能性は十分にある。さて、どうするか)」
今回の話で有り得ないことを書いてしまっています。
本来ならば、この時期にストライクノワールが出ることは有り得ません。
ストライクノワールとは、ストライクの強化・発展機体にノワールストライカーと呼ばれる武装を装備した機体のこと。
機体が黒になるのは、パワーエクステンダーの改良による副次的効果。さらにノワールの装甲は、後のセカンドステージシリーズに採用されるVPS装甲。
パワーエクステンダーはモルゲンレーテ社の技術ですが、これは作中でオーブ出身の技術者をどうとかという話が合ったので、プラントがこの技術を取得していても何の問題も無い。
VPS装甲・パワーエクステンダー。
さらにはノワールの武装のフラガラッハ・ビームブレイドも、ガイアのグリフォン・ビームブレイドを参考に造られたようです。
長々と書きましたが、これら3つの点を考えたところ、この時期にストライクノワールが稼働していることは有り得ないのです。
詳しい人がいたらすぐに分かる点だったので、私から申し上げさせて頂きました。
ですが、この点は何とかご容赦願いたいと思います。
私の都合で申し訳ありませんが、ご承知願えたらと思います。