ハイスクールG×A   作:まゆはちブラック

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絶対生物 ゲシェンク
絶対眷属 ゲシェンクポーン 登場!


第28話「滅亡への一歩」

会食が終わり、すっかり夜が更けたので、我夢達はそれぞれ用意された個室で寝ていた。

 

ちなみに冥界には本来、大陽と月はないが、魔力で再現している。空に上がっている月と周りの闇夜もその1つだ。

 

話を戻し、最初の頃はテーブルマナーに苦戦していた我夢も数分後にはある程度慣れ、冥界の料理の美味しさに酔いしれ、ついつい沢山食べてしまった。

久しぶりの満足感を残したまま、我夢は寝室でぐっすりと眠っていたのだが…

 

 

「我夢…我夢…我夢……」

 

我夢「んん……?」

 

 

我夢が寝てから数時間――おそらく人間界では深夜3時ぐらいであろうか。

外で誰かが自分を呼ぶ声が聞こえ、我夢は目を擦り、うとうとしながらベッドから立ち上がり、廊下を出る。

 

 

「我夢。ようやく会えましたね」

 

 

我夢が廊下に出ると、そこには月の灯りに照らされ、美しく反射する銀色の長髪に透き通った白い肌。そして、一際目立つ青い瞳に、北欧の古代民族のような白いローブを身に纏った美女がまるで待っていたかのように立っていた。

 

銀髪の女性で自分が知っているのは、グレイフィアしかいない。だが目の前にいる女性は我夢が一度も会ったことがない…見に覚えもない人物だ。

しかし、その立たずまいからどこか神聖さを感じさせることだけはわかる。

 

 

我夢「……君は?」

 

 

我夢が問いかけると、その銀髪の美女は胸元に手を当てて名乗る。

 

 

ユザレ「私はユザレ……。かつて、3000万年前の地球に存在していた地球星警備団の団長です」

 

我夢「…っ!というと、君は超古代人なのか?」

 

ユザレ「そうです。我が子孫…」

 

 

衝撃発言に驚きながらも問う我夢にユザレは肯定の言葉を告げる。

超古代人…それは光の巨人から光を受け継いだ超古代に存在した人類のことで我夢、藤宮、一誠の先祖だ。

聞いたところによると、今の人類じゃ考えられないテクノロジーを用い、人間界でもトップクラスに文明が栄えていた。

 

しかし、サーゼクスから新しく聞いた情報によれば、彼らは忽然と姿を消したらしいが……。

その他多く疑問が浮かぶが、とにかく何故、失踪した超古代人の彼女が今頃現れたのが優先だ。

 

 

我夢「ユザレ。君はどうして現れたんだ?何か伝えたいことでも?」

 

ユザレ「その通りです。これからも破滅招来体や異種族の争いによる災いが降り注いでいくでしょう……。しかし、どのような手段を用いても避けられない“運命”があなたに近づいているのを私は知らせに来たのです……」

 

我夢「避けられない……“運命”?」

 

 

我夢が再度問いかけると、ユザレは頷く。

 

 

ユザレ「それは……」

 

 

これから起こる『避けられない運命』が何か?

ユザレが伝える言葉に我夢が耳を傾けた瞬間、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《ジリリリリリ!》

 

我夢「っ!?」

 

 

突如、鳴り響くアラーム音に我夢はハッと目覚める。

我夢はスマホのアラームを切り、上体を起こして辺りを見渡すと、グレモリー邸で寝ていた自分の寝室だった。

部屋中は窓から照らされる明かりですっかり明るくなっており、とっくに夜が明けたことがわかる。

 

 

我夢「寝てたのか……」

 

 

我夢はユザレとの会話は全て夢の出来事と察する。

3000万年前の人間と現実で出会える訳がないではないかと。

しかし、夢にしてはやけにリアリティーがあり、今もユザレの姿を、彼女の言葉1つ1つはっきりと覚えている。

 

 

我夢「(あれは夢だったのか…?)」

 

 

我夢はベッドに座りながら考えようとした時

 

 

ドンドンドン!

 

我夢「っ!?」

 

 

今度はドアからの激しいノック音に我夢はビクッと飛び上がる。

我夢が何だろうとドアへ視線を送ると

 

 

リアス『我夢!起きなさーーい!今、何時だと思ってるの!?今日は魔王領で大事な行事があるのよーー!!』

 

我夢「あ…」

 

 

ドアの外から語りかけてくるリアスの大きな声に我夢は青ざめ、口をあんぐりと開けた。

 

そう、今日は魔王領で恒例行事である若手悪魔達が一堂に会する交流会があるのだ。

その参加者は冥界でも期待されているルーキー悪魔達で、もちろんリアスも招待されている。

 

 

我夢「…すっ、すみません!!今すぐ準備します!」

 

 

それを思い出した我夢はすぐさま寝巻から制服に着替え、寝癖で跳び跳ねた髪をセットする。

そして、タンスの上に置いてあるエスプレンダーを胸元にしまうと、飛び出す様に扉を出た。

 

廊下には既に準備を整えたリアス達が扉を囲む様に立っており、他のメンバーは怒っている様子だが、リアスは明らかにご立腹だ。

 

 

我夢「お待たせしまして、申し訳ございませんっ!」

 

 

我夢は謝罪の言葉を言いながらリアスに向かって頭を下げる。

それを見たリアスはふぅとため息をつき

 

 

リアス「…もう、次は寝坊しないでね。大事な行事なんだから……」

 

我夢「は、はい!」

 

 

そう答えると、我夢は更に深々と頭を下げる。

この口調だと許してくれた様だと我夢は悟った。

 

そんなことがありながらも、一同は魔王領行き列車に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

我夢達が向かっているのは、魔王領の都市部である『ルシファード』。旧魔王ルシファーがいたと言われている旧首都だ。

その光景は多少違うなれど、人間界の首都の光景とさほど変わらない。

 

ルシファードに着くまでは3時間ぐらいかかる。

その間、暇なので我夢は隣で新聞を読んでいる木場に話しかける。

 

 

我夢「ねえ、木場君?」

 

木場「何だい?」

 

我夢「さっきから気になっているけど……イッセー、何かあったの?」

 

 

我夢がそう訊きながら反対側の席に座る一誠を指差す。

一誠は虚ろな表情で何かぶつぶつと呟いており、頭から

はエンストした機械の様に湯気がたっている。

 

 

木場「あはは…。実はね、我夢君が寝ている間、イッセー君は朝早くからミリキャス様と一緒に冥界についてのお勉強をしてたんだ。でも、悪魔に成り立てのイッセー君には覚えることが多すぎたみたいだね……」

 

我夢「そうなのね、あ…はは…」

 

 

そう苦笑しながら答える木場につられて我夢も苦笑する。

確かに冥界に関する知識で覚えることはまだまだ多いだろう。

しかし、読み込みが早い我夢ならともかく、勉強が苦手な一誠にとっては難しいだろう。

今も魂が抜けた状態の一誠を我夢は哀れと思いつつも、自分じゃなくて良かったと安堵する自分もいた。

 

我夢はしばらく苦笑しつつも、話題を切り替えようと木場が手で広げている新聞に視線を移す。

 

 

我夢「そういえば冥界にも新聞があるんだね」

 

木場「うん。この新聞は冥界の情報だけでなく、人間界で起きたニュースも最速で取り上げているんだ」

 

我夢「へぇ~」

 

 

悪魔社会のネットワークの広さ、精密さに感服する我夢。

冥界でも何故かスマホの電波が届いているのもそういったテクノロジーがあるからだろう。

 

我夢はまだまだ人類では到達していない技術力があるのではとワクワクしながらも木場が読んでいる新聞に目を通す。

 

すると、人間界に関する1つの見出し記事に目が止まった。

 

 

我夢「『行方知らず!恐竜の卵の化石!』…?」

 

木場「ああ…これはね、3日前にFKI県の山地から発見した恐竜の卵の化石が保管していた大学から今日、忽然と姿を消したんだ。しかもただの卵の化石じゃなくて、卵の中には()()()()()()()()()()らしいんだ」

 

我夢「生きた寄生生物?」

 

 

我夢がそう問うと、木場は頷き

 

 

木場「何千、何万年と昔に地球で繁栄していた恐竜が何故滅んだ理由が解明するんじゃないかって話題にもなってたらしいよ。でも、卵が消えたんじゃどうしようもないけどね」

 

我夢「…うん」

 

 

そう微笑む木場に我夢は頷くが、どこか不安な予感を感じられずにはいられなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻。魔王領から遠く離れた場所に位置する雪山。

そこはドラゴンの中でも特に強い部類である『六大龍王』だった『タンニーン』というドラゴンが納めている領地であり、大勢のドラゴン達が生息している。

 

当然ながら普段よほど実力がある者以外、ここに立ち寄る者はいない。

悪魔が不毛の地のはずだが、この日は黒い防寒具を身に纏った人物が白い息を吐きながら雪山を歩いていた。

その人物は――青いウルトラマンこと藤宮 博也その人である。

 

 

藤宮「……っ」

 

 

何故人間である彼がここ、冥界にいるのか?

