ハイスクールG×A   作:まゆはちブラック

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第九章 修学旅行はパンデモニウム
第51話「最強の男」


ある晩、青年は夢を見た。

混沌から生まれし闇は自ら生み出した怪獣を送り出し、地上を、空を、海を支配せんとしていた地球の記憶を…。

 

怪獣達が建物や人を無慈悲に踏み歩き、破壊していく。

恐怖に染まった人々の悲鳴を音楽に怪獣は愉快に壊し尽くす。

炎に包まれ、破壊尽くされようとする文明。人々が嘆き悲しむ…。目を背けたくなる様な地獄絵図になる中、突如、光が降臨した。

 

光の巨人―――ウルトラマンだ。

その登場に人々は一斉に歓喜に包まれた。

 

 

『ハッ!』

 

 

巨人達は力を合わせ怪獣を蹴散らすと、その背後に潜む闇をも照らした。

地球は救われたのだ…。

 

その光景を青年が呆気にとられながら眺めていると、古風のロ-ブを身に纏った銀髪の女性───ユザレが現れた。 

 

―――君は?

 

 

ユザレ「私は地球星警備団団長ユザレ。遥か3000万年前の地球に存在していた超古代人の1人です。――――、あなたは超古代の光を受け継ぐ我が末裔なのです」

 

 

―――僕が…?

 

 

ユザレ「…そうです。あなたは光の巨人―――ウルトラマンとなる資格があるのです」

 

 

―――嘘だろ?僕が、ウルトラマン…?

 

 

ユザレ「これは真実です。――――よ、ウルトラマンとなり、闇を照らすのです」

 

 

―――違う!僕はそんなんじゃない――!!

 

 

ユザレ「しかし、貴方は光を継ぐもの。それに変わりはありません」

 

 

―――僕は、僕は―――――!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

修学旅行が間近になった頃、我夢達オカルト研究部の面々はグレモリー家に呼ばれ、リアスの両親が催したお茶会に参加していた。

というのもリアスの眷属が全て揃ったので、近況報告を兼ねて改めて紹介することになったからである。

 

 

ロスヴァイセ「将来的にはグレモリー領に北欧魔術の学舎を設立したり、悪魔の女性からヴァルキリーを輩出したりと新しい事業に挑戦してみたいと思っております」

 

ジオティクス「ハハハ、ロスヴァイセさんは良い夢をお持ちだ。グレモリー家の当主としては期待が膨らむばかりだ」

 

 

ロスヴァイセが語る未来像を聞いたリアスの父・ジオティクスは朗らかに笑う。

娘の眷属が揃っただけでなく、各自それぞれに理想があることに大満足の様子だ。

 

すると、紅茶を口にしていたヴェネラテはカップを置くのを皮切りに新しい話題を振る。

 

 

ヴェネラテ「そういえば、一誠さん達2年生の皆さんは修学旅行間近でしたわね。日本の京都だったかしら?」

 

一誠「は、はい。もうすぐ行く予定です」

 

 

ヴェネラテの疑問に一誠は畏まった口調で答える。

一誠は夏休みの間、ヴェネラテにマナーや社交ダンスのスパルタ教育を嫌という程されている。

少しでも粗相があれば厳しく指導される恐ろしさは身に染みているので、気を緩められない。

 

 

ヴェネラテ「去年、リアスがお土産が買ってきてくれた京野菜のお漬け物……とても美味しかったわね」

 

一誠「俺……いや、よろしければ私が購入してきますよ?」

 

 

ヴェネラテがぼそりと漏らしたその言葉に一誠は気をきかせて提案する。

すると、ヴェネラテは恥ずかしそうに頬を赤らめ、口元を手で隠し

 

 

ヴェネラテ「あら、そういうつもりで言ったのではないのだけど……。気を遣わせてごめんなさいね」

 

一誠「…っ、い、いえ!?別に大丈夫です!はい!」

 

 

と謝罪する彼女の反応に思わず少し可愛いと思ってしまった一誠は照れ笑いをする。

 

 

リアス「…」

 

 

そんな一誠の様子を横に座るリアスがジト目で見ていたのは余談である。

 

その後も他愛のない会話を交え、優雅なお茶会は幕を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サイラオーグ「おお。お邪魔しているぞ、リアス」

 

リアス「あら?サイラオーグじゃない」

 

 

