ハイスクールG×A   作:まゆはちブラック

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超空間波動怪獣 メザード
超空間波動怪獣 サイコメザード 登場!


第三章 月光校庭のエクスカリバー
第12話「マリオネットの夜」


その夜、我夢の故郷、「吉岡街」の路地を白いコートを纏った、如何にも怪しげな2人組の少女が街灯に照らされながら歩いていた。

 

青髪「なぁ、遠く離れたこの街に来て何するつもりだ?」

 

2人組の少女の1人、青髪の少女が横に並んで歩いている栗毛にツインテールの少女に問うた。

 

栗毛「久しぶりに日本に帰ってきたし…。昔、お世話になった人に挨拶をね!」

 

栗毛の少女「紫藤(しどう) イリナ」は髪止めについている貝殻の飾りを揺らしながら、ニコッと微笑みながら答えた。

それを聞いた青髪の少女「ゼノヴィア」はフンと鼻をならし

 

ゼノヴィア「公私混同は良くないが…まあ、いい。私達が()()()()()()()()()()…、忘れるなよ」

 

そう言うと、イリナは分かってるわよと言葉を返した。

その後、しばらく歩いていると、何かに気付いたのかゼノヴィアは立ち止まり、いぶしげな顔で周囲を見回した。

 

イリナ「ゼノヴィア?どうしたの?」

 

イリナも歩みを止め、首を傾げながら問うと、ゼノヴィアは懐から懐中時計を取り出すと、言葉を続け

 

ゼノヴィア「陽が落ちたばかりの街にしては、静か過ぎるなと思ってな…」

 

イリナ「そう?みんな、寝てるんじゃないの?」

 

イリナの返答にゼノヴィアはだと良いがな…と呟き、2人は歩きを再開しようと前へ振り向いた時

 

イリナ「きゃっ!?」

 

ゼノヴィア「!?」

 

フードの少女「………」

 

いつの間にいたのか、2人の目の前に黒いフードを被った少女がそこにいた。

2人はその少女から確かに感じるただならぬ気配に身震いした。

 

イリナ「ね、ねえ…君?こんな時間にどうしたの?」

 

フードの少女「………」

 

イリナは勇気を振り絞り、無理やり笑顔を作りながら少女に問うが、無表情のまま黙りこんだままだった。返事を待つが帰ってこない事にゼノヴィアはしびれをきらしたのか、イリナの肩をポンポンと叩いた。

 

ゼノヴィア「イリナ。彼女はきっと、私達を怪しい人間だと思ってるんだろう。これ以上返事を待っても無駄だ…。先に行こう」

 

イリナ「…わかったわ。ごめんね、お嬢ちゃん。いきなり話しかけて…」

 

イリナはフードの少女に申し訳なさそうに頭を下げると、ゼノヴィアと一緒に少女の横を通り過ぎて歩き始めたが

 

フードの少女「ねぇ、お姉さん達……」

 

先程まで黙りこんでいたフードの少女が突然、口を開き、2人を呼び止めた。

 

ゼノヴィア「?」

 

イリナ「どうしたの?」

 

思わず歩みを止めた2人は疑問符を浮かべながら少女に聞くと、少女はポケットからスマホを取り出した。

 

フード「…電話…鳴ってるよ……」

 

ジリリリ…ジリリリ…

 

少女はさっきまでの無表情からニヤリと気味が悪い笑みを浮かべると、ジリリリとベルが鳴っているスマホを差し出しながら歩み寄ってきた。

 

イリナ「な、何!?」

 

ゼノヴィア「イリナ!」

 

イリナはさすがに不気味に思ったのか、後退りしていると、ゼノヴィアは突然、大きな声で声をかけた。

 

イリナ「何!?えっ……!?」

 

イリナが振り返ると、2人を囲む様に暗闇から不気味な笑みを浮かべた街の住民が着信音が鳴っているスマホやガラケーを片手にジリジリと近寄ってきた……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻。駒王町近くの森で我夢、アーシア、一誠、リアスの4人は空中にいる怪獣と戦っていた。

 

怪獣「フォォォォ……」

 

