ハイスクールG×A   作:まゆはちブラック

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今回はドラマパートのみです。



第20話「黒白(こくびゃく)の翼」

ウルフガスの一件から翌日。

セミが鳴り、大陽が照り付ける夏の昼。

この日、リアス達オカルト研究部は休日である駒王学園のプールに集まっていた。

 

何故ここにいるのか。

それは来週にプール授業の為、掃除をする事になったからだ。

本来なら毎年、生徒会が行うが、コカビエルの件でソーナにお世話になったので、そのお礼として掃除をリアスが引き受けたのである。

 

また、このプール掃除はもっと早く行う予定であったが、ミズノエノリュウの引き起こした断水の影響で水道が使えなかったからである。

水は悪魔の魔力を使えばすぐに出せるが、さすがに怪しまれるという恐れもあり、遅れてしまったのである。

 

 

リアス「掃除が終われば、先に使ってもいいらしいわよ。さあ、頑張りましょ!」

 

「「「「「「「オー!」」」」」」」

 

 

部員達はそれぞれデッキブラシやタワシ等の掃除道具を持つと、プールの清掃を始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから30分くらい経つと、プールの清掃も終わった。

我夢、一誠、木場の3人は一足先に水着に着替え、女子メンバーが着替え終わるのをプールサイドで待っていた。

 

 

リアス「お待たせ」

 

 

しばらく待つと、水着に着替えたリアス、朱乃、アーシア、小猫がプールサイドに姿を現した。

リアスと朱乃は布面積が少ないビキニタイプの水着で、アーシアと小猫は学校指定のスクール水着だ。

何故かゼノヴィアの姿が見えないが、後から来るそうである。

 

リアスは一誠、朱乃は我夢の前までくると、自らの水着姿をアピールする様に立った。

 

 

リアス「イッセー、どうかしら?」

 

一誠「は、はい…!最高ですっ!///」

 

朱乃「我夢君、私のはいかがかしら?」

 

我夢「あっ…似合ってますよ……///」

 

 

水着姿の感想を聞いてくる2人に一誠と我夢は恥ずかしげに答える。

彼女らは学園内でもトップクラスの美貌と抜群のスタイルを持つ。

そんな彼女らが肌をさらす水着、しかも布面積が少ないもので近寄られてきたら、目のやり場に困る。

 

この状況に2人は困っていると、アーシアと小猫が近寄ってくる。

 

 

アーシア「イッセーさん、私のはどうですか?」

 

小猫「…」

 

 

2人の胸元には平仮名で名前が書かれている。

リアスや朱乃の様なグラマラスな体型ではないが、逆に小柄な体格がスク水にマッチしており、とても可愛らしい。

 

 

一誠「おう、可愛いぜ!」

 

アーシア「そっ、そうですか?///」

 

我夢「ははっ」

 

 

一誠はサムズアップしながら答えると、アーシアは嬉しそうに笑う。

その兄妹の様なやり取りに我夢は微笑みつつ、小猫の方へ視線を向ける。

 

 

我夢「(小猫のスクール水着って、何か新鮮だな……。小柄だから中学生、いや高学年の小年生みたいで似合っているな…)」

 

 

そんな失礼極まりない事を思っていると

 

 

小猫「――我夢先輩。今、失礼な事を考えてませんでしたか?」

 

我夢「いっ、いえ!?何も考えてませんっ!!」

 

 

タイミングよく小猫が半目で問いかける。

我夢は勘が鋭いなと若干焦りながら、何故か敬語で答える。

 

 

小猫「……本当ですか?」

 

 

小猫は疑いの目を向けながら更に問いかける。

我夢は首をブンブンと縦に振り、「疑い深いんだなぁ~」とぎこちない笑顔を作りながら、冗談気味に答える。

 

 

小猫「なら、いいんですが…」

 

我夢「は…はは…」

 

 

その答えに未だ納得していない様子だが、小猫は引き下がる。

我夢は苦笑いをしながら、助かったと一安心していると、リアスが話しかける。

 

 

リアス「ねえ、我夢。あなた泳げるかしら?」

 

我夢「まあ、人並みにはできますが」

 

リアス「じゃあ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

我夢「よし、ゆっくり。その調子だ」

 

小猫「―ぷはっ、ぷはっ」

 

 

プールで我夢は小猫の手を引っ張りながら、バタ足で泳ぐ彼女を後ろへゆっくりと誘導していた。

ちなみに隣では同じ様に一誠がアーシアの泳ぎを教えており、木場はひたすら潜水を続け、リアスと朱乃はプールサイドに立てたパラソルの下で優雅にくつろいでいる。

 

 

我夢「端についたよ」

 

小猫「ぷはっ!」

 

 

我夢がそう教えると、小猫は顔をあげて、空気を取り込んだ。

 

 

小猫「すみません、我夢先輩。私が泳げないばかりに…」

 

 

そう言うと、小猫は申し訳なさそうに顔を下げる。

 

そう、実は小猫は泳げない…つまりカナヅチなのだ。

運動神経抜群である小猫がまさか泳げない、というよりも水に入るのが苦手だと知らされた時には我夢も驚いた。

そこで、リアスは我夢に彼女の水泳指導を任せたのだ。

 

 

