日常生活で色々あり、投稿が遅れました!すみません!
大変、大変長らくお待たせしました!
今回はドラマパートのみです。
それでは本編!!
バ~オ~~ン!(※今回の話にバオーンは関係ありません)
バオーンの1件から2日後。
すっかり夏休みに入った我夢達は今、駒王学園の制服に身を包み、リアスの実家がある冥界行のグレモリー家専用列車の中にいた。
何でも、冥界へは夏休みのような長期休みでないと帰省できないらしく、毎年の夏は実家に帰っているそうだ。
我夢達がいるのは、主である彼女が行く場所には眷属も行く…という主従関係によるものだからだ。
学生服は冥界でおける正装にはうってつけらしい。
ちなみにこの帰省にはアザゼルも同行している。
その理由は夏休み期間の間、『総督直伝!スペシャルトレーニング』なる修行をリアス達につける為だ。
本人は疲れていたのか、今はいびきをかいてだらしなく寝ている。
一誠「しっかし、驚いたよなぁ~」
我夢「ああ。まさか、駒王駅の地下にこんな列車があるなんてね。てっきり魔法陣で転移するものかと思ったよ」
感服する我夢に隣に座る一誠はうんうんと頷く。
冥界行きの電車への行き方は普通に駅内にあるエレベーターに専用のカードとパスコードを通し、降りた先にある地下空洞にある列車に乗る……ただ、それだけである。
意外に簡単な方法、しかも列車という交通機関を使うとは驚くものだ。
そう会話していると、反対側の席に座っていた朱乃が席を立ってこちらに来る。
朱乃「その方法でも行けますが、新しく眷属になった悪魔はこのルートで手続きをしないと罰せられますわよ」
一誠「えっ!そうなんですか!?」
我夢「悪魔でも何でもいいって訳じゃないのか…」
朱乃の言葉を聞き、2人は納得する。
悪魔にも案外人間界と似ている法律が存在しているかもしれない。
すると、我夢と一誠の脳裏に1つだけ疑問が浮かんだ。
我夢「あれ?でも僕とイッセーはライザーの結婚式の時に、もらった魔法陣でここに来ましたけどあれは……」
確かに急いだとはいえ列車に乗らず、魔法陣で転移したのは事実である。
もしかしたら、自分達はすでに犯罪を犯しているのかもしれない…。そんな疑問に朱乃は小さく微笑み
朱乃「……時と場合によりますわ♪」
我夢「何で一瞬間が空いたんですか?」
一誠「大丈夫か?俺たち…」
その答えに我夢と一誠は不安になり、冷や汗をかく。
だが、魔法陣は魔王からもらったものだから大丈夫だとは思うが…。
そんな中、朱乃は妖絶な笑みを浮かべて我夢にそっと近寄って囁く。
朱乃「ねえ、我夢君?積極的な子はお好きですか?」
我夢「…?どういうことですか?」
朱乃「それは……こうですわ」
我夢「えっ!ちょっ!?」
我夢は質問の意味がわからず聞き返すと、次の瞬間、朱乃は我夢の手を自身の太ももに当てた。
朱乃「どうですか?」
我夢「ど、どうって…」
朱乃「あら?こっちの方がお好みですか?」
我夢「え!?」
手から伝わる艶々かつ柔らかい肌の感触、女性特有の甘い匂い…。その魅力に煩悩を刺激され我夢は戸惑う。
すると、朱乃は物足りないと思ったのか我夢の手をゆっくりとスカートの中へと誘導していく。
我夢「ええっ!?ちょっと!!朱乃さん、まずいですって!!」
朱乃「あらあら、恥ずかしがらなくてもいいのですよ?みんな気付いてませんから。あっ、もしかして2人っきりになれるところでじっくりと?」
我夢「いやいや!そういう問題じゃなくてっ!!(イッセー!………あれ?)」
我夢は目で隣にいる一誠に助けを求めるが、肝心の彼の姿がない。
