ハイスクールG×A   作:まゆはちブラック

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反物質怪獣 アンチマター 登場!


第25話「反宇宙からの挑戦」

宇宙。我々が住む地球も含まれている太陽系にある木星。

木星軌道上には『トロヤ群小惑星』と呼ばれる、星にも満たない無数の物体がその周りを佇んでいる。

 

すると、ワームホールが出現し、中から球状のエネルギーに包まれた何かが姿を現した。

 

そして、小惑星がその何かにぶつかった瞬間、導火線に火を点けたダイナマイトの様にトロヤ群小惑星達は一斉に爆発した。

 

 

「フォォォ…」

 

 

爆発が静まった後、その何かはどこかに向かって回りながら進んで行く…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、地球では…

 

 

我夢「あぁ~~…!」

 

 

授業を一通り終えた我夢は回転椅子に座ったまま、腕を上へ伸ばし、背伸びする。

彼がいるここ、パソコン室では先程まで授業をしており、簡単なプログラミングの授業を行っていたのだ。

 

この授業は我夢にとっては小学1年生の算数に等しい難易度だが、一誠はちんぷんかんぷんでわからなかったのである。

授業後、一誠に教えてくれと頼まれた我夢は今日は部活は休みということもあって、ゆっくりと時間をかけて教えた。

 

ちなみに一誠は用事があるので職員室に行っており、パソコン室には我夢1人である。

 

 

我夢「ふぅ…暇だし、何か見るか……」

 

 

我夢はだらしなくしていた体を元に戻すと、パソコンから無料動画再生サイト『Mou tube』を開き、何かを検索する。

 

検索結果に出てきた画面を見て、我夢は微笑む。

 

 

我夢「またチャンネル登録者数が増えたな~」

 

 

我夢が検索したのは、現在爆発的人気を誇るチャンネル、『パムパムネット』である。

 

投稿内容はウルトラマンの戦いを記録した動画や商品のレビュー動画等である。

この何ともないチャンネル……実は何を隠そう、一誠の使い魔である()()()()()()()()()()()()チャンネルである。

 

ジオベースが調べた結果、ハネジローは小学2年生程度の知能はあるらしく、パソコンの使い方も我夢のを見て覚えたそうだ。

 

その見た目の可愛さや動画の面白さも相まって、人気急上昇中である。

 

 

我夢「…さて、今日はこれを見ようかな」

 

 

我夢はチャンネルを開くと、ウルトラマンの戦いを記録した再生リストをクリックし、動画を視聴し始める。

動画には今まで戦ってきた怪獣との戦いが次々と流れる。

 

 

ガイア『デヤッ!』

 

アグル『ホワッ!』

 

ダイナ『デェアッ!』

 

我夢「…」

 

 

静かに動画を眺める我夢の心は複雑だった。

藤宮とは考え方の違いでぶつかり合いながらもきっと、地球を救う者として一緒に戦ってくれるだろうと信じていた。

 

だが、藤宮とは溝が埋まるどころか深まり、数日前の襲撃で、完全に対立することになってしまった。

現在、藤宮は三大勢力間でも『禍の団(カオス・ブリゲード)』とは違うテロリストとして指名手配されている。

 

 

我夢「はあ…」

 

 

我夢は困ったようにため息をつく。

こうなってしまった以上、今後、アグルとの戦いは避けられない。

だが、アグルは強い。この前は引き分けだったが、それでもやっと引き込めたといった感じだ。

今度会ったときは前回の様な展開にさせない様にきっと、アグルはパワーアップしていることだろう。

 

 

我夢「強く…もっと強くならないと……」

 

 

そう呟いた我夢は居ても立ってもいられず、立ち上がる。

動画へ視線を向けると、丁度ガイアが怪獣に向かって必殺技『フォトンエッジ』を放とうとする場面だった。

 

 

ガイア『デュアッ!』

 

我夢「でゅあっ!」

 

 

何を思ったのか、我夢は動画に映るガイアに合わせて、フォトンエッジの体制をとり始める。

 

 

ガイア『グアァァァァァ……!』

 

我夢「ぐあぁぁぁぁぁ…!」

 

 

