ハイスクールG×A   作:まゆはちブラック

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旧魔王 カテレア・レヴィアタン
禍の団(カオス・ブリゲード)魔術師 登場!


第23話「三つ巴の戦い」

ヨーロッパにあるどこかの国。

夜の暗闇に包まれた路地を白いローブに身を包んだ少女、イリナがたった今任務を終え、教会本部へ向かって歩いていた。

 

 

イリナ「(どうして、青いウルトラマンは私を助けてくれたんだろ?それにあの人は…)」

 

 

イリナは帰国してからも、日本で出会った藤宮やウルトラマン…特にアグルのことが気になっており、頭から離れなかった。

 

 

イリナ「あっ!」

 

藤宮「…」

 

 

そのことについて考えながら道を歩いていると、目の前に突然、藤宮が現れた。

イリナは驚きつつも、本人に丁度聞きたいことを教えてもらおうと口を開くが

 

 

藤宮「…お前はウルトラマンはどういう存在だと思う?」

 

イリナ「え?」

 

 

藤宮に遮られる様に問われ、イリナはしばらく考えると

 

 

イリナ「…きっと私達、人類を助けてくれると思うわ。あの3人のウルトラマンは…」

 

藤宮「ふっ…」

 

イリナ「何がおかしいの?」

 

 

そう答えていると、藤宮は不敵に笑う。

イリナは少しムッとなりながらもその笑みの意味を問いかける。

 

 

藤宮「いや、君はウルトラマンに対する解釈を誤っていると思ってな。ウルトラマンは地球を守るものだ」

 

イリナ「それって、私が言っているのと――」

 

藤宮「違うな。地球を救うことと人類を守ることは同じではないんだよ。お前が考えてる青いウルトラマンもそう思ってる」

 

イリナ「えっ」

 

藤宮「彼は地球の意思に従って行動している。ただ、それだけを言いたかっただけだ…」

 

 

藤宮はそう言い、立ち去ろうとするが

 

 

イリナ「待って!」

 

 

イリナは彼を呼び止める。

こちらを振り向く藤宮にイリナは言葉を続け

 

 

イリナ「どうして私にそこまで教えるの?もしかして、あなた言いたいんじゃない?自分があの青いウルトラマンだって。あと小さい頃、あなた…海で私と会わなかった?」

 

藤宮「…」

 

 

そう問いかけると、藤宮はしばらく沈黙すると口を開き

 

 

藤宮「…お前の言う通りかもしれないな」

 

イリナ「…っ!?」

 

 

肯定ともとれる言葉を返すと、イリナは目を見開いた。

やはりと思っていた人物がアグルであることの驚きとその真実の重さにイリナは戸惑う。

 

イリナが戸惑う中、藤宮は再び背を向け

 

 

藤宮「それと、昔に出会った少年は………もうここにはいない…」

 

イリナ「っ!……」

 

 

そう告げると、藤宮は立ち去っていった。

イリナは戸惑いながらも去り行く彼の背中を悲しげに眺めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、日本の夜。

今夜は駒王学園にて開かれる、悪魔・堕天使・天使の三大勢力のトップによる会談当日である。

 

もちろん我夢が所属するグレモリー眷属やソーナ率いるシトリー眷属も参加する。

何でも、根源的破滅招来体やコカビエルの件について報告する為らしい。

 

現在は会場である職員会議室の準備や、校内に侵入者が入らない様に厳重に結界を張り巡らしている。

それが終わるまで、我夢達はオカルト研究部に待機していた。

 

皆が会話している中、我夢は藤宮がゾンネルを操るのに使った怪獣翻訳機「パーセル」の解析をしていた。

実はゾンネルを地中に戻した際、ゾンネルの眉間に刺さっていたのを見つけ、こっそりと回収していたのだ。

一応、リアスには新兵器の開発と話は通してある。

 

我夢は机の上で分解したパーセルを見ながら、パソコンに表示された分析結果を黙読した。

 

 

我夢「(機械語デコーダーに、脳周波数変換装置………藤宮はこれで怪獣を操っていたのか)」

 

 

我夢は改めて藤宮の才能に感服しつつも、彼の言う通り、「地球は人類は不要」なのかと疑問に思った。

 

その考えは絶対に間違っている。

だが、現に藤宮は地球からアグルの光を授かっている。

 

 

我夢「(本当に…それが答えなのか…?)」

 

リアス「――みんな、行くわよ」

 

 

我夢がそう悩んでいると、準備完了したとリアスの声が聞こえた。

我夢は一旦考えるのを止め、リアスを先頭に次々と部室を出ていく一同についていく。

 

 

ギャスパー「み、みなさん!お気をつけてぇぇ!」

 

 

会談の間、ギャスパーはお留守番である。

神器(セイクリッド・ギア)は特訓の成果である程度コントロールはできてはいるが、何かの拍子で三大勢力のトップを止めてしまったら一大事である。

 

 

我夢「ギャスパー。もし暇だったら、僕が買ってきたお菓子やイッセーのゲームを置いておくから、好きに食べたり遊んだりしてくれ」

 

ギャスパー「はっ、はい!」

 

 

そう言った我夢からゲームやお菓子を受けとると、ギャスパーは嬉しそうに頬を緩ます。

その様子に安心した一同は旧校舎を出て、本校舎を目指して歩く。

 

 

木場「前々から思ってたけど、我夢君って面倒見がいいんだね」

 

我夢「そうかな?教えるのとかは昔から好きだけど…」

 

 

歩いている途中、木場にそう言われた我夢はキョトンする。

すると、隣にいた一誠がポンと我夢の肩に手をおき

 

 

一誠「それが面倒見がいいって言うんだよ。ほら、ギャスパーもお前に懐いてるみたいだし…」

 

我夢「う~ん…そうなのか」

 

 

そう言うと、我夢は納得したように唸る。

一誠の言う通り、ギャスパーと我夢が会話している姿を一同は多々目撃している。

やはり、何か合うところがあったかも知れないと我夢は改めて思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リアス達ははじめの頃は色々話してはいたが、本校舎の職員会議室に近付くにつれ、口数が減り、最終的には誰も口を開かなかった。

そして、一行は職員会議室の扉の前に着いた。

 

 

コンコン…

 

リアス「失礼します」

 

 

リアスは職員会議室の扉をノックし、一言そう言うと、彼女を先頭に中へ入っていく。

室内にはサーゼクスやソーナ等、見知った人物やアザゼルやセラフォルー、光る光輪に金色の翼を持つ男…おそらく天使側の代表であろう人物に、あの白龍皇ヴァーリといった、そうそうたるメンバーが取り囲んで座っていた。

 

セラフォルーとアザゼルはおちゃらけた雰囲気ではなく真剣で、2人共キチンとした礼服姿であることから、いかにこの会談が重要なのかが伺える。

 

 

サーゼクス「私の妹と、その眷属だ」

 

 

サーゼクスが他勢力のトップ2人に紹介すると、リアス達は軽く会釈する。

 

 

サーゼクス「彼らは破滅招来体の迎撃や先日のコカビエルの件で活躍してくれた」

 

ミカエル「報告は受けています。改めてお礼を申し上げます」

 

 

優しげな顔をした天使側の代表、ミカエルはペコリとお辞儀をすると、リアス達もそれに合わせてお辞儀する。

 

 

アザゼル「悪かったな~、俺んとこのコカビエル(バカ)が迷惑かけちまって」

 

 

アザゼルは申し訳なさそうの態度を1つも見せず、軽い感じで謝る。

これにはリアスも腹に立ち、口元をピクピクとひくつかせる。

 

 

サーゼクス「さあ、その席に座りなさい」

 

 

サーゼクスにそう促された一同は、目の前にある椅子に座っていく。

 

そして、全員が座り終えるのを確認したサーゼクスは口を開く。

 

 

サーゼクス「さて、全員が揃ったことだが、1つ前提条件がある。ここにいる者は最重要禁則事項を『神の不在』を知っている……それを認知しているものとして話を進める」

 

 

この一言で三大勢力のトップによる会談が始まった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

ギスギスとした空気での話し合いになるかと思えば、そんなこともなかった。

たまにアザゼルが余計なことを言って場を凍りつかせることもあるが、話し合い自体は順調そのもので進んでいった。

 

 

サーゼクス「さて、リアス。そろそろ先日の事件について話してもらおうかな」

 

リアス「はい、ルシファー様」

 

 

サーゼクスにそう言われると、リアス、朱乃、ソーナ、そして我夢が立ち上がり、先日の一部始終を話し始める。

 

4人は冷静に落ち着きをもって話してはいるが、やはり目の前に大物がいることにより、緊張のせいで手が微かに震えていた。

 

 

リアス「――以上が私、リアス・グレモリーとその眷属悪魔が関与した事件の報告です」

 

サーゼクス「ご苦労。座りたまえ」

 

 