そんな疑問はさておき、藤宮は空に何かを見つけると、岩陰に隠れ、何かの液体が入った注射の形をした銃弾をショットガンの様なものに装填し、構える。

藤宮が銃口に狙いを定めているのは、上空を悠々と飛ぶドラゴン達の群れだった。

 

 

カチッ!

 

ヒューーーーーン!

 

 

ドラゴン達の群れが藤宮が隠れている岩を通り過ぎようとした瞬間、藤宮は引き金を引く。

銃弾はまっすぐドラゴンの群れに向かって飛んでいき、1匹のドラゴンの首筋に刺さった。

 

 

「ん…?」

 

「どうした?」

 

「いや、何か刺さったような…」

 

「石とかじゃねぇの?最近飛んでくるからな~」

 

「う~む、そうか…」

 

 

仲間達に言われたドラゴンは気にする必要ないなと思い、飛行を続ける。

だが、銃弾に込められていた液体はそのドラゴンの体内に注入されていることには気がつかなかった。

 

 

藤宮「……ふ」

 

 

藤宮は怪しげな笑みを浮かべながら、遠くへ飛んでいくドラゴンの群れを見届ける。

その笑みはまるで何か目的を達成したかを物語るものだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、リアス達はルシファードにある広いホールにて他の若手悪魔5名とその眷属と共に会合に参加していた。

魔王であるサーゼクスやセラフォルーはもちろんのこと、いかにも偉そうな雰囲気を醸し出す上級悪魔の老人達がホールの上段の席でサーゼクスの話を静かに聞いていた。

 

立場が低いリアス達は彼らを見上げる形で座って話を聞いている。それが当然の様に。

 

しかし、上級悪魔の面々は皆、見下す様な眼差しでリアス達を見下ろしており、我夢や一誠はとても気分が良いものではない。

 

サーゼクスが語る内容レーティングゲームの今後についてや政治についてなどで、我夢は隣で頭をカクンカクンと眠そうにしている一誠を小突いて起こしながら聞いていた。

そんなこんなで話は進んでいき、内容は『XIG』に関するものになった。

 

 

サーゼクス「今、我々は『根源的破滅招来体』と呼ばれる未知の存在、テロリスト集団『禍の団(カオス・ブリゲード)』によって未曾有の危機に脅かされようとしている。それに対抗する組織として、三大勢力の各代表と協力し、『XIG』を結成した。まだまだ隊員も少ないがきっと素晴らしい組織になるだろう…」

 

 

現在の『XIG』の隊員は主にリアス率いるグレモリー眷属とソーナ率いるシトリー眷属だ。

まだまだ組織としては小規模ではあるが、戦力は申し分はないだろう。

サーゼクスは「だが」と付け加えると、

 

 

サーゼクス「…『XIG』を統率するリーダーが必要である。私やセラフォルーがやるとしても、魔王としての職務がある。アザゼルやミカエルも同様だ。しかし、どちらかの勢力の代表が選ばれたとしてもいざこざが起きるだろう……」

 

 

確かに今は三大勢力は和平こそ結んでいるが、完全に和解した訳ではない。

下手にどちらかの勢力からリーダーを選出すれば、それこそ本末転倒になる。

 

 

「では、魔王様。一体、誰を選出するのです?」

 

 

1人の初老の上級悪魔が問いかける。

それに彼だけでなく、周りの上級悪魔や若手悪魔達も気になる様子だ。

その問いかけにサーゼクスは

 

 

サーゼクス「()()()()()()()()()()

 

『っ!?』

 

 

その返答に会場は一斉にざわめき出す。

同じ魔王であるセラフォルーも初耳だったようで、目を丸くしている。

「誰だ?」「天使からか?」「他神話の勢力からか?」といった意見や考えが飛び交う中、サーゼクスは「静粛に」と一声出すと、会場のざわめきを沈静化させる。

 

 

サーゼクス「私が選んだ人材はどの勢力にも問題がなく、かつ『XIG』を支えるには充分な統率力を持った者だ……。さあ、登場したまえ」

 

 

サーゼクスがそう言うと、リアス達がいる下層ホールの出入口の扉が開かれる。

皆が一斉に注目を向けると、黒色の短髪に日焼けした肌。幾度かの戦いを切り抜けてきた様な熟練の顔つきをして、桑色(くわいろ)に茶色のラインが入った如何にも近未来的な服を着た中年男性がホール中央に向かって歩いてくる。

 

その男性がホール中央で止まると、サーゼクスは紹介をする。

 

 

サーゼクス「紹介しよう。彼は石室(いしむろ) 章雄(あきお)、私の友人だ。経験、キャリア申し分ない素養で、そして………何より人間だ」

 

『!?』

 

 

『人間』―――その単語に周りの悪魔達は再びざわめき出す。

どこかの勢力から選出するかと思いきや、まさか人間から選ばれるとは誰が思っただろう。

 

 

「魔王様!?一体何故人間なんかを!」

 

「そうですぞ!我々の未来を人間に委ねてもよろしいのか!?」

 

 

当然、上級悪魔達からそんな批判の声が上がる。

自分達の勢力を守る為にもある筈の『XIG』が関係ない存在に任せるのはお門違いと思えるだろう。

すると、サーゼクスは

 

 

サーゼクス「確かに皆がそう思うのは至極当然………ですが、我々悪魔は人間界に進出している。我々が更なる進歩を遂げる為に契約なるものを結び、やってきたではありませんか。地球が危機である今こそ我々は彼らとも協力するべきだ。それに三大勢力関係なく、地球で生きるもの同士である人間の彼こそ『XIG』を導く権利があると私は思っている」

 

 

サーゼクスの言葉を受け、批判の声をあげていた上級悪魔達は押し黙る。

サーゼクスの選出には利にかなっており、反論するポイントが何1つないからだ。

 

石室はサーゼクスからアイコンタクトを受けると、右足をタンッ!と地面を蹴って、まるで軍人の気をつけをする様に姿勢を整えると

 

 

石室「先程の魔王サーゼクス様がおっしゃった言葉に感銘を受け、『XIG』の司令官(コマンダー)をお引き受けした石室です。皆様のご期待に応えられるよう、部下と共に積極的に取り組んでいく所存です。何卒、よろしくお願い致します」

 

 

そう言ってお辞儀すると、サーゼクスを始めに会場から拍手があがる。

上級悪魔達は納得がいかない様な顔をしているが、はっきりとした反対理由もないので、拍手を送った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サーゼクス「さて、長話にも付き合わせて申し訳なかったね。しかし、私達は君達に期待を寄せているのだよ。それだけは理解してほしい。それで、お詫びといって何だが、最後にそれぞれの目標を聞かせてはくれないか?」

 

 

