ハイスクールG×A   作:まゆはちブラック

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―お知らせ―
今回、ガイアがスプリームヴァージョンに変身した瞬間~止めを刺すまで、『ガイアノチカラ』という処刑曲を流すことをお勧めいたします。




悪神 ロキ
神殺獣 フェンリル
終末の大龍(スリーピング・ドラゴン) ミドガルズオルム・クローン
金属生命体 ミーモス
金属生命体 アパテー
金属生命体 アルギュロス 登場!


第44話「新たなる戦い ~ヴァージョンアップ・ファイト!~」

一誠達がロキと戦い始めた頃。

我夢はファイターEXを使って、クリシスゴーストに侵食されたジオベースに向かって飛行していた。

 

 

《PAL『ガム 500メートルゼンポウニ 4キノセントウキ セッキンチュウ』》

 

我夢「来たか…」

 

 

モニターに映るファイターEXをデフォルメした様なAI、PALのアナウンスを聞き、我夢が目を凝らすと編隊を組んだG.U.A.R.D.の戦闘機がこちらへ向かってきていた。

操縦席には誰もおらず自動的に飛行している……所謂、無人戦闘機だ。

 

クリシスゴーストによって操られており、この先にある都市部は人口を壊滅させるつもりなのだろう。

ジオベースに向かうのが優先だが、だからといって素通りする訳にもいかず、相手もこちらを易々と通してはくれないだろう。

我夢は固唾を飲むと、後部座席に座るギャスパーに声をかける。

 

 

我夢「ギャスパー」

 

ギャスパー「は、はい?」

 

我夢「少し荒っぽくなるけど、しっかり捕まってて!」

 

ギャスパー「えっ、きゃっ!?」

 

 

ギャスパーがどういうことだと疑問に思った矢先、我夢は操縦桿を目一歩に前へ倒して機体を加速させ、無人戦闘機部隊に突っ込んでいく。

ギャスパーは上下左右に揺らされて驚愕する中、

 

 

ドォンッ!ドォンッ!

 

ガガガガガガッ!

 

 

その接近を察知した無人戦闘機達はミサイルやマシンガンを使って一斉砲火してくる。

我夢は操縦桿を駆使して機体を動かして攻撃を避け、何とかその間を潜り抜ける。

だが、

 

 

《PAL『ガム コウホウカラ オッテキテルヨ』》

 

我夢「逃がさないつもりかっ!」

 

 

無人戦闘機達はEXの後を諦めずついてきており、何とか撃ち落とそうと攻撃を続ける。

我夢はPALのナビゲートで攻撃を避けつつ、上昇して雲に隠れたり、急旋回したりとトリッキングな飛行で撒こうとするがそれでもしつこく追ってくる。

 

 

我夢「ギャスパー!君の神器(セイクリッド・ギア)で止められないか!?」

 

ギャスパー「む、無理です!無機物には効果が効きませんっ!」

 

我夢「っ、そうだった…」

 

 

ギャスパーの神器(セイクリッド・ギア)の特性を思い出した我夢は苦虫を噛み潰した様な顔を浮かべる。

ギャスパーは視界に映ったものを停止させることが出来るが、それはあくまで有機物に対してであり、無機物には効果がないのだ。

 

 

我夢「何か…何かいい策がっ!」

 

 

それを知っていたのに頼んだ自分に焦りを感じているのかと思いつつも、我夢は必死に打開策を考案する中、PALが

 

 

《PAL『ガム ユウドウミサイルヲ ツカッテ ワクチンヲ ウチコメバ』》

 

我夢「そ、そうかっ!その手があった!」

 

ギャスパー「?」

 

 

アドバイスを聞いて何か閃いた様子の我夢にギャスパーは首を傾げていると、気付いた我夢は

 

 

我夢「怪獣用の誘導ミサイルにワクチンプログラムを搭載して、無人戦闘機に巣くうゴーストを撃滅させるってことさ」

 

ギャスパー「なるほど…」

 

我夢「そうと決まれば……PAL!僕達が市街地から離れた場所へ誘導する間、急いで誘導ミサイルにワクチンを搭載してくれ!」

 

《PAL『ガッテンダ!』》

 

 

PALは敬礼すると、早速準備に取りかかったのかモニターから消える。

その間、我夢はEXの操縦桿をあっちこっちへ忙しく動かして攻撃を避けつつ、市街地から離れた場所へ誘導する。

しかし、

 

 

ギャスパー「…えっ!?」

 

我夢「嘘だろ…」

 

 

順調だと思っていた矢先、最悪なことに遠くから数機の無人戦闘機が加勢するのが見えた。最初の数だけでも厄介なのに更に数が増えるとなると、これ以上、かわし続けるのは至難の道だ。

 

 

我夢「PAL!できたか!?」

 

《PAL『イマデキマシタ バッチリノデキダ』》

 

我夢「よし!」

 

 

その報告を聞いて頬を緩めた我夢は機体を旋回させ、正面を無人戦闘機に向ける様に方向変換する。

無人戦闘機編隊を組みながら近付き、それにギャスパーが怯えている中、我夢は冷や汗をかきながら操縦桿を握り

 

 

我夢「一か八かだ…!ワクチンミサイル、発射っ!!」

 

 

そう掛け声を発して操縦桿のスイッチを押すと、EXから淡い光を纏ったミサイルが放たれる。

真っ直ぐ放たれたミサイルは無人戦闘機の前で小さな爆発を起こして辺りに粒子を撒き散らす。すると

 

 

バチ…バチチチ…!

 

 

それを浴びた無人戦闘機達は機体に稲妻が走った瞬間、動きを止め、糸が切れた人形の様に次々と地上へと墜落していく。

 

 

ドォォンッ!ドォンッ!

 

 

地上では爆発が起きるが、市街地から離れた山奥なので人々に危害が及ぶ心配がない。

ウイルスから解放された無人戦闘機はあっという間に1機足りとも逃さず、墜落していった。

 

 

我夢「ふぅ~~…」

 

ギャスパー「こ、怖かったですぅぅ~~!」

 

 

その光景に我夢とギャスパーは冷や汗をかきつつも安堵する。今回の策は一か八かの賭けであり、もしワクチンが効かなければあっという間にやられてただろう。

 

 

我夢「PAL。助かったよ…」

 

《PAL『ドウイタマシテ!』》

 

 

えっへんと胸を張るPALに我夢は苦笑すると、視線を前へ向け

 

 

我夢「さあ、急ごう!」

 

ギャスパー「はいぃ!」

 

 

そう言うと、我夢は操縦桿を前へ倒して加速させる。

2人を乗せたファイターEXは猛スピードでジオベースへと飛んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、一誠達はロキと戦いを繰り広げていた。

ロキは一誠とヴァーリ、残りのメンバーはフェンリルと対峙していた。

 

 

ヴァーリ「そらそらそらそらぁぁーーーーっ!!」

 

ロキ「ふんっ!はっ!」

 

 

既に禁手化(バランス・ブレイク)して白い装甲を纏ったヴァーリは拳のラッシュで攻め立てるが、ロキは涼しげな顔でいなしたり、腕や足を使って防いでいる。

 

遠くにいる一誠は懐から取り出したリーフラッシャーを取り出すと

 

 

一誠「ダイナァァァーーーーー!!

 

 

そう叫ぶと同時に斜め上へ掲げると、リーフラッシャーのクリスタル部分から発する白い光に包まれ、等身大のウルトラマンダイナへ変身した。

 

 

ダイナ「ハッ!」

 

 

変身完了して間もなく、ダイナは思いっきり跳躍すると、後退して間合いを取るヴァーリの横に並び立つ。

 

 

ダイナ「待たせたな」

 

ヴァーリ「いちいちそう叫ばないと変身できないのか?」

 

ダイナ「わかってねぇなぁ~~。ヒーローの登場ってのは格好よく決めなきゃ意味ないんだよ」

 

ヴァーリ「ふっ、御託はいいさ」

 

ロキ「フハハハッ!!」

 

「「ッ!」」

 

 

2人は短く会話をしていると、突如ロキは歓喜の笑いをあげる。

その笑い声を聞き、2人が身構えてると、ロキは

 

 

ロキ「これは素晴らしい!このロキを倒すべく、ウルトラマンと白龍皇が共闘するとは!こんなに胸が高鳴るのは久方ぶりだ!!」

 

ダイナ「じゃあ、嫌っていうほど楽しませてやるよっ!」

 

 

嬉しげな感想を漏らす彼にダイナは皮肉を織り混ぜて言い放つと、ヴァーリと共に駆け出す。

 

 

ダイナ「デェアッ!」

 

ヴァーリ「シャアッ!」

 

カァン!

 

 

その勢いのまま跳躍して宙で1回転すると、ダブルキックを放つが、ロキが発生させた防御式魔法陣に阻まれる。

弾かれた2人は素早く退く。

 

 

ロキ「こんな戦いができるのは我が初めてだろうっ!」

 

「「!」」

 

 

歓喜しつつロキは間髪入れず魔術で作り出した幾度の光線を放つ。2人は上空へ飛んで避けるが、

 

 

グィン!

 

ダイナ「ハッ!?」

 

 

光線は突如軌道を変えると、2人に向かってくる。

2人は左右に散って飛ぶが、それでも光線は枝分かれして追ってくる。

 

 

ロキ「フハハハッ!その光は捉えた相手をどこまでも追っていくぞ!」

 

ヴァーリ「なるほど…」

 

 

嬉々としたロキの言葉を聞いたヴァーリは短く呟くと、クルリと体を後ろへ入れ替える。

追ってくる光線にヴァーリは右手をかざすと

 

 

《Half Dimension!》

 

フッ…

 

 

そんな音声が翼から響くと、光線は跡形もなく消える。

 

 

ダイナ「フッ!」

 

ドドドドォォン!