そして、かがんだ姿勢から額に当てた腕ごと上体を起こすプロセスを行った時、

 

 

小猫「何…してるんですか?」

 

我夢「あっ」

 

 

声がした方へ顔を向けると、いつの間にいたのか、ジト目でこちらを見つめる小猫と目が合い、我夢は固まる。

出入口への扉は開いており、そこから入ってきたようだ。

 

 

我夢「い、いつから?」

 

小猫「…我夢先輩が椅子から立ち上がったところからです」

 

我夢「あ、ああ…そうなのね。それでどうしてここに?」

 

小猫「ジオベースの樋口さんが我夢先輩を呼んでるから、部長が連れてきてと…」

 

我夢「樋口さんが?また、何かあったのかな…?」

 

 

そう聞いた我夢は必殺技の体勢を解くと、何だろうと考え始める。

また、怪獣関連でなければと心の中で願うばかりだ。

 

 

小猫「ところで…本当に何してたんですか?」

 

我夢「あっ、いや…!練習だよ!必殺技のさ!ほら、いざって時に出せなかったら困るだろ?そう、そうだよっ!そうに違いない!あ、あはは…!」

 

 

我夢は恥ずかしげに顔を赤くし、あせあせしながら答える。

いい歳した高校生なのに、まるで朝のヒーロー番組を見ている子供の様にマネをする。

見られたのが後輩…しかも女の子。これは誰でも恥ずかしいものだ。

 

小猫は呆れた様にため息をつくと、

 

 

小猫「そうですか…。見たのが私で良かったですけど、もし、事情を知らないだったら『いい歳こいた高校生なのにまだ幼稚なことしてるの?』って思われますよ。もっと周囲のことを考えてください」

 

我夢「うっ…!い、以後、気を付けます……」

 

小猫「…わかったなら、行きますよ」

 

 

小猫の毒舌混じりの説教を受けた我夢は申し訳なさそうに反省すると、小猫に連れられ、パソコン室を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

我夢「失礼します」

 

小猫「失礼します…」

 

リアス「来たわね」

 

 

小猫と一緒に部室に入ると皆揃っており、壁際に投影されたスクリーンを囲って座っていた。

ちなみに職員室にいた一誠もここにいる。

 

スクリーンに映っているジオベースのメインチーフの樋口は我夢に気付くと、微笑みながらお辞儀する。

 

 

《樋口「高山さん、こんにちは。よく来てくださいました」》

 

我夢「こんにちは。ところで僕に用事って…?」

 

《樋口「はい、まず、その用件を話す前に皆さんにお伝えしなければならないことがあります」》

 

我夢「?」

 

 

真剣に話す樋口の言葉に一同は何だろうと疑問に思っていると、スクリーンに何かの地図が表示される。

 

 

《樋口「これは現在、我々が調査して判明している太陽系全体を表した地図です」》

 

リアス「ええ、わかるわ。それがどうかしたの?」

 

《樋口「…実は先日、観測センターからの知らせで、土星付近にあるトロヤ小惑星帯が一瞬で消滅しました」》

 

『!?』

 

 

小惑星が一瞬で消える……我夢以外専門知識を持ってないリアス達もこの異常事態に驚く。

 

 

一誠「それで、原因は…?」

 

《樋口「はい、原因は付近に発生したワームホールから出現した巨大物体によるものです」》

 

我夢「(また怪獣か…)」

 

 

それを聞き、破滅招来体の仕業だと一同は納得する。

我夢は自分の願いが打ち崩され、顔を曇らせる。

 

 

リアス「それで、どんな怪獣なの?」

 

樋口「はい。怪獣が出現した際に発生したガンマ線バーストの発生量から考えると、『反物質』で構成されるものだと思われます」

 

リアス「反物質?」

 

 

リアスが問いかけると、樋口は頷き、説明を始める。

 

 

樋口「我々が住むのが正宇宙だとしますと、そこ

で構成される物質は正物質。それとは質量とスピンが全く同じでありながら、真逆のバリオン数を持っているのが反物質です。反物質は正物質とぶつかると爆発を起こすと言われ、宇宙創世記に起きたビッグバンも―――」

 

『?』

 

樋口「あ…」

 