何処だろうと辺りを目で探すと、一誠は反対側の席でゲームに夢中になっているギャスパーとハネジローのところにいた。
2人の対戦を一誠は夢中で観戦していたが、我夢の視線に気付いたのか、顔を少しだけ彼の方へ向けると
一誠「(ゴ・メ・ン♡)」
我夢「(えええええええ!?)」
そう舌を出してアイコンタクトで謝って我夢を見捨てると、再びゲーム画面を覗く。
親友に見捨てられた我夢は口をあんぐりと開ける。
朱乃「あらあら♪そう逃げなくてもよろしいのに♪」
我夢「わわぁっ!?イッセー、助けてぇぇぇ!!」
遠くの方で我夢の助けを求める声が聞こえるが、一誠は申し訳ないと思いながらも無視を続ける。
現在、ギャスパーとハネジローがやっているのは以前一誠がアザゼルと遊んだ3D格闘ゲームの携帯ゲーム機移植版で、2人は通信対戦中である。
一誠もこのゲームが得意だが、ギャスパーはそれ以上の腕前で、以前対戦した時は手も足も出なかった。
一誠「すげぇ…」
だが、そんなプロゲーマーと戦っているハネジローはどうだ。
5回目の対戦だが、2人は互角の戦いを繰り広げており、現在の勝敗はギャスパー2勝2敗、ハネジローも2勝2敗だ。
ちなみにハネジローはこのゲームをやるのは今日が始めてである。
2人の操作キャラの体力はもう半分以下でそろそろ決着がつくところだ。
少しでも隙を見せたら負け…。互いに一歩譲らぬ熱戦を繰り広げるが
ハネジロー「パムー」
《イヤァッ!》
《フッ!?》
ギャスパー「ああっ!?」
一瞬の隙をついたハネジローは自らの操作キャラ『真紅獅子』のドロップキックでギャスパーの操作キャラ『レッド
『2P Win!』と音声が流れるゲーム機を手にギャスパーは悔しげに肩を落とし、ハネジローは嬉しげに微笑む。
ハネジロー「パムパム~♪」
ギャスパー「あう…」
一誠「惜しかったなあ~…あともうちょいだったのに」
ギャスパー「はっ、はいぃ……。ですけど、始めてゲームするのにここまで強いなんて…」
一誠「すげぇよな!俺なんてギャスパーに1回も勝ったことねぇのによ」
ハネジロー「パムッ!」
一誠「いばるなって」
えっへん!と胸をはるハネジローに一誠はジト目で見ながらツッコむと、1つの疑問が浮かぶ。
一誠「でもよ~小学校2年生の頭脳ってこんな物覚えが良いのか?俺なんて全然無理だぜ」
我夢「…それは、簡単、だよ」
一誠「ん?あ……我夢…」
後ろから声が聞こえ、一誠は振り返ると、言葉を失った。
我夢の表情はくたびれおり、息も切れ切れ、服も若干乱れいることから朱乃のアプローチは中々過剰なものだったことが伺える。
その姿に一誠はばつが悪い表情を浮かべていると、我夢は息を整え、いたずら気に笑みを浮かべ
我夢「それはね、ハネジローがイッセーよりもよっぽど賢いってことだよ」
一誠「はあ!?それって、俺の頭が小学生以下ってことかよォォォ!!ぶ、ぶ、部長!そんなことないですよねっ!?」
一誠は信じられない様子で声を荒げると、リアスのもとに駆け寄って尋ねる。
彼女なら否定してくれる…。一誠がそう信じた矢先、リアスはにっこりと微笑みながら顔を向けると
リアス「我夢の言うとおりかもね」
一誠「…え、ええええぇぇぇぇ!?嘘だろぉぉ~~~~」
『あっははははははは!!!』
信じていた彼女からも『バカ』と言われた。
ショックを受けた一誠はへなへなとその場にへたり込むと、その様子に皆は笑う。
我夢「はははは……ん?」
我夢もその賑やかな空気に誘われて笑いつつ、ふと視線を逸らすと、皆から少し離れた席で憂鬱な面持ちながら車窓を眺める小猫に気付いた。