我夢「別にいいよ。僕は教えるの好きだし。それに誰でも苦手な事はあるさ」

 

小猫「先輩…」

 

我夢「それに最初は苦手だった水も、今は水に慣れてるじゃないか」

 

小猫「…あっ」

 

 

小猫は我夢の指導に夢中になるあまり、あれだけ入るのを怖がっていた水に、いつの間にか慣れている事に気付いた。

水に対しての恐怖心がなくなっている事に驚く小猫に我夢は微笑むと、彼女の肩に手を置き

 

 

我夢「大丈夫、君はこんな短時間で苦手を克服できたんだ。自信を持ちなよ」

 

小猫「…あ、ありがとう…ございます///」

 

 

そう褒めると、小猫はその笑顔に若干照れながらも感謝の言葉を返した。

2人がそんなやりとりをしていると、隣でアーシアに泳ぎを教えていた一誠も丁度終わった様なので、我夢と小猫もプールサイドにあがる事にした。

 

 

 

 

 

 

 

小猫「すー……すー……」

 

アーシア「すぅ…すぅ…」

 

 

プールから上がってから数分後。

小猫とアーシアは泳ぎ疲れたのか、プールサイドの日陰があるところに寝ていた。

そんな2人の様子を少し離れた場所で眺めつつ、我夢と一誠は大陽の日が差す日向で談笑していた。

 

2人は他愛ない話で盛り上がっていると、我夢は何かを思い出した様にあっ!と声をもらした。

 

 

我夢「そういえば、一誠。君が変身するダイナってさ、ガイアと違ってどうして姿を変える事が出来るんだ?」

 

一誠「う~ん…」

 

 

我夢は何故ダイナがタイプチェンジ出来るのかを問いかけると、一誠は眉間にしわを寄せ、考える。

しばらくの沈黙の後、一誠は口を開き

 

 

一誠「わかんね」

 

我夢「えっ?」

 

 

そう答えると、思いもよらない回答に我夢は目を丸くした。

 

 

一誠「あの青い姿もさ、頭の中で『もっと速く!』って願ってたらさ、イメージが浮かんできたんだよ。んで、その通りにやったらあの青い姿に変えれる様になったんだ」

 

我夢「そうか…」

 

 

タイプチェンジを使う本人ですらその理由や原理がわからない。

ガイアとダイナの違いは何なのか…?

同じ地球が生んだウルトラマンなのに、どこに差があるのか…?

我夢は必死に頭を悩ませて考えるが、何も思い浮かばない。

 

 

リアス「イッセー、ちょっと来てほしいんだけど」

 

一誠「はーい!すまんな、我夢。ちょっと行ってくるわ」

 

我夢「うん」

 

 

遠くからリアスの呼ぶ声が聞こえてくると、一誠は早歩きでリアスの元へ向かった。

 

 

一誠「どうしたんです?」

 

リアス「貴方にオイルを塗ってもらいたいんだけど…出来るかしら?」

 

一誠「えっ」

 

 

リアスにオイルを塗る…つまり、ボディータッチを出来る権利を得られるのである。

女性…しかも特上の美女であるリアスに触れられるのである。

 

 

一誠「…もっ、もちろん!任せてください!」

 

リアス「じゃあ、頼むわね…」

 

 

一誠はやや興奮かつ戸惑いながら答えると、リアスは背中に結んであるビキニの紐をほどき、うつ伏せになった。

 

 

一誠「じゃあ…いきますよ」

 

リアス「…んっ」

 

 

一誠は手にオイルを馴染ませると、ゆっくりとリアスの背中に塗っていく。

背中から伝わるひんやりとした感触にリアスは気持ち良さそうに声をもらす。

 

 

リアス「んんっ…んっ…」

 

一誠「(不っ、不味い…こいつは、色々と…)」

 

 

気持ち良さそうにしているリアスとは反対に、一誠はドキドキしていた。

 

白く艶々とした肌の感触。

身体中から伝わる女性特有の甘い匂い。

そして、時々聞こえてくる(なま)めかしい声……。男性の煩悩を刺激するには充分なこの状況を、一誠は「冷静になれ」と言い聞かせ、崩壊しそうな理性を必死に抑える。

 

 

一誠「終わりましたよ」

 

リアス「ありがとう」

 

 

煩悩と理性の狭間で葛藤しつつも、一誠は背中を塗り終えた。

「何とかなった…」と安堵して、ため息をついていると、リアスは体を起こし

 

 

リアス「…じゃあ、今度は胸にもお願いね?」

 

一誠「むっ、胸!?」

 

 

胸を見せつけながら、そう言う。

さすがに冗談だろうと一誠は思ったが、リアスは恥ずかしそうに顔を赤らめつつも眼は真剣なものだ。

 

背中だけでも充分に煩悩を刺激だった。更に今度は胸となると、確実に理性が持たない。

一誠はこの状況に頭が沸騰しそうだった。

 

 

我夢「部長、すごく攻めるな~…」

 

 

その様子を遠くから眺めていた我夢は他人事の様に呟く。

どうしようかと混乱している一誠を心配しつつも、これは彼の問題であると考え、見守っていた。

 

 

我夢「っ!?」

 

 

すると突然、背中にふにゅんと柔らかい感触が伝わった。

我夢はとっさに後ろを向くと、朱乃が後ろから抱きついていた。

 