 

専門用語が次々と出てくる樋口の解説に我夢除く一同は頭の上に疑問符を浮かべる。

それを見かねた我夢は困っている樋口に変わり、リアスに問いかける。

 

 

我夢「部長。物質にある原子核はプラスである陽子、マイナスである電荷、そして中性子で構成されることは授業で習いましたよね?」

 

リアス「ええ、確かに習ったわ」

 

我夢「それで反物質は原子核が陽子がマイナス、電荷がプラス、中性子は反中性子で構成されるもので、物質の質量や見た目は同じですが、中身は違うんです。簡単に言えば、僕達が住む宇宙とは真逆…鏡合わせみたいなものです」

 

 

我夢の説明にリアス達は各々納得した表情を浮かべる中、一誠はあっ!と声をもらし

 

 

一誠「じゃあ、反物質のギャスパーはマジもんの女ってことか?」

 

ギャスパー「…っ、な、なな、何で僕を例に出すんですかぁぁーー!?」

 

一誠「そっちの方がわかりやすいって思って。それより

お前、いい加減女装やめろよ」

 

ギャスパー「い、嫌ですっ!これが僕の正装なんです!」

 

一誠「うるせっ!何が正装だ!その服、ひっぺがしてやる!」

 

ギャスパー「嫌ぁぁぁーーーーー!!!ひっ、引っ張らないで!!止めてくださいぃぃぃーーーーーー!!」

 

アザゼル「はぁ……おいおい、お前ら落ち着けよ。それにイッセー、お前の例えは間違ってると思うぞ…」

 

 

ドタバタするギャスパーと一誠にアザゼルは呆れた様にため息をつきながら、制止させる。

 

 

木場「樋口さん。反物質の怪獣は今、どこにいるんですか?」

 

《樋口「現在、反物質体は移動を始め、一週間後にはこの地球に到着します」》

 

我夢「一週間…!」

 

 

一週間…長い様だが短い限られた期間。

しかも、相手は反物質。今まで相手をしたことがない未知の存在だ。下手な対処は出来ない。

 

 

アザゼル「なあ。もしよぉ、正物質のこの地球に反物質が接触したら、どうなる……?」

 

 

部室に緊張が走る中、アザゼルが問いかけると

 

 

《樋口「…恐らく、この地球……いや、太陽系そのものが消滅する大爆発が起きます」》

 

『!?』

 

 

その衝撃的な答えに、一同は固唾を飲む。

おそらく、リアスの滅びの魔力やサーゼクスやミカエルが迎撃しても、たちまち大爆発してしまうだろう。

 

じゃあ、どうするか?一同は不安になっていると、樋口は

 

 

《樋口「今、我々は世界中から選りすぐりの科学者を集め、対反物質変換装置を開発しています。ですが、思ったよりも時間がかかっており、一週間内に間に合いそうにないんです。そこで、高山さん、ならびに皆さん。ぜひ、あなた方のお力を貸してほしいんです!」》

 

 

そう懇願する樋口に、我夢とリアスは

 

 

我夢「わかりました」

 

リアス「大丈夫よ」

 

《樋口「本当ですか!?」》

 

 

もちろんOKである。

それを聞いた樋口は目を輝かせ、問いかける。

 

 

我夢「当然じゃないですか。樋口さんにはお世話になってますし、何より…僕達、地球を守りたいという同じ気持ちを持った仲間ですよ。協力させて下さい!」

 

リアス「ええ、私も我夢と同意見よ。それに私達も対破滅招来体組織を結成したから、早速初任務といこうじゃない!」

 

《樋口「皆さん…ありがとう!ありがとうございます!」》

 

 

涙ぐみながら感謝する樋口に一同は微笑む。

こうして、人類と異種族による一週間の共同作戦が開始した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、一週間後。

地球近くの宇宙空間には、宇宙空間でも行動できる最新鋭のG.U.A.R.D.戦闘機が迫ってくる怪獣に備え、数機滞空している。

 

戦闘機のミサイル発射口には、我夢達とG.U.A.R.D.がかき集めた科学者が協力して作成した『反物質変換装置』が備えられている。

作戦としては対反物質変換装置で怪獣のバリオン数を変換して正物質にし、その後一斉攻撃で迎撃するというものである。

 