会合も終盤に差し掛かり、サーゼクスは若手悪魔達に向かってそう問いかけると、真っ先に黒髪の短髪で屈強な体つきをした男が立ち上がる。

その男はバアル家の次期当主『サイラオーグ・バアル』だ。

 

彼の家、バアル家は『魔王』の次に立場が上の『大王』の名門家で、リアスの母、ヴェネラテもバアル家の出身。

つまり、リアスとサイラオーグは従兄弟の関係なのである。

 

 

サイラオーグ「俺は魔王になるのが夢です」

 

『ほう……』

 

 

サイラオーグは迷うことなく堂々と宣言すると、上級悪魔の何人かは感嘆の息を漏らす。

もし大王家から魔王が輩出するとなれば、前代未聞である。

サイラオーグは言葉を続け

 

 

サイラオーグ「俺が魔王になるしかない――――冥界の民1人1人が思えば、そうなるでしょう」

 

『おおっ…』

 

 

またも自信に満ち溢れた発言に周囲は驚きの声をあげる。

この一言一言で上級悪魔の期待はサイラオーグへ充分注がれているだろう。

それを聞いていたリアスは負けられないと息をのんで立ち上がり、

 

 

リアス「私はグレモリーの次期当主として生き、そしてレーティングゲームの各大会で優勝を納めることが将来の目標です」

 

 

そう言うと、サーゼクスや上級悪魔達も関心関心と言わんばかりにうんうんと頷く。

 

その後、他の若手悪魔も2人に続いて自身の目標や夢を口にしていき、最後はソーナにまわってきた。

 

 

ソーナ「私は冥界にレーティングゲームの学校を建てることです」

 

「はて?レーティングゲームを学ぶ施設は既にあるはずだが?」

 

ソーナ「それは上級悪魔と一部の特権階級の悪魔のみしか行くことが許されない学校のことです。私が建てたいのは身分、才能問わず、誰でも通える学舎(まなびや)です」

 

 

ソーナは真剣な表情ではっきりと答える。

確かに分け隔てなくレーティングゲームを学べるとしたら、今後の悪魔も将来に希望を持てるだろう。

だが、

 

 

『ハハハハハハハハハハハハハハハ!』

 

 

それを聞いた上級悪魔達はそれがおかしいと言わんばかりに一斉に笑い出す。

我夢や一誠、そしてソーナの後ろで聞いていた匙は訳がわからないと困惑した表情を浮かべている。

 

 

「無理だ!無理!」

 

「これは傑作だ!」

 

「なるほど!夢みる乙女という訳ですな!」

 

我夢「っ!」

 

 

薄ら笑いを浮かべながら口々に話す上級悪魔達の言葉を聞いて我夢は改めて思い出す。

自分の主、リアスがいるグレモリー家は情愛が深く、あまり身分差別をしない…。しかし、それはグレモリー家が特別なだけだ。

実際の悪魔はこういった身分差別が激しいものだと…。

 

 

ソーナ「私は本気です」

 

 

ソーナは必死に込み上げてくる怒りをこらえ、真っ直ぐに言う。

セラフォルーも魔王という立場、応援が出来ないが「よく言った」とうんうんと頷く。

しかし、上級悪魔は依然とした態度で語る。

 

 

「ソーナ・シトリー殿。下級悪魔、転生悪魔は上級悪魔たる主に仕え、才能が見出だされるのが常。いくら時代が変わり始めたとはいえ、そのような施設を作りでもすれば、長年培ってきた旧家の伝統と誇りを汚すことになりますぞ」

 

「うむ。全くその通りですな。何を言うかと思えば、たかが下級悪魔に教えるなど……馬鹿げた夢を―――」

 

「「ふざけんじゃねぇっ!!」」

 

『!?』

 

 

そんな心ない発言に黙ってられないと声をあらげる者が2人。一誠と匙だ。

 

 

匙「さっきから黙って聞いてれば、何で会長―――ソーナ様の夢をバカにするんすか!?まだ叶わないと決まった訳じゃないのに!こんなのおかしいじゃないですか!?」

 

一誠「そうだ!夢は1人1人、言葉では語りきれない規模の目標だから夢なんだ!!そんなことがわかんねぇあんたらにそんな資格はねぇっ!!!」

 

 

今回は若手悪魔達の夢や目標を語る場―――内容は自由である筈だ。

しかし、そんな2人の心意に上級悪魔達は冷ややかな眼差しで見下ろし

 

 

「口を慎め。下級悪魔ごときが我々に意見を出す場ではない」

 

「立場をわきまえることが出来ない人間を眷属にするとは……。ソーナ・シトリー殿とリアス・グレモリー殿は着眼点が優れてないようですな」

 

「「っ!!」」

 

 

1人の上級悪魔の言葉に更に怒りの火がついた2人は掴みかかろうとするが、

 

 

椿姫「駄目です!」

 

我夢「2人共、落ち着くんだ!」

 

 

一誠は我夢、匙はシトリー眷属の『女王(クイーン)』かつ生徒会副会長である女性、『真羅(しんら) 椿姫(つばき)』に止められる。

 

 

一誠「止めるなよ!我夢!!あのクソジジイ共…!一旦ぶん殴ってやる!!」

 

我夢「勝手に言わせておけばいいんだ!ここで暴れたら、部長とソーナさんの評判が下がるだけだぞ!」

 

「「っ!」」

 

 

我夢の必死の言葉を聞いた2人は悔しそうな表情を浮かべながら、肩の力を抜く。

その様子を見て、更に意地汚い笑みを浮かべるの老いた上級悪魔の面々だ。

 

 

「フフ…若いというのはいかん、いかん。すぐカッとなってしまう」

 

「ハハハ!その通りですな!!もっと視野を広げてほしいものだ」

 

「悪魔社会の重鎮である我々に対してこの態度。石室コマンダー、そこのところどう思うかね?」

 

 

ふいに調子づいた1人の上級悪魔がニヤリと口角をあげ、石室に言葉を投げ掛ける。

 

 

石室「それは困りましたね…」

 

「そうだ、困ったものだよ。君にはXIGのコマンダーとしてしっかりとした教育を―――」

 

石室「待ってください」

 

「?」

 

 

石室に遮られた上級悪魔は不機嫌ながらも問いかけると、石室は言葉を続け

 

 

石室「私が“困った”と言うのは、彼らにそんな態度をとらせるような()()()()()()()()と言ったのです」

 

「何ィ?」

 

「君、我々に向かってその口の聞き方は何だね!」

 

 

そう言った石室に対して上級悪魔達は一斉にヘイトをぶつける。

だが、石室はそれに臆せず口を開く。

 

 

石室「彼らの行動は褒められるものではありません。しかし、私は何時如何なる場合でも部下を信頼するつもりです。あなた方がこの冥界を支える重鎮と仰るなら、彼らが敬える様な態度を取るべきだと思います。違いますか?

 

『……っ!』

 

 

石室が最後に睨み付け、殺気を込めながら言い放つと、上級悪魔達は一斉に顔が青ざめ、押し黙る。

静まりかえったホールで上級悪魔達がぷるぷると震える中、石室は呆気にとられている一誠と匙へ顔を向ける。

その顔は先ほどの怖いものでなく、優しい表情だ。

 

 

石室「…君達が仲間を侮辱されて悔しいのはわかる。だが、時には堪えることも必要だ。本当に仲間を大切に思うなら、怒りを抑える辛抱強さも持ってほしい」

 

「「はい……」」

 

 

石室に諭された2人はまるで父親に叱られた子供の様に顔を俯かせる。

話しにくい雰囲気にながらも、サーゼクスは若手悪魔同士のレーティングゲームの組み合わせについて発表しようとした瞬間

 

 

ドォォンッ!!