 

朱乃「あらあら、我夢君。羨ましそうに見てますわね♪」

 

我夢「え…違い、ますよ。そ、それよりも上を着てください…」

 

 

朱乃はいつもの様にニコニコしながら語りかけるが、我夢は気付いた。

胸の中心に何か固いものが当たっていることに。

そう、つまり上には何も着てないのだ。

そのあまりにも刺激に我夢は頬を赤らめ、ドキドキしながらも、朱乃に促す。

 

 

朱乃「あらあら、うふふ…♪心配いりませんわ。私も我夢君にオイルを塗ってもらおうと思って♪」

 

我夢「えっ!ちょっ…それは…」

 

朱乃「あら?でしたら、もっと()()()をしてあげますわ♪」

 

我夢「イイ事っ!?な、何言ってるんですか!?////」

 

 

オイル塗りに躊躇していると、それ以上の刺激度が高い意味深な提案に我夢は更に顔を赤く染め上げる。

 

 

朱乃「どうせ、リアスはオイルを塗らせるといった()()()()()()()()()()()()殿()()()()()()()()()()()()()のですから、私がそれよりも殿方を満足させる事を我夢君にしてあげようと思いまして…」

 

リアス「朱乃?今の言葉、聞き捨てならないわね…」

 

 

2人の会話を遠くから聞いていたリアスが肩を強ばらせながら、スタスタと早歩きで朱乃の元に歩み寄る。

 

 

リアス「どういう意味かしら?」

 

 

リアスは低いトーンで笑顔を崩さない朱乃に問いかける。

リアスの眉は彼女が怒っている事を示す様に、ピクピクと痙攣させている。

 

 

朱乃「あらあら、言葉通りですわ。子供騙しの様な方法でしか殿方を喜ばせる事を出来ないって」

 

リアス「何ですって!?」

 

 

そう言って眼から火花を散らす2人には不穏なオーラが漂っている。

これには我夢と一誠はお互い、「嫌な予感がする」と思った矢先、

 

 

ドォォーーーーーーーン!!

 

 

プールの水が爆発したかと思うと、リアスと朱乃はプールでの水上バトルを始めた。

2人は悪魔の翼を広げながら、魔力弾をぶつけあう。

 

 

リアス「私が子供騙しでしか男を満足させれないって!?大体、朱乃!貴女は男が嫌いだったはずでしょ!?どうして我夢に興味を持つの!?」

 

朱乃「そういうリアスも『男なんて興味がない、全部同じに見える』って言ってたわよ!!」

 

リアス「イッセーは特別よ!!他の男と比べにもならないくらい可愛いのっ!!」

 

朱乃「私だって、我夢君が可愛いわよ!!やっと、そう思える男の子に出会えたのっ!!」

 

 

朱乃の雷とリアスの滅びの魔力がぶつかり合い、発生した衝撃波がプール中を襲う。

彼女達の喧嘩がヒートアップする度にらプールの水が波の様に激しくなり、プールサイドの外側を囲う網の塀もミシミシと鳴る。

 

この混沌とした状況に我夢と一誠はアワアワする。

 

 

一誠「我夢、これ以上は不味い!俺達も被害が来るぞっ!?こんな大変な事が起きてんのに木場のやつ、まだ潜水してんのかよ!!?」

 

我夢「とりあえず、避難させなきゃ!僕は木場君の方に行くから、イッセーは起きたばっかりのアーシアと小猫の避難を頼む!!」

 

一誠「ラ、ラジャー!」

 

 

2人はそれぞれ別の場所へ走っていき、避難活動を開始する。

 

いち早く小猫とアーシアの元に辿り着いた一誠は、状況を飲み込めない2人に手短に説明し、更衣室の方へ避難する。

 

残る我夢はなおも潜水を続けている木場に近寄ろうとするが、津波の様に荒れ狂うプールの水が邪魔してくるせいで中々近付けない。

 

 

リアス「朱乃のおたんこなすーーーーーーーー!!!」

 

朱乃「リアスのわからず屋ーーーーーーーーー!!!」

 

ドカァァァァーーーーーーーーン!!

 

我夢「うわぁーーーー!?」

 

 

そして、今までよりも一番大きな魔力がぶつかり合い、爆発する。

我夢はその爆発に巻き込まれ、用具室の方へと吹き飛ばれていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

我夢「いってぇ…」

 

 

吹き飛ばされ、用具室の中にまで転がり込む様に入った我夢はうった頭を抑えながら立ち上がる。

すると、背後から

 

 

ゼノヴィア「…我夢、か?」

 

我夢「わっ!びっ、びっくりしたぁ~。ゼノヴィアか」

 

 

ゼノヴィアが話しかけてくる。

我夢はまた朱乃が来たのかと思ったが、違うとわかると、安堵する。

 

 

我夢「そういえば中々姿を見せなかったけど、どうしたんだ?」

 

ゼノヴィア「初めての水着で手間取ってね…どうかな?」

 

 

ゼノヴィアはそう言うとその場でクルリと回り、全身の水着姿を見せる。

水着は彼女の髪と同じ青いビキニタイプで、リアスや朱乃程ではないがスタイルが良く、教会時代から鍛えている為、ウエストも絞まっていて、お尻も垂れていない。

 