お茶会を終えた我夢達は帰り用の転移魔法陣がある部屋までの通路を歩いている道中、サイラオーグに鉢合わせる。

鍛えぬかれた肉体からは闘気が溢れ、力強い紫色の双眸は自信に満ち溢れている。

 

 

リアス「元気そうね。今日、ここに来たのは……」

 

サイラオーグ「ああ。バアル領で取れた果物のお裾分けにな」

 

リアス「あら、別に気を遣わなくてもいいのに。従兄弟なのだから、気軽に言ってくれれば私が行くのに」

 

 

リアスとサイラオーグは穏やかな空気で他愛のない会話をしていると、サイラオーグは真剣な顔に切り替わる。

 

 

サイラオーグ「今度のレーティングゲームのこと、聞いたな?」

 

リアス「ええ。あなたと当たるのでしょう?まさか、従兄弟と戦う日がくるとは思いもしなかったわ」

 

 

そう、つい最近決まったことなのだが、リアス率いるグレモリー眷属の次なる対戦カードは目の前にいるサイラオーグが率いるバアル眷属なのだ。

若手悪魔のレーティングゲームではぶっちぎり1位のスコアであり、特に苦戦したこともないので、悪魔界隈からは『若手最強』と謳われている。

そんな男が相手なのだ。

 

リアスは厳しい目付きでサイラオーグを見据えると、ある話題を問う。

 

 

リアス「先日、送られてきたゲームのルール変更についての志願書を見たわ。あれは何?『フィールドのルールを用いたルールを除き、バトルに関する複雑なルールを全て除外して欲しい』と……。サイラオーグ、それはつまり、こちらの不確定要素も全て受けていれると受け取っていいのかしら?」

 

 

リアスの真剣な問いにサイラオーグはフッと不敵な笑みを浮かべ

 

 

サイラオーグ「ああ、その通りだ。ルールに縛られて全力を出しきれない相手を倒しても意味はない。全てを受け入れた上で全力で迎え撃つ……そうでなければ、大王家の次期当主を名乗れるはずがないからな」

 

『っ!』

 

 

サイラオーグの堂々とした宣言に皆は息を呑む。

バトルに関する全ての制約を取っ払う───つまり、サイラオーグ側も有利になる反面、不利になるということだ。

明白なデメリットがあるにも関わらず全てを受け入れるこの自信───並ならぬ実力と自信を備えていることだ。

 

皆が唖然とする中、サイラオーグは我夢と一誠をチラリと見てからリアスへ視線を戻すと、ある提案をする。

 

 

サイラオーグ「リアス。従兄弟のよしみで提案がある。ガイアとダイナ……双方どちらかと拳を交えたいのだが」

 

『!?』

 

 

唐突の腕試しに一同は驚く。特に我夢と一誠は何で自分達なんだと訳がわからない顔を浮かべている。

リアスが怪訝そうな目を送っていると、サイラオーグは

 

 

サイラオーグ「何。ほんの興味本意だ。以前よりも随分と腕が上がっている様だからな…。軽い腕試しと思えばいい。どうだ?」

 

 

と簡潔に説明する。

実際に戦って、攻撃パターンや癖を読まれ、対策を組まれるデメリットがあるのは相手にとっても同じだ。

むしろ互いの実力を知るメリットの方が大きい。

それに卑怯なことを企むような男でないのは付き合いが長いリアスには充分知っている。

 

少し考えたリアスは最適な答えを導き出すと

 

 

リアス「わかったわ。断る理由がないものね。2人共、どっちが来てもやれるわね?」

 

「「はい!」」

 

 

そう訊くリアスに我夢と一誠は元気よく答える。

そうと決まった一同はグレモリー城の地下にあるトレーニングルームへ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

地下のトレーニングルームに着いた一同は中央のリングに一誠とサイラオーグを残し、端の方へ待機していた。

どちらが戦うのかという話になった際、一誠は自ら志願した。

というのも、1人の戦士としてサイラオーグと真っ向と戦ってみたいと思ったからである。

 

 

一誠「それじゃ、行きますよ!」

 

サイラオーグ「ああ、遠慮せずこい!」

 

 

戦う確認を取った一誠はリーフラッシャーを斜め上に掲げる。展開したクリスタル部分から溢れ出す光に包まれ、一誠は等身大のウルトラマンダイナに変身した。

 

 

ダイナ「グアッ!」

 

 