 

『っ!?』

 

 

突然、爆発音と共に地面が揺れ、ホールの照明や何やらが激しく揺れる。

突然の衝撃に我夢達は驚きながらも何とか椅子や柱にしがみついて耐える。

 

しばらくして衝撃が収まると、あの地響きは何だったのかとホールに誰もが口々に疑問を出していく。

すると、ホールの扉が勢いよく開き、1人の若い魔王軍兵士が焦った表情で駆け込んできた。

 

 

「はあっ、はあっ!ま、魔王さま…!」

 

サーゼクス「落ち着け。一体、何があったのだ?」

 

 

サーゼクスがなだめると、その若い兵士は息を整え、心を落ち着かせると、口からとんでもない言葉が飛び出した。

 

 

「ドラゴンがっ!!ドラゴンがこのルシファードを襲撃していますっ!!」

 

『!?』

 

 

皆は目を見開いた。

確かに冥界にはドラゴンが生息してはいるが、滅多に悪魔を襲うようなことはしない筈だ。

しかし、話を聞くと、元六大龍王『タンニーン』が管理している領地の方角から来たそうである。

 

何故、急に暴れだしたのか?

そんな疑問を抱きながらも、サーゼクスは行動を移す。

 

 

サーゼクス「石室コマンダー。私と魔王軍はここにいる者や市民の避難誘導を専念する。君は早速、都市部で暴れているドラゴン達の鎮圧に当たってくれ」

 

石室「はっ!」

 

 

石室はサーゼクスに敬礼すると、リアスとソーナ、そして彼女らの眷属へ顔を向け、

 

 

石室「『XIG』!都市防衛指令発令っ!

 

『了解!/ラジャー!』

 

 

そう告げると、出撃の合図と受け取った彼らは敬礼し、ルシファードの都市部へ向かって走り出す。

 

 

我夢「っ!」

 

 

人々の悲鳴と爆発音が聞こえる都市部へ向かう途中、遠くの物陰が視界に入ったとき、足が止まった。

その物陰に潜んでいるものを見て、我夢は血相を変える。

 

 

我夢「すみません、部長!僕、こっちのエリアへ行ってみます!」

 

リアス「え!?待ちなさい、我夢!」

 

 

リアスが制止する間もなく、我夢は物陰の奥へと入っていく何かの後を追う。

我夢は必死に追跡をしながら、疑問を膨らませていく。

 

 

我夢「(藤宮!どうして君が…!)」

 

 

そう、我夢が見た何かとは藤宮のことである。

冥界への入国審査は厳しく、まず行き方さえ教えてもらわなければ絶対にわからない筈だ。

 

しかし、現にこうして藤宮がこの冥界にいる。

悪魔を忌み嫌っている彼がここにいるのなら、今起きているドラゴンの暴走に関わっている可能性は大アリだ。

 

しばらく追撃していると藤宮が通路の角を曲がる。

我夢も後を追って曲がるが

 

 

我夢「…っ、消えた?」

 

 

こちらに背を向けて走っている筈の藤宮の姿がどこにも見当たらない。

どこだと辺りを見渡していると、

 

 

我夢「…うぅっ!?」

 

 

突然、腹部に衝撃が走る。

我夢は視線を下ろすと、男性の拳が自分の腹部へ直撃していた。

身体が崩れ落ち、意識が途切れそうになる中、我夢は殴った張本人の足へすがり付きながら見上げると、冷ややかな眼差しをした藤宮がこちらを見下ろしていた。

 

 

藤宮「…」

 

我夢「…藤……宮……」

 

 

我夢はそう呟くと、意識を手放した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一誠「何だよ……?これ…」

 

 

その頃、XIGの隊員服に着替え、ルシファードの都市部に着いた一誠達は目を疑った。美しい造形がなされた建造物の町並みは破壊され、辺りからは爆煙が立ち込めており、先程まで普通に生活していた人々は恐怖の悲鳴をあげながら逃げ回っている。

 

 

「ガァァァァ!!」

 

「グルァァァァ!!」

 

 

その上空をドラゴン達が口から吐く炎や吹雪で攻撃している。

眼はまるで5日間ろくなエサを食べれてない野生動物の様に獰猛だ。

 

そんな危機の中、石室はリアスとソーナに指示を出す。

 

 

石室「魔力が得意な者は避難エリアを結界で封鎖!攻撃が得意な者はドラゴンの進行を食い止めろ!行動の際はXIGナビで逐一報告し、現場の指揮は両主の命令を聞く様に!」

 

『了解!/ラジャー!』

 

 

命令を受けた一同はさっそく行動に移る。

皆、初の防衛任務に気合いが入っており、特にシトリー眷属は初めてのXIGの活動で気合い充分だ。

 

 

一誠「よっしゃ!匙、俺たちの活躍であのクソジジイ共を見返してやろうぜっ!」

 

匙「おう!」

 

 

そう言って意気込む一誠と匙はドラゴンの進行を食い止めに行こうとするが

 

 

石室「待て」

 

「「?」」

 

 

石室に止められ、2人は足を止める。

どうしたんだと疑問の眼差しを向けると、石室は言葉を続け

 

 

石室「2人には是非やってほしいことがある。これは君達だからこそ出来る大切なことだ」

 

「「???」」

 

 

意味深な言葉を告げる石室に2人は顔を見合せ、お互いに首を傾げるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

我夢「っ…?」

 

 

一方、目を覚ました我夢は辺りを見渡すと、どこかの部屋に座っていた。

室内は窓のシャッターで閉められているせいで薄暗く、トレーニング器具と机、その上にあるパソコン、そして壁に大量のスクラップ記事が貼られている奇妙な部屋だ。

 

 

藤宮「起きたか」

 

我夢「っ!」

 

 

藤宮を見た我夢はすぐに立ち上がろうとするが、身体が動かない。

よく見ると自分が座っていたのは椅子ではなく、トレーニング器具で、手足を手錠の様なもので固定されている。

 

我夢は振りほどこうと体を動かすが、びくともしない。

そんな我夢を藤宮は不敵な笑みを浮かべ

 

 

藤宮「無駄だ。それは俺が作った特注品でね、悪魔でも壊すことは出来ないさ」

 

我夢「っ!」

 

 

そう告げると、我夢は振りほどくのをやめる。

 

しかし、疑問がある。

冥界の昼は紫色の空である筈だが、シャッターから漏れている光は人間界と変わらない白色の光だ。

我夢は藤宮に問いかける。

 

 

我夢「ここはどこだ!」

 

藤宮「ここは俺の隠れ家、当然人間界のな。お前を気絶させた後、ポータルで連れてきたんだ」

 

我夢「何だって!?人間界と冥界を繋いだって言うのか!?」

 

藤宮「ああ。異種族のテクノロジーを理解さえすれば、転送装置を作るのは容易いさ。今のところ、冥界しか繋げてないがな」

 

 

そう説明する藤宮が指指す方角には円形状のアーチが壁にかけられている。

世紀の天才児と呼ばれた男にかかれば、転送装置など作るのは簡単だろう。

我夢がそんな事を考えていると、藤宮が訊ねる。

 

 

藤宮「我夢。3日前、行方不明になった恐竜の卵に寄生生物がいることは知っているな?」

 

我夢「ああ、それがどうしたんだ?君が持ち出したと言うのか?」

 

藤宮「そうだ。あの卵に寄生していたのは環境により動物的にも植物的にも姿を変化させる絶対生物『ゲシェンク』がいたのさ」

 

我夢「ゲシェンク?」

 

 

藤宮が「ドイツ語で『贈り物』って意味さ」と答えると、テレビを点ける。

 

 

《「ウゥ~、ミニャア~!」》

 

我夢「っ!?」

 

 

テレビに流れる映像を見て、我夢は目を丸くする。

それは、肉食恐竜の様な姿をした二足歩行の怪獣が人間界の市街で暴れまわっている映像だった。

驚く我夢に藤宮は淡々と語り出す。

 

 

藤宮「ゲシェンクは本来不定形の姿だが、その時代に最も栄えた生命体を滅ぼす能力と本能を持っている。白亜紀の恐竜が絶滅したのは奴が原因なのさ」

 

我夢「―――っ!それを君は!」

 

藤宮「その通り。奴をこの現代に蘇らせたのは俺だ。冥界のドラゴンにゲシェンクの細胞を植え付け、暴走させたのも俺だ」

 