その怪獣はクラゲの様な姿をしており、幽霊のように空中をプカプカと漂っていながら、奇妙な鳴き声を発していた。

 

リアス「我夢、例のものを頼むわ!」

 

我夢「はい!『パイロットウェーブ』、照射!」

 

リアスの指示を受けた我夢は、手元に持っていた大きな懐中電灯の様なものから放つ波状のビームで、クラゲ怪獣へ照射した。

 

何故、こんな手間が必要なのか。それはこの怪獣は超空間―――つまり、別次元に住んでいる怪獣で、『パイロットウェーブ』で位相を1つにしないと、あちらから攻撃できてもこちらからは攻撃できないからである。

 

パイロットウェーブを受けると、クラゲ怪獣は位相が1つになって実体化した。

 

リアス「はっ!」

 

クラゲ怪獣「フォォォォン……」

 

リアスはすかさず滅びの魔力を放ち、それを喰らったクラゲ怪獣は炎上して地上に墜落した。

 

リアス「みんな、気を引き締めて!」

 

リアスが我夢達にそう言うと、クラゲ怪獣は濡れた粘液に覆われた様な黒いクラゲの身体に、長い首と頭部を持つ怪獣、「メザード」へと姿を変えた。

 

一誠「ダイナァァァーーーーー!!

 

その掛け声と共に一誠は正面へリーフラッシャーを突き出すと、金属部分が回転し、クリスタル部分から発せられる白い光に包まれると、ウルトラマンダイナへ変身した!

 

ダイナ「一気に終わらせてやるぜ!シュワッ!!」

 

変身した直後、ダイナは腕を十字に組み、ソルジェント光線をメザード目掛けて放った!

 

メザード「クォォォ…!?」

 

メザードはいきなりヒーローが必殺技を使ってくるとは思わなかったのか、突然の事に対応できず、直撃した。

 

メザード「グォォォォォ……!!」

 

ドガガガァァァーーーーーン!!

 

メザードの身体の周りにオレンジ色のサークルが描かれると、爆発四散した!

 

ダイナ「ハッ!」

 

ダイナは白い光を発すると、元の一誠の姿に戻った。

 

一誠「ふぅ…」

 

アーシア「イッセーさん、お疲れ様です!」

 

リアス「お疲れ様、イッセー」

 

我夢「イッセー、お疲れ様!」

 

一誠がひと息ついていると、アーシア達が慰労の言葉をかけながら駆け寄ってきた。

 

一誠「おう、ありがとな!」

 

一誠は笑顔で言葉を返すと、はぁ…とため息をつきながら、少し疲れた様な表情を浮かべた。

 

一誠「しっかしよ…これで7体目だぜ?何度倒しても倒しても、しつこく出やがるぜ……」

 

我夢「うん、そうだよね…」

 

その言葉に我夢は頷いた。

一誠の言う通り、ここ最近はメザードが頻繁に出現していた。最初に現れた個体は一週間前で、お台場の建物を砂に変え、何もない砂漠にしようとしたのだ。

 

最初は自衛隊の攻撃を一切受け付けなかったが、本体が超空間である事を我夢が見抜き、パイロットウェーブで実体化させ、ガイアによって倒された。

 

これで解決したかに思えたが、次の日。別の場所にまた新しい個体が現れた。同じ様な手順で倒して、また新しい個体が現れたら倒して……といった、いたちごっこを一週間繰り広げていたのだ。

 

我夢「一体、何の為に…?」

 

我夢達は頻繁に出現するメザードの目的をしばらく考えるが、中々思い付かず、その日はお開きとなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

我夢「失礼しまーす、あれ?」

 

次の日、放課後。

我夢はいつもの様に部室に入ると、全員揃って座っており、その中心には難しい顔をしたリアスがテレビを凝視していた。

 

リアス「あら、我夢。丁度いいところに来たわ」

 

我夢に気付いたリアスはそう言うと、我夢を手招きし、我夢は失礼しますと一言言うと、リアスの隣に座った。

 

我夢「何を見てたんです?」

 

我夢はリアスの顔を覗きこむ様に問う。

 

リアス「悪魔契約している人からの贈り物でね、我夢の地元から送られてきたの…」

 