身構えたダイナはその場から駆け出す。それに合わせてサイラオーグは上着を脱いでグレーのアンダーウェア姿になると、その場から駆け出す。

 

 

ダイナ「デェアッ!」

 

サイラオーグ「タアッ!!」

 

 

助走をつけた両者の拳がぶつかり合い、ガァンと鈍い衝突音が辺りに鳴り響く。

 

 

ダイナ「ハッ!」

 

サイラオーグ「フンッ!」

 

 

ダイナはすぐさま反対の拳を繰り出すが、サイラオーグは体を反らして避けつつ、右足の膝蹴りをくらわせる。

 

 

ダイナ「グアッ!?」

 

サイラオーグ「フンッ!」

 

ダイナ「ッ!」

 

 

苦悶の声を漏らして体制を崩したダイナ。

サイラオーグは追い討ちに頭上に上げた両拳を勢いよく振り下ろすが、危険を察知したダイナは横転して回避する。

行方のなくなったサイラオーグの拳はそのままリングの床を叩き割る。

 

 

ダイナ「デュッ!」

 

ガァンッ!

 

サイラオーグ「ぐっ!?」

 

 

体制を立て直したダイナはウサギの様に前方へ跳躍すると、頭突きを炸裂させる。もろに顎にくらったサイラオーグは怯むが

 

 

サイラオーグ「お返しだっ!!」

 

ガァンッ!

 

ダイナ「グワァァ!!」

 

 

後ずさる足を踏みしめると、ダイナの顔面へ頭突きをくらわせる。

 

怯むダイナだがすぐに立て直し、サイラオーグと一歩も退かない攻防を繰り広げる。

 

 

我夢「す、すごい…!全くの互角だ!」

 

 

その戦いの様子を端から観戦していた我夢は驚きの声を漏らしていた。他の皆も同じ反応を見せていた。

 

普通、ウルトラマンはドラゴンを越える素養を秘めており、一部の悪魔を除けば渡り合う実力者は数える程しかいない。

だが、ダイナと互角───しかも最も得意とする格闘戦で渡り合うサイラオーグも並ならぬ実力者だと感嘆していた。

流石、若手悪魔最強というべきか。

 

そうこうしているうちに長く激しい応酬を繰り広げた両者は後退ると、助走をつけ、相手の胸部に拳を打ち込んだ。

 

 

ダイナ「グアッ!!」

 

サイラーグ「ぐほっ!?」

 

 

胸元に伝わる衝撃に苦悶の声をあげながら大きく後ろへ後退る。

両者共に体勢を僅かに崩し、肩で軽く息をする中、ダイナは自然と声が出る。

 

 

ダイナ「あんた、やるな…!純粋に鍛えた賜物って訳か!」

 

サイラオーグ「うむ。ただ、己の身体1つを信じてきただけだ…」

 

 

思わずタメ口で話す一誠を咎めず、サイラオーグは不敵な笑みを浮かべながら答える。

サイラオーグは名門バアル家譲りの滅びの魔力を持って生まれておらず、それが原因で悲惨な過去を歩んできた。

残された肉体を鍛えに鍛え、逆境を乗り越えた男の実力は生半可なものではない……ダイナはそう実感した。

 

しかし、相手が手強い程勝ちたいものだ。軽い腕試しであるにしてもだ。

だが、サイラオーグとダイナの肉弾戦においての実力は互角である。このまま戦っても勝負が拮抗し、ジリ貧だ。

けれど、ダイナはぶつかり合う中、この状況を打破するきっかけを掴んでいた。

 

 

ダイナ「ハァァァ~~~…!グアッ!!」

 

 

ダイナは両腕を胸の前でクロスさせると、額のダイナクリスタルが青く輝くと、ミラクルタイプにタイプチェンジする。

 

 

サイラオーグ「ほう…」

 

ダイナ「ハッ!」

 

 

タイプチェンジを直に見たサイラオーグは感嘆の声を漏らす中、ダイナは残像が出来る程のスピードで走り出すと、円を作って取り囲む。

ダイナはフラッシュタイプの比ではスピードには流石のサイラオーグも対応できないであろうと踏んだのだ。

 

 

ダイナ「ダァァァーーーーーッ!!」

 

 

好機と見たダイナは飛び出すと、サイラオーグの背中目掛けて右足のジャンプキックを放つ。

だが、

 

 

ダイナ「!?」

 

サイラオーグ「イヤアァァッ!!」

 

 

軽く体を横へ反らしたサイラオーグに避けられる。

まるで初めから来るタイミングがわかってたかの様に軽くだ。

ダイナは驚きの声を漏らしそうにサイラオーグはその場で横回転で軽く跳躍すると、回転をつけた回し蹴りを左肩へ炸裂させる。

 

 

ダイナ「グワァァーーーーーーーッ!!」

 

ドォォォォンッ!!