 

 

ダイナは両手から長方形のバリヤーを展開させると、若干勢いで怯むが、光線を全て防いだ。

 

 

ロキ「ほう…」

 

ダイナ「デェアッ!…フッ?」

 

 

それらを見てロキが感心した声をもらす。

ダイナは素早く身構えるが、近くで膨大なエネルギーの高まりを感じて振り向くと、ヴァーリが見たとこがない膨大な魔法陣を作り出していた。

 

 

ヴァーリ「覚えたての北欧魔術だ」

 

ブォォォォォォンッ!

 

ダイナ「グッ!」

 

 

そう呟くと、ヴァーリは魔法陣から膨大なビームをロキへ放射する。

発生する大規模な爆発に巻き込まれると予想したダイナは急いで離れるが、ロキは離れる様子はなく、余裕な笑みを浮かべながら腕を組んでいた。

 

 

ドォォォォンッ!

 

 

膨大な魔力はロキがいる地面へ直撃し、大爆発が起きる。その威力は凄まじく、ロキどころかこの採掘場の3分の1ぐらいの地面をえぐりとる規模だ。

だが

 

 

ロキ「フハハハッ!」

 

ダイナ「ッ!?」

 

ヴァーリ「…」

 

 

爆煙が晴れると、ロキは高笑いをあげながら地に立っていた。服が埃や切り傷で多少汚れているが、体には傷1つない様子だった。

その様子にダイナは驚愕し、ヴァーリも声には出してないが同じ反応だった。

 

 

ダイナ「ンンンン~~~…ハッ!」

 

 

出し惜しみしてる場合ではないと考えたダイナは取り出したミョルニルのレプリカにエネルギーを込めて、スレッジハンマーのサイズにまで巨大化させる。

 

それを見たロキは目元をひくつかせ

 

 

ロキ「…ミョルニルか。レプリカの様だが、危険なものを与えたものだ。オーディンめ、それほどまでに会談を成功させたいか…!」

 

 

そう言ってオーディンに対しての苛立ちを募らせる。

 

 

ダイナ「ダァァァーーーーーッ!」

 

ロキ「…ちっ!」

 

 

その隙にダイナは急降下してミョルニルのレプリカを振り下ろすが、ロキにかわさ、金槌の先が地面を砕く。

ダイナは直ぐ様持ち替えてミョルニルを振るってロキを攻め立てる。

 

 

ダイナ「ハッ!ダッ!」

 

ロキ「くっ!」

 

 

ロキは必死な形相で体を反らしたり横転して避ける。

ミョルニルの恐ろしさはロキ自身がよく知っているからだ。

 

 

ロキ「はっ!」

 

ダイナ「グアッ!?」

 

 

ダイナが振りかぶった瞬間の隙を捉え、横腹へ魔力弾を当てて怯ませる。大きく体勢を崩したダイナは軽く吹き飛び、ミョルニルから手を離してしまう。

 

 

ロキ「くらえ」

 

 

ミョルニルがなくなり、一気に好機となったロキは倒れているダイナへ手刀を振り下ろそうとするが、

 

 

ヴァーリ「はぁぁぁーーーーーっっ!!」

 

ロキ「…っ!」

 

 

いつの間に接近したのか、右から蹴りを繰り出すヴァーリに気付き、右手から発生させた防御式魔法陣で防ぐ。

ロキはニヤリと口角をあげ

 

 

ロキ「惜しかったな…このロキには不意打ちなど通用せんっ!」

 

ヴァーリ「ぐあっ!?」

 

 

そう言うと、もう片方の手から発する衝撃波で吹き飛ばす。ヴァーリは血反吐を吐きながら、地面へ叩きつけられる。

 

しかし、ロキはこの一瞬だけ油断していた。ほんの少し目を離したこの瞬間を。

 

 

ダイナ「デュッ!」

 

ロキ「っ!?」

 

 

ダイナは仰向けの姿勢のままソルジェント光線を放つ。

不意を突かれたロキは紙一重で防御式魔法陣で防ぐが、光線の勢いにどんどん押されていき

 

 

ダイナ「ダァッ!!」

 

ロキ「ぐおっ!?」

 

 

ダイナが気合いを込めて光線の出力をあげると、防御力魔法陣は木っ端微塵に砕け散り、光線に直撃したロキは後方へ思いっきり吹き飛ぶ。

更に

 

 

ヴァーリ「はぁっ!!」

 

ロキ「がっ!」

 

 

横から急接近したヴァーリが掌に溜めた魔力弾を至近距離で放ち、ロキは横くの字の体勢で吹き飛び、地面を転がる。

体勢を立て直した立ち上がったロキは遠方へ目を向ける。

 

 

黒歌「にゃん♪」

 

フェンリル「グルァッ!」

 

 

そこでは黒歌がフェンリルの足元に展開した魔法陣から飛び出たグレイプニルでフェンリルを捕縛していた。

捕縛されたフェンリルに前方に並ぶダイナとヴァーリ、その圧倒的な不利な状況にロキは焦るどころか余裕の笑みを浮かべる。

 

 

ロキ「ふっ…実力を侮っていたようだ。ならば、こちらも出し惜しみをせず、全力で行こうぞ。スコル!ハティ!」

 

 

そう叫びながらロキは両手を広げると、形成された空間の歪みから2匹のフェンリルが現れた。

 

 

リアス「フェンリル!?1匹だけじゃなかったの!?」

 

ロキ「ヤルンヴィドの巨人族の女を狼に変えて、フェンリルを交わらせて作った子供だ。親よりも実力は劣るだろが、牙の殺傷力は変わらん。更に…」

 

 

そう言葉を続けると、ロキの足下の影が広がり、体が細長く、蛇のようなドラゴンが5匹現れる。

 

 

タンニーン「…ミドガルズオルムの量産型かっ!」

 

 

それを見た目を細める。ミドガルズオルムは五大龍王の1匹で、ロキが作り出した強大なドラゴンだ。

普段はその巨体と怠け癖で海底に眠っているのだが、ロキはサイズを小さくしたクローンを生み出していたのだ。

 

 

ロキ「さあ、いけっ!」

 

『ガァァァァッ!!』

 

 

ロキの号令と同時に2匹のフェンリルはリアス達へ、5匹のミドガルズオルム・クローンはダイナとヴァーリへ襲いかかる。

 

 

ダイナ「デェアッ!」

 

ミドガルズオルム・クローン「グギャン!」

 

ダイナ「ハッ!ダッ!」

 

 

ダイナは飛びかかるミドガルズオルム・クローンを背負い投げで投げ飛ばし、続いて襲いかかってきた2匹を回し蹴りで蹴飛ばす。

 

 

ヴァーリ「そらそらそらぁぁぁーーーーー!!」

 

ミドガルズオルム・クローン「グベャアァァァーーー!!?」

 

 

隣で戦うヴァーリは蹴りのラッシュで2匹纏めてタコ叩きにする。

一方、フェンリルを相手にするリアス達は…

 

 

タンニーン「駄犬がっ!」

 

ボォォォォォォーーーーーー!!

 

 

そう吐き捨てながらタンニーンは胸を膨らませる程息を吸い込むと、高濃度の火炎を吐く。

広範囲の火炎が2匹のフェンリルに襲いかかるが、

 

 

シュッ!

 

タンニーン「ぐおっ!?」

 

ダイナ「おっさんっ!」

 

 

2匹のフェンリルは目にも止まらぬ速さで避けると、あっという間に爪でタンニーンの身体中をズタズタに切り裂く。

身体中から血を噴き出しながら膝をつくタンニーンの姿に、弟子であるダイナは思わず叫ぶ。

 

そのまま2匹のフェンリルはタンニーンを横切ると、リアス達へ進撃するが

 

 

木場「させないっ!」

 

美猴「でぇいっ!」

 

「「グルァッ!」」

 

 

素早く前へ出た木場と美猴がそれぞれ聖魔剣と如意棒を手に飛びかかる。

2匹は足を止めず、牙で引き裂こうと噛みついてくるが、2人は武器で受け止める。

 

 

黒歌「そ~~れっ♪」

 

「「グァッ!?」」

 

 

後ろに控えている黒歌が指をくるくると回すと、2匹の足下の地面が沼の様にぬかるみ、足下がすくわれる。

 

 

小猫「やっ!!」

 

ゼノヴィア「うおおおおーーっ!!」

 

「「ギャウン!?」」

 

 

続けて、後ろから小猫とゼノヴィアが木場と美猴を飛び越えると、小猫の術を織りまぜた蹴り、ゼノヴィアのデュランダルの一撃が2匹を吹き飛ばす。

更に

 

 

リアス「朱乃!」

 

朱乃「はあっ!」

 

「「ゴギャ!」」

 

 

リアスの指示のもと、朱乃の雷が追い討ちをかける。

数々の攻撃を受け、フェンリルは血が溢れ、黒焦げになっていた。

だが、それでもフェンリルの致命傷にはならず、未だ倒れていなかった。

 

 

リアス「なら、これで――――!」

 

ザシュッ!