 

我夢「うん、似合っているよ」

 

ゼノヴィア「そ、そうか…ありがとう」

 

 

我夢がそう誉めると、ゼノヴィアは少し照れた様に笑う。

外から聞こえてくる騒音が気になったのか、ゼノヴィアが問いかける。

 

 

ゼノヴィア「ところで、先程から物凄い音が聞こえてくるが、何かあったのか?」

 

我夢「あ、ああ、朱乃さんと部長がケンカしててさ…理由はともかく今は外に出ない方がいい」

 

ゼノヴィア「そうか」

 

 

そう説明すると、ゼノヴィアは納得したのか頷く。

ゼノヴィアはそれはそれ…と話題を一旦起き、真剣な眼差しで我夢を見つめる。

 

 

ゼノヴィア「時に高山 我夢」

 

我夢「いや、我夢でいいよ。どうしたんだい?」

 

 

先程の和やかな雰囲気から一変して、真剣な表情に変わったゼノヴィアの言葉を待つ我夢。

次の瞬間、ゼノヴィアから信じられない言葉が飛び出す。

 

 

ゼノヴィア「…では、我夢。私と子作りしないか?」

 

我夢「……………………………………はい?」

 

 

そのあまりにも衝撃的な言葉に我夢は数10秒程固まった。

子作り?その言葉に思わず耳を疑ったが、

 

 

ゼノヴィア「聞こえなかったのか?私と子作りしようと言っているんだ」

 

我夢「…えええ!?ちょっ、どういう事!?」

 

 

再び答えるゼノヴィアにさすがに我夢も聞き間違いじゃないとわかり、理由と問う。

すると、ゼノヴィアはその結論に至った理由を語りだした。

 

 

ゼノヴィア「教会時代の私は神に仕えるこそが私の生き甲斐だった。だが、今は神はいない、しかも私は悪魔だ。今まで私欲など持っていなかった私はこれからどうすればいいかとリアス部長に相談した時、教えてくれた。『悪魔は自らの欲に忠実な生き物である』とね…」

 

我夢「そ、それで思い付いたのが…子作り?」

 

 

我夢は目を丸くしながら問うと、ゼノヴィアは頷く。

 

 

ゼノヴィア「実は女としての喜びや幸せに憧れを持っていたんだ。悪魔は長寿だからな、目標は長く持続できるものがいい」

 

我夢「っ!?///」

 

 

ゼノヴィアはそう言うと、ビキニを取り払った。

その行動に我夢は顔を赤くし、とっさに両手で目を塞ごうとするが、ゼノヴィアの素早い動きで両手を抑えられる。

 

 

ゼノヴィア「そう、恥ずかしがるな。ちゃんと見てくれ。リアス部長や朱乃副部長には劣るが、形や大きさは悪くないだろ?」

 

我夢「ま、ま、ま、待って!僕達、まだ高校生だろ?さすがに子供の面倒は見れないぞ!」

 

ゼノヴィア「安心しろ!基本は私が育てる。だが、父親としての愛情が欲した時に遊んでやって欲しい」

 

我夢「僕以外にも木場君とイッセーがいるじゃないか!?」

 

ゼノヴィア「木場はそこら辺淡白そうだし…イッセーは性欲が強そうだが、無計画そうな気がする。だから、誰よりも賢い君がいいんだ」

 

我夢「淡白に無計画って…。それに僕、経験ないよ!?」

 

ゼノヴィア「私だって初めてだ。上手い下手ともかく、実践あるのみだ。ほら、日本には『一膳食わねば男の恥』という言葉があるじゃないか?私にここまでさせといて何もしないのか?」

 

我夢「それを言うなら『すえ膳食わねば男の恥』だよ!…って、水着を脱がさないで!!」

 

 

我夢は彼女の胸を見ないよう両目をつぶりながら必死に説得を試みるが、ゼノヴィアには通じない。

その間にも彼女に脱がされそうな水着を上に上げて抵抗する。

 

 

我夢「何でそこまでこだわるんだよ!?」

 

ゼノヴィア「私は強い子が欲しいんだ!強力なウルトラマンの力を持つ君となら、きっと元気な子が出来る筈だ!!」

 

我夢「っ!」

 

 

その言葉を聞き、我夢は気付いた。

ゼノヴィアは自分の持つ()()()()()()()()()宿()()()()()()()()()()()ことに。

それを確信した我夢はすぐに冷静になり、抑えられていた両腕を力づくで解放し、上体を起こす。

 

 

ゼノヴィア「っ!」

 

 

突然の行動にゼノヴィアは驚き、再度我夢を押し伏せようとしたが、先程とは違い、真剣な眼差しで見つめる我夢に動きを止めた。

 

 

我夢「ゼノヴィア、君は女性としての喜びが欲しいからウルトラマンの力を持つ僕とそういう事をしようとしたんだよね?」

 

ゼノヴィア「そうだ。より強く、逞しく育って欲しいか「本当にそう思ってるのか?」――!そう思ってるのか、だと…?」

 

我夢「ああ」

 

 

我夢にそう問われると、ゼノヴィアは目を見開き、問いかける。

我夢は言葉を続け

 

 

我夢「はっきり言おう。君は子供ではなくて、実のところはウルトラマンの力というものに興味があるだけじゃないのかい?」

 