我夢「藤宮!どうして君はそんなことが出来るんだ!!」

 

 

藤宮の冷徹なまでの行動を聞いた我夢は彼を睨み付け、食らいつくように問いかける。

 

 

藤宮「人類と悪魔共は地球の頂点に立つには自己中心的すぎる……。ゲシェンクは地球からの“贈り物”だ。俺はその手助けをしただけだ」

 

我夢「そんな事させるか!………………?」

 

 

我夢はガイアに変身しようと念じるが、何故か変身出来ない。

困惑する我夢に藤宮は懐から何かを取り出し、我夢の目の前にある机に何かを置く。

それは我夢のエスプレンダーだった。

 

 

藤宮「我夢。君をここへ連れてきたのは余計な邪魔立てをさせない為だ。地球が望んでいる結果に抗ろうとする君がね……」

 

我夢「くっ!」

 

 

何も出来ない悔しさに我夢は歯を噛み締める。

そんな彼を見下ろしながら、藤宮はポケットから取り出したリモコンのスイッチを押すと、壁にあるポータルを起動させる。

 

 

藤宮「俺はこれから冥界へ行く。ダイナという存在がいるが、長くは持たなくなるだろう。冥界の様子を見られないのは残念だが、君は滅んでいく人類をその目でじっくりと確かめるんだな」

 

 

冷酷な言葉を告げ、ポータルへ入ろうとする藤宮に我夢は叫ぶ。

 

 

我夢「君にはいないのか!失いたくない人が誰も!」

 

藤宮「っ!」

 

 

我夢の呼びかけに藤宮は足を止め、脳裏にとある人物が浮かぶ。

それは自分を実の子供の様に育ててくれた稲森、自分のペット兼恋人ハムスター、リリー。

そして、かつて自分が助けた栗毛のツインテールの少女

イリナだった。

 

我夢は続けて呼び掛け

 

 

我夢「君は一番簡単な方法をとろうとしているだけだ…」

 

藤宮「…っ」

 

 

そう言われた藤宮はわずかに動揺する。

守りたいもの……それを言われて真っ先に彼女らが脳裏に浮かんだ。地球以外守るものがないはずなのに、他に守りたいものがあるのがはっきりと自覚したのだ。

しかし、藤宮はそれを振り払い

 

 

藤宮「……俺には地球だけだ」

 

 

そう告げると、ポータルの中へ入っていく。

我夢は悲しげな顔で彼の背中を眺めるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、冥界ではXIGや魔王軍、さらには若手悪魔の面々がゲシェンクの細胞によって暴走するドラゴン達への対処へ当たっていた。

 

 

木場「魔剣創造(ソード・バース)!」

 

「「グギャァァァ!?」」

 

 

木場がそう叫んで魔剣を地面に突き刺すと、2匹のドラゴンの足元へ魔剣の山が創造され、ドラゴンの身体へ深々と突き刺さっていく。

 

 

ゼノヴィア「うおおおお!!」

 

梶尾「くらえっ!!」

 

「「グルァァァァーーーー!!」」

 

 

そこへデュランダルを手にしたゼノヴィアと握り拳を作った梶尾がドラゴンに向かって攻撃する。

2匹のドラゴンは後ろに建物を吹っ飛ばしながらも後退していくが、すぐに立ち上がる

 

 

梶尾「くそっ!」

 

木場「やっぱりドラゴン相手にはきついね…」

 

ゼノヴィア「何てタフなんだ!」

 

 

何事もなかった様に立ち上がるドラゴン達を見て、3人は悔しそうに歯を噛み締める。

先程から攻撃しているが、ドラゴンの強固な皮膚に阻まれ、峰打ちどころか、殺傷レベルの攻撃も通用しない。

 

 

『グギャァァァ!』

 

梶尾「また新手か!次から次へと…!」

 

 

しかも、やっとこさ気絶させても増援が来るので、被害は減るどころか増えてきている最悪な状況だ。

 

 

「グギャァァァ!」

 

 

目の前にいる2匹に加え、先程来た増援のドラゴンが加わり、3人はさらに不利な状況に追い込まれる。

3匹のドラゴンは大きく鼻を広げて、空気を吸い始める。

 

 

梶尾「ブレスだ、来るぞっ!」

 

『っ!』

 

 

ドラゴン達がブレス攻撃してくる察した梶尾は指示を出すと、2人は身を固める。今まさにブレスが放たれようとしたその時、

 

 

ドガァァン!

 

「「「グルァァギィ!!」」」

 

「「「!?」」」

 

 

上空から放たれたミサイルがドラゴン達へ直撃する。

火花が散らしながら倒れるドラゴンを尻目に3人は驚きながら空を見上げると、未来的なフォルムをした黄色の戦闘機が佇んでいた。

 

すると、梶尾のXIGナビに無線が入り、梶尾は画面を展開すると

 

 

《一誠「こちらイッセー。木場、ゼノヴィア、梶尾さん、無事ですか?」》

 

『イッセー(君)!?匙(君)!?』

 

 

戦闘機のコクピットと思わしき座席で操縦桿を握る一誠と後部座席に座る匙の姿があった。

 

 

梶尾「その戦闘機は何だ!?」

 

《一誠「あ、これは『XIGウイング』って言いまして、天界が製作した『XIG』専用の戦闘機なんですよ。まだ試作段階でこれ1機しかないですけど、こいつでドラゴンを鎮圧します」》

 

木場「大丈夫なのかい?」

 

 

天界が作った最新鋭の戦闘機とはいえ、相手はドラゴン。

まともに戦えるのか3人は不安になるが、後部座席に座る匙がそれを消し飛ばす様に笑みを浮かべる。

 

 

《匙「安心しろ!こいつは本当にスゲェ機械なんだ!」》

 

《一誠「あとは俺たちに任せてくれ!」》

 

 

2人は自信ありげにそう告げると、XIGウイングを操縦し、ドラゴン達がいるエリアへ飛んでいく。

 

 

「グルァァァァ?」

 

「グギャァァァ!」

 

 

ドラゴン達は上空を優雅に飛行するXIGウイングを見つけると、翼を広げて追いかける。

XIGウイングはグルグル時計回りに飛び、ドラゴン達もその後を追いかける。

一誠の狙いは出来るだけ多くのドラゴンを引き寄せる事にあるのだ。

 

大半のドラゴンが引き寄せたのを確認すると、一誠は合図を送る。

 

 

一誠「よし!匙、今だ!」

 

匙「おう!」

 

 

一誠の合図に合わせて、匙は『黒い龍脈(アブソブーション・ライン)』を発現すると、上部ハッチを開く。

すると、ラインはXIGウイングのスピードに合わせて伸びていき、ドラゴン達を縛る。

その間、一誠は無線を取り

 

 

一誠「皆!今のうちに麻酔弾を!」

 

 

そう連絡すると、地上から飛び上がったリアス達が麻酔弾を発射する。

雨あられと麻酔弾をくらったドラゴン達はすぐさま眠りについた。

 

 

匙「やったぜ!」

 

一誠「見たか!俺達の超ファインプレー!!」

 

 

喜び合う2人は、XIGウイングから垂れ下がるラインに捕縛され、眠っているドラゴン達を都市部から離れた地上へ降ろす為、高度を下げようとした時

 

 

ドォン!

 

一誠「ぐあっ!?」

 

匙「何だ!?」

 

 

何かが衝突し、機体が激しく揺れ、コクピットの電子部品がショート、アラーム音が鳴り響く。

よく見ると、XIGウイングの左翼部から爆煙が立ち込めており、攻撃した方角には地球にいる筈の怪獣、ゲシェンクがいたのだ。

 

恐竜の卵に寄生していたゲシェンクは1体だけではなかったのだ!

 

 

一誠「くっそぉぉぉーーー!!