全て話し終えた4人はサーゼクスの一言に従い、ほっと心の中で安堵しながら椅子に座る。

 

 

セラフォルー「リアスちゃん達、ありがとう♪」

 

 

そんな彼らにセラフォルーはウィンクを送った。

 

 

サーゼクス「…さて、アザゼル。この報告を受けて、堕天使総督の意見を聞きたい」

 

 

サーゼクスがそう問いかけると、皆の視線は一斉にアザゼルへ注がれる。

だが、その目は疑惑の目である。

何しろ、様々な問題を駒王町で起こすだけでなく、幹部のコカビエルが根源的破滅招来体と協力を結んだあの堕天使の総督…疑いがかけられても仕方がない。

 

注がれる視線にアザゼルはやれやれといった様子でため息をつくと、口を開く。

 

 

アザゼル「あのなぁ…あいつは俺んとこの白龍皇(ヴァーリ)が回収して、地獄の最下層(コキュートス)に永久凍結の刑にするつもりだったって、この前渡した資料に書いてただろうが。それで合ってる」

 

ミカエル「ですが、コカビエルは先ほど説明があった根源的破滅招来体のアパテーやスフィアとつながりがあった………しかも、彼は青いウルトラマンによって殺されました。もしかしたら、あの青いウルトラマンは貴方が口封じのため雇ったのでは?」

 

アザゼル「何でそうなるんだよ。あの青いウルトラマンは雇ってねぇし、俺たちとは無縁だ。それにもし破滅招来体とグルだったら、ここに来ねぇだろ」

 

 

ミカエルの問いにアザゼルは半目で見つめながら答える。

確かに見方によってはそう見えるかもしれないと我夢は心の中で思っていると、次はサーゼクスが口を開いた。

 

 

サーゼクス「では、質問を変えよう。アザゼル、何故ここ数十年神器(セイクリッド・ギア)所有者をかき集めていたのだ?私としては戦略増強として考えていたのだが…」

 

アザゼル「神器(セイクリッド・ギア)研究の為だ。ただ、それだけだ。戦争なんて起こす気も無いし、興味無ぇよ」

 

 

サーゼクスの問いかけにアザゼルは答えると、他の勢力は嘘偽りなく正直なものと判断し、納得したように頷く。

 

 

ミカエル「…確かにその発言に嘘は無さそうですね」

 

アザゼル「ああ~、ハジメっから俺は正直に答えているって、はぁ………神や先代ルシファーよりかはマシかと思ったがお前らも面倒くさいな。チッ…わーたよ、ならさっさと和平を結ぼうぜ。お前らも鼻っからそのつもりだったんだろ?」

 

 

アザゼルのその発言に各勢力のトップ以外は驚きに包まれた。

長い歴史上、争っていた三つの勢力がここに和平を結ぼうというのだ。

 

そのアザゼルの言葉にミカエルとサーゼクスは

 

 

ミカエル「貴方から『和平』という言葉が出るとは意外でしたが…確かに貴方の言う通り、元より私たち天使もそのつもりでした。このまま三勢力ともいがみ合っても、世界の障害にしかなりません。……神はもういないのですから」

 

サーゼクス「我らも同じだ。魔王がいなくとも、種の存続の為、我ら悪魔も進まねばならない。もし、また戦争を起こせば、三勢力とも滅びるだろう…」

 

 

和平に肯定的な意見を出す。

それを聞いたアザゼルは頷き

 

 

アザゼル「俺たちだけでなく、この人間界にも影響が出て、世界は確実に終わる……。今は根源的破滅招来体なんて目的も素性もわからない存在がいるし、俺たちが争いあっても何も利益にもならねぇ。それにな…」

 

 

そう言うと、アザゼルは両腕をバッと広げ

 

 

アザゼル「神がいなくても世界は回るのさ」

 

 

その言葉でひとまずこの和平についての話し合いを締めくくった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アザゼル「おい、サーゼクス。()()()()()()()があんだろが。勿体振らず話せ」

 

 

和平賛成の署名を終え、一同は出されたお茶を飲みながらリラックスしていると、突然アザゼルがサーゼクスに問いかける。

 

その問いかけに皆は驚く。

すると、

 

 

サーゼクス「さすがだね、アザゼル。その通りだ。実はこういうものを創ろうと考えてね…グレイフィア」

 

グレイフィア「はい」

 

 

そう言いながらサーゼクスはグレイフィアに指示すると、グレイフィアは皆に何かの資料を配っていく。

その資料のタイトルは『三大勢力合同防衛組織について』というものだ。

 

 

サーゼクス「人間界へコッヴが現れてから、地球に眠っていた怪獣達だけでなく、破滅招来体が送り込んだきた宇宙怪獣も暴れだした。天界にはまだ報告がないが、我々が住む冥界には既に何体か目撃されている。やがて我々にも破滅招来体の魔の手が本格的に迫り、人間界のみならず、冥界や天界を破滅に導くだろう」

 

 

サーゼクスは淡々と話すと、アザゼルとミカエルの顔を見て

 

 

サーゼクス「そこで()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()と思う!」

 

「「「「「「「「!?」」」」」」」」

 

 

そう発言すると、皆は言葉を失った。

先程、和平協定を結んだという歴史上に残るであろうことに加え、今度は三大勢力による防衛組織を結成する…。

これには驚かずにはいられなかった。

 

 

サーゼクス「どうだ?せっかく和平を結んだんだ、これを起に結成しようではないか?」

 

 

サーゼクスはアザゼルとミカエルに話を投げ掛ける。

すると、2人は「賛成」と声を揃えて答えた。

こうして、前代未聞の三大勢力による防衛組織の結成が決定した。

 

 

サーゼクス「さて、具体的な内容は資料に書いてあるから後にして…何か名前をつけないとな……。どうしたものか」

 

我夢「あの~」

 

 

サーゼクス達はう~んと頭を悩ませていると、我夢がおそるおそる手をあげた。

 

 

サーゼクス「どうした?我夢君」

 

アザゼル「何かいい名前思いついたのか?」

 

我夢「はい、XIG(シグ)って名前はどうですか?」

 

セラフォルー「しぐ?」

 

 

その名前に一同は首を傾げていると、我夢は偶然持っていたメモ帳に名前を書き、皆に見せた。

 

 

我夢「はい、eXpanded Interceptive Guardiansの略で簡単に翻訳すると、拡張する危機を妨害する守護者という意味です。根源的破滅招来体の危機から地球や冥界を守る組織としてピッタリと思うんです」

 

アザゼル「XIGか…いいじゃねぇか。しっくりくるぜ」

 

セラフォルー「格好いいね!私さんせーい☆」

 

ミカエル「私も同じく賛成です」

 

サーゼクス「うむ。では三大勢力合同組織…改めてXIGとしよう。もちろん君たちにも加入してもらうつもりだ」

 

 

説明を聞いた4人は誰も反対する者はおらず、こうして組織名は我夢の提案した「XIG」となった。

 

 

我夢「ありがとうございます!」

 

一誠「良かったな、我夢!」

 

 

喜ぶ我夢とそれを自分の様に喜ぶ一誠を微笑ましく見ながら、サーゼクスは口を開く。

 

 

サーゼクス「こんなところだろうか…と言いたいところだが、高山 我夢君、兵藤 一誠君。君たちやこの場にいる者達に知ってほしい重要なことがある」

 

一誠「知ってほしい?」

 

我夢「重要なこと…?」

 

 

真剣な表情で話すサーゼクスに我夢達は賑やかな雰囲気から一変してキョトンとしながら問う。

それにサーゼクスは頷くと

 

 

サーゼクス「君たち、いや…正しくは()()()()()()()()()()()()()()()()()()、そして()()()()()()()()についてを!」

 

「「「「「「「「!?」」」」」」」」

 

 

その言葉にシトリー眷属及びグレモリー眷属一同は目を丸くした。

しかも今まで興味無さそうに聞いていたヴァーリも興味を示すかのように顔をあげている。

 

 

ミカエル「いつか明かす時がくると思いましたが、もう頃合いなのですね」

 

サーゼクス「ああ、この場にいる者なら話してもきっと問題はないだろう。”彼ら”がいたなら、きっとこのタイミングで話すさ」

 

アザゼル「そうかもな」

 

我夢「?」

 

 

3人の意味深な会話にリアスやソーナ達はどういうことだと更に疑問に思っていると、サーゼクスはリアスへ顔を向けた。

 

 

サーゼクス「リアス。大昔にこの地球で起こした大戦の結末は知っているね?」

 

リアス「はい、確か戦場に現れた二天龍が喧嘩を始め、それを阻止するために三勢力が力を合わせ、その際魔王と神が犠牲にはなりましたが、何とか神器(セイクリッド・ギア)に封印した…という結末ですよね?」

 

 

以前からその話を聞かされていた我夢と一誠はその通りではないかと思いながらうんうんと頷く。

すると、サーゼクスは

 

 