ゼノヴィア「っ!?」

 

我夢「心の中では思ってないかも知れないけど、君の話し方だとそう聞こえてしまうんだ。まるで、人工的に兵士を作るみたいに…」

 

ゼノヴィア「……」

 

 

そう指摘されると、ゼノヴィアはどこか思うところがあったのか顔を俯かせ、言葉を失う。

我夢は暗い表情を浮かべる彼女の両肩に手を置き

 

 

我夢「本当に、本当に子供の事を思うなら。早まらず、ゆっくりでも良いから、相手を思いやる心が大事だ。そうじゃないと、産まれてきた子供がかわいそうだよ」

 

ゼノヴィア「…思いやる…心…」

 

我夢「今はわからなくてもいい。その内わかる日が来る筈さ。さあ、上を着て。誰かが来るとまずいし」

 

 

そう諭すと、彼女は理解したのか、力が抜けていくことがわかった。

我夢は近くの床に放り投げられていたゼノヴィアのビキニを手に取り、彼女に渡そうとした時

 

 

小猫「何…してるんですか…?」

 

ゼノヴィア「む?」

 

我夢「あ」

 

 

用具室の扉がいつの間にか空いており、入り口には半目でこちらを見つめる小猫の姿があった。

 

今の状況は上半身裸のゼノヴィアが我夢に馬乗りになっている。

そして、我夢の手には彼女が着ていたビキニがある。

誰がどう見ても、今まさに情事を行おうとしか見えない。

 

マズイと思うや否や我夢はゼノヴィアから離れ、後ずさる。

小猫は再度、我夢達に問いかける。

 

 

小猫「何をしてたんですか?」

 

ゼノヴィア「何を、って子作りだが?」

 

我夢「あっ、ちょっ!」

 

小猫「…なるほど」

 

 

ゼノヴィアがそう答えると、小猫は納得した様に頷き、我夢の元へゆっくりと歩き始める。

我夢は小猫の体から不穏なオーラが近付く度に放出している様に見えた。

 

その瞬間、我夢の顔は青ざめ、冷や汗がダラダラと流れ始めた。

 

 

我夢「ちっ、違うんだよ小猫!!これは誤解だ!」

 

小猫「誤解?この状況をどう説明するんですか?心配して来てみれば、まさか我夢先輩がこんな事をやるとは……」

 

我夢「ええ…ちょ、ゼノヴィア!何か言ってよ!!これは誤解だって!!」

 

 

迫ってくる小猫から逃げる様に後ろへと後ずさる我夢はゼノヴィアに助け船を求めた。

だが、この判断が我夢の命取りとなった。

 

 

ゼノヴィア「そうだぞ、小猫。これは誤解だ。我夢は『今の私とでは物足りん』と断ったんだからな」

 

我夢「ゼノヴィアァァァァーー!?」

 

小猫「そうですか…ゼノヴィア先輩だけでは物足りない、と…」

 

我夢「いや、違うから!!彼女の言い方が悪いから!!本当に違うから!!」

 

 

ゼノヴィアの言葉で更に疑惑が大きくなった小猫は不穏なオーラを更に放出させる。

それは助け船になるどころか、状況が更に悪化してしまった。

我夢は必死に弁明するが、もう彼女の耳には届かない。

 

 

我夢「あっ!」

 

小猫「…逃げられませんね」

 

 

そうこうして後ずさっていると、我夢はいつの間にか壁際に追い詰められた。

我夢は恐る恐る彼女の顔をのぞくと、まるで家畜を見るような蔑む目をしており、大量の不穏なオーラをひたすら放出していた。

 

 

我夢「あ…ああ…」

 

 

我夢は小猫に対する恐怖であいた口が塞がらず、身体中から冷や汗が溢れ出す。

小猫は指をポキッポキッと折り、

 

 

小猫「…覚悟はいいですか?」

 

 

その処刑宣告を告げた後、用具室からプールへ我夢の絶叫が響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

木場「あれ?みんな?」

 

 

ちなみに木場はそんな事があったとは露知らず、プールから顔を出し、ただ1人でキョロキョロと辺りを見渡していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その帰り。

プール掃除が終わった一向は家路に着こうと歩いていた。

 

 

我夢「い…いてて…」

 

一誠「な、なぁ、我夢。大丈夫かよ…」 

 

我夢「…今度ばかりは…無理……」

 

小猫「当然の報いです」

 

 

ズタボロになった我夢を心配する一誠。

その前を歩き、フンッと不機嫌そうに鼻を鳴らす小猫。

 

今日は色んな事があった。

朱乃のスキンシップ、そこから発展した2人の喧嘩、ゼノヴィアの強行子作り。

そして、勘違いから生まれた小猫のお仕置き…と非常に印象が残る出来事があり、我夢は精神的にも肉体的にも疲弊していた。

 

 

我夢「?校門に誰かいる」

 

一誠「本当だ…誰だ、アイツ?」

 

 

我夢はとぼとぼと歩いていると、校門に銀髪の少年が誰かを待つように壁にもたれかかっているのが見えた。

一行は誰だろう?と疑問に持ちながら、歩を進め、少年に近付いていく。

 

 

我夢「君は…?」

 

 