どうしたんだろうと思った我夢は皆から離れ、小猫の前の座席に座る。
我夢「小猫?どうしたんだ、具合でも悪いの?」
小猫「……いえ、何も」
我夢「…」
そう尋ねるが小猫はそう短く答え、再び車窓へ視線を向ける。
彼女はああは言ってるが、表情は依然と曇ったままだ。
一体何があったのか?我夢がそう考えていると、列車はいつの間にかグレモリー邸の前に到着した。
皆は荷物をまとめ始めたのに合わせ、我夢も降りる準備をする中、アザゼルが一向にも降りる気配を見せないのに気付いた。
我夢「アザゼル先生、降りないんですか?」
アザゼル「ああ、俺はこのまま魔王領に向かう予定だ。サーゼクスとの会談があるからな」
我夢「そうなんですか」
アザゼル「まあ、終わったら俺もそっちに向かうからよ、先に挨拶を済ませてきな」
いつもおちゃらけた態度をとってはいるが、アザゼルもアザゼルなりに忙しいことを我夢は改めて思った。
リアス「アザゼル。お兄様によろしくね」
アザゼル「おう」
見送るアザゼルを列車に残し、リアスを先頭に降りていく。
全員が降り、列車が発車したのを見届け、駅のホームへ降りた彼らを待っていたのは…
『お帰りなさいませ、リアスお嬢様!!!』
大勢のメイドや執事達が怒号のような声で出迎え、兵隊達がそれに合わせて花火を打ち上げ、音楽隊は音を奏でる。しかも、空には見たことがない変な生物に乗った騎手が旗を振るっている。
この光景にリアスと古参メンバーは慣れている様子で、逆に新参である我夢、一誠、アーシア、ゼノヴィアは追い付けず、ポカンとしている。
ギャスパー「ひっ、ひいぃ!!ひ、人がいっぱい!!」
ギャスパーに至ってはそのあまりにも人の多さに怯えてしまい、我夢の背中に隠れてしまう。
我夢のおかげで教室の生徒やふるべ村くらいの人数程度なら怯えることもなくなったが、目の前にいる人数はその2倍…いや、5倍もある。
さすがにある程度は慣れたとはいえ、この人数はまだまだ厳しいものだろうと我夢は思った。
『お帰りなさいませ!お嬢様!!』
そう言うと執事及びメイド達は1コンマのズレなく、一斉に頭を下げる。
リアスは微笑みながら前に出て
リアス「ただいま、みんな。お迎えありがとう」
そう挨拶を返すと、執事とメイド達は笑みを浮かべる。
この和やかな雰囲気にリアスが彼らにどれだけ慕われているのかが新参メンバーには一瞬でわかった。
すると、メイドや執事の大群から誰かが前に出てくる。
それはグレモリー家のメイドであり、サーゼクスの眷属の1人であるグレイフィアである。
グレイフィア「お早いお着きでしたね。ご無事で何よりです。本邸までは馬車でご案内します。さあ、眷属の皆様もお乗り下さい…」
一同はグレイフィアに薦められるまま、用意された馬車へと乗り込んでいく……。
アーシア「はわわ…」
一誠「すっげぇぇ!!」
ゼノヴィア「これが部長の…?」
我夢「城だ…」
馬車に揺られながら数分後。我夢、一誠、アーシア、ゼノヴィアは目の前にそびえ立つグレモリー本邸に目を奪われていた。
それは豪邸というよりも城と言うのが相応しいほどの規模で、しかもこれは家の1つだと言うのだ。
その規模の大きさに新参メンバーの4人は驚きつつも、両脇で使用人達がズラッと並んで作った道をリアスを先頭に歩く。
ちなみに荷物はいつの間にか本邸に転送されている。
そして、城門の様な巨大な扉の前に歩き着くと、扉はギギギ…と音を立てながら開き、リアス達は中に入っていく。
室内も外見同様にとても豪華で、天井には綺麗な装飾がされたシャンデリアが室内を照らしている。