その様子を各国のG.U.A.R.D.支部、地上で待機しているチームリザード、リアス達もモニターから息を飲んで見守る。

 

 

「フォォォ…」

 

 

そして、遂に反物質怪獣が宇宙の闇から姿を現した。

その体は二枚貝の様にピッチリ折り畳まれており、反物質であることを表しているのか、不気味な桃色のオーラを纏っている。

 

その名も反物質怪獣『アンチマター』である。

 

 

《樋口「デルタチーム、迎撃を開始せよ」》

 

『了解!』

 

 

樋口の合図と共に、デルタチームは向かってくるアンチマターへ一斉に対反物質変換装置からビームを照射する。

だが…

 

 

バチィィィ~~~ン!

 

「なっ!?」

 

『!?』

 

 

アンチマターは球体状のバリアで体を包むと、ビームを弾いた。

不測の事態に隊員達は驚きながらも、何度もビームを照射するがバリアに阻まれてしまう。

 

 

アンチマター「フォォォ…」

 

 

戦闘機部隊の奮闘虚しく、アンチマターは地球へ降りていく。

その光景をデルタチームの隊長は悔しげに歯を噛み締めながら、無線越しに本部へ伝える。

 

 

「こちらデルタチーム。対反物質変換作戦、失敗しました」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

作戦失敗の知らせに我夢達やG.U.A.R.D.がショックを受けている中、アンチマターはバリアに包まれながら、地上に降り立つ。

最悪なことに、そこは我夢達が普段生活している駒王町である。

 

 

アンチマター「フゴォォォ…」

 

 

アンチマターはピッチリと閉じていた体を開くと、その正体を現す。

それはまるで目と角がついたヒトデの様だ。

 

 

ワッシッ!ワッシッ!ワッシッ!

 

 

アンチマターは角を振るうと、バリアを周囲に広げ始める。

すると、バリアが通った建造物はたちまち反物質化したていく。

 

 

『わあぁぁーーー!』

 

『逃げろぉぉーー!』

 

『わぁぁぁぁぁぁ!!』

 

『きゃあぁぁぁぁ!!』

 

 

次々と反物質化していく光景にまなま当然、人々はパニック状態になり、バリアから離れる様に逃げ出す。

 

 

瀬沼「皆さん!こちらです!」

 

「押さないで!」

 

「焦らないで、落ち着いて!」

 

 

G.U.A.R.D.の隊員とチームリザードは必死に住民の避難誘導を行うが、それでも手一杯だ。

 

 

我夢「そんな…」

 

小猫「町が…」

 

 

橋の上から眺めていた我夢達、グレモリー眷属+アザゼルはパニック状態の人々と次々と反物質の世界へと変えられていく光景を悔しげに眺めていた。

 

 

一誠「くそぉーー!」

 

アザゼル「よせっ!」

 

 

そんな中、居ても立ってもいられない一誠は懐からリーフラッシャーを取り出し、変身しようとするが、アザゼルに止められる。

 

 

アザゼル「ウルトラマンの質量を考えろ!バリアの広がりを無視して突入したら、大爆発が起きるぞ!!」

 

一誠「…っ!じゃあ、どうすりゃいいんだよっ!」

 

アザゼル「っ、それは…」

 

 

一誠の問いかけにアザゼルは言葉を詰まらせる。

総督として、数多の戦いを指揮してきた彼も流石に反物質相手に有効な案が浮かばない。

 

まさに手詰まり。絶対絶命。八方塞がり。

我夢達がそうこうしていると、

 

 

「全員、揃っているようだな」

 

『!?』

 

 

背後から明らかにこちらに向かって話しかける声が聞こえた。

一同は声のした方へ振り向くと、

 

 

一誠「藤宮!」

 

ギャスパー「ヒィィィィーーーーーーーー!!?」

 

 

そこにはウルトラマンアグルこと、藤宮がいた。

彼を見た瞬間、ギャスパーはよっぽどひどい目にあったのか、体をガクガク震わせながら、我夢の後ろへ隠れてしまう。

 

 