我夢が尋ねると、銀髪の少年は気付いたのか視線を向け、我夢やリアス達を品定めする様に眺める。

その行動に一行は不思議がって見ていると、銀髪の少年はその視線に気付き、「失礼」と一言呟いて不敵に笑う。

 

 

一誠「お前、なにもんだよ?」

 

ヴァーリ「俺の名はヴァーリ。白龍皇、『白い龍(バニシング・ドラゴン)』だ」

 

一誠「何!?」

 

我夢「白龍皇!?」

 

 

銀髪の少年こと、ヴァーリが白龍皇である事に一同は驚くと共に警戒した。

我夢と一誠は以前、リアスから大戦の結末を聞いている。

 

戦場で死闘を始めた2匹の龍を各勢力が力を合わせて倒し、神と魔王が残り少ない命で神器(セイクリッド・ギア)にそれぞれ、赤い龍(ウェルシュ・ドラゴン)は「赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)」に、そして白い龍(バニシング・ドラゴン)は「白龍皇の光翼(ディバイン・ディバイディング)」としてその魂を封印された。

 

そして、神器(セイクリッド・ギア)に封印されて尚、赤龍帝と白龍皇はいくつもの世代を越えて、何度も何度も戦い続けているのだ。

 

ヴァーリは一同に歩み寄ろうとするが、

 

 

木場「何をするつもりだい?」

 

ゼノヴィア「もし、彼らに危害を加えるつもりなら、容赦しないぞ…」

 

 

木場とゼノヴィアが首筋に剣を向ける。

だが、ヴァーリは怯える事もなく、鼻で笑い

 

 

ヴァーリ「止めておいた方がいい。変化する前のコカビエルごときに苦戦する君たちじゃ俺の相手にはならない事はわかっているだろう?現に今、切先が震えているじゃないか?」

 

 

そう指摘するように、剣を向ける2人は手がガクガクと震えていた。

リアスは2人に剣を収める様に指示すると、木場とゼノヴィアは悔しそうに剣を収める。

 

不穏な空気の中、リアスは敵意を向けながらヴァーリに問いかける。

 

 

リアス「それで、何の用かしら?白龍皇」

 

ヴァーリ「別に戦いにきたわけじゃない、アザゼルの付き添いとして付いてきただけさ。まあ、未だ現れない赤龍帝(俺のライバル)がいるわけじゃないし、乗り気じゃなかったさ。ただ、赤龍帝に匹敵…いや、それ以上に興味が湧く存在がいると知ってね……」

 

 

そう答えると、ヴァーリは我夢と一誠の顔を興味深そうに見つめた。

 

 

我夢「それが僕達って訳か」

 

ヴァーリ「そうだ。コカビエルや幾度も現れる破滅招来体に立ち向かい、倒してきた…。それで君達に興味が湧き、わざわざ会いに来た訳だ、ウルトラマンガイアにウルトラマンダイナ…」

 

一誠「そうか。だが、生憎だがサインや握手はしねぇぞ。諦めてさっさと帰れ」

 

ヴァーリ「ふふふ…」

 

 

一誠の皮肉めいた言葉にヴァーリはしばらく不敵に笑うと、我夢と一誠に問いかける。

 

 

ヴァーリ「君達は『力』とは何の為にあると思う?」

 

一誠「それは誰かを守る為だろ?」

 

我夢「僕も同じだ」

 

 

一誠の答えに我夢も同意見だと答える。

すると、ヴァーリは肩をすくめ

 

 

ヴァーリ「誰かを守る、か………いや、違うな」

 

「「!?」」

 

 

2人の意見を一蹴する。

我夢と一誠はなら何だよと言わんばかりに見つめると、ヴァーリは答える。

 

 

ヴァーリ「『力』とは、誰かをねじ伏せる為にあるものだ。強いやつと戦い、自分をより高みへと導いてくれる…それが力だ――」

 

我夢「――それは違うっ!!

 

リアス「我夢…」

 

 

すると、突然我夢は怒鳴るようにヴァーリの力の在り方を否定した。

この場にいる全員は我夢に注目を向けると、我夢は語る。

 

 

我夢「君は間違っている!!力は誰かをねじ伏せたり、自分を誇示するものじゃない!大切な誰かを、守りたい人を傷つけさせない為にあるんだ!!」

 

一誠「そうだ!我夢の言う通りだ!!」

 

 

隣で聞いていた一誠も同意見だと答える。

ヴァーリはこちらを睨み付ける2人の言葉を黙って最後まで聞くと、突然笑いだした。

 

 

ヴァーリ「面白い…実に面白い!ますます君達に興味が湧いたっ!はははっ!!おっと、失礼…つい笑ってしまった。あ、あと君達の名前を聞いていなかったな」

 

我夢「…高山 我夢」

 

一誠「…兵藤 一誠だ」

 

ヴァーリ「高山 我夢に兵藤 一誠…ふっ、覚えておくよ」

 

 

ヴァーリの奇行に2人は若干引きつつも名前を教える。

ヴァーリは覚えようと名前を繰り返す呟くと、踵をかえし、歩きだした。

すると、何かを思いだしたのか様にピタッと歩を止めると、リアスに顔を向け

 

 

ヴァーリ「リアス・グレモリー、その2人は貴重な存在だ。よく育てておけよ」

 

 