 

リアス「――!?」

 

 

リアスが両手に作り出した滅びの魔力を放とうとした瞬間、腹部に鋭い痛みが走る。

リアスが後ろを振り向くと、鎖で拘束していた筈の親のフェンリルが解放されており、前足に生えている鋭い爪には血が滴っていた。

 

 

リアス「か、はっ…!!」

 

 

何故、どうして?とリアスが血反吐を吐いて、地に倒れようとする中、親のフェンリルの後ろを見て理解した。

もう1体の子供のフェンリルが鎖を咥えていたからだ。

つまり、自分達に他の2匹を戦わせて注意を引いている間に隠れていたもう1匹が親を解放したのだ。

 

 

リアス「一杯…食わされたわ……」

 

『!?』

 

ダイナ「部長!?」

 

 

悔しげに呟きながら倒れるリアスを見て、振り向いた皆は驚く。

親のフェンリルはその大きな口でリアスを食い殺せそうとしていた。

 

 

イリナ「リアスさんっ!」

 

子フェンリル「グルァッ!」

 

 

比較的近くにいたイリナはフェニックスの涙で回復させようと駆け出すが、そうはさせまいと子のフェンリルが立ち塞がる。

 

 

ダイナ「ま、まずいっ!!」

 

ミドガルズオルム・クローン「グベャアァァァーーー!!」

 

ダイナ「デェアッ!!」

 

 

 

リアスのピンチに目の色を変えたダイナは駆けつけようとするが、襲いかかるミドガルズオルム・クローンを殴りつける。

彼らの妨害で中々助けに向かう隙がないのだ。

すると、隣で戦うヴァーリが話しかけてくる。

 

 

ヴァーリ「兵藤 一誠」

 

ダイナ「何だっ!」

 

ヴァーリ「あの親フェンリルは俺が確実に殺そう。この量産型の相手を頼んでもらえるか?」

 

ダイナ「!?」

 

ヴァーリ「俺のスピードならフェンリルに喰われる前に彼女を助けられる。どうだ?」

 

 

ヴァーリの思わぬ救出の提案にダイナは一瞬黙りこむ。

ヴァーリのことであろうから何か裏がある……そんな疑念があるが、今はそんなことを考えている暇はない。

 

 

ダイナ「わかった!こいつらの相手は任せろ!」

 

ヴァーリ「感謝する」

 

 

承諾したダイナに短く感謝の言葉を送ったヴァーリは白い翼を広げると、目にも止まらぬ速さで親フェンリルのもとへ飛んでいく。

 

 

イリナ「どきなさいって!」

 

子フェンリル「ガルル…」

 

 

そして、子フェンリルと対峙するイリナは光剣で応戦していた。

この子フェンリルの後ろには、重傷で倒れているリアスが親のフェンリルに今まさに喰われようとしていた。

早く助ければいけない―――その焦りがイリナの剣術を鈍らせ、ただでさえ厄介な子フェンリルとの戦いを苦しいものとしており、呼吸も乱れていた。

 

 

ヒュッ!

 

イリナ「しまっ――!?」

 

 

その隙を突かれ、子フェンリルは神速で素早くイリナの懐に潜り込む。イリナは素早くバックステップで離れつつ光剣を横へ振るうが、子フェンリルの前足で弾き飛ばされてしまう。

 

 

子フェンリル「ガルル…グルァッ!!」

 

イリナ「!?」

 

 

武器がなくなったイリナに子フェンリルは牙を剥き出しながら飛びかかる。

そのピンチに無駄ながらもイリナは咄嗟に身構えた瞬間

 

 

アーサー「失礼しますよ」

 

ザシュッ!!

 

イリナ「…!?」

 

 

その間に突如出来た空間の裂け目から颯爽と登場したアーサーが聖王剣で飛びかかる子フェンリルの左目を切り裂いた。

 

 

子フェンリル「グルァァァァーーーー!!?」

 

 

左目を潰された子フェンリルは目から血飛沫をあげながら、苦悶の叫びをあげる。

その間にアーサーを腰を抜かしているイリナに手を貸して立ち上がらせる。

 

 

イリナ「あ、ありがとうございます…」

 

アーサー「いえ、私の話に付き合って頂いたご恩です。さあ、フェニックスの涙を届けに」

 

イリナ「は、はい!」

 

 

イリナは元気よく返事しながらペコリと頭を下げると、リアスのもとへ走っていく。

アーサーは彼女の後ろ姿を見届けると、こちらを威嚇する子フェンリルへ視線を向ける。

 

 

子フェンリル「ガルル…」

 

アーサー「さて、どう致しましょうか…」

 

子フェンリル「グルァッ!!」

 

 

アーサーがそう呟く中、走り出した子フェンリルは飛びかかってくる。

だが、アーサーは冷静に聖王剣を振り下ろすと、子フェンリルの前足ごと全ての爪を空間ごと削り取る。

 

 

子フェンリル「グギャアアァァァーーーーー!!?」

 

アーサー「次は牙!耳!後足の爪!」

 

 

アーサーはそう言いながら聖王剣を振るい、休む間も与えず、次々とフェンリルの身体を削り取っていく。

収まらない苦痛に子フェンリルの断末魔が響き、次の瞬間には子フェンリルは虫の息となっていた。

 

 

子フェンリル「ガ……」

 

アーサー「とどめです」

 

グゴォンッ!!

 

 

動けなくなり、悲鳴もあげなくなるほど弱ったフェンリルにアーサーを聖王剣を振り下ろすと、空間に削り取られた子フェンリルは後片もなく消え去った。

 

 

 

 

 

その頃、親のフェンリルはリアスを食い殺そうとゆっくりと大きく開いた口を近付けていくが

 

 

ロスヴァイセ「させませんっ!」

 

ドォォォンッ!!

 

フェンリル「グルァッ!?」

 

 

いつの間にか近くにきていたロスヴァイセが展開した幾つもの魔法陣から放った魔力弾の雨にフェンリルは大きく怯む。

その攻撃を受けても致命傷に至らないフェンリルだが、少し痛かったのか、標的をリアスからロスヴァイセへ向けた瞬間

 

 

ヴァーリ「待て!お前の相手はこの俺だ!」

 

 

急いで駆けつけ、その間に割り込んだヴァーリが待ったをかける。その間にリアスのもとへ辿り着いたイリナがフェニックスの涙をかけて回復させる。

 

 

フェンリル「グルルル…!」

 

ヴァーリ「黒歌!俺とフェンリルを予定のポイントに転送しろっ!」

 

黒歌「りょーかいっ♪」

 

 

ヴァーリの指示を受けた黒歌はにんまり笑いながら承諾すると、手をヴァーリへ向けて宙で指を動かし始める。

すると、ヴァーリとフェンリル、地に捨てられていたグレイプニルの鎖が光輝き出すと、次の瞬間、この場から姿を消した。

 

 

木場「ヴァーリはどこへ…」

 

黒歌「ちょっと遠いところへ移動させただけにゃ。ここじゃ、『覇龍(ジャガーノート・ドライブ)』を発動させにくいからにゃ♪」

 

 

木場の疑問に笑顔でそう答える黒歌。

確かにヴァーリの『覇龍(ジャガーノート・ドライブ)』は周りのものを半減させてしまうという強力な能力がついている。

強力な力だからこそ、リアス達を巻き込む訳にはいかないという判断なのだろう。

 

 

ダイナ「グアッ!」

 

 

バク転して攻撃をかわしたダイナはエネルギーを込めた右腕を振り払ってフラッシュバスターを放つ。

 

 

ミドガルズオルム・クローン「グベャアァァァァァァーーーーー!!!」

 

ドガガガァァァァンッ!!

 

 

一斉砲火を前にミドガルズオルム・クローンは5匹とも断末魔と共に爆発四散した。

そのままダイナは2匹の子フェンリルと対峙している木場達へ振り向き

 

 

ダイナ「木場っ!」

 

木場「…っ、わかったよ!」

 

ダイナ「シュワッ!」

 

 

声をかけられた木場は考えを察すると、ダイナは子フェンリルと対峙している木場達ごと目掛けて、フラッシュサイクラーを放つ。

切れ味抜群の三日月型のカッターは真っ直ぐ進んでいくが、子フェンリルが余裕でかわせる程の距離だ。

 

当然、子フェンリル達は直前でジャンプしようと身構えるが

 

 

「「!?」」

 

ズババババッッ!!

 

 

その間に神速で割り込んだ木場がすれ違い様に持ち味のスピードを駆使した剣術でフラッシュサイクラーを粉々に砕く。

対象が1塊でなく、複数になった小さなカッターの吹雪が子フェンリルに襲いかかる。

 

 

ザシュッ!ザシュッ!ザシュッ!

 

「「グギャンッ!!」」

 

 

当然、的が小さいので子フェンリルは避けきれず、身体中切り刻まれる。切られた箇所からは血が溢れ、苦痛の悲鳴をあげる。

体勢を崩す子フェンリル……この攻撃で出来た隙を彼らは見逃さない。

 

 

タンニーン「ガァァァァーーーーーー!!」

 

リアス「くらいなさいっ!!」

 

「「―――!?」」

 

 

アーシアによって回復したタンニーンが吐き出す火炎とリアスの膨大な滅びの魔力が炸裂し、2匹の子フェンリルは断末魔をあげる間もなく消滅した。

子フェンリルとミドガルズオルム・クローンを倒した一同はロキへ顔を向ける。

 

 

リアス「あとは…あなただけね。あれだけ従えていた手下も全滅。誰もあなたの味方はいないわよ」

 

 

リアスは低い声色で言い放つ。まだ残っている親のフェンリルはヴァーリと共に戦っているが、ヴァーリが勝つのは明白なのでそれも時間の問題だろう。

この絶対絶命の状況にロキは

 

 

ロキ「……ふっ!ククッ、クハハハハハッ!!」

 

『!?』

 

 

突如、気が狂ったかのように高笑いをし出した。その笑い声はこの採掘場に響く程だ。

予想外の反応に皆は唖然としていた。

 

 

バラキエル「何が可笑しい!気でも狂ったか!?」

 

 

そのあまりにも不気味さにしびれを切らしたバラキエルが訊ねると、ロキは笑いを堪えて息を整えると

 

 

ロキ「いや、失礼。“味方などいない”と可笑しな言われ様をしてね……つい、笑ってしまったよ」

 

ダイナ「は?どこが変なんだよ?部長の言う通り、もう誰もいねぇじゃねぇか」

 

ロキ「いいや、君達は勘違いをしている。可笑しいとは思わないか?何故、我の襲撃にタイミングよくXIGの基地がウイルスに襲われたか?何故、今戦っている時にジオベースがウイルスに襲われているのか?」

 

リアス「…っ!?まさかっ!」

 

『!?』

 

 

リアスを筆頭に皆は勘づくと、目を大きく見開く。

今までのクリシスゴーストの襲撃とロキの襲撃――――偶然かと思っていたが、もしそれが事実であれば…。

皆が息を呑むと、ロキは不敵な笑みを浮かべ、

 

 

ロキ「理解できた様だな…。このロキは最初から、根源的破滅招来体と徒党を組んでいたのだよ!