ゼノヴィア「藤宮 博也…!」

 

木場「こんな時に…!」

 

我夢「待ってくれ、皆!」

 

 

彼の姿が視線に入った我夢以外の全員は、一斉に身構える。

そんな一同に我夢は手で制止すると、藤宮に問いかける。

 

 

我夢「藤宮、どうして君がここに?何か奴について知っているのか?」

 

藤宮「ああ。宇宙創世の時、反物質より物質がわずかに多かった為、今の宇宙ができたと言われている。そのため、反物質は異次元に封印されてしまった。アンチマターは、地球全体を反物質にしてシールドを消す……正物質と反物質が接触した際に起きる対消滅を利用して、第2のビッグバンを引き起こそうと企んでいるだろう」

 

『!?』

 

我夢「何だって!?」

 

 

アンチマターの大規模な目的に一同は驚く。

もし、それが本当だとすれば、この世にある全ての生物、それどころが宇宙そのものが消滅してしまう。

 

 

藤宮「もう一度サイコロを振り直せば、2分の1の確率で反物質の宇宙が出来るんだ」

 

アザゼル「奴は宇宙を作る直すつもりか…」

 

 

アザゼルの呟きに藤宮は頷く。

アンチマターの野望を何が何としても阻止しなければならない。

しかし、有効策が思い付かない。未だ展開しているバリアに攻撃しようとなれば、それでこそ一貫のおしまいだ。

悩む一同に藤宮は口を開き

 

 

藤宮「方法ならある」

 

『!?』

 

我夢「その方法って?」

 

 

その言葉に一同は目を見開き、暗闇に閃光がはいる様な感覚が走った。

我夢が問いかけると、藤宮は語り出す。

 

 

藤宮「アグルのパワーでウルトラマンのバリオン数を反転させれば、反物質ウルトラマンになれる。兵藤、我夢…お前らどちらかを反物質化させ、シールド内に入って、奴と戦う。そこのヴァンパイアが『神器(セイクリッド・ギア)』でシールドの侵食を阻止してくれば尚更だがな……」

 

ギャスパー「ひぃっ!」

 

 

藤宮と目が合ったギャスパーは小さな悲鳴をあげ、更に我夢の後ろへ隠れてしまう。

確かにこの作戦なら、アンチマターを何とか出来るかも知れない。

だが…

 

 

リアス「…いい策かも知れないわ。だけど、私たちがそう簡単に貴方の言うことを信じると思うの?」

 

一誠「そうだ!罠のニオイがプンプンするぜ!」

 

 

2人の言う通り、藤宮は信用出来ない存在…ましてや三大勢力間で指名手配されている要注意人物だ。

自分達をはめる為の嘘かも知れない。

 

すると、藤宮はフッと鼻で笑い

 

 

藤宮「自分の領地をまともに管理できない領主が考えるよりも、よっぽどいい方法だと思うがな」

 

リアス「なっ!?」

 

一誠「てめぇっ!!」

 

ゼノヴィア「よせっ!ここで争っても意味がないぞ!」

 

アーシア「イッセーさん、落ち着いて下さい!」

 

 

そう不敵な笑みを浮かべながら言うと、カチンときた一誠は藤宮に飛びかかろうとするが、ゼノヴィアとアーシアに止められる。

 

 

藤宮「どうする?我夢」

 

 

不穏な空気の中、藤宮は我夢に顔を向け、問いかける。

その藤宮の提案に我夢は

 

 

我夢「…わかった。その方法でいこう」

 

『!?』

 

一誠「マジかよ、我夢!?」

 

 

承諾の返事を返すと、リアス達は目を丸くする。

一誠はそのメンバーの中でも信じられなさそうな顔をしている。

我夢はそんなリアス達に顔を向け

 

 

我夢「確かに彼のことは信じられないし、罠の危険性もある。だけど、こんなことをわざわざ僕達に話すってことは自分の力だけじゃ解決できないと知り、僕達に協力を求めているとも考えられるんだ」

 

木場「なるほど…自分で出来るならとっくにやってるだろうし…」

 

我夢「藤宮。アグルの反物質化させる能力は自分では出来ない……だから僕達に協力を頼みに来た、違うかい?」

 