グレイフィアの案内で一向は屋敷内を歩いていると、
「リアスお姉さま、お帰りなさい!」
リアス「ただいま、ミリキャス!大きくなったわね!」
屋敷の奥からリアスがミリキャスと呼ぶ紅色の男の子が駆け寄り、彼女の胸に飛び込む。
リアスもその男の子を愛しげに抱き返す。
一誠「部長。その子は…?」
リアス「一誠達は会うのは初めてだったわね。紹介するわ。この子はミリキャス・グレモリー、私の兄の子供……つまり、甥に当たるの」
『え!?』
それを聞き、我夢、一誠、アーシア、ゼノヴィアの4人はサーゼクスが結婚していた事実に驚く。
以前彼に会ったことはあるが、全く既婚者である雰囲気が感じられなかった。しかも子供がいるなんて…。
人?(悪魔)は見た目によらないなと4人は思っていると、リアスはミリキャスを皆の方へ向かせる。
リアス「ミリキャス。挨拶をしなさい」
ミリキャス「はい、お姉さま!皆さん、はじめまして!ミリキャス・グレモリーです!!」
一誠「こっ、こちらこそ!はっ、は、は、はじめまして!!」
我夢「イッセー、落ち着いて」
目の前にいる人物が現魔王の息子…つまりグレモリー家の次期跡取りであること、堅苦しい挨拶に慣れていないのも相まって、落ち着きがない一誠を我夢はなだめる。
すると、ミリキャスは微笑み
ミリキャス「はははっ、お姉さまやお母さまから聞いてますが、一誠様って面白い方なんですね」
一誠「は、はは…」
そう言われると、一誠は少し申し訳なさそうに苦笑いする。
その後、我夢、アーシア、ゼノヴィアも挨拶をすませ、皆は一旦、各自の宿泊部屋の確認に向かうことにした。
宿泊部屋の確認を終えた一同は先程のロビーに集合し、屋敷内の部屋の案内を受けることになった。
屋敷内は我夢達が想定していた以上に広く、特に新参である我夢、一誠、アーシア、ゼノヴィアが迷子にならないようにするためだ。
その際、夕食の準備があるグレイフィアに代わり、執事のシンジョウが皆を案内していた。
我夢が聞いたところ、見た目こそ若々しいが、シンジョウはこのグレモリー家の使用人の中でグレイフィアの次くらい詳しいそうだ。
シンジョウ「――――――で、こちらが応接間となっております。この部屋は―――――や――――の時に使われる部屋です。私共が案内できる範囲はこの部屋で終わりです。何かご不明な点は?」
シンジョウの問いかけに皆は首を横に振る。
シンジョウ「何かご不明な点があれば、いつでも私共にお申し付け下さい。さあ、御夕食まで時間がありますので、それまで屋敷内をごゆっくりなさってください」
そう皆に伝えたシンジョウはお辞儀すると、どこかへ去っていく。
自由時間となった皆はどうしようかと思ったとき
「あら?リアス、帰ってきたのね」
声のした方を振り向くと、ドレスを着こなした美人と言える女性が歩みよってきていた。
その見た目や顔はリアスとそっくりだが、髪の色は紅色でなく、
我夢と一誠はリアスの姉かなにかと思っていると、リアスの口から予想外の言葉が出た。
リアス「ただいま戻りました。お母さま」
『ええっ!?お母さまっ!?』
本日は何度目になるかわからない驚愕。それどころか、今まで驚いた中でも群を抜く衝撃だ。
どこからどう見てもリアスと年が変わらない少女で、とても2人の子を産んだ母親に見えない。
一誠「い、いやっ!部長のお姉さんかと思いましたよっ!まさかこんなに若いなんて……」
「あら。お姉さんだなんて……嬉しいですわ」
動揺する一誠の言葉にリアスの母は口に手を当てて微笑む。
なるほど、笑う仕草や笑顔もそっくりだなと我夢は内心驚きつつも納得した。