 

『!!?』

 

 

その衝撃発言に皆は絶句する。神と破滅招来体が手を組むということを。

可能性がありはしたが、無いとばかり決めつけていた。

しかし、こうして明かされた事実に皆は驚愕するしかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、ジオベースに到着した我夢とギャスパーはワクチンプログラムによって、クリシスゴーストが放ったウイルスを全て撃退した。

 

 

樋口「高山さん!ギャスパーさん!申し訳ありません、我々の警備の甘さでご迷惑をっ!」

 

我夢「いえいえ」

 

ギャスパー「ははっ」

 

 

申し訳なさそうな顔でペコペコと頭を下げる樋口に我夢とギャスパーは少々困りながらも笑顔で応える。

ジオベース内のウイルスが消滅したことで施設のシステムは回復し、都市部へ向かっていた無人戦闘機は無事回収される運びになっていた。

 

 

「チーフ!大変ですっ!」

 

 

皆が安堵していると、1人の研究員が息をきらしながら駆け込んでくる。

彼の様子で穏やかな空気が一変して、不安なものへ変わった。

 

 

樋口「何だ?何か、問題があったのか!?」

 

 

樋口が近寄って訊ねると、研究員は顔をあげ

 

 

「F4ラボに保管していたアパテーの破片サンプル及びウルトラマンガイアのデータが盗まれました!!

 

樋口「何っ!?」

 

『!?』

 

 

その報告に我夢達は一斉に目を見開く。

クリシスゴーストは都市部を破壊する為にジオベースを乗っ取ったのではなく、施設に保管してあった金属生命体の破片とガイアのデータを奪取することだったのだ。

…だとしても疑問が残る。

 

 

樋口「しかし……何故、金属生命体の破片サンプルとガイアのデータを?」

 

 

わざわざ大がかりな行動で施設を乗っ取ってまで破片サンプルが欲しかったのか?

それが何かに必要だとしても用途は不明であり、そもそもそれが欲しいのであれば、無人戦闘機を操る必要はない。

皆が頭をひねっていると、我夢は口を開く。

 

 

我夢「…考えられる可能性はあります。まず、クリシスゴーストは活動する肉体が欲しかった……だから、金属生命体の破片サンプルを盗んだ。ここまで大がかりにしたのは僕達の気を引く為だったんです。無人戦闘機も僕達を釣る為のエサだったんでしょう」

 

樋口「では、ガイアのデータは?」

 

我夢「ガイアを多くの怪獣と戦っています。敵対するものに立ち向かう為の知識が――――んっ!?待てよ…」

 

 

そう説明していた我夢は途中、何かに気付く。

クリシスゴーストに敵対するものは間違いなく、自分達のことだろう。

しかし、わざわざガイアのデータを別に盗む必要はあったのか?ガイアのデータはアパテーの破片サンプルを詳しく調べれば取り込むことも出来たであろうに…。

 

我夢が考えこんでいると、ギャスパーは何か気付いたのか、目を丸くする。

 

 

ギャスパー「…が、我夢先輩。何かおかしくないですか…?」

 

我夢「おかしい…?」

 

ギャスパー「は、はい…。人間界ならネットワークが通ってるからわかりますけど、どうして人間界のネットワークが繋がらない冥界にウイルスが行けたんだって…」

 

我夢「……そうかっ!?僕はクリシスゴーストは単体で行動していると勘違いしていた!冥界にウイルスを送りこめたのは破滅招来体の力によるものだと勝手に決めつけていた!冥界のネットワークに送りこむなら、それを手引きする存在もいる筈だ!それなら、ほとんど全ての行動が証明できる!何でこんな簡単なこと気付かなかったんだろう…!」

 

 

ギャスパーの意見を訊いた我夢はやっと糸口が掴めた。

クリシスゴースト誰かと手を組み、その人物―――ロキと共に今まで暗躍していたことを。

 

 

我夢「そう考えると…………そうか!そういうことかっ!!」

 

 

そのことから、金属生命体とガイアのデータを盗んだ本当の目論見がわかった我夢は頭にあった疑問が取り除かれると同時に仲間の危機を察知する。

 

 

我夢「ギャスパー!早くみんなのもとへ戻ろうっ!」

 

ギャスパー「ど、どうしたんですぅ!?」

 

 

急に危機迫った顔を浮かべる我夢に動揺するギャスパーに我夢は

 

 

我夢「イッセーが危ないんだっ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ロスヴァイセ「ロキ様!それはどういうことです!?北欧の神が地球に仇なす破滅招来体に堕ちるなど!」

 

 

ロスヴァイセはロキの発言が信じられず、異を唱える。

しかし、ロキは眉間にしわをよせ

 

 

ロキ「一介のヴァルキリーごときにはわかるまい……このロキの苦悩が…!神話を越えて文化を交わす……確かに自らだけでなく、互いの文明の発達に繋がるだろう。しかし、それは同時に新たな争いの種を作ることにもなる!互いの主張、方針…少しでも違えば、争いが起こるという危険性が!なのに、オーディンの奴はどうだ!“互いを尊重し合えば争いは起きん”等という甘い思想に憑り依かれよって、誰も聞く耳ももたん!!」

 

リアス「それで破滅招来体に…!」

 

ロキ「そうだっ!彼らは我の苦悩を理解してくれた!そして、諭してくれた!自身の考えを認めぬ存在だけを滅ぼし、残された崇拝者を導くことが真の救済と!」

 

バラキエル「真の救済?ロキ、貴様は騙されているのだぞ!破滅招来体がそんな慈悲の心を持っている筈がなかろう!」

 

ロキ「黙れ!我にはもうこれしか残されてないのだ!」

 

 

ロキはそう長々と言い放つと、パチンと指を鳴らす。

すると、地中から現れたぐにゃぐにゃとした液体状の金属がロキの体を纏わり始める。

皆が身構える中、ロキは更に話し続け

 

 

ロキ「しかし、君達相手…特にウルトラマンにはさすがの我も勝てる見込みはなかった。だから、電子生命体――君達の言うクリシスゴーストが知恵を授けてくれた。“我がウルトラマンになればいい”とね」

 

木場「じゃあ、クリシスゴーストの狙いは…!」

 

ロキ「そうだ!我の救済の門出でする肉体のピースを集めていたのだ!」

 

 

そう言うと、ロキはにっと不敵な笑みを浮かべ

 

 

ロキ「見るがよいっ!神とウルトラマン、破滅を持たらすものと1つになった新生ロキの誕生をっ!!」

 

キィンッ!

 

『!?』

 

 

そう言い放ち完全に金属が体に纏った瞬間、赤い閃光がロキから放たれる。

その眩しさに皆が目を瞑る中、ロキごと覆った金属の塊はグニョグニョと形を変えて巨大化していく。

 

 

リアス「あ…ああ…」

 

朱乃「そんな…!?」

 

 

光を晴れ、見上げた皆は驚愕する。

銀色のボディーに赤いラインが走った巨人――ウルトラマンガイアが静かに佇んでいた。そう、ロキは金属生命体の肉体、クリシスゴーストの知恵を授かり、ウルトラマンガイアへと変身したのだ。

 

しかし、本物にある胸のガイアテクターの内側は黒ではなく、アグルの光を得る前の赤色だ。名付けるのなら、『ニセ・ウルトラマンガイア』だ。

 

 

ニセ・ガイア「デュアッ!」

 

リアス「来るわよっ!」

 

 

変身して早々、ニセ・ガイアは左手の先からニセガイアスラッシュを連射する。

呆気にとられていた皆だが、リアスの声もあってすぐ正気に戻り、何とか避ける。

 

 

ダイナ「ンンンン~~~…デェアッ!!」

 

 

ニセ・ガイアに対抗する為、ダイナは巨大化する。

そのままニセ・ガイア向けて走り出すが

 

 

ニセ・ガイア「お前にはこいつらの相手をしてもらおう」

 

ダイナ「フッ!?」

 

 

その接近を見逃さないニセ・ガイアは手をかざすと、ダイナの前方の地中から巨大な2塊の金属が現れる。

そして、金属の塊は変形すると、アパテー、アルギュロスに変形した。

 

 

木場「倒された金属生命体を復元できるのかっ!」

 

アパテー「パォォォォーーーーー!!」

 

アルギュロス「パォォォォーーーーー!!」

 

ダイナ「デュッ!」

 

 

皆が呆気にとられる中、ニセ・ガイアの手によって復活したアパテーとアルギュロスはダイナの行く手を阻む。

その間にニセ・ガイアは地上にいるリアス達向けてニセガイアスラッシュを放ちながら、一歩ずつ詰め寄っていく。

 

 

タンニーン「うおぉぉぉぉーーーー!!」

 

ニセ・ガイア「?」

 

 

途中、そうはさせまいとタンニーンが拳を作って突貫を仕掛けるが、

 

 

ニセ・ガイア「ダッ!」

 

タンニーン「ぐおぉぉぉぉーーーっ!?」

 

ドォォォンッ!!