我夢「へぇ~……って!?僕の地元にも悪魔の契約している人がいるんですかっ!?」

 

リアス「あら?言ってなかったかしら?」

 

きょとんとするリアスに我夢は初耳ですよ!と驚きの声をあげた。

 

リアス「まぁ、それはともかく。この小包の中に1枚のビデオテープが入ってたの」

 

リアスはすでに開封してある小包を手にとって見せると、テレビから今時ないビデオテープを取り出した。

 

リアス「このビデオテープに何かがあると思うんだけど、いくら再生しても砂嵐が流れるだけで、何も映らないの」

 

リアスはビデオテープを再生すると、言葉通り、テレビはザーーーーという音が流れるだけの砂嵐しか映らなかった。

我夢は成るほど。と相槌をうち

 

我夢「それで、僕にビデオテープの解析をしてほしいという訳ですね?」

 

そう尋ねると、リアスは頷いた。

 

リアス「解析にどれくらいかかりそう?」

 

我夢「このぐらいなら2時間…、最低でも1時間かかりそうですね。ここじゃ詳しく解析できないので、このビデオ、お借りしてもいいですか?」

 

リアス「ええ、いいわよ。それと貴方に届けられた依頼は全部イッセーに頼むから休んでいいわよ」

 

一誠「えっ、そんなの聞いてな―――」

 

リアス「何か言ったかしら?」

 

一誠「イエ、ナニモ!」

 

一誠は聞いてなかったのか、リアスにどういうことかと聞こうとしたが、彼女の威圧的なオーラに気負けし、言葉を濁した。

 

リアス「それじゃ、頼むわね」

 

我夢「はい、わかりました」

 

我夢はリアスに返事すると、ビデオテープを小包と一緒にカバンの中へ入れた。

 

リアス「ビデオの件は我夢に任せるとして、私達はいつも通り部活を始めるわよ!」

 

その言葉と共に、我夢以外はいつもの様に部活動を始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、イリナ達は街近くの森で街人達と争っていた。

昨日の夜、住民達に囲まれたがどうにか抜け出せ、一旦体勢を整える為に森へ来たのだが、待ち伏せされていた住民に見つかったので戦っているのである。

 

イリナ「やっ!」

 

街人A「ぐおっ!」

 

ゼノヴィア「はっ!」

 

街人B「うおお…!」

 

2人はゾンビの様に歩きながら追ってくる街人を徒手空拳で応戦していた。

 

ゼノヴィア「一体、何なのだ!この街の人間は!?私達を神の遣いと知って襲ってきてるのか!?正気とは思えんぞ!!?」

 

ゼノヴィアは今起きている状況に戸惑いながらも背後から忍び寄ってくる街人を裏拳で気絶させた。

 

イリナ「そんなのわかんないわよ!!正気じゃないのは確かだけど、私だって何が起きたのか知りたいわよ!」

 

イリナはゼノヴィアにそう答えると、回し蹴りで街人をまた1人気絶させた。

 

 

2人は周りにいた街人を気絶させたが

 

ジリリリ…ジリリリ…

 

プルルル…プルルル…

 

携帯を片手に持った住民達がゾロゾロと集まってきた。

それを見た2人はまたか…、いいかげんしてほしいといった表情を浮かべた。

 

ゼノヴィア「何人気絶させても、すぐに増援がくる。かくなるうえは…!」

 

ゼノヴィアは自身が持っている布に巻かれている物体をほどこうした。

 

イリナ「ダメよ、ゼノヴィア!相手は一般人なんだから!」

 

ゼノヴィア「しかし、このままだと我々がやられるぞ!!」

 

イリナとゼノヴィアが言い争っていると、イリナの近くに倒れていた1人の街人が火かき棒を片手にゆっくりと立ち上がった。

しかし、イリナは言い争うのに夢中で、背後からの襲撃

に気が付かなかった。

 

街人C「……」

 

街人はゆっくり、ゆっくりと歩み寄り、イリナの真後ろまで近付くと、火かき棒を振り上げた。

 

ゼノヴィア「イリナ!!後ろだ!!」

 

イリナ「えっ!きゃっ!?」

 