 

我夢がそう問うと、藤宮は肩をすくめ

 

 

藤宮「察しがいいな、我夢。その通りだ。アグルの反物質化光線は自分じゃ出来ない。せいぜい他の1人に照射するのが限界だ。しかし、そうやって地球の危機は見過ごす訳にもいかんからな……」

 

 

藤宮の目的はあくまで地球を救う為だ。

太陽系そのものを破壊されると知っては黙ってられないだろう。

そう答えた藤宮は我夢と一誠に顔を向ける。

 

 

藤宮「作戦についてだが、反物質化したウルトラマンがどうなるかは保証できない。さあ、どっちがやる?」

 

我夢「僕がいこう!」

 

『!?』

 

一誠「我夢!?」

 

 

藤宮の提案にいの一番に我夢は名乗りをあげる。

不安な顔を浮かべるリアス達に我夢は微笑み

 

 

我夢「大丈夫さ。僕に何があっても一誠がいるから。それに彼も必ず戻してくれる」

 

藤宮「…いいのか?もし俺が気まぐれを起こし、お前を元に戻さなければ、お前は反物質の世界に留まるしかなくなる。それでもいいのか……?」

 

一誠「そん時はてめぇをぶん殴る!」

 

 

怪しげな笑みを浮かべる藤宮は一誠の言葉にフッと鼻で笑う。

そうこうしている間にも町の反物質化は進んでいる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

橋の上には3人のウルトラマンがリアス達に見守られながら横一列に並び、目の前に広がる反物質空間を見据える。

藤宮は横にいる我夢に顔を向け

 

 

藤宮「反物質化したら、すぐにシールド内にワープしろ!わかったな!」

 

 

その言葉に我夢は真剣な表情を浮かべながら静かに頷く。

そして、3人は改めてアンチマターの方へ顔を向け、それぞれの変身アイテムを構える。

 

 

我夢「…」

 

藤宮「…」

 

一誠「…」

 

 

我夢はエスプレンダーを真上へ突き上げ、藤宮はアグレイターを顔の横で掲げ、一誠はリーフラッシャーを正面へ突き出す。

赤、青、白…3人はそれぞれの光に包まれ、ウルトラマンに変身した。

 

変身した3人はすぐさま、アンチマターが展開していくシールドの真上の上空に移動する。

 

 

アグル「ガイア!いくぞっ!」

 

ガイア「…ッ」

 

アグル「アァァァァ……!ドゥワッ!」

 

 

アグルは胸元にエネルギーを溜めると、それをガイア目掛けて放つ。

 

 

ガイア「グアッ」

 

 

そのエネルギーを受けたガイアは不思議な感覚に一瞬驚くが、そのまま受け止め続けると体が反物質化し、『反物質ウルトラマン』となった。

 

 

ガイア「…」

 

ダイナ「デェアッ!」

 

 

ガイアとダイナはお互いサムズアップを交わすと、ガイアはアンチマターが待ち構えるバリア内にテレポートした。

 

 

朱乃「ギャスパー君、今ですわよ」

 

ギャスパー「はいっ!」

 

 

朱乃の合図を受けたギャスパーは意識を集中させる。

すると、侵攻を続けていたバリアはピタッと停止した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アンチマターが展開したバリア内にテレポートしたガイアは辺りを見渡すと、反物質に包まれた町並みの空間は歪んでいて、空気が重苦しく感じる。

そして、その中央にはバリアを展開した張本人であるアンチマターが佇んでいる。

現在、バリアの展開はギャスパーが時を止めて阻止しているが、それも長くは持たない。

 

 

ガイア「デュアッ!」

 

 

ガイアは地面を蹴る様に駆け、アンチマターに接近すると、体の真ん中に右、左と拳を叩き込み、右足で脇側を蹴る。

 

 

ガイア「グアァァァァ…!デヤッ!」

 

 

続け様にアンチマターの体を持ち上げ、前方へ投げ飛ばす…

 

 

ガイア「!?」

 

アンチマター「フゴォォォ…」

 

 