そう言葉を残すと、歩き去っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから数分後。ヴァーリは帰路である路地を歩いてると、何者かこちらの様子を伺っている様な気配を感じた。

ヴァーリは足を止め、その気配は見覚えがあるとわかると、ニッと口角をあげ

 

 

ヴァーリ「是非、君とも戦ってみたい。ウルトラマンアグル…」

 

 

振り返らずそう答えると、ヴァーリは再び歩き始める。

彼が去った後、電柱の影からは藤宮が彼の去っていった方角を見つめていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

我夢「お邪魔しま~す」

 

朱乃「ふふ、どうぞ」

 

 

白龍皇、ヴァーリの来訪が会ってから翌日。

我夢は朱乃の自宅である姫島神社に来ていた。

 

悪魔が苦手とする神聖である神社だが、悪魔でも入れる様になっているらしいがそれはさておき。

我夢がここに訪れたのは理由があり、昨晩、朱乃から話したい事があると連絡を受けたからである。

 

 

朱乃「ごめんなさいね、急に呼び出したりして」

 

我夢「いえ、特に何も予定がなかったんで」

 

 

申し訳なさそうに話す朱乃に我夢はニッコリと笑い、問題ないと返す。

ちなみに朱乃はたまに戦闘時に見かける巫女服を着ている。

我夢はリアスとはまた違う和風美人の朱乃によく似合っているなと思いつつ、朱乃の後についていくと、境内にある彼女が日常生活に使っている部屋に着いた。

 

 

朱乃「お茶ですわ」

 

我夢「あ、ありがとうございます」

 

 

我夢は出されたお茶にふ~ふ~と息をかけると、ゴクリと一口つける。

その瞬間、我夢はあまりの美味しさに言葉を失った。

苦味、コク、濃さ…どれをとっても完璧である。

この人が淹れた飲み物は全て美味しくなるんじゃないかと思うくらい我夢は感動した。

 

 

朱乃「あらあら、うふふ…♪満足してくれた様で嬉しいですわ」

 

我夢「あはは」

 

 

そのリアクションを見た朱乃はいつもの様に微笑むと、我夢も笑顔で返す。

しばらく笑うと、我夢はお茶をテーブルの上に置き、本題に入る事にした。

 

 

我夢「それで朱乃さん。話って?」

 

朱乃「…」

 

 

我夢がそう尋ねると、朱乃は先程の笑顔から一変して顔を曇らせ、黙りこんでしまう。

しばらく沈黙が続くと、朱乃は何かを決心したのか立ち上がると、我夢に背中を向けた。

朱乃は振り返らず、背を向けたまま我夢に問いかける。

 

 

朱乃「…我夢君。コカビエルが私について何か知っている様に話してた事を覚えてますか?」

 

我夢「はい、確か『バラキエルの娘』とか何とか……もしかして、それに関係する話を?」

 

朱乃「ええ…」

 

 

我夢がそう問うと、朱乃は頷く。

バラキエル。恐らく堕天使の名前であろうが、それを聞いた時、朱乃は怒りを露にしていた事を我夢は思い出す。

 

 

朱乃「…私は堕天使の幹部バラキエルと人間である母の間から生まれたものです」

 

我夢「(やっぱり、堕天使と関係があったのか…)」

 

 

朱乃は振り返りながらそう言うと、我夢は内心納得する。

朱乃は話し続け

 

 

朱乃「母はこの国のとある神社の娘でした。ある日、傷つき倒れていた堕天使の幹部バラキエルを助け、その時の縁で私を宿したそうですわ……」

 

我夢「!?」

 

 

そう言い終えると、背中から翼を広げると我夢は驚いた。

それはいつもの悪魔の翼ではなく、片翼はカラスの様な翼、堕天使の翼だった。

 

我夢が自分の翼を目を丸くして見ていると、朱乃は憎しげに堕天使の翼に触れる。

 

 

朱乃「私はこの翼、羽が嫌で悪魔になったの……。でも、生まれたのは堕天使と悪魔の翼を持つ、醜くおぞましい生き物。ふふ…こんな穢れた私にはお似合いですわ」

 

我夢「朱乃さん…どうして、僕に話してくれたんです?」

 

 

自虐気味な笑みを浮かべる朱乃に我夢は悲しげな表情で問いかける。

すると、朱乃は真剣な眼差しで我夢を見つめ

 

 

朱乃「…あなたには隠し事をしたくなかったの」

 

我夢「え?」

 

朱乃「本当の私はうす汚れた心を持っている臆病なだけ………でも、我夢君ならこんな私でもきっと受けとめてくれるじゃないかと思ったの」

 

我夢「っ!」

 

 

自分の想いを赤裸々と打ち明ける朱乃の顔はいつもの様に余裕に満ちた年上の女性ではなく、年頃の女性の顔だった。

その表情に失礼と思いながらも我夢は若干見とれつつ、黙って話を聞き続ける。

 

 

朱乃「我夢君はどう思う?アーシアちゃんを殺すだけでなく、この町を壊そうとした堕天使にいい思いを抱く筈はしませんよね?」

 

 

朱乃は弱々しく問いかける。

我夢はオブラートに包んで話しても逆効果だと思い、正直な気持ちを返そうと考え、口を開いた。

 

 

我夢「正直、僕は堕天使にはあまり良い印象を受けません。イッセーやアーシアに手をかけ、町の人の命を奪おうとしたことは許せません」

 

朱乃「…」

 

 

そう聞いた朱乃はより暗い表情になり、下に俯く。

我夢は「ですが」と付け加えると、

 

 

我夢「それは人間や悪魔と同じで、悪い人もいれば良い人もいると僕は思います。確かに出会ったのは悪い奴らだったですが、それはほんの一部ですよ」

 

朱乃「いいの?もしかしたら、私はあなたを何かしらに利用するために近付いてきただけかもしれない最低な女かもしれませんわよ。しかも、堕天使の血をひく――」

 

我夢「朱乃さん!