 

 

素早く腕をL字に組んだニセ・ガイアのニセクァンタムストリームをくらって大きく吹き飛び、後ろの岩肌に叩きつけられ、爆発する。

 

 

ダイナ「おっさん!?」

 

アルギュロス「パオッ!」

 

ダイナ「ッ!くそっ…!」

 

 

救援に向かおうとするダイナだが、立ち塞がるアパテーとアルギュロスのせいで向かおうにも向かえない状況だった。

 

 

リアス「怯んじゃ駄目よっ!攻めてっ!!」

 

ロスヴァイセ「フルバーストッ!!」

 

ゼノヴィア「はあっ!!!」

 

ドドドドドォォォォォォーーーーンッ!!

 

 

リアスの号令に合わせ、リアス達は一斉攻撃する。

彼らの猛攻はニセ・ガイアに直撃し、大爆発が起きるが

 

 

ニセ・ガイア「こんなものか…」

 

『!?』

 

ニセ・ガイア「なら、今度はこちらの手番だ」

 

 

爆煙が晴れたニセ・ガイアの体は無傷だった。

まるでそよ風が当たったの様にピンピンと佇んでいる。

皆が驚愕する中、ニセ・ガイアは両手を広げ、その手を頭に当てながら深く腰を下ろし始める……ガイアの十八番、フォトンエッジの体勢だ。

 

 

リアス「っ!?みんな、避けてっ!!」

 

ガイア「デュアァァァーーーーーーーー!!」

 

 

それを見たリアスは危険を察して叫ぶが、時既に遅く、ニセ・ガイアはニセフォトンエッジを放った。

 

 

ドォォォォンッッ!!

 

『きゃああーーーっ!!?』

 

『うわあっ!?』

 

 

放たれた赤色の光線は地面で大爆発を起こし、リアス達を大きく吹き飛ばした。

その威力はこの採掘場を震わせるぐらいだ。

皆がその力の前に戦慄する中、

 

 

朱乃「雷光よ!!」

 

ニセ・ガイア「ッ!」

 

バチバチバチィィィーーーー!!

 

 

ただ1人爆発から巻き込まれず済んだ朱乃が地上から膨大な雷光を放つが

 

 

ニセ・ガイア「デヤッ!」

 

フッ…

 

朱乃「…っ!?」

 

 

ニセ・ガイアが軽く腕を振るうと、雷光はあっという間に消え去った。朱乃はこの一撃に自信があったのか、簡単にあしらわれたことに戦慄する。

 

 

ニセ・ガイア「中々いい一撃だったが、神とウルトラマンが融合した我には届かん。死ね…」

 

 

ニセ・ガイアはそう告げると、朱乃に向けてニセクァンタムストリームを放つ。

 

 

リアス「朱乃!逃げてっ!」

 

小猫「朱乃さんっ!」

 

朱乃「…っ」

 

 

迫りくる光線にリアスや小猫が避ける様に叫ぶが、朱乃は動揺して動けなかった。

偽者とはいえ、ウルトラマンの圧倒的な力量差にすっかり恐怖し、カタカタと体を震わせるしかなかった。

 

そして、光線が朱乃の目前に迫った瞬間、彼女を庇う影が颯爽と前へ現れた。

 

 

バラキエル「ぬぉぉぉぉーーーー!!」

 

朱乃「…えっ!?」

 

 

それは彼女の父、バラキエルであった。

バラキエルは両手を左右に広げ、光線を背中へ受けて朱乃を庇った。

 

 

ニセ・ガイア「ほう…」

 

 

突然の行動にニセ・ガイアも少々驚くが、すぐに興味深そうに鼻を鳴らすと、光線を撃つ手を止める。

バラキエルはバタリとその場で倒れ伏せる。服が光線の熱で焼け、露となった背中は焼きただれ、そこから血がだくだくと噴き出していた。

 

 

朱乃「ど、どうして…っ?」

 

 

バラキエルの行動に朱乃は動揺を隠せないでいた。

その声を聞いたバラキエルは顔をあげ

 

 

バラキエル「…お前までを…なくす訳にはいかない……」

 

朱乃「どうして…!?私はあなたを一方的に遠ざけていたのに…っ!どうしてっ!」

 

 

朱乃はますます訳が分からず、狼狽える。

今まで自分がしてきた態度はどれもきついものであり、助ける気など起きる筈がないのだ。

そんな朱乃を落ち着かせる様にバラキエルは手を握ると、冷や汗をかきながら真っ直ぐ見つめ、

 

 

バラキエル「…朱乃、落ち着いて聞くのだ……。朱乃、この世界は希望が満ち溢れているのと同時に残酷なものばかり溢れているのが常だ…」

 

朱乃「…」

 

バラキエル「その残酷な現実をまだ幼いお前に味わせてしまった……すまない。私は父親として失格だ。だが、朱乃。お前は自分はいつも孤独だと思っているだろうがそれは違う……。本来、私にお前を諭す権利なぞ無いに等しいが、この場を借りて言わせてもらう…!」

 

 

バラキエルは長々と話すと、苦しげに一呼吸して、口を開き

 

 

バラキエル「この場にいる皆がお前を信じ、助ける“仲間”だということを忘れるな…!お前にはまだ希望が遺されているっ!1人なんかじゃない…っ!!」

 

朱乃「…っ!」

 

 

その振り絞った説教に朱乃は思わず涙を流した。

そのメッセージは誰にも愛されてないと固まった朱乃の凍りついた心を溶かすのには充分だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《バラキエル「お前にはまだ希望が遺されているっ!1人なんかじゃない…っ!!」》

 

我夢「バラキエルさん…」

 

 

バラキエルの胸に響く言葉は無線を通じて、ファイターEXに乗る我夢にも伝わっていた。

藤宮が表舞台から姿を消し、託された力を駆使して今後どうやって戦うのか迷っていた我夢の迷いをも解き消したのだ。

 

我夢は懐から取り出したエスプレンダーに目をやる。

我夢を応援するかの様に液晶に赤と青の光が静かに光った。

 

 

我夢「わかったよ、藤宮。僕は…みんなは1人なんかじゃない…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バラキエル「朱璃のことを……お前のことを……1日足りとも忘れたことなどないよ…」

 

朱乃「父様…」

 

 

朱乃はポロポロと涙を流しながら、弱り果てている父の手を握る。その手は弱っている影響で少し冷えているものの、久しぶりに父の手を握る朱乃には温かく感じた。

再び繋がった親子の絆……。その感動の場面を邪魔するものがいた。

 

 

ニセ・ガイア「親子の感動の仲直りか……ふん、下らない」

 

バラキエル「ぐっ!?」

 

朱乃「あっ!?」

 

 

そう吐き捨てたニセ・ガイアは倒れるバラキエルをひょいと拾い上げると、そのまま握り始めた。

 

 

グギギギギギ……!

 

バラキエル「ぐおぁぁぁぁぁーーーーーー!!」

 

朱乃「父様っ!!」

 

 

ニセ・ガイアの掌からはバキバキと不吉な音が鳴り響き、バラキエルは苦痛の叫びをあげる。

朱乃が悲鳴をあげると、ニセ・ガイアは口元をニヤリとつり上げて笑い

 

 

ニセ・ガイア「娘よ、よぉく見るがよい!お前の存在で死に行く父の無惨な死に様をっ!」

 

バラキエル「がぁぁぁぁーーーーーー!!!?」

 

朱乃「やめてぇぇーーー!!」

 

 

そう告げたニセ・ガイアは朱乃の悲鳴に耳を貸さず、バラキエルを握り締める力を更にあげる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

我夢「ガイアァァーーーーーーーッッ!!!

 

 

そのピンチを聞いた我夢はEXの操縦をPALに任せ、エスプレンダーを前へ突き出す。エスプレンダーから溢れる赤と青の閃光に包まれると光を纏ったままEXから飛び出し、そのまま真っ直ぐ飛んで行った。

 

 

[推奨BGM:フォトンストリーム]

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガイア「デヤッ!」

 

ドォォォォォォォンッッッ!!!

 

ニセ・ガイア「ッ!」

 

 

採掘場に辿り着いたガイアは光を晴らすと、土飛沫を巻き上げながら地上へ降り立つ。

本物のガイアの登場にニセ・ガイアは思わずバラキエルを締め上げる手を緩める。

 

 

ガイア「グアッ!」

 

ドォンッ!