ゼノヴィアはその奇襲に気が付き、声をかけたがもう遅い。

イリナは避けられない!と思い、振り下ろされた火かき棒に殴られる衝撃に身を堅めた。

 

 

 

 

 

だが、その衝撃は彼女に来なかった。

 

イリナ「?」

 

中々来ない衝撃にイリナは不思議に思いながらおそるおそる目を開けると、黒一色の服に身を包んだ少年、藤宮が火かき棒を片手で受け止めていた。

 

藤宮「…」

 

街人C「ぐわっ!」

 

藤宮は街人から火かき棒を力ずくで奪い取ると、街人を思いきり蹴り飛ばした。

 

街人達「「「「うおおお……!!」」」」

 

藤宮「……」

 

残った街人達は新たに現れた藤宮へ一斉に襲いかかるが

 

街人D「たかっ!?」

 

街人E「のっ!?」

 

街人F「はっ!?」

 

街人G「せいっ!?」

 

藤宮は一瞬青く発光すると、猛スピードで動きながら腹部を殴り、あっという間に周りを囲んでいた街人達を気絶させた。

 

ゼノヴィア「何て速さだ…」

 

イリナ「す、すごい……」

 

藤宮「……」

 

その光景に驚いている2人をよそに藤宮は手に持っていた火かき棒を投げ捨て、服についたほこりを軽くはたくと、真っ直ぐ街の方へ歩き始めた。

 

イリナ「待って!」

 

藤宮「?」

 

呼び止められた藤宮は立ち止まり、振り返った。

 

イリナ「助けてくれて、ありがとう」

 

イリナは頭を下げて感謝の言葉をかけるが、藤宮はふっと鼻で笑い

 

藤宮「勘違いするな。俺はお前達を助ける為にコイツらを叩きのめしたんじゃない、邪魔だったからだ。俺はこの街に()があって、たまたま通りかかっただけだ」

 

そう告げると、再び歩き始めた。

イリナは待って!と慌てながら彼を再び呼び止めた。

 

藤宮「何だ…?」

 

藤宮は不機嫌そうな表情を浮かべながら、彼女の方へ振り向いた。

 

イリナ「ねぇ、さっき用があるって言ったけど、もしかしてこの街に何が起きてるのか知ってるの?教えて!!」

 

力強く彼女にそう聞かれた藤宮は勘のいい奴と思いながら観念したのか、はぁ…とため息をつくと、口を開いた。

 

藤宮「この街、『吉岡街』は『根源的破滅招来体』の実験場にされている。この街の人間は電話回線を通して操つられている。暴徒と化しているのは奴等の仕業だ」

 

ゼノヴィア「!?」

 

イリナ「え!?」

 

2人はニュースで根源的破滅招来体の事は知っているが、まさかこの暴動に関わっているとは思わず、驚きの声をもらした。

藤宮はそんな2人をよそに言葉を続けた。

 

藤宮「奴等は俺達、人類に興味を持っている。俺はそれを観察するためここに来たんだ。こんなところにいても何も無い、すぐにこの街を立ち去った方がいい…」

 

イリナ「でも、探してる人がいるの!それにこんな事が起きてるのに放っておけない!」

 

イリナはそう言うが、藤宮は再びため息をつき

 

藤宮「誰を探してるのは知らないが、無駄だよ。存在理由の無い人間はいずれ消える…。破滅招来体のモルモットとして使われるならそれでいいじゃないか」

 

イリナ「貴方、正気なの?」

 

さすがにこれはおかしいとイリナは眉間にしわを寄せて問うと、藤宮は正気さと言葉を返し

 

藤宮「人は皆救われるだの、人は神の子だのとか言った()()()()()を崇め、信仰しているお前らにはわからんだろうな……」

 

ゼノヴィア「なっ!貴様っ!!」

 

イリナ「ちょっと!その言葉、取り消しなさいよっ!」

 

それを聞いたイリナとゼノヴィアは今にも噛みつきそうな怒りの表情で睨み付けた。

藤宮はふっと鼻で笑うと

 

藤宮「じゃあ、ここでお祈りでもするんだな。存在理由の無い人間をはたして助けてくれるかな?」

 