 

朱乃「!」

 

 

またも自虐的に話している朱乃の言葉を我夢は大声で呼び掛けて遮る。

そして、我夢は立ち上がると、朱乃に近寄り

 

 

我夢「朱乃さんは朱乃さんですよ!例え種族や血が違っても、僕たちの仲間である事には変わらないじゃないですか!」

 

朱乃「我夢君…」

 

我夢「それに…隠してたんですが僕も昔、自分の存在を憎んだ事があったんですよ」

 

朱乃「え!?我夢君が…?」

 

 

朱乃はそう打ち明ける我夢の顔を信じられないといった表情で見つめる。

それもその筈。今の我夢は笑顔が多く、とても自分を憎んでいたとは思えないからである。

我夢は頷くと、幼少期の記憶を思い出しながら話す。

 

 

我夢「僕は自慢する訳じゃないですが、頭が良くて、いつも先生や保護者に褒められていました。でも、それが気にくわない人達に目をつけられ、いつもいじめられてました。正直、僕は恨みましたよ。どうしてみんなと違うんだ、どうしてこんな目に遭うんだって…とにかく自分が嫌いでした」

 

朱乃「…」

 

我夢「でも、イッセーやイリナ達に出会って初めて僕という存在を受け入れてもらって、それまで辛かった人生観が変わったんです。だから、今でもこう思うんです。『彼等がいなければ今の自分はいない』、と…」

 

 

我夢は自分の過去の境遇を話終えると、朱乃の肩に手をおき

 

 

我夢「朱乃さんは最低な人じゃない、とても良い人です。そうでなければ、そんな悲しそうな顔をする筈がないじゃないですか」

 

朱乃「っ!」

 

 

そう言われると、朱乃はハッとなり、自分の顔に手を当てる。

我夢は真剣な眼差しで彼女の瞳をまっすぐ見つめ

 

 

我夢「例え、誰かが朱乃さんを否定しても、僕はずっと朱乃さんの味方ですよ!だって、朱乃さんを嫌う理由はどこにもないですから…」

 

朱乃「…っ!」

 

 

我夢のその言葉を聞き、嬉しさのあまり、朱乃は涙を流す。

 

 

我夢「え、ちょっ」

 

 

その様子を見た我夢は何か気に障る事でも言ってしまったのかと思い、あたふたする。

 

 

朱乃「ふふ、これは嬉し涙ですわ。我夢君、あなたは優しいですね」

 

我夢「はぁ、はは…」

 

 

涙を拭いながら理由を話す朱乃の言葉を聞くと、我夢は安堵した様に苦笑いをする。

 

 

朱乃「っ?////」

 

 

朱乃は苦笑いをする彼の顔を見ている内に頬が赤く染め上がり、また心臓が高鳴るのを感じた。

熱い。ミズノエリュウの時に感じた時よりも更に胸が熱く締め上げられる。

やっぱり、これは……。

彼に対する感情が何かを自覚すると、朱乃は我夢を押し倒した。

 

 

我夢「あ、朱乃さん?」

 

朱乃「我夢君……」

 

 

突然押し倒され、困惑する我夢の顔に触れ、愛しく見つめる。

我夢は最初は困惑していたが、段々と恥ずかしくなっていった。

 

 

我夢「すみませんっ!」

 

朱乃「あっ……ごめんなさい」

 

 

さすがにこの状況だと色々とマズイ…。

そう思うな否や、我夢は素早く彼女から離れた。

その行動に朱乃は自分が何をしようとしてたかと冷静になると、申し訳なさそうに謝る。

 

我夢は笑顔で許すと、ふと腕時計を見てそろそろ帰る時間だから帰ろうと立ち上がると朱乃も立ち上がり、玄関まで見送ってくれた。

 

 

我夢「それじゃ、僕はこれで。明日は授業参観ですから会えるかわかりませんが、また会いましょう」

 

朱乃「ええ、また明日」

 

 

我夢は玄関先で微笑みながらそう言うと、そのまま外へ歩きだした。

朱乃は彼が見えなくなるまで見送ると、ソッと胸に手を当てた。

 

 

朱乃「(我夢君…私はやっぱりあなたに……)」

 

 

体が熱くなり、胸が締め付けられる様な感覚…。

朱乃はこの時、彼に恋心を抱いている事に気付いた。

 

 

 

 

 

 

 




次回予告

駒王学園の授業参観へやってくる魔王達。
宇宙から向かってくる危機!
その時、アグルは地底からゾンネルを復活させた!

次回、「ハイスクールG×A」!
「天の影 地の光」!







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