 

ニセ・ガイア「ジュアッ!?」

 

 

すかさずガイアが放ったガイアスラッシュを受け、ニセ・ガイアは体から火花を散らしながら大きく怯むと、手に握っていたバラキエルを放してしまう。

 

 

ガイア「デュアッ!」

 

 

宙に放り出されたバラキエルをガイアは左の掌をかざし、光のオーラで包むと、そのままアーシアのもとへ下ろす。

 

 

朱乃「我夢君っ…!」

 

 

朱乃は治療を受けるバラキエルに寄り添いながら、嬉し涙を流す。

何よりも最愛の人が父親を助けてくれたことに喜ばずにはいられなかった。

 

 

アパテー「パオッ!?」

 

アルギュロス「ッ!?」

 

ダイナ「来てくれたかっ!デェアッ!」

 

 

ガイアの登場に気をとられる2体の隙を突き、ダイナは両腕のラリアットですっ転ばせる。

 

 

ガイア「グアッ!」

 

ニセ・ガイア「デュアッ!」

 

 

2人のガイアはファイティングポーズを取ると、睨み合いながら間合いをはかる。

 

 

スッ…

 

ニセ・ガイア「ッ?」

 

 

その途中、ガイアは手を前へ突きだす姿勢へ変える。その足取り、姿勢は今は姿を消したアグルのものだった。

 

 

 

 

 

 

 

その戦いを会談を終えたオーディンや日本の神々、アザゼルやサーゼクス、石室はホテル内のモニターで観戦していた。

 

 

「ガイアのデータを持つなら、両者は互角。しかも、相手は悪神ロキ…」

 

「本物は勝てるのか…」

 

 

日本の神々の中からそんな不安な声を漏らしていると、石室は彼らに

 

 

石室「命あるものは全て前へ進みます……。昨日までのデータなど…!」

 

「成長しているというのか…!?ウルトラマンガイアが…!」

 

 

そう告げると、日本の神々は不安を漏らすのを止めると、モニターでの戦いを見守ることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ニセ・ガイア「ッ、デヤァァァァーーーーー…!!」

 

ガイア「グアァァァァァーーーーーー…!!」

 

 

ある程度間合いをとったニセ・ガイアはフォトンエッジの体勢に入ると、ガイアも合わせて拳を作った左腕を腰に携え、右腕を真っ直ぐ垂直に伸ばす。

ニセ・ガイアが頭部に赤色の光刃が形成されていくのに対して、ガイアの頭部には青い光刃が形成されていく。

 

 

ゼノヴィア「あの技は…!?」

 

イリナ「藤宮君の…!」

 

 

ガイアの放とうとする必殺技に既視感を感じた2人は目を丸くする。そう、2人の思う様に構えこそ違うが、アグルの必殺技フォトンクラッシャーだ。

 

 

ニセ・ガイア「――ァァァァァ…!!デヤッ!!!」

 

ガイア「――デュアッ!!」

 

 

ひと足先にエネルギーを溜め終えたニセ・ガイアはフォトンエッジを放つと、ガイアも少し遅れながらもフォトンクラッシャーを放つ。

両者の放つ光線はバチバチとぶつかり合うが

 

 

ガイア「――デュアッ!」

 

ドォンッ!!

 

ニセ・ガイア「ドアァァァーーーーー!?」

 

 

ガイアが光線の出力を上げると、あっという間に押し返し、ニセ・ガイアに直撃する。

ニセ・ガイアは火花を散らしながら、大きく後方へ吹き飛び、うつ伏せの姿勢で地面へ叩きつけられる。

 

 

[BGM終了]

 

グニャア……

 

ニセ・ガイア「パアァァーーー!!グアァァァーーー!!」

 

 

その衝撃を受け、もがき苦しんでいるニセ・ガイアの皮膚は次第に本来の金属質の肌が露になっていき、声もガイアのものではない、本来の金属生命体の鳴き声が出ていた。

 

 

朱乃「正体を現しなさいっ!」

 

 

その隙に雷光を放つ朱乃を筆頭にロスヴァイセ、イリナ、ゼノヴィア、リアスが攻撃を加えていく。

 

 

ニセ・ガイア「ドアァァァーーー!?」

 

 

立ち上がろうとするニセ・ガイアだが、矢継ぎ早に放たれる攻撃の嵐に身動きが取れず、次々と化けの皮が剥がされ、本来のボディーが露になっていく。

そして、一旦攻撃の手を止め、爆煙が晴れると、その全貌を現した。

 

 

ミーモス「ミィィィィ~~~~~…!!」

 

 

金属質な体にあちこち生えている穴が空いている金属片、生物らしさが感じられない黄色の瞳……。

これこそ、クリシスゴーストの知能に悪神の素質、金属生命体の破片、ウルトラマンガイアのデータが合わさることで生まれた金属生命体No.3『ミーモス』の正体だ。

 

 

ガイア「デュッ!グアッ!」

 

ミーモス「ミィィィィ~~~!!」

 

 

駆け出したガイアは振り下ろすミーモスの拳を弾くと、腹部へ拳を打ち込む。

 

 

ガイア「グアッ!」

 

ミーモス「ミィィィィ~~~~…!」

 

 

怯んだ隙にガイアは勢いよく回し蹴りを放つが、ミーモスの前転でその足をくぐって後ろへ回り込む。

そのまま後ろから蹴りを食らわそうとするが、ガイアの蹴りで防がれる。

 

矢継ぎ早に拳を繰り出すが、ガイアの腕に阻まれ

 

 

ガイア「デュアッ!」

 

ミーモス「ッ!?」

 

 

反撃の拳を腹部へ食らい、怯んだ隙に流れる様に後ろへ

投げ飛ばされる。

 

 

ミーモス「ミィィィィ~~~!!」

 

 

それでもミーモスは負けじと立ち上がり、回し蹴りとかかと回し蹴りを合わせた連続攻撃で攻めるが、ガイアはバク転で次々と回避して距離を取ると

 

 

ガイア「トアッ!」

 

ミーモス「!?」

 

 

そのまま助走をつけたドロップキックを放ち、ミーモスは後ろへ吹き飛ぶ。

続けて体重を乗せた倒れ込みのかかと落としを食らわせようとするが、横へ転がりながら立ち上がったミーモスに避けられる。

 

 

ガイア「グアッ!」

 

ミーモス「ミィィィィ~~~!!」

 

 

体勢を整え、駆け出したガイアとミーモスは中央で取っ組み合いになる。

両者の力比べは完全にガイアの方に分があり、そのままミーモスを押していくが、

 

 

ガイア「ッ!?」

 

 

その勢いを利用したミーモスは徐々に体勢を低くして倒れると、巴投げでガイアを投げ飛ばす。

立ち上がったミーモスは詰め寄ろうとするが、

 

 

ガイア「デヤッ!グァァァァ…!」

 

 

素早く立ち上がったガイアは右腕を上、左腕を下に垂直へ伸ばすと、胸の前へ青い光球を作り出す。これもアグルの必殺技であるリキデイターだ。

 

 

ガイア「デュアッ!」

 

ドォンッ!

 

ミーモス「パアァァ~~~~!?」

 

 

ガイアの放ったリキデイターをくらったミーモスは体から火花を散らし、大きく怯む。

 

 

シャキィンッ!

 

ガイア「デュッ!?」

 

 

ミーモスは負けじと体勢を整えると、右肩に生えていた金属片をクルクルとブーメランの様に飛ばす。

予想もつかない飛び道具にガイアは驚きながらも体を反らして回避する。

 

 

シャキィンッ!

 

シャキィンッ!

 

ミーモス「ミィィィィ~~!!」

 

 

ミーモスは右肩の金属片を新たに生やすと、右腕を天高くあげ、両肩、両太もも、計4つの金属片を頭上に滞空させる。

そして、そのまま振り下ろすと、4つの金属片はブーメランの様に縦回転の軌道を描きながらガイアに襲いかかる。

 

 

ガイア「グアッ!?ジュワッ!?ドアァァァーーーッ!?」

 

 

ガイアは最初こそ避けていたが、次々くるブーメランの連続攻撃に対応できず、火花を散らしていた。

 

 

シャキィンッ!ヒュンッ!

 

 

怯んでいる隙にミーモスは腕からさすまた状に変形させた金属片を飛ばす。

 

 

ガイア「ドアァァァーーーッ!!」

 

 

真っ直ぐ放たれたさすまた状の金属片はガイアの首もとを捉え、そのまま地面へ突き刺さる。

 

 

ミーモス「ミィィィィ~~~~~!!」

 

 

ミーモスは宙を飛んでいた金属片に命令を出す様に腕を動かすと、金属片はさすまた状に変形し、ガイアの両手、両足を拘束する。

 

 

ガイア「グッ…!グアァァァ…!」

 

ミーモス「ミィィィィ~~~~~…!!」

 

 

ガイアは何とか抜け出そうともがくが、拘束している金属片が深く地面に突き刺さっているので中々抜け出せない。

その間にミーモスは高笑いをする様に胸を張ると、身動きがとれないガイアへゆっくり近付いていく。

 

 

リアス「みんな!我夢に続くわよ!!」

 

『了解!』

 

ドォンッ!ガァンッ!

 

ミーモス「パアァァ~~~~…!!」

 

 

リアスの指示すると、皆は飛び道具でミーモスへ一斉攻撃する。ミーモスは攻撃があまり効いてはおらず、怯むだけであったが、ガイアが脱出する時間には充分な一瞬だった。

 

 

ガイア「グアァァ~~~~……デヤッ!!」

 

 

ガイアは力を込めて全身を赤く発光させると、地面に固定されていたさすまた状の金属片を引っこ抜き、完全に自由の身になった。

 

 

ミーモス「パアァァ~~~!!」

 

ガイア「デュアッ!グァァァァ………!!!」

 

 

ミーモスが仲間に気をとられる中、跳ね起きたガイアは両拳を腰に携えた後、両腕を頭上高く掲げ、胸の前で瞬時に合掌して一旦左右に広げて目映い赤色の光に包まれると、両腕を内側に180度回転させ始める。

 

 

小猫「…ガイアが変わるっ!!」

 

ガイア「デヤッ!グアッ!」

 

 

小猫がそんな驚きの声を漏らす中、ガイアは交差させた両拳を胸から下に降ろし、赤色の光を晴らし、最強最高のスプリームヴァージョンにヴァージョンアップした。

ガイアは深く腰を下ろすと、平手にして曲げた右腕を上、拳を作った左腕を下にする力強いファイティングポーズを取ると、地面を蹴って駆け出す。

 

それこそ、ミーモス――――否、ロキ終了のお知らせだった。

 

 

ミーモス「ミィィィィ~~~~!!」

 

ガイア「ダァァァーーーーッ!!」

 

ドォンッ!