サーゼクス「そうだ。()()()にはそうだが、実は()()のだ。()()()()()()()()()()()のだ」

 

リアス「え?じゃあ、誰が?」

 

 

リアスがそう問いかけると、サーゼクスは真剣な表情を浮かべ

 

 

サーゼクス「かつての大戦にも現れたのだよ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウルトラマンが」

 

「「「「「「「「!?」」」」」」」」

 

 

そう答えると、皆は目を見開いた。

過去にもウルトラマンが…?何故?といった表情を各々浮かべていると、サーゼクスは昔の事を思い出しながら語っていく。

 

 

サーゼクス「大戦の最中に乱入した二天龍を何とか止めようと我々は力を合わせ、必死に戦った。だが、神や魔王の力を持っても中々止められず、死者も増え、この地球も滅ぶ寸前だった…」

 

 

サーゼクスはそう言うと、スクッと立ち上がり

 

 

サーゼクス「だがその時、宇宙から数多の光がこの地球に降りてきた。そう、ウルトラマンがね」

 

我夢「ウルトラマンが…宇宙から?」

 

 

我夢が問いかけると、サーゼクスは頷く。

 

 

サーゼクス「彼らはその力で二天龍をあっという間に倒したのだ。我々が苦戦したあの二天龍を。彼らの力の前に我々は争う気もなくなったよ。そして、神と魔王は最後の力を振り絞り、二天龍を神器(セイクリッド・ギア)に封印した…」

 

 

そう語る歴史の真実にリアス達は固唾を飲む。

まさかウルトラマンがそんな昔からおり、大戦の終結のキッカケになるとは誰も予想だにしなかった。

 

そんな空気の中、リアスはサーゼクスに問う。

 

 

リアス「なら、どうしてそれを私達に公表しなかったのですか?」

 

サーゼクス「それは彼らからの約束だからだよ」

 

一誠「約束?」

 

サーゼクス「ああ、彼らは二天龍を倒した後、この滅びかけた地球…いや人間界に自らのエネルギーを与え、地球を救った。それを見て終戦を決断した我々に彼らはこう言ったのだ、『我々の存在を後世に伝えるな』と…。そう伝えた後、彼らはこの人間界にいた古代の人類に希望を見出だしたのか僅かに残っていた光の遺伝子を分け与えた。彼らはその後、それ以上我々の文明に干渉せず、自らの肉体を残し、光となって宇宙へ飛び去っていった……」

 

 

そう語り終えると、サーゼクスは未だ話のスケールに驚いている我夢と一誠の顔を見て

 

 

サーゼクス「君達がウルトラマンになれるのは、その光の遺伝子を受け継ぐ者だからだろう。ダイナやガイアは長年蓄積されていた地球とウルトラマンの光が合わさったエネルギーによって生まれた存在と私は思う」

 

一誠「マジかよ…」

 

我夢「僕たちが…?」

 

 

そう聞いた我夢と一誠は驚くと共に納得した表情を浮かべる。

リアスやソーナ達は何故、2人がウルトラマンになれるのかと、数ヶ月にも渡って残っていた疑問が解決した。

 

 

我夢「(そうだとしたら、藤宮も…)」

 

 

我夢はこの場にいない藤宮も光の遺伝子を受け継ぐ者だということ、だからアグルになれるという事を理解した。

 

 

一誠「じゃあ、サーゼクス様。俺のダイナはどうしてアグルやガイアと違って姿を変えられるんですか?」

 

 

一誠がそう問いかけると、サーゼクスは顎に手をあて、しばらく考えると

 

 

サーゼクス「おそらく、それは宇宙に最も近いからだろう。空は宇宙に近いから。大昔に現れたウルトラマンにも姿を変える能力…名付けるならタイプチェンジを使う者がいたからね」

 

一誠「な、なるほど…」

 

 

サーゼクスの考察に一誠は納得したように声をもらすと、今度は我夢が問いかける。

 

 

我夢「その古代のウルトラマンの肉体って今どこにあるんですか?」

 

サーゼクス「いや、それはわからない。我々も必死に探したがどこにも見当たらなかった。ただ、この人間界の何処かにきっとある、それだけは言えるだろう」

 

 

その返答に我夢は納得したように頷く。

 

 

アザゼル「んじゃあ、そろそろ会談も終わりに近いから、この世界に影響を及ぼす奴等に話を聞いて終わりにしようか。んじゃあ、まずはヴァーリ。お前は世界をどうしたい?」

 

 

いつの間にか仕切ってるアザゼルが後ろにいるヴァーリに尋ねると、彼はフッと不敵に笑い

 

 

ヴァーリ「俺は強いやつと戦えればいい…それだけだ……」

 

 

そう言うと、彼は再び口を閉ざす。

それを聞いたアザゼルは「いつも通りか」と呟いているが、周りの空気は少しだけ不穏になった。

 

 

一誠「俺、あのギザ野郎気に入らねぇんだよな~」コソコソ

 

我夢「ああ…」コソコソ

 

 

それを見た一誠は隣にいる我夢に小声で不満をもらすと、我夢も同意見だと頷く。

普段、相手にあまり不満や恨みを持たない我夢もこれには同感だった。

 

 

アザゼル「んじゃあ、ダイナ。お前はどうしたい?」

 

 

アザゼルがそう問いかけると、一誠は真剣な眼差しで

 

 

一誠「守りたい人を守る。戦う理由はそれだけですよ」

 

アザゼル「ふぅむ。他人のために力を使うか……最後はガイア。お前は?」

 

 

そう返答すると、アザゼルは面白そうにうんうんと頷き、次は我夢へ問いかける。

 

 

我夢「僕はこの地球に住む全ての人々、悪魔や天使や堕天使を守る為、この世界を破滅へ導く存在と戦っていきます」

 

アザゼル「ふっ、そうか」

 

サーゼクス「さて、こんなところだろうか」

 

 

我夢の言葉にアザゼルは興味が湧いたのか、口角をあげる。

そして、全ての事項が終わり、この会談を終わろうとした瞬間――――会議室は静止した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

我夢「何だ!?」

 

 

我夢は突然周りの景色が灰色になったことに驚きつつも辺りを見渡すと、朱乃、小猫、アーシアやソーナとその眷属はまるでリモコンの一時停止を押したビデオの様に固まっていた。

 

 

一誠「我夢、無事だったか!」

 

 

我夢は一誠の方へ視線を向けると彼だけでなく、三大勢力のトップ、リアス、ヴァーリ、木場、何故かデュランダルを取り出しているゼノヴィアは動けていた。

 

 

我夢「イッセー!動けるのか?」

 

一誠「ああ、はじめは何で動けるのかわかんなかったけど、ダイナの光が守ってくれたみたいだ」

 

我夢「そうか…」

 

 

一誠と我夢の近くの空間にそれぞれ黄色と赤い光が優しく輝かせながら佇んでいた。

その光を見ながら、2人は心の中で感謝すると共に懐から取り出したそれぞれの変身アイテムに収納した。

 

 

木場「それにしてもゼノヴィア。禁手に至ってる僕や魔王様達はわかるとして、どうして君が動けるんだい?」

 

リアスやサーゼクス達が動ける者を確認する中、木場は隣にいるゼノヴィアに問いかける。

 

 

ゼノヴィア「ああ、咄嗟にデュランダルを盾にしたんだ。時間を止められる感覚は身についたからな」

 

一誠「マジかよ…」

 

我夢「ありえるのか…」

 

木場「ふふ…」

 

 

ふふんと鼻を伸ばす彼女の話を聞き、一誠と我夢は信じられない様に目を大きく見開き、木場はさすがと言わんばかりに含み笑いする。

 

 

リアス「時間を止めるって…もしかして、ギャスパーの能力!?」

 

我夢「でも何で…?」

 

アザゼル「外見てみろ、犯人のお出ましだ」

 

 

リアス達は考えていると、アザゼルの言われるまま窓の外を眺める。

窓から見える校庭上空には、魔方陣から多数の魔術師が次々と姿を現していた。

 

 

一誠「何だありゃ?」

 

アザゼル「テロリストだ」

 

 

アザゼルがそう呟いた瞬間、魔術師達はこちらへ向かって攻撃をしかけてきた。

 

 

 

一誠「アザゼル、あんた…あいつらのこと知ってんのか?」

 

 

サーゼクスは時を止められた瞬間、咄嗟に張った結界で攻撃を防いでる中、一誠は問いかける。

すると、アザゼルは頷き語りだした。

 

 

アザゼル「奴等の名前は『禍の団(カオス・ブリゲード)』。知ったのは最近だが、多数の神器(セイクリッド・ギア)神滅具(ロンギヌス)の所有者がいるって噂のテロ集団だ」

 

我夢「カオス・ブリゲード…」

 

ミカエル「我々も噂程度の存在だと思ってはいましたが、まさか本当にいたとは……アザゼル。貴方が神器(セイクリッド・ギア)を研究していたのは、それにそなえる為だったのですね?」