不敵な笑みを浮かべながらそう言うと、また身体が青く発光した。

 

イリナ「きゃ!」

 

ゼノヴィア「くそっ、待てっ!」

 

余りの眩しさに2人は目がくらんだ。

数秒後、2人は眼の視力が戻り、後を追おうとするが、すでに藤宮の姿は無かった。

 

イリナ「じゃあ、誰が人の存在理由を決めるのよーーーーっ!!」

 

その叫びが森の中を寂しく響き渡った…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その夜、自宅にて我夢はビデオテープの映像を解析していた。

 

カタカタカタ…タンッ

 

我夢「よし、これでいいはず……」

 

我夢は精密機器に繋がっているPCのエンターキーを押すと、機械に入っているビデオテープを取り出し、テレビに入れて再生し始めた。

 

ザーーーー…

 

しばらく砂嵐が流れていると、ある場所が映り、人々が争っている映像が流れ始めた。

 

我夢「!これって…!?」

 

我夢は流れた映像に見覚えがあった。

それは2週間程前、アメリカのリゾート地で起きた暴挙騒動のニュースで流れた映像だったのだ。

我夢は何故、地元からこの映像が送られてきたのか?と考えていると、1つの答えが浮かんだ。

 

我夢「(もしかして、吉岡街もアメリカのリゾート地みたいになっているのか?)」

 

その答えに我夢は不安になると、すぐに実家へ電話をかけたが、中々繋がらなかった。

 

我夢「くそっ!父さん、母さん!!」

 

我夢は焦りながら荷仕度すると、リアス達へ連絡もせず、エスプレンダーを天高く掲げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、イリナは1人、夜の街を徘徊していた。

実は彼女が探している人物とは我夢の両親であり、今回この街に来たのも、挨拶をする為だった。

藤宮とのやりとりの後、ゼノヴィアと一緒に再び街の中心部へ戻ってきたのはいいが…

 

イリナ「あーーもう!ゼノヴィアとはぐれちゃったし、どうすればいいのよ!」

 

道中でまた操られた街の住民に襲われ、その際にゼノヴィアとはぐれてしまったのだ。

 

イリナは少し自暴自棄になりながら歩いていると

 

ドガァン!

 

???「はぁ、はぁ…」

 

イリナ「っ!?だ、誰!!?」

 

物陰からゴミ箱を倒しながら人影が飛び出した。

彼女は思わず声を出した。

 

周囲に操られている住民がいるかも知れないが、突然起きた出来事なので、どうしても声に出さずにいられなかったのだ。

 

その人影をよく見ると、見覚えのあるシルエットだった。

 

イリナ「あれ?もしかして……おじさん?」

 

???「っ!もしかして……イリナちゃんか!?」

 

イリナがもしかしてと思い、声をかけると、その人物は我夢の父親「高山 雄一(たかやま ゆういち)」だった。

 

雄一「久しぶりだな~、こんなに大きくなって。いや!何故ここにいるんだ?」

 

イリナは雄一に今までの経緯を話した。

 

雄一「そうか、私達に挨拶をしにか…。しかし、大変なときにきたな……」

 

話を聞いた雄一は眼鏡をかけ直すと、言葉を続け

 

雄一「君が友人とはぐれた様に、私も妻とはぐれてね…。とても不安だよ」

 

イリナ「おじさん…」

 

イリナは不安そうな顔を浮かべるが、雄一はにこっと笑い

 

雄一「まぁ、そんな顔せんでも大丈夫!決して諦めなければ必ず助かるさ。とにかくどこかに――――」

 

ガタァン…

 

イリナ&雄一「「!?」」

 

ゼノヴィア「…」

 

雄一が促すのを遮るかの如く、物音がなった。

2人がそちらへ視線を向けると、その音を出した正体はゼノヴィアだった。

 

イリナ「ゼノヴィア!もう、脅かさないでよ!」

 

ゼノヴィア「……」

 

イリナはほっと安堵したため息をつきながらゼノヴィアに近付きながら話しかけるが、当の本人は無言のままだった。

さすがに様子がおかしいと雄一がイリナへ声をかけようとした瞬間!

 

ガッ!