 

 

駆け出したガイアは合わせて向かってくるミーモスを掴み上げると、勢いよく地面へ叩きつける。

 

 

ミーモス「パアァァ~~~!」

 

ガイア「ダッ!デヤァァァァーーーーーーッ!!」

 

ダンッ!

 

 

ガイアは苦痛の叫びをあげるミーモスを掴み上げて無理やり起こすと、休む間も与えず、背負い投げの要領で反対の地面へ叩きつける。

 

 

ガイア「…ダッ!」

 

ドォンッ!

 

ミーモス「パアァァ~~~ッ!!パアァァ~~ッ!!」

 

 

ガイアはフラフラと立ち上がるミーモスに駆け寄ると、両脇に手を通し、またもや反対の地面へ叩きつける。

 

 

ガイア「グァァァァ………!デュッ!!」

 

ダァンッ!

 

 

更に駄目押しとばかりとガイアはまだ立ち上がれずにいるミーモスを掴むと、ブレーンバスターの様に逆さまにしながら高く上げると、振り向き様に地面へ投げつける。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ダイナ「ンン~~~…デェアッ!」

 

アパテー「パォォォーーー!!」

 

ダイナ「ダァァァーーーーーッ!!」

 

 

自分も負けてられないとダイナはストロングタイプへタイプチェンジすると、アパテーの懐に忍び込み、力強いアッパーを放つ。

アパテーは手足をジタバタしながら上空へ吹っ飛んでいく。

 

 

リアス「イッセー!これをっ!!」

 

ダイナ「フッ!」

 

 

その間に駆け寄ったリアスは巨大な滅びの魔力の塊をダイナへ与える。

リアスの意図がわかったダイナは両掌を前へ突きだして、滅びの魔力の塊を掴む。

 

 

ギュオォォォォン…!!

 

ダイナ「ハァァァ……!!シュワッ!」

 

 

その魔力の力にダイナは吹き飛ばされそうになるが、何とか自身のエネルギーで抑え込むと、赤褐色に輝く光球を作り出す。

作り出したエネルギーを片手に持ちかえたダイナは落ちてくるアパテーを見上げ、

 

 

ダイナ「ン"ン"ン"ン"~~~…ダァァァーーーーーーッ!!!」

 

 

深く腰を引くと、片手に携えていたエネルギー球を上空にいるアパテー目掛けて投げ飛ばした。

 

 

アパテー「パォォッ―――!」

 

ドガガガガガァァァァンッ!!

 

 

リアスとダイナの合体技を受けたアパテーは断末魔をあげる間もなく爆発四散した。

その威力は肉片すら残さない程だ。

 

そして、朱乃とバラキエルはアルギュロスと対峙していた。朱乃は堕天使の翼を広げると、上空に何枚もの漆黒の翼を広げるバラキエルの傍にそっと並ぶ。

 

 

朱乃「……私と一緒に戦って下さい!」

 

バラキエル「…勿論だ!」

 

 

朱乃の頼みにバラキエルは微笑み返すと、バラキエルは雷光を放ちながら左腕、朱乃も雷光を放ちながら右腕を重ねる。

そして、合わせたままゆっくりと下から上へ回すと、素早く顔の横へ腕を引き、腰に携えていたお互いの反対の拳に集約した2人分の雷光を溜め

 

 

「「はぁぁぁぁぁーーーーーーっ!!!」」

 

ビガガガガガガァァァーーーーーーーン!!

 

 

そのままその拳をお互い突き出し、雷光を放つ。

絆が蘇った親子の一撃は激しい稲光りを起こしながらアルギュロスを捉える。

 

 

アルギュロス「パォォォーーー…!!」

 

ドガガガガガガガガガァァァァンッ!!

 

 

直撃したアルギュロスは破片すらも残さずらたちまち爆発四散した。

バラキエルは隣にいる朱乃へ目をやると、

 

 

バラキエル「やったな、朱乃…」

 

朱乃「……!はいっ!」

 

 

そう優しい顔で褒められた朱乃は少し気まずそうながらも元気よく返事した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ファイティングポーズを取ったガイアは力強く猛進すると、ミーモスの上体を抱えあげ

 

 

ガイア「デュアァァァーーーーーッッ!!」

 

ドォォンッ!!

 

 

振り向き様に地面へ叩きつける。

ガイアはファイティングポーズを素早く取って、身構える。

 

土煙が巻き上げる中、ミーモスは痛みを堪えながら立ち上がってガイアへ飛び蹴りを放つが、ガイアは横から後ろへ回り込んで避ける。

 

 

ミーモス「ミィィィィ~~!!」

 

ガイア「ダッ!!」

 

 

それに合わせてミーモスも素早く方向転換して飛び蹴りを放つが、ガイアはその足を掴みかかると、そのまま前方向へぶん投げ、体勢を崩したミーモスを再び地面へ叩きつける。

 

 

ミーモス「パアァァ~~ッ!!」

 

 

 

ミーモスはふらつきながらもやかばやけくそ気味に飛びかかるが、腰元に飛び込んだガイアに易々と止められる。

そのまま上体を起こしたガイアに肩で抱えあげられると、手を離され、支えを失ったミーモスは背中から後ろの地面へ叩きつけられる。

 

 

ガイア「グアッ!」

 

 

その間にガイアは1回転しながら体勢を入れ替えて空高く跳躍すると、ミーモスの足下へ着地する。

 

 

ミーモス「パアァァ~~ッ!!パアァァ~~ッッ!!」

 

ガシッ!ガシッ!

 

ガイア「ダァァァーーーーーーッッ!!」

 

 

地面でもがき苦しむミーモスの左足首を掴むと、ガイアはそのまま持ち上げると、反対方向の地面へ力強く投げつける。

 

 

ガイア「ダァァァ~~……!」

 

ミーモス「パアァァ~~…ッ!!」

 

ガイア「デュアッ!!」

 

 

間髪入れず、ガイアはジタバタともがくミーモスを背中から重量上げの様に高く持ち上げると、力強く横へ投げ飛ばす。

宙で綺麗な放物線を描きながらミーモスは飛んでゆく。

 

 

ミーモス「…パアァァ~~~~~ッ!!」

 

 

地面へ叩きつけられたミーモスは苦しげにもがく。痛覚がない筈の金属生命体のボディーを貫通して、中にいるロキの肉体にダメージが当たっているのだ。

それでも諦めず立ち上がるが、体はふらついており、早く殺してと言わんばかりの様子だった。

 

 

ガイア「デュアッ!グァァァァアァァァァ………ッ!!デュアッ!!!」

 

 

その隙にガイアは平手にした右腕を垂直、平手にして平行にした左腕を胸に当ててからクロールの様に大きく体を反らしながら円を描くと、胸の前で合掌する。

そのまま右手を下にずらすと、最強光線フォトンストリームを放つ。

 

 

ミーモス「ッ!?パアァァ~~~~~ッ!!」

 

 

その強大な光線を受けたミーモスはロキごと頭から足の先まで塵1つ残さず消滅した。

 

ミーモスを倒したガイアはこちらを見上げる朱乃を見下ろす。朱乃の顔は以前あった曇りがとれた元気なものだった。

 

 

ガイア「グアッ!」

 

朱乃「…っ、ふふっ!」

 

 

そんな彼女を見て安心したガイアはサムズアップを送ると、朱乃も一瞬ポカンとするがすぐに意図を読むと、笑顔でサムズアップを返す。

 

 

ガイア「デュアッ!!」

 

ダイナ「シュワッ!!」

 

 

そして、ガイアとダイナは正面を向くと、両腕を高く上げて飛翔し、どこか遠い空へ飛んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

その勝利の一部始終はモニターで観戦していたサーゼクス達にも伝わっており、この場にいる全員はよろこび合っていた。

 

 

オーディン「…まさか、ロキごと消滅するなんてのぅ……何て力じゃ……。初めからミョルニルのレプリカなんて、いらなかったのかもしれんのぉ…」

 

アザゼル「落ち込むなよ、爺さんっ!会談は無事成功したんだしよぉ~!よっしゃ、祝いに俺の超ウルトラレベルの店で盛大にパァ~ッてしようぜ!」

 

オーディン「なぬ!?超ウルトラレベルとな!?よっしゃ、よっしゃ!すぐに向かうぞいっ!!」

 

 

いやらしい顔をしながら馬鹿騒ぎするアザゼルとオーディンを尻目にサーゼクスと石室はモニターに映る採掘場を眺め

 

 

サーゼクス「これでクリシスに宿っていた破滅招来体は完全に消滅したな」

 

石室「ああ。しかし、また……“新たな戦い”が始まる」

 

サーゼクス「はは…負けるつもりはないさ、我々は!ハハハハハハ…!」

 

石室「はいっ!ハハハハハハッ!」

 

 

改めて戦いへの意識を固めた石室とサーゼクスは笑い合ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから2日後。我夢達は地下1階の大広間で各々でくつろいでいた。

会談が成功したオーディンは良い収穫を得たのか、ニヤニヤと怪しげな笑みを浮かべながら本国へ帰っていった。その際、ミョルニルのレプリカもきちんと返却している。

 