 

アザゼル「ああ、それにこの現象もヴァンパイアの小僧を引っ捕らえて、やつの持つ停止世界の邪眼(フォービドウン・バロール・ビュー)を暴走させ、俺たちを止めるつもりだったんだろうな…」

 

リアス「よくもギャスパーを…!」

 

 

リアスはそう呟きながら歯を噛み締める。

眷属への情が厚い彼女にとっては、会談を襲撃する為に自分の眷属を利用されるのは堪らないものだ。

 

 

一誠「これからどうするんです?」

 

サーゼクス「とりあえずギャスパー君の救出が優先だ。私はこの結界を張り続けないといけないし、真の狙いは我々、各勢力のトップだろう。このまま待機していれば、首謀者がしびれをきらして現れるだろうが…」

 

 

サーゼクスの結界のおかげでこの会議室は何とか守られているが、このままという訳にはいかない。

誰が行こうかと皆が考えようとした時、リアスが真っ先に手をあげた。

 

 

リアス「お兄様、私が行きます。ギャスパーは私の眷属ですので、私が責任持って奪い返します」

 

サーゼクス「わかった。だが、旧校舎までの道のりは危険……しかも大勢の魔術師がいる以上、通常の転移も不可能だろう」

 

リアス「部室に未使用の『戦車』を保管しています。それで『キャスリング』を…」

 

サーゼクス「なるほど…その手があったか」

 

 

キャスリング。

それはレーティングゲームにおける特殊な手法の1つで、(キング)戦車(ルーク)の位置を瞬間的に変えるものだ。

 

つまり、旧校舎にある戦車(ルーク)に対してキャスリングを行えば、敵の目や罠を掻い潜り、一瞬のうちに旧校舎内に侵入出来るということだ。

 

 

サーゼクス「よし、それでいこう。しかし、1人で向かわせるのは危険すぎる。グレイフィア、キャスリングを私の魔力で複数人を転移できるか?」

 

グレイフィア「はい、お嬢様ともう一人方ならば転移可能です」

 

一誠「なら、「僕が行きます」――我夢!?」

 

 

一誠はいの一番に名乗りをあげようとしたが、我夢に遮られる。

実際、力押しのグレモリー眷属の中でも頭脳派で、作戦の指揮やバックアップが出来る我夢よりも一誠が救助に向かった方が良い。

では何故?と疑問の表情を浮かべながら顔を向ける一誠に我夢は

 

 

我夢「イッセー。実際は僕が残った方が知れないけど、彼の教育は僕に任されたんだ。わがままかもしれないけど、必ず助け出すから、ここは任せてくれないか?それに、もしも何かあった時は案外、行動派のイッセーが状況を打破できると思う」

 

一誠「わかった。気を付けろよ、我夢!」

 

我夢「ああ!」

 

 

その言葉に一誠は納得すると、健闘を祈ると共にサムズアップする。

我夢もサムズアップをすると、グレイフィアから術式を施されているリアスの隣に並び立つ。

 

 

アザゼル「おい、ガイア」

 

我夢「ん?」

 

 

リアスと同様、グレイフィアから術式を施される中、我夢はアザゼルから何かを投げ渡される。

それは特に何も変哲のない腕輪だった。

 

 

我夢「これは?」

 

アザゼル「そいつは神器(セイクリッド・ギア)の力を押さえる、いわば制御装置だ。ハーフヴァンパイアに渡してやれ」

 

我夢「ありがとう」

 

アザゼル「へっ、礼は終わった後にしろ。ヴァーリ」

 

 

我夢から感謝されたアザゼルは少々カッコつけて笑うと、ヴァーリの方へ顔を向ける。

 

 

アザゼル「お前は表でドンパチやってる奴等の注意を引くんだ。殺しても構わん」

 

ヴァーリ「了解」

 

 

アザゼルから指示を受けたヴァーリは窓際まで歩くと、背中から白く光輝く翼を広げた。

 

 

ヴァーリ「禁手(バランス・ブレイク)

 

《Vanishing Dragon Balance Breaker!!!》

 

 

そう呟いた瞬間、中性的な音声が流れたかと思うと、ヴァーリはドラゴンを模した白い鎧を身に纏った。

 

 

ドガァァァン!

 

ヴァーリ「行くぞ」

 

 

そして、ヴァーリは派手に窓際の壁を破壊すると、そのまま飛び立ち、魔術師達に攻撃を始めた。

 

対する魔術師は攻撃するが、スルリスルリとヴァーリに避けられ、次々と倒されていく。

最早ヴァーリの独壇場であった。

 

 

アザゼル「これで注意は引けてるだろうが…ったく、ちゃんと窓から出ろよ」

 

グレイフィア「御二方、術式が完了致しました」

 

リアス「わかったわ。我夢、行くわよ!」

 

我夢「はい!」

 

 

アザゼルがそうぼやく中、グレイフィアにそう告げられた2人はいざ、魔法陣で転移しようとするが…

 

 

我夢「あれ?」

 

リアス「?」

 

サーゼクス「何故だ?」

 

 

何故か転移できず、魔法陣が消えてしまった。

リアスはもう一度魔法陣を展開するが、また同じ様に消えてしまう。

どういうことだと疑問符を浮かべる一同にグレイフィアは

 

 

グレイフィア「術式は完璧です。ですが、考えられるとしたら、戦車(ルーク)の駒が電磁波によって遮断されているのかと…」

 

リアス「じゃあ、どうすれば…」

 

我夢「部長、僕に考えがあります」

 

 

その仮説を聞き、どうしようかと考えるリアスに我夢は提案する。

 

 

我夢「ガイアのテレポーテーションで旧校舎に転移できます。エネルギーは多く消耗しますが、今はそれしかありません」

 

サーゼクス「まだ敵の全貌が見えない内にエネルギーを消耗するのは得策ではないが…仕方あるまい」

 

リアス「…ええ、頼むわ」

 

我夢「ガイア!

 

 

リアスの承諾を得ると、我夢は掛け声と共にエスプレンダーを前につきだし、そこから溢れる赤い光でガイアに変身した。

 

 

セラフォルー「おおーーー☆☆」

 

ガイア「部長」

 

 

ガイアの姿にセラフォルーが興味津々に目を輝かせる中、ガイアはリアスと共にテレポートしようとした時

 

 

一誠「魔法陣!?」

 

ガイア「ハッ!?」

 

 

会議室にこの場にいる誰のものでもない魔法陣が現れた。

その光景を見たガイアは一瞬、テレポーテーションをやめようとするが

 

 

サーゼクス「我夢君!早く行くんだ!」

 

ガイア「!」

 

 

サーゼクスの今まで聞いたことのない切羽詰まった声にガイアは思いとどまると、赤い光の柱を立てながらリアスと共に転移した。

 

 

 

 

 

 

ガイアとリアスがテレポートした後、会議室では突如現れた魔法陣の中から眼鏡をかけた女性が姿を現した。

 

 

「ごきげんよう。現魔王及び天使、堕天使陣営の首領の皆様方…」

 

サーゼクス「まさか君が来るとはな…カテレア」

 

 

優雅に挨拶をする女性ことカテレア・レヴィアタンの出現に顔を曇らせる一同。

彼女は初代四大魔王の血筋などで構成されている「旧魔王」と呼ばれる一派である。

 

普通なら血筋をひく彼らが魔王を引き継ぐべきだが、あまりにも平和とは程遠い思考を持っており、そのせいで魔王の名を剥奪され、冥界中でつま弾きされている。

 

その旧レヴィアタンである彼女が襲撃の場に現れた…、もちろん良い意味で来たわけではないことである。

 

 

カテレア「今、この場を持ってお伝えしましょう。我ら旧魔王派は、禍の団(カオス・ブリゲード)に協力することに決めました」

 

「「「「「「!?」」」」」」

 

 

その言葉に皆は驚いた。

そう、反乱である。

最も三勢力のトップ達は嫌な予感が的中したのか、更にその顔を曇らせる。

 

 

セラフォルー「どうして、カテレアちゃん!?私達、魔王の立場と関係なく、仲良くしようって言ったじゃない!?」

 

カテレア「黙れ!私からレヴィアタンの座から奪った貴様と仲良くするかっ!!この女狐がっ!私こそが真のレヴィアタンだ!!」

 

セラフォルー「そんな…」

 

 

睨みつけながら叫ぶカテレアの言葉にセラフォルーはショックで肩を下ろし、言葉を失う。

すると、今度はサーゼクスが問いかける。

 

 

サーゼクス「カテレア、その言葉に間違いはないな?」

 

カテレア「ええ、この襲撃に受け持ったもの我々、そして現魔王勢力やこの世界を滅ぼし、作り直すのです!理念、法、システム全てをっ!!」

 

 

カテレアはニヤリと口角をあげながら、自信に満ちた表情で言い切ると

 

 