 

イリナ「うっ!?」

 

雄一「!?」

 

ギチギチ……

 

ゼノヴィア「……」

 

ゼノヴィアは何と、イリナの首を両手で絞め始めた!

ゼノヴィアは力強く絞めているので、ギチギチ…と首の圧迫感と共に鈍い音が鳴った。

 

雄一「君、止めないか!!」

 

ゼノヴィア「……」

 

雄一はイリナを助け出そうとゼノヴィアの両腕を必死に引っ張るがビクともしない。

ゼノヴィアは次第に面倒になり、少女とは思えない腕力で雄一を吹っ飛ばした。

 

雄一「ぐわっ!うう……」

 

ゼノヴィア「……」

 

イリナ「おじ…さ…ん…!」

 

雄一は壁に激突すると、そのまま気絶した。

イリナは一瞬、視線を雄一が向けるが、すぐに目の前のゼノヴィアへ向けた。

 

ギチギチギチギチ……!

 

イリナ「ゼ…ノ…ヴィ…ア……」

 

ゼノヴィア「……」

 

イリナは苦痛に表情を歪めながらゼノヴィアに呼び掛けるが、彼女は言葉を返さず、より強く首を締めた。

イリナは私、死ぬのかな…と心の中で諦めかけたその時!

 

トンッ

 

ゼノヴィア「うっ!」

 

バタン!

 

ゼノヴィアは背後から来た人物に当て身をされ、気絶した。

 

イリナ「けほっ!けほっ、けほっ!!」

 

首締めから解放されたイリナはその場に座り込み、首に手を当てながら咳き込んだ。

首の圧迫感が静まったイリナはその人物を見上げると、それは夕方に出会った藤宮だった。

 

藤宮「まだここにいたのか……。いい加減聞き分けたらどうだ?」

 

藤宮は呆れた様な眼差しでイリナを見下ろした。

 

イリナ「うる…さいわね…!余計な…お世話よ!」

 

イリナは心の中で自分をまた助けてくれた事に感謝しつつも、主である神を冒涜した藤宮を許せず、立ち上がりながら睨み付けた。

 

すると、藤宮がイリナの髪止めにつけている貝殻の飾りに気付き、それを目を見開いて見つめた。

 

イリナ「…なによ」

 

藤宮「……その髪飾り、どこで手にいれた?」

 

イリナ「?…11年前、海に遊びに行ったときに男の子からもらったの」

 

先程から自分達をあれだけ煙たがっていた藤宮が急に質問してきたことにイリナは疑問符をうかべながらも答えた。

それを聞いた藤宮はそうか…と呟くと、再び無表情になってイリナに背を向け

 

藤宮「…とにかく、この街から離れろ。いいな!」

 

そう警告するように告げると、歩き去っていった。

 

イリナ「なによあいつ…」

 

イリナは去り行く藤宮の姿を見ながら、不機嫌そうに呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

藤宮「(あの『貝殻の髪飾り』……、まさかな?)」

 

藤宮は頭の中にイリナの髪飾りの事が浮かんだが、すぐに振り払うと、歩を進めていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、我夢はガイアに変身し、吉岡街へ向かって真っ直ぐ飛んでいた。

 

ガイア「(見えてきた!)」

 

しばらく飛んでいると、吉岡街が見えてきた。

いつもなら住宅に明かりが点いていて明るいが、今はどこの住宅も明かりを点けず、街は闇に閉ざされていた。

 

ガイア「(やっぱり、メザードは僕達を観察する為に実験してたのか…!)」

 

ガイアも藤宮と同じ、”メザードが人間を実験している”という結論にいたり、そう思った我夢は怒りで拳を握りしめた。

 

ガイア「(…!いた!)」

 

ガイアは周囲を見渡していると、街の上空にあのクラゲの様な怪獣、「プライマルメザード」がぷかぷかと漂っていた。

 

ガイア「(『パイロットウェーブ』、照射!)」

 

ガイアはあのプライマルメザードが人々を操っていると踏むと、掌に乗せたパイロットウェーブ照射装置の電源スイッチを慎重に押した。

 

プライマルメザード「フォォォン…」

 

装置からビームが照射されたプライマルメザードは位相が重なり、実体化した。

 