そんな2人にリアスはくすりと笑い
リアス「悪魔はね、年を重ねると魔力で見た目を自由に変えられるのよ」
一誠「あ、なぁ~るほど!それで部長と同じくらいの年に」
我夢「魔力って便利なんですね~」
2人は改めて未だ把握しきれていない悪魔のテクノロジーの凄さに脱帽する。
すると、リアスの母は2人を見て何か思い出したのか、その顔を捉える。
「もしかして……貴方が兵藤 一誠さんで、隣の方は高山 我夢さん?」
我夢「え?」
一誠「俺達のことを知ってるんですか?」
「ええ、娘の婚約パーティーぐらい顔を覗かせますわ」
一誠「あ…」
リアスの母の言葉に一誠は口をあんぐりと開けて固まる。
あの時はリアスを取り戻すのに必死で周りをよく見てなかったが、確かにその場にいた様な気がしたのを思い出す。
一誠「すっ、すみませんでした!俺のワガママのせいでぶちょ…娘さんの婚約を台無しにしてっ!!」
我夢「僕も謝ります」
思い出したや否や、一誠は頭を下げて謝罪する。
彼についてきただけの我夢もだ。
そんな2人にリアスの母は「いいのですよ」と言い、顔をあげさせる。
ヴェネラテ「初めまして、私はヴェネラテ・グレモリー。娘がいつもお世話になっております。よろしくね」
そう言いつつ、ヴェネラテはにっこりと微笑んだ。
それから数時間後。夕食が出来たと知らせがきたリアス達は、屋敷内にあるだだっ広いダイニングに集められた。
広々とした空間に豪華な長テーブルにかけられた白いヴェール、天井には何百とも数えきれない程の宝石が埋め込まれたシャンデリア。そして周りには多くの使用人達が長テーブルから離れた位置で待機している。
そのきらびやかな光景に我夢、一誠、アーシア、ゼノヴィアの4人は驚きつつも、他の皆に合わせて、各々指定された席に座っていく。
ジオティクス「さあ、存分に楽しんでくれ」
リアスの父――ジオティクスの一声で会食が始まった。
厳かな空気の中、我夢達は目の前に用意されたいかにも高級そうな料理をナイフとフォークを使って黙々と口に運ぶ。
お嬢様であるリアスは当然の様に行儀よく、かつ優雅に食べている。木場と朱乃も同様に難なく食べている。
ゼノヴィアとアーシアは慣れていない様子だが、何とか形にはなっている。
ギャスパーは周囲の視線で縮こまってはいるが、難なく食べている。
我夢「うう…」
一誠「ぬぅぅ…!」
だが、この中で我夢と一誠の2人は苦戦していた。
周りの人の動きを見よう見まねでやっているが、それでも上手くできない。
これは普段、貴族が行うテーブルマナーから程遠い生活を送っているからだ。
こうやってやってるのは、周りに変な目で見られるというのもあるが、リアスの両親が目の前にいるからだ。
変なマネはできない。
ぎこちないが、ゆっくり確実に慎重に………料理を口に運ぶ。
しかし、緊張のあまり味が伝わらず、食べている気がしない。
そんな初歩的なテーブルマナーに苦戦している我夢はふと、隣に座る小猫が気になり、目をやる。
我夢「?」
小猫「…」
小猫は食事に一切手をつけておらず、憂鬱な表情を浮かべて座っているだけである。
いつもの彼女なら、いの一番に食事を手をつける大食いのはずなのだが……。
心配になった我夢は小猫に声をかける。
我夢「どうしたの?具合でも悪いのかい?」
小猫「……何でもありません」
少し間を開けてから小猫は答えると、プイッと顔を反らす。
何でもないと言うが、その顔は相変わらず曇ったままだ。
思えば彼女は冥界に入る時からこんな感じだ。
一体、何があったんだろう?