 

 

まともにくらったダイナは衝撃を殺しきれず、壁へ激突する。

ガラガラと崩壊音を立てながら体に落ちる瓦礫を振り払いながらダイナは立ち上がるが、「何故、攻撃するタイミングがわかったのか?」と困惑していた。

それを見かねたサイラオーグは

 

 

 

サイラオーグ「目には見えぬ真実を見極める心の目───心眼を使ったのだ。心を無にし、気配を探れば、目に追えぬスピードで撹乱しようとも相手の動きは読める…」

 

 

それを聞いたダイナは「マジかよ…」と内心ぼやく。

ミラクルタイプのスピードはガイア、アグルを上回っていることは自負している。速すぎて相手が対処できず、今までまともに攻撃をくらったことはなかった。

しかし、サイラオーグは今まで戦った相手とは違った。

一撃とはいえ、こうも簡単に攻略する彼の底知れない自信と実力を前に、ダイナは尊敬と恐ろしさを味わった。

 

 

ダイナ「ン"ン"ン"ン"ン"ン"ン"~~……!ハッ!!」

 

 

実力を過信していた自分への反省を胸にダイナは再び胸元の前で両腕をクロスさせると、額のダイナクリスタルが白く輝き、フラッシュタイプへ戻る。

 

 

サイラオーグ「ここまでにしようか」

 

ダイナ「?」

 

 

さあ、第2ラウンド開始だと意気込んでいる矢先、サイラオーグは手を前に出して待ったをかける。

これからが勝負となりそうな時に切り上げる彼の提案に当然、ダイナは納得できず、首を傾げる。

 

 

ダイナ「まだ、ここからが本当の戦いなのに…」

 

サイラオーグ「いい意気込みだ。だが、これ以上はお互いにとってベストではない。歯止めが効かなくなり、本戦を前に響く可能性がある。そうだろう?」

 

ダイナ「…」

 

 

説得力がある言葉にダイナは納得すると、変身解除した。

サイラオーグは床に落とした上着を羽織ると、リングの端にいるリアス達と一誠を交互に見て

 

 

サイラオーグ「この続きは本戦にとっておこう。待つのもまた娯楽というものだ。…また会おう、グレモリー眷属。そして、ウルトラマンダイナ……いや、兵藤 一誠」

 

 

そう言い残すと、サイラオーグは去っていった。

しばらく呆然としていた一誠は

 

 

一誠「こりゃあ、手強いぜ…」

 

 

と冷や汗をかきながら呟く。

これまで幾多もの相手と戦ってきたが、サイラオーグは一筋縄ではいかない強敵と認識した一誠はプレッシャーを感じつつも、密かに闘志を燃えすのだった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、人間界のモンゴル平原では大異変が起きていた。

 

 

ゴゴゴゴゴゴ……

 

 

突如、けたたましい音と共に地響きが発生した。

時間と共に強くなった揺れは地を裂くと、深い地中から目覚めた怪獣が現れた。

 

 

「ゴォガゴォガ!」

 

 

堅牢な鎧を纏った様な外皮を持つ怪獣は産声かの如く雄叫びをあげる。

更に

 

 

「ピィィィーーーーーッ!!」

 

 

同時刻、イースター島でも地中から怪獣が目覚めた。

鳥の様な怪獣は翼を広げ、甲高い声を島内に鳴り響かせる。

 

2体の怪獣の復活。

この大異変の兆しは着実に始まろうとしていた……。

 

 

 

 




次回予告
※(イメージBGM:ウルトラマンティガ次回予告BGM[初期])

大悟「久しぶり!」


修学旅行で京都に訪れた我夢達。幼馴染み、大悟との再会に喜ぶが…


九重「かかるのじゃ!」


そこで出会った妖狐の少女、九重は母の救出を願う!

次回、「ハイスクールG×A」
「いざ京都!」
お楽しみに!








京都の和の雰囲気とティガのBGMって合うよね~

D×Dのキャラにパワーアップアイテムを授ける?

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