ガイア「デュアッ!」

 

ガイアはすかさずガイアスラッシュを放ち、プライマルメザードを炎上させながら街へ撃墜した。

 

撃墜したプライマルメザードはメザードの姿になった。

だが、その姿は手足が生えており、怪獣らしいフォルムとなった波動怪獣「サイコメザード」へ姿を変えた。

 

ガイア「デュアッ!」

 

サイコメザード「クォォォ…!」

 

ガイアは地上に降り立つと、すぐさまサイコメザードに飛びかかり、格闘戦を仕掛けた。

 

ガイア「ダッ!ダッ!ダッ!ダッ…!」

 

サイコメザード「クォォォ…!」

 

ガイア「――デュアァァァァァーーーー!!」

 

ガイアは連続パンチをサイコメザードの顔、腹、肩に放ち、サイコメザードがその猛攻で怯んだ隙を狙い、ストレートキックで蹴り飛ばした。

 

サイコメザード「クォォォォォォォォォ…!!」

 

ガイアのキックを喰らったサイコメザードは大きく後方へ吹き飛び、地面へ叩きつけられた。

 

ガイア「デュア!グアァァァァ……!」

 

ガイアはすぐさまクァンタムストリームの体勢に入ったが

 

ジリリリ……ジリリリ…

 

プルルル…プルルル…

 

トゥルルル…トゥルルル…

 

住民「「「「「「…………」」」」」」

 

ガイア「!?」

 

突然、地上にいた住民達が割り込むように倒れたサイコメザードの前に立ち塞がった。

サイコメザードは操っている人々を盾にして、ガイアに攻撃させないという卑怯な作戦をしたのだ!

 

重美「……」

 

その多くの住民の中には我夢の母、重美の姿もあった。

ガイアは住民に被害を与えるわけにもいかず、クァンタムストリームを中断した。

 

サイコメザード「…」ニタァ

 

サイコメザードはその様子を嘲笑うかの様に目を歪めると、つぼみ状の腹部から光弾をガイアへ連射した。

 

ガイア「グアァァァァーーー!!」

 

ガイアは住民を人質にされて思うように動けず、光弾の雨をまともに受け、片膝をついた。

 

サイコメザード「クォォォ……!!」

 

ガイア「グアァァッッーー!!!」

 

サイコメザードは上空に浮かぶと、おまけとばかりにそのまま体当たりを喰らわした!

 

ガイア「グァッ…アァァ…!!」

 

[ピコン]

 

ガイアは地面へ倒れると、ライフゲージが青から赤へと変わり、点滅を始めた。

 

サイコメザードは止めを刺そうと思い、ゆっくりとガイアのもとへ歩いていくが

 

ザシュ!!

 

サイコメザード「クォォォ…!?」

 

ガイア「!?」

 

突然、斬撃が放たれ、片眼を斬られた。

その痛みに叫び声をあげながらも斬撃が放たれた方角を見ると、地上で日本刀を両手で持ったイリナが嬉々とした表情を浮かべていた。

 

イリナ「どうかしら?『聖剣(せいけん)』で斬られた感想は?」

 

サイコメザード「クォォォ…!!」

 

その挑発を聞いたサイコメザードは怒りの咆哮をあげると、腹から光弾を放った!

 

ガイア「(危ない!)」

 

ガイアはイリナを助けようと必死に身体を動かすが、ダメージのせいで思うように動けず、手を伸ばすしかなかった。

 

イリナ「!!」

 

イリナもさすがに避けられないと思い、目をつぶり、身を堅めるが

 

ドカァァァァン!!