アザゼル「…クッ、ククク…!ハハハ、ハッハッハッ!!」

 

 

アザゼルは何がおかしいのか、突然腹を抱えて笑いだした。

その行動に皆はキョトンとしながら視線を向ける。

 

 

カテレア「…っ!何が可笑しいのです!」

 

 

カテレアもキッと睨みつけ、未だ笑い続けるアザゼルに問いかける。

すると、アザゼルは「悪ィ悪ィ」と呟きながら、笑うのを必死に抑え、息を整える。

 

 

アザゼル「いやぁ~お前さん達が考えてる事が()()()()()()()()って思ってな、つい笑っちまった」

 

カテレア「何っ!?」

 

アザゼル「世界を滅ぼして仕組みを変える?カテレア、お前さんいつの時代のやつだよ。それで今の体制が気にくわなかったからテロリストに協力する……堕ちに堕ちたもんだな」

 

カテレア「っ!」

 

 

そう聞いていく内にカテレアは怒りを露にすると、膨大な魔力を徐々に放出していく。

アザゼルはそれを気にせず立ち上がると、カテレアに近づいていく。

 

 

アザゼル「お前ら、手ェ出すなよ」

 

 

アザゼルはゆっくりと歩きながらサーゼクス達へ顔を向けてそう言うと、カテレアの目の前に立つ。

 

 

アザゼル「おい、カテレア。ちょいと付き合ってもらうぜ。お前さんには色々聞きたいことがあるんでな」

 

カテレア「いいでしょう。まずは貴方の息の根を止めてやりましょう!」

 

 

カテレアはアザゼルの挑発にのると、2人は睨み合いながらヴァーリが先程壊した窓際の壁から飛び立ち、激しい空中戦を開始した。

 

 

ゼノヴィア「裕斗。私達も周りの敵を殲滅するぞ」

 

木場「ああ!」

 

一誠「俺も行くぜっ!」

 

 

それと同時に3人は窓際の壁から飛び降りると、お互いの武器を構え、地上にいる魔術師に向かって行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、ガイアとリアスは無事旧校舎内にテレポートし、中にいるであろう魔術師達に警戒していたのだが

 

 

ガイア「これは!?」

 

リアス「っ!?」

 

 

目の前に広がる光景に2人は驚いた。

その光景とは、廊下や部屋のあちこちにギャスパーを捕らえた魔術師達が1人残らず倒れていたのだ。

 

 

「ううっ…」

 

 

だが、魔術師達は気を失っているだけであり、生きている。

2人は奇妙に思いながら、地面に這いつくばる魔術師達を通り抜け、ギャスパーを捜す。

 

 

リアス「彼らを攻撃するってことは、禍の団(カオス・ブリゲード)ではないのは確かね。それに私達の勢力でもない…一体、誰が?」

 

ガイア「…ッ」

 

 

次々と扉を開けながら捜していく中、リアスの呟きにガイアは心当たりのある人物が浮かび、まさかと思った。

 

 

リアス「ここが最後ね…」

 

ガイア「…」

 

 

それから数分後。

旧校舎内を探し回った2人は、まだ調べていない部室の前に着いた。

 

 

リアス「行くわよ!」

 

 

リアスはそう言うと、扉を思いきり開き、彼女と一緒に部室の中に入る。

すると、

 

 

ギャスパー「もご…もがが…」

 

リアス「ギャスパー!」

 

 

室内には猿ぐつわを口につけられ、更に椅子に紐でくくりつけられているギャスパーと

 

 

藤宮「来たな…我夢」

 

ガイア「藤宮…」

 

 

その隣の部長席に藤宮が優雅に座っていた。

ガイアが藤宮を睨みつける中、目の前にいる藤宮と面識がないリアスはガイアに問いかける。

 

 

リアス「我夢、彼は何者なの?」

 

ガイア「…彼は藤宮 博也。ウルトラマンアグルの正体です」

 

リアス「彼が…アグル!?」

 

 

そう聞いたリアスはガイアと同様に警戒を強める。

すると、藤宮は机に置いていた機械が取り付けられた台座から戦車(ルーク)の駒を手に取ると、まじまじと興味深く眺めながら、口を開いた。

 

 

藤宮「こんな駒1つで瞬間移動が出来るなんてな……悪魔のテクノロジーも馬鹿には出来ないな。だが、ちょっとした電磁波を浴びせればそれも無効になる……ほら、これは返すよ」

 

 

リアスは藤宮から投げ渡された戦車(ルーク)の駒を受け取ると、ガイアの前に出て問いかける。

 

 

リアス「ここにいた魔術師を倒したのは貴方ね?ギャスパーを救ってくれたのは感謝するわ。でも、どうしてギャスパーを拘束したままなのかしら?」

 

藤宮「そいつは簡単だ。俺もこいつの力が欲しいからだ。有機物、無機物止められる能力…まさに地球の危機を回避するのに打ってつけじゃないか」

 

リアス「…まるでギャスパーを道具と言っているみたいね」

 

藤宮「道具?利用できるものはとことん利用する…それがお前達悪魔のルールじゃないのか?」

 

リアス「違うわっ!ギャスパーは私の家族よ!!決して道具なんかじゃない!」

 

藤宮「果たしてそうかな?さて……」

 

 

叫ぶリアスを尻目に藤宮はそう呟くと、視線を彼女からガイアへ向けた。

 

 

藤宮「我夢、相変わらずグレモリー眷属なんて仲良しグループに居るんだな」

 

ガイア「…それは僕が正しいと思ったからさ。それよりも藤宮。どうして地球の怪獣を目覚めさせたり、ギャスパーを拉致しようとするんだ?混乱を招くだけだぞ?」

 

 

ガイアがそう問いかけると、藤宮はため息を吐きながら椅子から立ち上がると、部室内をぶらぶらと歩きながら話し出した。

 

 

藤宮「地球を滅ぼす存在は破滅招来体だけと限らないからさ。そこにいるリアス・グレモリーをはじめとした悪魔。堕天使や天使といった存在、そして人類は大いにこの世界を滅ぼす可能性を秘めている」

 

ガイア「それで滅ぼすと…?」

 

藤宮「そうだ。我夢、目の前の敵を倒すだけじゃ駄目なんだ。自分の力をもっと有効に使うべきなんだよ」

 

ガイア「違う!地球がそんな方法を望むはずがない!!君は絶対に間違っている!!」

 

 

ガイアがその意見を否定すると、藤宮は冷ややかな視線をガイアへ向け、言葉を続ける。

 

 

藤宮「力には力しか無いんだよ、我夢。地球が隠していた強大なる力……それを俺は託されたんだ。この地球からね」

 

 

藤宮はそう言うと、ギャスパーの口にはめられていた猿ぐつわを外した。

ギャスパーはよほど息苦しかったのか、ゴホゴホと大きな咳をし、息を整える。

 

 

ギャスパー「部長、我夢先輩…すみません。僕、何も出来ませんでした……」

 

リアス「いいえ、1人でよく頑張ったわ。貴方を見捨てない…眷属にする時にそう言ったじゃない」

 

ガイア「そうさ、助けるのは当たり前だろ?僕達はギャスパーの仲間なんだから」

 

ギャスパー「先輩…」

 

 

その励ましにギャスパーは目尻に嬉し涙を溜める。

すると、ギャスパーの隣で聞いていた藤宮は不機嫌そうな表情を浮かべると、ガイアへ話しかける。

 

 

藤宮「もう一度聞くぞ、我夢。そいつらを見捨てて、俺のもとに来い!そいつらはお前の力を利用するだけだ!」

 

ガイア「断る!」

 

 

ガイアはそう答えながら首を横に振ると、藤宮は「そうか」と呟きながら、右手首にアグレイターを装着した。

 

 

藤宮「アグルこそ、この地球を救うものなんだ。我夢、お前もその1人だと思っていたが、あくまで敵となるのか!」

 

 

藤宮は怒りのこもった口調で叫ぶと、アグレイターを掲げた。

リアス達が身構える中、藤宮はアグレイターから発する青い光に包まれ、等身大のアグルに変身した。

 

 

リアス「ギャスパー!」

 

アグル「ッ!」

 

リアス「っ!」

 

 

それを合図にリアスはギャスパーのもとへ駆け寄ろうとするが、アグルが放ったアグルスラッシュで道を阻まれる。

 

 

リアス「邪魔よ!」

 

アグル「ホワッ!ドゥワッ!」

 

 

負けじとリアスは針状にした小型の滅びの魔力を放つが、アグルはそれを拳で打ち落とす。

そして、もう一度アグルスラッシュを彼女へ放つが

 

 

ガイア「デュアッ!」

 

リアス「我夢っ!」

 

アグル「ッ!?」

 

 

ガイアが彼女の前に割り込み、光弾を身体で受け止める。

アグルは一瞬驚くが、すぐに冷静に戻り、再びアグルスラッシュを放とうとするが

 

 