ちなみにヴァーリチーム全員は気付いた時には既にいなかった。我夢達が戦いに夢中になっている間にこっそりと姿を眩ました様だ。

どうやら、初めからフェンリルを捕まえるのが目的だったらしく、その為に我夢達を利用したのがわかった。

当然、上手く使われていたことに皆(特にリアス)は憤りを感じていたのは分かるだろう。

 

しかし、何やかんやありながらもこうして一段落ついた訳である。

皆には安らぎの時間が訪れたのだが…

 

 

ロスヴァイセ「もう終わりだわ!」

 

 

ただ1人、ソファーで嘆いていた。その人物はオーディンの付き人である銀髪のヴァルキリー、ロスヴァイセだ。

 

 

ロスヴァイセ「酷い!オーディン様ったら、酷い!私、あんなに頑張ったのに置いてかれるなんて!!うぅぅぅっっ…!」

 

我夢「……」

 

 

この世の終わりかの様な顔を浮かべながら号泣しているロスヴァイセを我夢は何とも言えない面持ちを浮かべていた。

彼女の言う通りオーディンに忘れられてしまい、そのまま置いていかれたそうだ。それを裏付けるかの様に今日まで迎えどころか連絡すら来ていない。

 

泣きわめくロスヴァイセにリアスはそっと近寄ると、肩に手を乗せ

 

 

リアス「もう、泣かないでロスヴァイセ。私達が通っている学園の教諭として働けるようにしておいたから」

 

ロスヴァイセ「……本当ですか?」

 

リアス「ええ。でも、女性教諭ってことでいいのよね?女子生徒じゃなくて?」

 

ロスヴァイセ「…はい。私、これでも飛び級で祖国の学舎を卒業しています。教員として充分教えられます」

 

『……』

 

 

ロスヴァイセの口から出た経歴に皆、目を丸くする。

年齢は我夢達とさほど変わらず、今まで見せた情けない姿とは売って変わって秀才とは思わなかったからだ。

我夢も以前、エリアルベース内のクリシスゴースト撃退を手伝ってもらったことがあるが、そのタイピングスピードは我夢を上回っており、その天才の片鱗を垣間見ている。

 

 

ロスヴァイセ「…けど、私、この国でやってけるのかしら?かといって国に戻っても、先輩方に会わせる顔もないし……」

 

リアス「うふふ、そこでこのプラン」

 

 

不安がるロスヴァイセにリアスは待ってましたとばかりにいつの間にか手に持っていた書類を見せる。

それは悪魔に転生した際の待遇について書き記された書類だった。

 

 

リアス「今、悪魔に転生すると、こんな特典やあんな特典が付くわよ?」

 

ロスヴァイセ「す、すごいっ!保険金、処遇、基本賃金が好条件すぎるわっ!」

 

リアス「更に私の眷属になれば、グレモリー家の数えきれない程の好待遇もついてくるわ。どう?」

 

 

最後の1つの駒『戦車(ルーク)』を手に持ってちらつかせながら買収にかかるリアス。

その好条件すぎる誘惑にロスヴァイセは

 

 

ロスヴァイセ「お願いします!!」

 

 

迷いもせずあっさりと引き受ける。

こうして、グレモリー眷属最後の1人としてロスヴァイセが加わったのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、次の日。まだ日が昇っていない頃、バラキエルはアザゼルに会いに兵藤家に来ており、2人は玄関先で話していた。

バラキエルは今回のロキ襲撃についての一部始終を組織に報告する為、冥界に戻ることになり、アザゼルに別れる前の挨拶をしていたのだ。

 

そして、話が終わりかけの時

 

 

アザゼル「…それで、朱乃には何も言わねぇのか?」

 

バラキエル「ああ。わだかまりが解けたとはいえ、どう接するか複雑でな……。娘も同じようだよ」

 

 

アザゼルの問い掛けにバラキエルは神妙な面持ちで答える。彼の言う通り、和解したはしたが、それまでにかかった時間もあって、お互い複雑な心境であるのだ。

そんな彼にアザゼルもどう言葉を送ればいいか困っていると、

 

 

我夢「あ、いたいた」

 

アザゼル「我夢!?それに…」

 

バラキエル「朱乃…」

 

朱乃「…」

 

 

そんな声が聞こえ、2人は振り向くと、我夢が朱乃が後ろから近付いてきていた。

人が寝静まる時間帯に2人きりと確信していたアザゼルとバラキエルはまさかの第3者の登場に驚いていたら、

 

 

アザゼル「お前、どうして起きてるんだ!?それにバラキエルがここにくるって教えてない筈だぞ?」

 

我夢「先生、僕を甘く見ちゃ駄目ですよ?いくら隠しても、僕の手にかかればすぐ分かりますよ」

 

アザゼル「ちっ!抜け目のねぇ奴…」

 

 

我夢にアザゼルは悪態をつきながらもニヤリと笑みを浮かべる。

そう会話した我夢は朱乃へ顔を向け

 

 

我夢「朱乃さん、ほら…」

 

朱乃「…」

 

 

促された朱乃は気まずそうな顔でバラキエルに弁当が入った巾着袋を手渡す。

その間に意図を察したアザゼルは席を外すかの様に離れていった。

 

 

バラキエル「これは…」

 

朱乃「……弁当。作ったから、食べてみて……」

 

バラキエル「あ、ああ…」

 

 

戸惑うバラキエルだが、朱乃に薦められると、恐る恐る包みを開き、弁当箱の蓋を開ける。

そこには色彩豊かな和食がズラリと詰められていた。

 

 

我夢「どうぞ」

 

バラキエル「ありがとう…。頂きます」

 

 

バラキエルは我夢から受け取った箸を手に肉じゃがを摘まみ、口の中へ運ぶと、瞳から一筋の涙がこぼれる。

 

 

バラキエル「朱璃の味だ…」

 

 

そう呟いたバラキエルは夢中でがっつくと、10分も経たないうちに完食した。

心幸せな気分に浸っているバラキエルに朱乃は重たい口を開き

 

 

朱乃「私は…母が死んだのは全てあなたのせいだと押し付けていた……。あなたを責めても何も解決しないってわかっているのにも関わらず……」

 

バラキエル「朱乃…」

 

朱乃「許してくれなくても言い…。でも、もし、許してくれるのなら…」

 

 

そう言うと、朱乃はバラキエルの瞳を見つめると、続けて

 

 

朱乃「もう1度……あなたを…“父”と呼んでもいいですか?」

 

バラキエル「…っ!」

 

 

目尻に涙を浮かべながら問うと、涙が止まったばかりにも関わらず、バラキエルもつられて涙を流し始め

 

 

バラキエル「ああ…っ!」

 

 

嗚咽をもらしながらうんうんと頷く。

幸せのあまりに出た涙だ。

しばらく、2人は泣きあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、1時間後。ひとしきり泣いたバラキエルは身支度を整えて、出発の準備が出来ていた。

バラキエルは朱乃へ顔を向け

 

 

バラキエル「しばらくはこちらへ帰れないが、時間ができ次第、顔を見せるつもりだ」

 

朱乃「お気をつけて」

 

バラキエル「ああ、お前もな」

 

 

バラキエルは朱乃へ笑顔を送ると、今度は我夢へ顔を向け

 

 

バラキエル「我夢君。娘のこと、君に任せたぞ」

 

我夢「はい!勿論ですっ!」

 

 

そう答える我夢にバラキエルは安堵する。最初こそは不安で仕方なかったが、彼の考え、行動力、優しさを直接見て、娘の見る目に間違いないと思った。

ちなみに我夢は恋愛的な意味が込められているのは知らない。

バラキエルは踵を返すと、玄関の戸を開け

 

 

バラキエル「では、失礼する」

 

 

そう告げると、外へ出ていった。

見送った後、我夢は申し訳なさそうな顔で朱乃を見つめ

 

 

我夢「すみません、朱乃さん。無理言って会わせて…」

 

朱乃「うん…。でも、我夢君が言ってくれなきゃ、私、きっと後悔するだけだったわ………。けど、昔みたいに父様と接せれるかしら……?」

 

 

不安そうに呟く朱乃に我夢は微笑みかけ

 

 

我夢「安心して…少しずつでいいんですよ。焦らず、ゆっくりでも……。本当に仲良くなきゃ、こんなに悩み、苦しんだりしませんよ」

 

朱乃「っ!」

 

 

そう元気付ける彼に朱乃は思わずときめく。

―――どうしてこの人はこんなにも優しいだろう…。 頬が赤くなり、心臓の鼓動が高鳴るのを朱乃は実感した。

 

 

朱乃「我夢君…」

 

我夢「?……っ!?」

 

 

朱乃に呼ばれ、振り向いた瞬間、我夢の頬に柔らかい感触が伝わる。それは朱乃の唇によるものだった。

我夢が顔を赤くして動揺する中、朱乃は照れくさそうに笑い

 

 

朱乃「うふふ…♪」

 

我夢「は、はは……」

 

 

そんな彼女に我夢はまともに返せ、照れながら笑い返すしかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ベキッ…!

 

 

小猫「……ムカッ」

 

 

丁度同じ頃、起きたばかりの小猫が苛立ちながら鉛筆をへし折っていたことは誰も知らない。

 

 

 

 

 

 

 




次回予告

うだるような暑さ…。
油田山の山肌に現れた奇怪な文字の正体は!?
その時、ジャグラーがガイアに挑む!

次回、「ハイスクールG×A」!
「激ファイト!ガイア VS(ブイエス) ジャグラー!」
手に汗握る戦いを見逃すな!




今回のバラキエルと朱乃さんのコンビネーション攻撃はコスモスとジャスティスの合体技『クロスパーフェクション』を意識して書いてみました。

さて、次回は皆さん大好きなジャグラーさんが大暴れします。
今後、ご期待下さい!

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