 

ガイア「!!」

 

サイコメザード「!?」

 

突如、眩しいばかりの青い光が光弾を防ぎ、イリナを守った。

段々光が収まり、イリナがゆっくりと眼を開くと

 

 

〔推奨BGM:アグル降臨〕

 

イリナ「!?」

 

アグル「……」

 

片膝をつき、両腕を俯いた頭の前にかざしたアグルが現れた。

アグルはゆっくりと立ち上がると、サイコメザードに視線を向けた。

 

サイコメザード「クォォォォォォォォォ!!!」

 

サイコメザードは突如現れたアグルに威嚇の咆哮をあげた。

そんなアグルは気にすることもなく、額の「ブライドスポット」の前で両腕をクロスした。

 

アグル「フォォォォォォォォ……!!」

 

アグルは右腕を上、左腕を下に垂直に伸ばすと、頭に青い光の刃を形成した。

 

ガイア「!」

 

アグルが住民への被害をお構い無しに必殺技を放とうとする事に気付いたガイアは、滑り込む様に自身の体で住民達の壁になった。

 

アグル「ドゥワァァァーーーーー!!」

 

アグルは頭に形成した光の刃を放つ必殺技、「フォトンクラッシャー」をサイコメザードに放った!

 

サイコメザード「クォォォ……!!」

 

ドガガガガガァァァァァン!!

 

直撃したサイコメザードはその威力に耐えきれず、爆発四散した!

その直後、サイコメザードのコントロールから外れた住民達は倒れた。

 

ガイア「グァッ」

 

ガイアは飛んでくる肉片をその背に受けながら、倒れた住民に当たらない様にした。

ガイアは立ち上がると、アグルを見つめた。

 

ガイア「……」

 

アグル「……」

 

ガイアとアグルはしばらく見つめ合うが、一言も話すこともなく、2人は遠い空へ飛んでいった。

 

 

 

 

 

 

イリナ「あのウルトラマンは…?」

 

イリナは突如現れた謎のウルトラマン、アグルに疑問を抱いていた。

マスコミではガイア、ダイナばかり報じており、アグルはあまり報道されていないのだ。

それ故、イリナはアグルの存在を知らなかったのである。

 

雄一「終わったのか…?」

 

イリナが疑問を抱いていると、先程の一部始終を見ていたのか、倒れていた雄一がイリナに話しかけた。

 

イリナ「はい、終わりました」

 

イリナがそう答えると、雄一は疑問に満ちた表情を浮かべ

 

雄一「あの青いウルトラマン、奴も私達の味方なのか?」

 

イリナ「ええ、きっとそうですよ……」

 

それを聞いた雄一はそうだよな…と呟き、アグルが飛んでいった空を見上げた。

イリナはアグルが人類の味方がどうかはわからない。

だが、少なくともそう信じたいと思ったのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌朝、イリナは我夢の両親に挨拶すると、目を覚ましたゼノヴィアを連れ、目的地へ向かった。

吉岡街の住民は全員正気に戻ったが、操られていた出来事は覚えておらず、謎の疲労感だけが残った。

 

ちなみにビデオの送り主は我夢の実家の隣に住んでいる男の子だったらしい。

異変に気付いて、リアス達に送ったらしいが、直後に洗脳され、詳細を伝えることができなかった。

 

さらにあの夜の事件後、メザードの目撃情報はめっきり出なくなった。

 

そして、我夢は単独行動したことをリアスにこっぴどく叱られた。

その内容は単独行動の危険さと心配していたというものだ。

我夢はまだまだ自分は精神的に未熟だということを思い知った。

 

それを胸にしかと受け止め、我夢はいつもの様に松田達と学校へ登校した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

通学路を歩く我夢を藤宮は遠くから眺めていた。

 

藤宮「せっかくの力を有効に使えない。我夢、それがお前の弱さだ…」

 

藤宮は不機嫌そうに呟くと、その場を歩き去っていった。

 

 

 

 

 




次回予告

平穏なひとときを楽しむオカルト研究部に忍び寄る影。
その時、眠っていた復讐心が雄叫びをあげる…!

次回、「ハイスクールG×A」!
「復讐の(つるぎ)」!
木場に一体何が!?








この作品も遂に第2シーズンに突入!
ちなみにティガに変身するオリキャラのヒロイン投票の結果は

1.ロスヴァイセさん 10票
2.ゼノヴィア 8票
3.オーフィス 4票
4.梶尾リーダー 2票
5.ルフェイ 1票

ロスヴァイセさんとゼノヴィア、人気ですね。
それとルフェイに勝つ梶尾リーダーとは一体…?
この投票結果はあくまで参考ですので、決定では無いです。
良かったら感想、コメントよろしくお願いいたします。
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