ガイア「デヤッ!」

 

アグル「ドゥワッ!」

 

 

ガイアがその腕を蹴りあげ、中断させるとアグルと取っ組み合いの体制に入る。

その間にリアスはギャスパーが縛られている紐を解き、彼を解放した。

 

 

ガイア「部長、これを!」

 

 

それを見計らったガイアはアザゼルから託された腕輪をリアスへ投げ渡した。

 

 

ガイア「部長!彼は僕に任せて下さい!さあ、早く脱出を!」

 

リアス「ええ、わかったわ!ギャスパー、これを着けて。行きましょう!」

 

ギャスパー「は、はいっ!」

 

 

ガイアは取っ組み合いながら2人が旧校舎から脱出するのを見届けると、目の前にいるアグルへ視線を向ける。

 

 

アグル「…話し合いで納得しないなら、戦ってわからせるしかないな!」

 

ガイア「望むところだ!」

 

 

そう言うと、2人は睨みあいながら取っ組み合いの体制で窓際の壁を突き破り、地面へ降りていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガイアとアグルが戦っている中、アザゼルとカテレアはグラウンド上空で激しい空中戦を繰り広げていた。

 

2人の実力はほぼ互角…アザゼルは堕天使の武器である光の槍を投擲したり、振るったりして攻撃。

対するカテレアは魔力弾で応戦する。

 

 

アザゼル「おらっ!」

 

カテレア「くはっ!?」

 

 

アザゼルは攻撃の隙を見計らい、カテレアの腹部へ蹴りをいれ、大きく後退させる。

カテレアは苦悶の表情を浮かべながらも何とか体制を整え、墜落するのを防いだ。

 

 

カテレア「アザゼル。平和にうつつを抜かして腕が落ちているかと思いましたが、昔…いや、それ以上の腕前になってますね」

 

アザゼル「けっ、お褒めの言葉光栄だぜ!なら、とっとと降参してほしいんだが」

 

カテレア「ふっ…冗談を……。私がそう易々と降参する覚悟でここに来ていないことは貴方もわかっているでしょう?」

 

アザゼル「だろうな…」

 

カテレア「このまま続けても体力の無駄…ならばこれを使うときがきたようですね……」

 

 

カテレアはそう呟くと、懐から小瓶を取り出す。

そしてそれを握り潰すと、カテレアの体に黒い蛇のようなオーラが纏わりつき、莫大な魔力を放出させた。

 

その変貌にアザゼルは目を丸くする。

 

 

アザゼル「お前…!そりゃあ、まさか!?」

 

カテレア「ふふ……そうです、借りたんですよ。ドラゴン…いや、世界最強と言われる我ら禍の団(カオス・ブリゲード)のトップ、無限の龍神(ウロボロス・ドラゴン)オーフィス』の力の一部をねっ!」

 

一誠「おーふぃす?」

 

 

その名前を聞いた一同は驚く中、一誠は1人「何だそれ?」と首を傾げる。

それを見かねたアザゼルは呆れたようにため息をつくと、一誠に説明する。

 

 

アザゼル「そんなことも知らねぇのか?こいつの言った通り、世界最強と言われるドラゴンだよ。急激に魔力が上がったのは『オーフィスの蛇』…まあ、体の一部を取り込んだからだろうな…」

 

一誠「体の一部だけでこんな力が!?」

 

アザゼル「こんな奴らをまとめるには大きな存在が控えていると思ってはいたが、まさかオーフィスとはな……」

 

 

そう呟きながら鋭い視線を向けるアザゼルへカテレアは勝ち誇ったようにニヤリと口角をあげる。

 

 

カテレア「アザゼル。解説も終わったようですし、そろそろ死ぬ覚悟をしたらどうです?世界最強の力を持つ龍から譲り受けた力、お陰でサーゼクスやミカエル、セラフォルーを充分に倒せる程。貴方に勝ち目はありませんよ?」

 

 

自信満々の様子で小馬鹿にするカテレアの言葉を

 

 

アザゼル「ははっ!何言ってんだか…。他人の力を借りなきゃあ反乱を起こせねぇくせによぉ!」

 

カテレア「…っ何がおかしい!?愚かな総督がっ!」

 

 

アザゼルはそう言って笑い、一蹴する。

カテレアはその態度に怒りで顔を歪ませるが、アザゼルは一切態度を変えず、話し続ける。

 

 

アザゼル「確かに俺は愚かさ……シェムハザや大勢の部下がいなけりゃ何も出来ねぇただの神器マニアだ。だけどな、そんな俺でもこれだけははっきり言える。サーゼクスやミカエル達の方がお前らよりかは『優秀』だ」

 

カテレア「っ!!戯れ言を!良いでしょう……ならばここで、新世界創造の第一歩として、堕天使の総督である貴方を滅ぼす!」

 

 

その言葉で更に顔を歪ませたカテレアは今にも飛びかからんとするような殺気を放つ。

しかし、アザゼルはそんな彼女には気にも止めず、ズボンのポケットから1本の短剣を取り出す。

 

 

カテレア「それは…?」

 

アザゼル「…俺は神器(セイクリッド・ギア)マニアでさ、自分で作ったこともある。こいつもその1つだ。まあ、ほとんどは失敗作だけどな。そう考えたら神はスゲェよな。そこだけはホントーに尊敬できる……」

 

 

アザゼルはそう言い終えた瞬間、彼の持つ短剣が光り輝き、変形を始めた。

その光景にカテレアや一誠、魔術師達が驚く中、アザゼルは

 

 

アザゼル「…禁手(バランス・ブレイク)

 

 

そう呟くと、辺りが閃光に包まれる。

そして、光が収まると、そこにはドラゴンを模した金色の鎧を装着したアザゼルがいた。

 

 

アザゼル「こいつはドラゴン系神器(セイクリッド・ギア)を研究して作り出した人工神器(セイクリッド・ギア)、『堕天龍の閃光槍(ダウンフォール・ドラゴン・スピア)』。んで、これはその擬似的な『禁手(バランス・ブレイク)』状態――――『|堕天龍の鎧《ダウンフォール・ドラゴン・アナザー・アーマー》』だ」

 

カテレア「っ…」

 

 

カテレアは先程とは違う、全く強い力を放つアザゼルに言葉を失った。

それもそうだろう。自分が圧倒的有利だと思っていたのにアザゼルが放つ力はそれ以上なのだからだ。

 

アザゼルは右手に持つ槍を尚も驚くカテレアへ向け

 

 

アザゼル「かかってきな…」

 

カテレア「っ!舐めるなァァァーーー!!」

 

 

そう挑発すると、カテレアは莫大なオーラを纏い、アザゼルへ向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所が変わり、時はカテレアがオーフィスの力を取り込んだ頃に遡る。

ガイアとアグルは旧校舎近くの木々の間を並走しながらお互い手から光弾を撃ち合っていた。

 

 

ガイア「デュアッ!」

 

アグル「ドゥワッ!?」

 

 

そして何度目かの光弾合戦で遂にガイアのガイアスラッシュがアグルの肩に直撃する。

アグルが怯んでいる隙にガイアは飛び上がり、急降下しながらキックを見舞うが

 

 

ガシッ!

 

ガイア「グアッ!?」

 

 

直撃する寸前、アグルはガイアのキックを両手で掴むと、上空へ投げ飛ばした。

アグルは体制を崩したガイアに合わせる様に地面を蹴り、ジャンプする。

 

 

アグル「ツォワッ!」

 

ガイア「グアァァァーー!?」

 

 

そしてガイアの腹部へかかと落としをくらわせると、ガイアは苦痛の声をあげながら地面へ墜落する。

 

 

ガイア「グアァ…!」

 

アグル「…」

 

 

背中から地面へ叩きつけられたガイアへ地上へ降りたアグルが歩み寄ろうとしたその時!