 

 

コクピット内が爆煙とアラームの嵐に鳴り響く中、一誠は渾身の叫びをあげながらリーフラッシャーを掲げると、白色の光に包まれる。

彼は空の巨人、『ウルトラマンダイナ』へと姿を変えた。

 

 

[推奨BGM:ヒーロー登場!]

 

 

ダイナ「デュッ!」

 

「何あれ!?」

 

「パパ、ママ!みてみて、カッコイイ!」

 

「敵か味方かわからないけど……頑張れーー!!」

 

 

地上へ降り立つダイナの勇姿に心奪われた悪魔の市民達(特に子ども)は、応援する。

 

 

[BGM終了]

 

 

ゲシェンク「アオ~~、ミニャア!」

 

ダイナ「フッ!」

 

 

ダイナは左腕に抱えているXIGウイングを地上へ降ろすと、こちらを威嚇するゲシェンクに向かって駆け出す。

 

 

[推奨BGM:光の巨人、ふたたび]

 

 

ダイナ「ダァァァァァーーー!!」

 

ゲシェンク「ウゥ~!?」

 

 

ダイナは走った勢いのままドロップキックを放つ。

ゲシェンクは呻き声と火花を散らしながら大きくのけぞり、後方へ吹き飛ばされる。

 

 

ダイナ「ハッ!」

 

 

ダイナは跳躍し、空中できりもみ回転しながら倒れているゲシェンクの頭部に回り込む。

そして、追い討ちにゲシェンクの頭部を両手で掴み上げ、

 

 

ダイナ「デェアッ!」

 

ゲシェンク「ミニャア!?」

 

 

勢いよく地面へ叩きつける。

ゲシェンクは苦悶の叫びをあげ、手足をジタバタさせる。

こんなものは被害を受けた人々の恐怖に比べたらまだ甘い…。

 

ダイナは回り込んで、ゲシェンクへ馬乗りしようとするが

 

 

ダイナ「グアッ!」

 

 

ゲシェンクがジタバタしている足が胸元に当たり、後ずさる。

 

その間起き上がったゲシェンクに合わせ、ダイナはすぐさま体制を整える。

 

 

ゲシェンク「ミニャア~~~ォォォ~~~~!」

 

ダイナ「ハッ!」

 

 

ダイナとゲシェンクは互いに視線を反らさず、ジリジリとすり足しながら間合いをはかる。

 

そんな2体の対峙に遠くから眺める者―――藤宮が2体を見定める様に眺めていた。

 

 

藤宮「地球が生み出した巨人と地球が生み出した絶対生物……。果たして地球はどちらを取るか?」

 

 

藤宮が呟く中、ダイナとゲシェンクは同時に駆け出す。

 

 

ダイナ「ダッ!」

 

ゲシェンク「ミニャア!!」

 

 

互いに接近するとダイナは白色に発熱化した拳を、対するゲシェンクは指から生えている鋭い爪から放つ一撃を同時に繰り出した。

 

[BGM終了]

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

我夢「――っ!」

 

 

その頃、藤宮の隠れ家にて拘束されている我夢は悔しそうに歯を噛み締めながら、テレビ画面を観ていた。

 

 

《「私は現在、FKI県N市に来ておりますが……ご覧下さい!突如現れた怪獣によって市街地は半壊、負傷者も多数続出しています!怪獣は現在、TK都に向かって進行していますので、近くにいる方はすぐに避難して下さい!」》

 

 

テレビに映るニュースキャスターは怪獣の恐怖で身が震えながらもしっかりと情報を伝達している。

マスコミ魂というものであろうか。

 

話が逸れてしまったが、ニュースキャスターが報じた通り、ゲシェンクはN市を破壊しながらもT都へ向かっている。

T市は日本経済を支える大都市の1つだ。当然大勢の人間が生活している。

もし、破壊されでもすれば大勢の人間だけでなく、経済的にも大ダメージがあるだろう。

 

もちろん人間側もただではやられず、G.U.A.R.D.はゲシェンクの討伐へ戦闘機部隊を派遣した。

戦闘機部隊はゲシェンクへ攻撃していくが

 

 

《「ああっ!?G.U.A.R.D.が誇る戦闘機部隊も全く歯が立ちません!!」》

 

 

ミサイルな銃弾の嵐がどれだけ当たっていてもゲシェンクには傷1つついておらず、焼け石に水だ。

 

 

《ゲシェンク「ウゥ~……ニィアッ!」》

 

 

ゲシェンクは唸ると、頭の角からポンッと小気味良い音をたてながら赤い球体が現れる。

そして、赤い球体はそのまま猛スピードで迫り、戦闘機が回避する間もなく撃墜される。

 

1機…また1機と落とされ、圧倒的な強さを持つゲシェンクの前にG.U.A.R.D.精鋭の戦闘部隊は数を減らしていく始末だ。

 

―――何とかしなければいけない。

この危機的な状況を打破するにはウルトラマンになるしかない。

しかし、我夢は現在拘束されているせいで身動きできず、変身アイテムのエスプレンダーは目の前にあるが、手足を使って届く距離ではない。

 

この不利な状況なら誰もが諦めるだろう。

しかし、我夢は我夢は諦めず、藁にもすがる気持ちで叫ぶ。

 

 

我夢「僕は人類を悪魔を……そして地球を守りたいんだ!いや、守ってみせる!!」

 

 

1人しかいない密室に流れているテレビ音声さえもかき消す程の声量の叫びが響く。

一瞬、我夢の脳裏には静寂という言葉が過るが、奇跡は起こった。

 

 

キィン!

 

 

机に置いてあるエスプレンダーは我夢の思いに呼応するのか様に眩しい程の赤い閃光を放った。

 

我夢はエスプレンダーから放つ赤い光に包まれていく…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゲシェンクの猛攻に町並みは破壊しつくされ、13機ほどいたG.U.A.R.D.戦闘機部隊は残り1機のみだ。

しかし、それでも残った戦闘機は戦うのを止めず、懸命に攻撃し続ける。

 

だが、孤軍奮闘虚しく、ゲシェンクには全くといって通用しない。

 

 

ゲシェンク「ウゥ~…ニィアッ!」

 

 

非情にもゲシェンクは残った戦闘機目掛けて角から赤い球体を放つ。

戦闘機は赤い球体から逃げるが、どれだけ複雑な回避方法を持ってしても赤い球体は追尾し続ける。

 

 

ドォンッ!

 

「うわあっ!」

 

 

遂に直撃してしまい、コクピットの機械部品はショートし、機体から爆煙があがる。

コントロールが効かなくなった戦闘機はどんどん地上へ墜落していく。

 

もう駄目だ…。パイロットがそう絶望した瞬間、目の前に赤い光の柱が現れる。

あまりもの眩しさに目を瞑っていると、機体を何かにガシッと捕まれる。

 

 

「?」

 

 

不思議に思いながらパイロットは見上げると、収まっていく光の柱から現れたのは……

 

 

「ウルトラマン!」

 

 

大地の巨人、ウルトラマンガイアだった。

ガイアの光が我夢の思いに答えてくれ、彼をウルトラマンに変身させてくれたのだ。

 

ガイアは両手で抱える戦闘機を優しく地上へ降ろすと、ゲシェンクへ体を向ける。

 

 

ゲシェンク「ミニャア!ミニャア!」

 

 

ゲシェンクは現れたガイアに向かって猫のような叫び声をあげて警戒する。

 

 

ガイア「デュアッ!」

 

 

ガイアもファイティングポーズをとって気合いを入れると、ゲシェンクに向かって疾走。

接近して右のストレートパンチを繰り出すが、ゲシェンクにしゃがみこんでかわされる。

 

 

ゲシェンク「ミニャア!」

 

ガイア「グアッ!」

 

 

ゲシェンクはその体勢まま頭突きをくらわせる。

ガイアは少しのけぞりながら後退する。

 

しかし、ガイアはすぐに体勢を整えると、ゲシェンクの大きな頭を脇に抱えて締め上げる。

 

 

ガイア「グアァァァ…!」

 

ギチギチギチ……

 