が、この反物質空間の影響なのか、あまり勢いが出ず、ゆっくり飛んでいく。

当然、アンチマターは楽々と宙返りし、地面に着陸すると、2本の角から放つ光弾がガイアを襲う。

 

 

ガイア「グアァッ!!」

 

 

直撃したガイアは後方へ吹き飛ばされると、近くにあったビルに衝突する。

アンチマターが迫ってくる中、ガイアは何とか体を起こし、身構えるが

 

 

ガイア「!?」

 

 

地面に崩れ落ちる筈の瓦礫は何故かバリアの外へ向かって飛んでいく。

もし、反物質化した物体がバリア外に出たら間違いなく爆発が起きる…。

 

 

ガイア「デュアッ!」

 

 

ガイアはガイアスラッシュを連射し、瓦礫群を破壊する。

これでひと安心と思いきや、注意を逸らしていた隙にアンチマターは目の前に来ていた。

 

 

ガイア「デヤッ!」

 

アンチマター「フゴォォォ…」

 

 

ガイアは再びアンチマターの体の中心に拳を放つが、アンチマターはそのまま体を折り畳み、ガイアを挟み込み、電流を流す。

 

 

ガイア「グアァァァァァァァーーー!!」

 

 

ガイアの苦痛の叫びが空間に響く。

何とか体を動かして脱出を試みるが、アンチマターの挟み込む力は強く、中々抜け出せない。

 

 

ガイア「グアッ…?」

 

 

ガイアが苦戦する中、停止していた筈のバリアが動き出した。

それは遂にギャスパーの体力の限界が来たことを知らせていた。

 

 

ガイア「デュアッ!グアァァァ…!」

 

 

時間がない…。そう思ったガイアは渾身の力を込め、体を赤く発光させながら、両腕を広げようと動かす。

すると、今までビクともしなかったアンチマターの体が開いていく…。

 

 

ガイア「ダァァーーー!!」

 

 

そして、両腕を伸ばし、アンチマターの体を完全にこじ開けると、バク転で距離を取る。

 

 

ガイア「デュアッ!」

 

ドガガガァァァーーー!!

 

 

体制を立て直すと、直ぐ様ガイアはクァンタムストリームを放つ。

アンチマターの頭頂部にある2本の角を破壊し、飛散した肉片はバリアの一部を突き破り、外へ飛んで行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バリアの外で待機しているダイナとアグルは突然、バリアの一部が破れたと同時に出てきたアンチマターの肉片に警戒していた。

爆発するだろうが、多少の被害はやむを得ない…。

ダイナとアグルが攻撃しようとしたその時!

 

 

ダイナ「ハッ!」

 

アグル「!」

 

 

宇宙空間にいた筈のG.U.A.R.D.戦闘機部隊デルタチームが颯爽と上空から姿を現した。

デルタチームは「それは俺たちの仕事だ!」と言わんばかりに、反物質変換装置を次々と発射し、アンチマターの肉片をあっという間に物質に変換した。

 

 

ダイナ「…」

 

アグル「…」

 

 

通りすぎる彼らにダイナは感謝、アグルは感謝と認めたくない思いが混ざりあった複雑な気持ちで視線を送ると、ダイナはビームスライサー、アグルはアグルスラッシュで肉片を消した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アンチマター「フゴォォォ……」

 

ガイア「デュアッ!?」

 

 

2本の角が破壊されたアンチマターは観念したのか、体を閉じ、地球に飛来したきた姿に戻る。

これを好機とみたガイアは接近しようとするが、突然空間が歪み、足がとられる。

 

何かの物音が上空から聞こえ、ガイアは見上げると、先程飛散した肉片が出ていった穴から反物質エネルギーが漏れ、段々とバリアが狭まってきていた。

このままだと、物質に触れて大爆発が起きてしまう。

 

 

アグル「ツォワッ!」

 

 

その危機に、外にいるアグルは穴に向かって左手から光線を放ち、穴を塞いだ。

 

 

[テレン]

 

[ティヨン]

 

[ピコン]

 

 

 

それと同時に3人のライフゲージが赤に変わり、点滅を始めた。

 

 

アグル「…」

 

ダイナ「…」

 

ガイア「…デュアッ!」

 

 