 

 

ゼノヴィア「はぁぁっ!」

 

アグル「ッ!?」

 

ガイア「ハッ!?」

 

 

木陰からゼノヴィアが現れ、アグル目掛けてデュランダルを振り下ろす。

アグルは驚きながらも彼女の剣撃をバク転で回避する。

 

 

ゼノヴィア「我夢に手は出させんっ!うぉぉぉぉーー!」

 

 

ゼノヴィアはすぐに構え直すと、再びアグルへデュランダルを振り下ろす。

しかし、

 

 

アグル「ホワッ!」

 

ゼノヴィア「何っ!?くっ…!」

 

 

アグルの白刃取りで防がれる。

ゼノヴィアは受け止められたことに一瞬驚くが、何とか刀身を引き抜こうと力を込める。

だが、いくら力を込めてもアグルの両手から刀身は抜けることがなく、びくともしない。

 

 

アグル「ドゥワッ!」

 

ゼノヴィア「ぐはっ!」

 

 

アグルは白刃取りの体制のまま、無防備であるゼノヴィアの横腹を蹴る。

吹き飛ばされたゼノヴィアは苦痛の表情を浮かべながらも、吐血しながら木に衝突した。

 

アグルは倒れているゼノヴィアに向かってアグルスラッシュを放とうとするが

 

 

木場「はっ!」

 

アグル「ッ!」

 

 

今度は木場が飛び出し、聖魔剣を振り下ろす。

アグルは攻撃を中断し、その後も素早いスピードで繰り出す木場の剣撃を次々と避けていく。

 

 

アグル「ホワッ!」

 

木場「くはっ…!」

 

 

アグルは一瞬の隙を見つけると剣撃を掻い潜り、木場のみぞおちへ拳をいれる。

木場は吐血し、襲いかかる苦痛に膝をつきそうになるが、何とか気合いでこらえ、負けじともう片方の手に魔剣を創造して地面へ突き刺し

 

 

木場「魔剣創造(ソード・バース)ッ!!」

 

アグル「ドゥワッッ!?」

 

 

そう叫ぶと木場を中心に大量の剣が地面から生える様に生成される。

さすがにアグルも予想してなかったのか、胸元から火花を散らし、大きく後方へ吹き飛ぶ。

 

 

木場「今だっ!」

 

ゼノヴィア「おおっ!」

 

 

木場とゼノヴィアはチャンスとばかりに膝をつくアグルに向かって疾走すると、お互いの武器を振り下ろす。

だが、振り下ろす直前。アグルは青い光を発すると、姿を消した。

 

 

木場「消えた!?」

 

ゼノヴィア「上だっ!」

 

 

どこかどこだと辺りを見渡していると、気配に気付いたゼノヴィアが上空へ指を指す。

すると、そこには空中に浮きながら青い球体エネルギーをためるアグルがいた。

 

 

アグル「ホワッ!!」

 

木場「くっ!」

 

ゼノヴィア「ちっ!」

 

 

アグルは地上にいる2人に向かってリキデイターを連射する。

木場とゼノヴィアは降り注いでくる光球の雨をお互いの武器で弾いたり、切断して防ぐ。

 

だが、2人は光球を捌くのは精一杯であり、防ぎもらしたリキデイターに体のあちこちがかすって血が流れており、やられるのも最早時間の問題である。

 

 

ガイア「デヤッ!」

 

アグル「ドゥワッ!?」

 

 

それを見かね、復活したガイアはアグルに向かって真っ直ぐ飛んで行くと、アグルの頬に拳をくらわせる。

効果があったのかアグルは怯み、攻撃を中断させられる。

 

アグルはすぐに目標をガイアに変えると、リキデイターを放とうとするが

 

 

ガイア「デュアッ!」

 

アグル「!」

 

 

ガイアが赤い光球を放ち、アグルはリキデイターを放つのを止め、咄嗟に避ける。

すると、赤い光球がアグルの近くの空中で霧散したかと思うと、人一人が入れるくらいの穴が形成された。

その穴からは住宅街や道路といった外の景色が見える。

 

 

アグル「ッ!?」

 

 

「何だ?」と思った瞬間、穴がアグルを吸い込み始めた。

これこそがガイアが放った相手を屋外へ追い出す必殺技「ホーリングフープ」である。

ガイアは充分に戦える場所へ移動させる為、結界に向けて放ったのだ。

 

 

アグル「ドゥワァッ!」

 

 

目論見通り、アグルは徐々に穴に引き寄せられ、結界の外へ追放された。

 

 

ガイア「…」

 

木場「我夢君」

 

ガイア「デェアッ!」

 

 

ガイアは木場とゼノヴィアに「後は任せろ」とアイコンタクトを送ると、穴に飛び込んでアグルの後を追う。

ガイアが通り終えた後、穴はまるで何もなかった様に消滅した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガイアは先に結界の外へ出たアグルの後を追い、自身も

外へ出たのだが

 

 

ガイア「?」

 

 

どこにもアグルの姿が見えないのである。

物陰か何かに隠れているのか……そう思ったガイアは駒王町の全貌が見える位置まで高く上昇する。

 

町全体を見渡すが、やはり見当たらない。

地上に降りて探そうと思った矢先、ヌッと大きな影がガイア覆う。

 

 

ガイア「!?」

 

 

ガイアは振り向いて見上げると、そこには既に巨大化しているアグルがこちらを見下ろしていた。

 

 

アグル「ツォワッ!」

 

ガイア「グアァァァーー!?」

 

 

アグルはガイアが驚く間もなくその巨大な拳で殴り付ける。

直撃したガイアはその衝撃で変身が解け、真っ直ぐ地上へ墜落していく。

 

 

我夢「(僕は…間違っているのか?アグルの力が本当だとしたら……僕はただ、思い込んでいただけなのか?ウルトラマンは地球と人類、悪魔…みんなを救う光だって………)」

 

 

地上へ墜落していく最中、我夢は自分の行動や考えに疑問を感じていた。

今までみんなの為、地球の為と思って戦ってきたが、藤宮の言うようにそれは地球の意思に逆らっていると……

 

そう自問自答しているうちに、夜景の駒王町にどんどん迫っていく。

 

 

我夢「違う!絶対にアグルは間違っているぞ!」

 

 

我夢は頭の中に浮かんでいる迷いを振り切ると、両腕を真っ直ぐ突きだし

 

 

我夢「ガイアァァァーーーーーーーー!!!

 

 

そう叫ぶと赤い光に包まれながら、そのまま地上にある廃工場へ墜落した。

 

 

ガイア「グアッ…アァッ…」

 

自分にのし掛かっているコンクリートの瓦礫を掻き分け、ガイアは地上に衝突した衝撃で飛びそうな意識を何とか正常に戻す。

 

 

[ピコン]

 

 

そして胸元を見るとライフゲージが青から赤に替わって点滅している。

ガイアはエネルギーを大量に消費する「テレポーテーション」と「ホーリングフープ」を使ったのに加え、等身大状態で巨大化したアグルの拳を受けた影響でエネルギーを消耗しているのである。

 

 

ガイア「ッ!」

 

 

上空から何かが迫ってくる気配を感じ、ガイアはその気配がする方角を見上げると、上空からアグルが降りてきた。

 

 

アグル「…」

 

ガイア「グアッ!?」

 

 

アグルはガイアを見つけるな否や、彼に向かって右手からアグルスラッシュを連続で放つ。

ガイアは驚きながらも廃工場の道路を次々と放ってくるアグルスラッシュを避けながら必死に走る。

 

 

ガイア「ドアァァァーーーー!!」

 

 

何度目かのアグルスラッシュが地面に当たった際の爆発に巻き込まれ、ガイアは廃工場の建物内へ吹き飛ばされる。

 

建物内に入ったガイアはこれは逆にチャンスだと思い、巨大化しようとエネルギーをこめるが…

 

 

ガイア「グアッ?」

 

 

何故か巨大化できない。

そう、ガイアのエネルギーは大量に消耗しており、巨大化する際に必要な分も残っていなかったである。

 

 

アグル「フォアァァァ…!」

 

 

一方、アグルは建物から一向に出てこないガイアを追跡する為、自身も等身大になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガイアは辺りを警戒しながら廃工場内を歩いていた。

何故警戒するのか?それはもちろん、アグルが突然ピタリと攻撃の手を止めたからである。

 

どこから来るかわからない…そんな不安や緊張を感じながらガイアは廃工場を歩く。

 

 

ガイア「ッ!?」

 

アグル「…」

 

 

すると、ガイアの目の前にある通路の物陰からアグルが颯爽と現れる。

ターゲットを見つけた2人は睨み合うと、距離を取りながら間合いを図る。

 

 

アグル「…」

 

ガイア「グアッ!」

 

 

間合いを図りながらアグルが「かかってこい」と言わんばかりに手招きして挑発すると、ガイアは腰を深く落とし、ファイティングポーズをとる。

 

いつかかってきてもおかしくない空気にガイアは緊張が走る……

 

 

ガタッ……ガンッ!