ゲシェンク「ミィア!?ミニャア!!」

 

 

小気味悪い音を立てながら頭蓋骨が折れると錯覚するような締め付けに、ゲシェンクは苦しみ悶える。

 

ある程度痛め付けるとガイアは頭への締め付けをほどくと、ゲシェンクの体に背中を密着させ、両手で頭を自分の右肩に固定させた体勢へ切り替える。

 

 

ガイア「デュアァァァァァーーー!!」

 

ゲシェンク「ニィアッ!!」

 

 

そのまま、一本背負いの要領でゲシェンクを前方へ投げ飛ばす。

ゲシェンクは地面に叩きつけられ、その周囲からは土砂が巻きあがる。

 

地面で悶えているゲシェンクに追い討ちをかけようと、ガイアは接近しようと駆け出すが

 

 

ゲシェンク「ウゥ~…ミニャアッ!!」

 

ガイア「グアァァァッ!?」

 

 

ゲシェンクの角からポンッと小気味良い音を立てながら放たれた赤い球体をくらい、ガイアは火花を散らしながら大きく吹き飛ばされる。

 

後方にあったビルを破壊しながら、ガイアは地面へ叩きつけられる。

 

 

ゲシェンク「ウゥ~…ミニャアッ!ウゥ~…ミニャアッ!」

 

 

これを好機と思ったゲシェンクは起き上がると、頭部の角から次々と赤い球体を放つ。

 

 

ガイア「グアァァァァァァーーーーーー!!」

 

[ピコン]

 

 

赤い球体の嵐にガイアは身体中から火花が散り、苦痛の叫びをあげる。

ライフゲージも青から赤に変わり、点滅を始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、冥界で戦っているダイナもピンチに陥っていた。

 

 

ダイナ「グアァァァーーー!!」

 

 

赤い球体が直撃し、大きく後方へ吹き飛ばされる。

彼も赤い球体攻撃の前に劣勢を強いられているのだ。

 

 

ゲシェンク「ウゥ~…ミニャア!」

 

ダイナ「ハッ!」

 

 

ダイナは再び放たれた赤い球体を横転して避ける。

発射させない為に何とか近付こうとするが、追尾する赤い球体が厄介で中々近付けない。

 

そんなダイナの戦いに藤宮は市街地から冷ややかな眼差しで眺めながら呟く。

 

 

藤宮「悪魔も人類も……地球のために淘汰されるべきなんだ」

 

 

地球は人類と異種族というバイ菌を排除するためにウルトラマンという存在を現在に生み出した。

ゲシェンクは過去の地球で栄えていた恐竜を滅ぼした……それは地球にとって負担がかかる存在だからだろう。

そう考えると、3日前にゲシェンクが寄生した恐竜の卵が発見されたのも偶然ではなく、必然だ。

人類もその絶滅のサイクルに入ったから、こうして地球がゲシェンクを遣わしたのだ。

 

しかし、目の前に戦うダイナ……おそらく自力で脱出して地球で戦っているガイアはどうだろう?

もう人類と異種族が地球にとって不要という結論が出ている筈なのに、抗っている。

藤宮にとってそれは“愚か”以外、何ものでもないのだ。

 

 

「……えぐっ、ぐすっ…」

 

「…?」

 

 

そんなことを考えていると、ふと耳に幼い女の子の声が耳に入った。

 

藤宮が声のする方へ顔を向けると、黒髪のツインテールに可愛らしいワンピースをきた女の子がその場で塞ぎこんで泣いていた。

おそらく、避難しているうちに親とはぐれてしまったのであろう。

 

 

「ぐすっ、ぐすっ、おかあさ~~~ん!どこにいるの~~?」

 

(藤宮「父さんっ!母さんっ!」)

 

藤宮「…」

 

 

藤宮はその泣き崩れる少女を見て、幼い頃、悪魔によって殺され、涙を流す自分の姿と重ねた。

 

 

ゲシェンク「ウゥ~……ミニャアッ!!」

 

ドガァァン!

 

 

その時、ゲシェンクが放った赤い球体が女の子の近くにある高層の建造物に直撃した。

当然、爆発した高層の建造物から大量の瓦礫が落ちてくる。

 

 

「ううっ……ぐすっ、おかあさ~~ん…」

 

 

しかし、真下にいる少女は気づいていないのかその場で泣き続いている。

その間にも瓦礫群は少女に向かってどんどん迫ってくる。

 

 

藤宮「――っ」

 

 

その時、藤宮は何を思ったのか血相を変え、素早く少女のもとへ向かって駆け出す。

 

藤宮は少女を抱き抱えると、落ちてくる瓦礫を避けながら、安全な場所へ彼女を降ろした。

 

 

「マハちゃ~~んっ!」

 

「…っ!」

 

 

すると、遠くから母親らしき人物が焦った様に向こう側の通路から呼び掛けながら現れた。

それを見た女の子はパァッと表情が明るくなると、母親らしき人のもとへ走り出す。

 

 

「ママッ!」

 

「マハちゃん!」

 

藤宮「…………、っ!?」

 

 

母親の胸へ飛び込み、母親もまた愛おしく抱き締める再開の抱擁に藤宮は何故か一瞬安堵した自分に驚いた。

『人類も悪魔も地球のために淘汰されるべき』―――と頭の中では既に答えが出ている。

 

しかし、現に今、淘汰されるべき対象の悪魔である少女を助けてしまった。

考えるより先に自然と体が動いたのだ。

 

藤宮は自分の理念に反する行動をした自分に愕然としているのだ。

 

 

「娘を助けて下さってありがとうございます!」

 

マハ「ありがとー」

 

 

驚愕する中、母親と少女マハは先程から泣き顔から一変して満開な笑顔で藤宮へお礼を告げると、避難所へ向かって歩き出す。

 

 

藤宮「……」

 

 

藤宮はマハや彼女の母に言われた言葉が心に響いたのか、未だに驚きつつも、彼女達の後ろ姿が見えなくなるまで眺めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガイア「グアッ…!」

 

[ピコン]

 

 

その頃、人間界で戦っているガイアはゲシェンクの赤い球体攻撃になすすべなく、地に倒れ伏していた。

何とか立ち上がろうとするが、身体中から響く痛みで中々立ち上がれない。

 

 

ゲシェンク「ミニャア!ミニャア!」

 

ガイア「……」

 

 

ゲシェンクはそんなガイアを嘲笑うかの如く、止めを刺す為にゆっくりと歩を進める。

ガイアは悔しげに見上げていた。

 

―――このままじゃ、やられてしまう。

ガイアがそう思った瞬間

 

 

ドォォン!

 

ゲシェンク「ウニャアッ!?」

 

ガイア「ッ!?」

 

 

突如、地上から放たれた無数のナパーム弾にゲシェンクは頭部を攻撃された衝撃で倒れる。

 

ガイアは驚きつつも攻撃が放たれた方向へ顔を向けると、そこには赤とグレーでペイントされ、全体的に6角形のシルエットが特徴の戦車が堂々と佇んでいた。

 

あれは何だとガイアが思う前に、謎の洗車から彼に向かってスピーカーで話しかけてくる。

 

 

《「大丈夫か?坊主」》

 

《「聞こえるか!?」》

 

ガイア『はっ、はい!あなた達は?』

 

 

ガイアはテレパシーで戦車内にいる男達に向かって問いかける。

彼らはコホンと咳払いすると、

 

 

《「俺達はアザゼル様の直属の精鋭部隊、『チームハーキュリーズ』!!休暇中だったが、何やら騒がしいと思って駆けつけてみれば怪獣騒ぎだったんで、こうして助太刀に来たぜ!!」》

 

 

チームハーキュリーズ……。彼らが言う通り、堕天使の総督アザゼルが選出した3人の男達による精鋭部隊の1つであり、主に陸戦を分野としている。

 

 

《「こんな恐竜もどきに苦戦するなんて、鍛え方がなってないんじゃないか?」》

 

ガイア『す、すみません……』

 

《「ま!これが終わったら鍛えてやっからさ、頑張ろうぜ!」》

 

ガイア『は、はあ……?』

 

 

共闘とトレーニングの約束にガイアは彼らのノリに唖然となりながらも曖昧に答える。

 

 

ゲシェンク「ミニャアッ!」

 

「「「「!」」」」

 

 

そんな会話をしていると、倒れていたゲシェンクは起き上がった。

不意討ち気味に攻撃をくらったおかげで相当頭にきているのか、ハーキュリーズが乗る謎の戦車を睨み付けている。

 

 

ゲシェンク「ウゥ~…ミニャアッ!」

 

 

ゲシェンクは頭部の角から赤い球体を謎の戦車に向かって放つ。

 

 

ドォォン!