我夢は彼女の悩みのタネを考察しようと考えたが、これ以上詮索しても失礼だと思い、不安を心に残しながらも食事を口に運ぶ。
そんな中、ジオティクスが一誠に声をかける。
ジオティクス「ときに兵藤君……いや、一誠君と呼んでいいかな?」
一誠「あぁっ、はい!大丈夫です!」
突然話しかけられた一誠は両手に持つナイフとフォークを落としそうなるが、何とか持ち直し、固い表情ながらも笑顔を向ける。
何だろうと一誠は思っていると、
ジオティクス「私を
一誠「…へ?」
突拍子もない発言に一誠は固まる。
お義父さん……つまり、リアスと結婚するのを前提にした呼び方だ。
それを聞いたリアスはピクリと肩が反応する。
ヴェネラテ「あなた、まだ早すぎますわ。まず、順序というのがありますわ」
ジオティクス「う、うむ。しかしだな、娘がこんなに熱中する相手を見つけたのだ。めでたいことではないか…」
ヴェネラテ「貴方……受かれるのはまだ早い、ということですわ」
ジオティクス「そうだな。どうも私は急ぎすぎるきらいがあるようだ。すまん」
ヴェネラテに語気を強めて言われると、ジオティクスは引き下がる。
それを見た一誠は妻に尻を敷かれているなと思った。
今度は夫を黙らせたヴェネラテが一誠に話しかける。
ヴェネラテ「兵藤 一誠さん……私も一誠さんと呼んでいいかしら?」
一誠「あっ、はい!」
ヴェネラテ「しばらくはこちらに滞在するのでしょう?」
一誠「…?そうですが?」
その問いかけに一誠は首を傾げながらも答える。
すると、ヴェネラテは真剣な眼差しで一誠を見つめ
ヴェネラテ「そう……丁度いいわ。あなたには紳士的な振る舞いも身に付けてもらう為に少しマナーのお勉強をしてもらいます」
一誠「えっ?それって―――」
「どういうことですか?」一誠がそう問いかけようとした時、バンッ!と誰かが机を叩く声に遮られる。
皆が一斉に音がした方を向くと、何やら苛立った様子のリアスが椅子から立ち上がっており、机に手を置いていた。
リアス「お父さま!お母さま!先程から黙って聞いてましたが、私を置いて話を進めるなんてっ!どういうことなのでしょうかっ!?」
ヴェネラテ「―――お黙りなさい、リアス」
リアスの発言にヴェネラテは静かに答える。
その顔は先程までの眩しいほどの笑顔ではなく、冷たい――氷の様な眼差しを浮かべている。
ヴェネラテ「あなたはライザーとの婚約を解消しましたのよ?それを許しただけでもありがたいと思いなさい。お父さまとサーゼクスがどれだけ他の上級悪魔を説得するのにどれだけ苦労したと思っているの?」
リアス「私はお兄さまとは―――」
ヴェネラテ「関係ないとでも?表向きはそうでしょうけど、周りは常にあなたを“魔王の妹”と見ますわ。三大勢力が強力体制となった今、あなたの立場は他の勢力の下々まで知れ渡り、注目を浴びるでしょう。もう、以前のような振る舞いはできないのですよ?2度目のワガママは許されない、いいですね?」
矢継ぎ早に放たれるヴェネラテの言葉にリアスは納得してない様子だがぐうの音も出ず、大人しく席に座った。
ヴェネラテはひと息ついて自身を落ち着かせると、
ヴェネラテ「お見苦しいところ見せて申し訳ありませんね」
一誠「き、気にしてませんから…」
我夢「…は、はは……」
ニコッと微笑み、唖然としている一誠達に謝罪する。
しかし、我夢や一誠は先程の恐ろしい程冷たい眼差しが忘れられず、固い笑顔で返す。
一誠「ところで……どうして俺なんすか?」
リアスの家族の意向はわからないが、先程からやけに一誠を話に絡めようすることに彼自身や我夢も気になっていた。
すると、ヴェネラテは笑みを浮かべるのをやめ、真面目な表情で
ヴェネラテ「あなたは次期当主たる娘の最後のワガママですもの。親としては最後まで責任をもちますわ」
それを聞いた我夢は納得した。
つまりリアスの両親は、一誠とリアスをくっつけさせ、結婚させようと考えていると…。
未来のグレモリー家の婿養子になる一誠には貴族としてのマナーはとても重要だ。
一誠「…?」
だが、この思惑で肝心である一誠は全く気付いておらず、頭の上に疑問符を浮かべている。
リアスは流石に気付いており、顔を赤くしている。
我夢「(この話、大丈夫かな……?)」
我夢は果たして両親の思惑通りになるのか、ただただ不安を残すばかりだった。
次回予告
遂にXIGのリーダーが冥界にやってくるぞ!
その時、冥界ではドラゴン…地球では怪獣が大暴れ!
人類も悪魔も絶滅の道を辿るのか?
次回、「ハイスクールG×A」!
「滅亡への一歩」!
行け!チームハーキュリーズ!