 

アグル「ホワァァァァーーーー!!」

 

ガイア「ダァァァァーーーー!!」

 

 

建物内の天井を支えるコンクリートの柱が地面に落ちた瞬間、2人のウルトラマンの戦いの火蓋が切られた。

ガイアとアグルは相手に向かって駆け出した。

 

 

アグル「デヤァァァーー!」

 

ガイア「デュアッ!」

 

 

アグルは通りすがりにかかと回し蹴りを放つが、ガイアはその下を潜り抜け、反撃のハイキックを放つ。

 

 

アグル「ホワッ!」

 

ガイア「デヤッ!ハッ!」

 

 

だが、アグルはそれを両手で防ぐ。

ガイアは続けて右、左とパンチを放つがアグルの両腕で防がれる。

 

 

アグル「ドワッ!ドゥワァッ!」

 

ガイア「グアァァァァーー!!」

 

 

アグルはガイアの両腕を振り払うと、クルリと両腕を回して勢いをつけた掌底をガイアの胸元に叩き込む。

ガイアは苦しげに胸元を抑えながら後退する。

 

 

アグル「ホワッ!」

 

ガイア「ドアッ!?」

 

 

アグルは追い討ちに顎に向かってハイキックをするが、それをガイアは即座に両腕ではたき落とす。

 

更にアグルはすれ違い様にパンチを繰り出すが、ガイアはしゃがみ、脇の間を潜って回避する。

 

 

ガイア「デュアッ!」

 

アグル「ドォッ!?」

 

 

ガイアは直ぐ様振り返り、アグルの背中に回し蹴りを放つ。

くらったアグルはよろめきながらも段差から落ちるのを回避する為、宙返りし、段差を飛び越えて着地する。

 

 

アグル「ホワッ!」

 

 

アグルはすかさず上の段にいるガイアへ足払いを仕掛けるが、ガイアは飛び上がり、空中できりもみ回転しながらアグルの背後に着陸する。

 

 

ガイア「デヤッ!ダッ!デュアァァァァーーー!!」

 

 

ガイアは振り向くアグルの腹を蹴り、右の拳で頬を殴り付け、間髪入れず飛び上がり、頬目掛けてかかと回し蹴りを放った。

 

 

アグル「ドゥォワァァァーーー!!」

 

 

アグルは宙を舞いながら大きく吹き飛ばされ、何度も体を地面にぶつけながら、転がっていく。

 

 

アグル「ウウッ…!」

 

 

衝撃が収まり、廃工場の奥まで吹き飛ばされたアグルは膝をついて何とか起き上がる。

 

 

ガイア「グアッ!」

 

 

その後を追ってきたガイアはすかさずファイティングポーズを構える。

それを見たアグルはゆっくりと立ち上がる。

 

 

アグル「ヌンッ……ツォワッ!!」

 

ガイア「ッ!?グアッ!」

 

 

そして、右腕に力を込めて振り下ろすと、右手から発する青い光剣「アグルブレード」を展開した。

その様子にガイアはよりアグルへ警戒を強める。

 

 

アグル「ッエイ!ツォワッ!!」

 

ガイア「!」

 

 

アグルはアグルブレードを平行に構えると、地面を蹴って跳躍し、肩口目掛けて振り下ろす。

ガイアは咄嗟に前転してアグルブレードの剣擊を避ける。

 

 

アグル「ホワッ!ツォワッ!ドゥワッ!」

 

 

ガイアはフィンフィンと空を斬る音をたてながら次々と繰り出すアグルの剣撃を紙一重でかわしていく。

対抗するには剣を使うしかないが、肉弾戦特化のガイアには光剣を作り出す能力はなく、こうして避けるしかない。

 

 

ガイア「デュアッ!」

 

アグル「ッ!」

 

 

ガイアは剣擊を回避しながら何とか隙を見付けると、アグルに接近し、アグルブレードを展開している右手を掴み、使わせまいと粘るが

 

 

アグル「ドゥワッ!」

 

ガイア「グアッ!?」

 

 

アグルに背中を蹴られ、その衝撃で掴んだ手を離してしまう。

ガイアはヨロヨロと怯みながら壁へ追いやられる。

 

 

アグル「ツォワァァーーーー!!」

 

 

アグルはすかさず前方へ飛び上がり、剣先を向けながら接近してくるが

 

 

ガイア「グアァァァァ…デュアッ!」

 

アグル「ウッ」

 

 

ガイアは剣先を避けると、左手で右手首を掴んで光剣を自分から遠ざけると胸元を殴る。

 

 

ガイア「デヤッ!」

 

アグル「ディヤァァァァーーー!」

 

 

そして、怯んで後退した隙を逃さず胸元を蹴り飛ばす。

それにより、アグルは苦痛の声をもらしながら大きく後退し、膝をつく。

 

 

ガイア「デュアッ!グアァァァ……!!」

 

アグル「ホワッ!」

 

 

ガイアはすかさずフォトンエッジの体制をとる。

そうはさせまいとアグルはアグルブレードを構えて疾走する。

 

 

ガイア「デュアァァァーーーー!!」

 

アグル「ドゥワッ!?」

 

 

だが、ガイアの必殺技エネルギーをため終えるのが一足先早く、エネルギーをため終えたガイアはフォトンエッジを放ち、アグルブレードをへし折った。

 

 

[テレン]

 

 

その瞬間、アグルのライフゲージは青から赤に変わり、点滅を始めた。

何故あまりダメージを受けていないアグルがライフゲージが赤になったのか?

その理由は彼の使っていたアグルブレードにある。

 

アグルブレードは切れ味が鋭く、威力も高い。

だが、展開する時間が長ければ長いほど大きくエネルギーを消耗するデメリットがある。

それ故、アグルのエネルギーが大きく減り、ライフゲージが点滅を始めたのだ。

 

 

アグル「…」

 

[テレン]

 

 

アグルはアグルブレードが破壊されたことが信じられない様子で自身の右手を見るが、すぐにガイアへ視線を向ける。

 

 

ガイア「…」

 

[ピコン]

 

 

ガイアのライフゲージも先程よりも点滅が速くなっており、アグルもライフゲージが点滅している。

それはもう余りエネルギーが残されてなく、短期決着をしなければならないことを2人に知らしている。

 

 

アグル「ヌンッ…フォアァァァ……!!」

 

ガイア「デヤッ!グアァァァァ…!!」

 

 

2人は決着をつける為、アグルはリキデイター、ガイアはクァンタムストリームの体制にはいる。

 

 

ガイア「デヤァァァーーーー!!!」

 

アグル「ドゥォワァァァ!!!」

 

 

そしてエネルギーをため終えた赤の光線と青の光球が衝突し、ぶつかり合う。

ぶつかり合ったエネルギーは凄まじく、そこから発生した爆風で建物のあちこちに亀裂が走る。

 

ガイア「…デヤッ!」

 

[ピコン]

 

アグル「…ドゥォワッ!」

 

[テレン]

 

 

2人のウルトラマンもこの爆風に巻き込まれ、大きく後退する。

2人のライフゲージは更に点滅が速くなっており、エネルギーが底につきそうなのは明白である。

 

 

ガイア「グアッ!」

 

アグル「ドゥワッ!」

 

 

2人は最後の力を振り絞ると、地面を蹴って真っ直ぐ向かって駆け出すと、飛び上がった。

 

 

ガイア「デヤァァァーーーーーーーーー!!!」

 

アグル「ドゥォワァァァーーーー!!!」

 

 

そして、放たれた2人の飛び蹴りがぶつかり合い、赤と青のエネルギーの嵐が吹き荒れ、建物一帯を破壊した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後、廃工場だった場所は瓦礫の山となっており、辺りに建物の残骸が散らばっている。

その瓦礫の山に我夢は膝をつき、藤宮は立っていた。

 

だが、2人は満身創痍であり、額から脂汗を流している。

藤宮は意識が遠のきそうな意識を何とか保ち、口を開く。

 

 

藤宮「強くなったな…我夢。しかし、お前は倒す!俺の邪魔をする存在は排除しなきゃな!」

 

 

我夢にそう吐き捨てるように言うと、藤宮はフラフラとした足取りでどこかへ歩き去っていく。

1人残された我夢は脂汗をかき、苦痛に顔を歪めながらも遠ざかっていく藤宮を見つめる。

その心は藤宮への怒りよりもただ虚しさに満ちていた。

 

 

我夢「どうして、ウルトラマン同士が戦わないといけないんだ………どうしてなんだぁぁぁーーーーー!!!

 

 

我夢は誰かに問いかけるように叫んだ。

だが、誰も彼に答えてくれる者はなく、ただただ虚しい叫びが闇夜に響くだけだった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、駒王学園でも大きな動きがあった。

人工神器(セイクリッド・ギア)を身に纏ったアザゼルはカテレアを瞬殺し、勝利した。

 

だが、カテレアは最後の足掻きでアザゼルの左腕にとりついて道連れに自爆しようとしたが、アザゼルは何も躊躇いもなく左腕を切断し、カテレアを光の槍で刺して消滅させた。

 

アザゼルの左腕が犠牲になるという痛手ではあるが、解放されたギャスパーが時止めを解除し、残りの魔術師達を撃退し、事なきを得たと思いきや…

 

 

アザゼル「……チッ。この状況下で反旗か、ヴァーリ」

 

ヴァーリ「そうだよ、アザゼル」

 

 

自身が攻撃し、負傷したアザゼルをヴァーリは静かに見下ろしていた。

 

 

 

 




次回予告
※(イメージBGM:ウルトラマンダイナ次回予告BGM)

禍の団(カオス・ブリゲード)に寝返った白龍皇ヴァーリ!
強い相手との戦いを渇望するヴァーリはダイナに挑戦する。

次回、「ハイスクールG×A」!
「白の挑戦者(チャレンジャー)」!
お楽しみに!


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