 

ガイア「ッ!」

 

 

 

重厚な見た目通り、謎の戦車は機敏に動けず、攻撃をまともに受けてしまう。

火花を散らす戦車の姿にガイアは一瞬不安になるが、

 

 

《「こんなへなちょこ攻撃に負けてたまるか!!」》

 

《「ハーキュリーズの意地を見せてやる!」》

 

《「アルティメットナパーム、発射っっ!!」》

 

 

ハーキュリーズは攻撃に怯むどころが、逆に戦意を高めており、戦車上部の4つのキャノン砲からナパーム弾を連射する。

対するゲシェンクもそれに応戦して赤い球体を連射する。

 

彼らをひと言で表すと、“タフ”。戦車と怪獣では明らかに不利ではあるが、武装ではなく、屈強な精神で戦う彼らにガイアは頼もしいと思った。

 

 

《「くらえぇぇーーーー!!」》

 

ドガァァァン!

 

 

飛び道具の応酬を続ける中、1発のナパーム弾がゲシェンクの角を木っ端微塵に破壊した。

 

 

ゲシェンク「ミィアァァァ~~~!!」

 

 

ゲシェンクは苦痛の叫びをあげながら、角があった額を手で抑える。

その間、ハーキュリーズはガイアに向かって叫ぶ。

 

 

《「今だっ!!」》

 

ガイア「――ッ!」

 

[推奨BGM:ウルトラマンガイア!(instrumental)]

 

 

ハーキュリーズの言葉を受けたガイアはゲシェンクに向かって駆け出す。

 

 

ガイア「デヤッ!」

 

ゲシェンク「ウニャアッ!」

 

 

接近すると、深く腰を落として正拳突きを腹部へ繰り出す。

ゲシェンクが怯む中、ガイアは休む間も与えず、次々と

パンチとキックのコンボを繰り出す。

 

 

ゲシェンク「ミィアッ!」

 

 

ゲシェンクは仕返しに尻尾をガイアの頭部に目掛けて振り回すが

 

 

ガシッ!

 

 

とガイアの手に掴まれる。

振りほどこうと必死に足を動かすが、びくとも動かない。

 

 

ガイア「デュアッ!!」

 

ゲシェンク「ウニャアッ!?」

 

 

ガイアは左手の拳を赤く発光化させると、掴んだ尻尾に殴り付ける。

ガイアの渾身の一撃に尻尾は傷がつくどころかもげてしまい、前へ重心を乗せていたゲシェンクはバランスを崩して前のめりに倒れる。

 

ガイアは倒れたゲシェンクの傍に近寄って、両腕に力を込めて背中を掴むと、重量挙げの様に高く持ち上げる。

 

 

ガイア「ダァァァーーー!!」

 

ゲシェンク「ウニャアッ!!」

 

 

そのまま勢いよく前方へ投げ飛ばす。

ゲシェンクは地面に叩きつけられた衝撃でのたうち回る。

 

 

 

 

 

 

 

ガイアが優勢に立って戦う中、冥界で戦うダイナも優勢に立っていた。

 

 

ダイナ「ハッ!」

 

[ティヨン]

 

ゲシェンク「???」

 

 

ミラクルタイプへタイプチェンジしたダイナは超スピードでゲシェンクを取り囲む様に走る。

ゲシェンクは何とか眼で追おうとするが、右、左、前、後ろ……脳で処理しきれない程のスピードで動き回るダイナに混乱する。

 

 

ゲシェンク「@?/○☆#$?~~~?」

 

 

あまりものスピードに遂に追いつけなくなったゲシェンクは言葉にならない声を出し、目を回して倒れる。

 

 

ダイナ「フッ!ハァァァァ………!」

 

 

ダイナはウルトラサイキックで悶絶しているゲシェンクを市街地から離れた上空へ移動させる。

 

 

ダイナ「…ハッ!グアッ!!!」

 

 

誰もいないことを確認したダイナは素早く両腕を胸の前でクロスさせ、フラッシュタイプへ戻ると、両腕を十字に組んで放つ必殺技、『ソルジェント光線』を放った。

 

 

ドガガガァァァァーーーーーン!!

 

 

ソルジェント光線を受けたゲシェンクはその威力に耐えきれず、オレンジ色のサークルが描かれると共に爆発四散した。

 

 

 

 

 

 

 

ガイア「ハッ!グアァァァァァァァァァ………!」

 

 

同時刻。人間界で戦うガイアは両腕を広げ、必殺技の『フォトンエッジ』の体勢へ移る。

 

 

ゲシェンク「ウゥ~、ミィア~~~…」

 

 

ゲシェンクは何とか避けようとふらふらと体を起こすが、最早回避する程のエネルギーは残っていない。

残っていたとしてももう既に遅く、ガイアは頭部に光の鞭のようなエネルギー刃を形成し終えていた。

 

 

ガイア「デュアッ!!!」

 

 

ガイアは深く腰を前方へ落として頭部をつきだす。

頭に形成されたエネルギー刃はまっすぐゲシェンクに向かって飛んで行き

 

 

ゲシェンク「ウゥゥゥ~~~!?」

 

ドガガガガガガガァァァァーーーーーーン!!!

 

 

ゲシェンクに直撃すると、全身が刃で切り刻まれたようなエフェクトが走り、木っ端微塵に爆発した。

 

ガイアはふらふらとしながら体勢を整えると、全身から赤い光を発しながら、変身を解除した。

 

ゲシェンクによって破壊された町の地に立つ我夢は脂汗をかき、苦しそうに息も切らしている。

この彼の状態によほどゲシェンクが強敵だったのを物語っている。

 

そんな状態ながらも、我夢はエスプレンダーを眺める。

エスプレンダーの青い液晶から赤い光が我夢に語りかけるかのようにほのかに輝く。

それを見た我夢は安堵した笑みを浮かべ

 

 

我夢「心が、ガイアの光に通じた……!」

 

 

そう呟くと、緊張が解けたのか我夢はその場で倒れた。

 

 

[BGM終了]

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ダイナとガイアの活躍によって地球が産んだ絶対生物ゲシェンクは倒された。

計画が潰された藤宮は人間界に繋がるポータルがある場所へ歩いていた。

 

腑に落ちない場面も会ったが、次こそは必ず…。

藤宮は帰りの道中でそう思いながらポケットに入れていたゲシェンクの細胞が入っているカプセルを取り出すが、カプセルに入っている筈の細胞は跡形もなく消滅していた。

 

地球が人類らを絶滅させる為に遣わした怪獣は同じく地球から遣わしたウルトラマンによって倒された。

その結果から、地球はまだ人類や異種族を見放してないのは明白である。

 

 

藤宮「……」

 

 

藤宮はその空のカプセルを複雑そうな表情を眺めながれ、歩き去っていくのだった………。

 

 

 

 




次回予告

修行開始!迫りくるレーティングゲームに備えるが、小猫が倒れてしまった!
リアスの母、ヴェネラテが語る衝撃の『塔城 小猫』誕生の秘密とは!?

次回、「ハイスクールG×A」
「小猫の秘密」
力の強さは心の強さ!










XIGウイングのデザインはまんまガッツウイング1号で、ハーキュリーズが乗っている謎の戦車もまんまGBTスティンガーです。
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