ガイアは2人にアイコンタクトを取ると、助走をつけてまっすぐ飛ぶと、ピッチリと体を閉じているアンチマターをバリアごと抱え上げ、3人は上空へ上昇していく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ダイナ「ン"ン"~~~…ハッ!」

 

 

そして、宇宙空間に到達すると、ダイナはミラクルタイプにタイプチェンジし、自分達の進行方向に小さなブラックホールを形成した。

 

 

ガイア「デヤッ!」

 

 

ガイアはその小さなブラックホールにアンチマターを投げ入れると、アンチマターはみるみる吸い込まれていき、ブラックホールの闇に消えた。

 

 

アグル「ホアッ!」

 

 

アンチマターが完全に見えなくなったことを確認したアグルは、右腕から放つ光線でブラックホールの口を塞ぎ、消滅させる。

こうして、地球をおびやかしていたアンチマターの脅威は去り、ダイナとガイアは嬉しげに顔を見合わせる。

 

 

ダイナ「やったな!」

 

ガイア「ああ!……さあ、ビームを!」

 

アグル「…」

 

 

ガイアの頼みにアグルは何故か考え込む様なしぐさを取る。

どうしたんだと2人は思う中、ガイアはバリアに突入する前に藤宮が発した言葉を思い出した。

 

 

(藤宮「もし、俺が気まぐれを起こし、お前を元に戻さなければ、お前は反物質の世界に留まるしかなくなる」)

 

 

もし、その言葉の通りにアグルが気まぐれを起こしたのなら、ガイア…我夢は永遠にこの宇宙をさ迷わなければならない。

 

 

ダイナ「おい、お前まさか…」

 

アグル「…」

 

 

ダイナもそれに気付いたのか、アグルを見据える。

そんな緊迫した空気の中、アグルが下した決断は…

 

 

ガイア「…ッ!」

 

ダイナ「!」

 

 

アグルは胸元に溜めたエネルギーをガイア目掛けて放つと、ガイアの体は元の正物質に戻る。

アグルはガイアのバリオン数を変換させ、ガイアを見捨てることなく、助けたのだ。

 

 

ガイア「…ありがとう」

 

アグル「…」

 

ダイナ「ふぅ…」

 

 

ガイアはアグルに感謝し、ひと悶着あるのではと思っていたダイナは緊張が抜け、肩を撫で下ろす。

 

アンチマターを再び宇宙へ追放することに成功した3人のウルトラマンは地球に帰還するのだった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

地球。夕暮れに包まれる駒王町の橋にリアス達がいた。

地球に帰還した我夢と一誠はリアス達と合流し、わいわいと談笑している。

 

話の内容は主に反物質空間はどうだった?という我夢に対する質問を始め、彼らを支えた影の立役者であるギャスパーを称賛するものだった。

皆に褒められたギャスパーは照れ臭そうに笑っている。

 

我夢はそんな楽しげなムードに包まれていると、橋の向こう岸に藤宮がこちらを見つめていることに気付いた。

我夢は皆から離れ、藤宮のもとへ駆け寄る。

 

 

我夢「…藤宮。もし、君がいてくれなかったら、」

 

 

我夢は感謝の言葉を告げると、頭を下げる。

我夢の言う通り、藤宮の提案がなければ、この太陽系は消滅し、自分や仲間達も助からなかっただろう…。

そんな彼に対して、藤宮は

 

 

藤宮「勘違いするな。俺は地球の危機を救っただけだ」

 

 

そう冷たく突き放す様に告げると、藤宮は我夢達に背を向けてどこかへ歩き去っていく。

リアス達が不安そうな顔で我夢を見つめる中、我夢は遠くなっていく藤宮を見て、呟く。

 

 

我夢「今は争うしかないかも知れない…。けど、僕は信じている。同じ地球の子なんだから……」

 

 

 

 

 

 




次回予告
※(イメージBGM:ウルトラマンダイナ次回予告)

ふるべ村に現れた怪獣『バオーン』の鳴き声を聞けば、みんな眠くなる。
かくして、創設間もないXIGによる前代未聞の怪獣捕獲作戦が始まった!

次回、「ハイスクールG×A」
「遥かなるバオーン」
お楽しみに!







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