超古代竜 メルバ 登場!
ガイア「やはり、巨人像も……!」
曹操が明かした巨人像の破壊───。それを知ったガイアは鋭く見据えながら呟く。
拐われた八坂がティガのピラミッドの場所を知っている情報を得た時から巨人像も狙いではないかと睨んでいたが、案の定その通りであった。
曹操はクルリと聖槍を回して首に乗せると、言葉を返す。
曹操「ああ。グレートレッドを召喚させるついでにスポンサーから、『古の巨人の復活を阻止しろ』っていうご命令が下されたんだよ。ジーク達をパワーアップさせる『怪獣メダル』の前報酬付きでね」
怪獣メダル────それが如何なるものかはわからないが、それが木場達を圧倒した理由であることがガイアとダイナにはわかった。
曹操は「そこで…」と付け加えると話を続ける。
曹操「拐った九尾の御大将に催眠術をかけて持ちうる情報を吐かせたんだ。だが、暗示をかけているのか肝心なピラミッドの在処は中々吐かなかった。そこでその手の専門家に頼んだところ、この
「「…ッ!?」」
曹操の口から放たれた事実にガイアとダイナは衝撃が走る。
野望を阻止する為に戦っているこの二条城に隠されていることは思いもよらなかった。
しかし、これでわかったことがある。
二条城をわざわざ擬似空間ではなく、現実の空間にしたのはそのピラミッドを探し当てる為だと……。
曹操は肩に乗せた聖槍の石突きを地に着けると、更に話し続ける。
曹操「在処は絞り出せたものの、ピラミッドの詳しい場所まではわからない。俺達は3000万年前の人間じゃないんでね。そこで
「「?」」
意味深な言葉に疑問を浮かべる2人をよそに曹操は石突きでトンッと地面を叩く。
その瞬間、少し離れたところに巨大な魔法陣が現れ、中から現れたのは───
ゴルザ「ゴォガゴォガ!」
メルバ「パァァーーーーーッ!!」
堅牢な鎧を纏ったような怪獣と鳥とも竜にも似た翼を持つ怪獣だった。姿が違えど、2匹とも体表は岩石状となっている。
これこそ、ユザレの預言していた大地を揺るがす怪獣『ゴルザ』と空を切り裂く怪獣『メルバ』である。
ガイア「あの怪獣は…!」
曹操「ゴルザとメルバ……闇の尖兵の生き残りである超古代怪獣さ。元々は地中で眠ってたんだが、スポンサーが目覚めさせたのを、俺達の言うことが聞くように洗脳したんだ。まあ、時間は大分かかったが」
ダイナ「そいつらを使ってどうするつもりなんだよ?」
曹操「ティガのピラミッドを探し当ててもらう。彼らは古の巨人の気配を本能的に覚えている。自分達の同族を倒したから尚更そうさ」
そう答えた曹操は顎をクイッと動かし、2人に見るように促す。
2人は振り向くと、キョロキョロと辺りを見渡しながら二条城を探索していたゴルザとメルバはある地点を見据えると、ピタリと足を止めた。
ゴルザ「ゴォ…!」
ビィィィィ──────!!
ゴルザは身体中のエネルギーを額に集めると、虚空に向かって頭部から紫色の光線を放つ。
すると、何もなかった場所に光輝く黄金のピラミッドが現れた。
ガイア「あれが…!」
ダイナ「ティガのピラミッド!」
ピラミッドが現れた光景にガイアとダイナは驚きの声をもらす。
何処にあるのかもわからず、遠くにあるものと思っていたものがすぐ近くにあったのだから。
ビィィィィ──────!!
ゴルザはピラミッドの外壁に光線を放ち続ける。
光線の威力を前に役目を果たせぬまま、外壁は徐々に粒子となって飛んでいき、中に眠る巨人像が露になっていく…。
大悟「!?」
九重「な、何事じゃ!?」
同時刻、ピラミッド内にいた九重と大悟もピラミッドに異変が起きていることを感じていた。
大悟はふと見上げると、天井が消え去っており、夜空が見え、ピラミッド自体が溶けるように無くなろうとしているのに気付いた。
大悟「九重!ここにいたら危険だ!さあ!」
九重「う、うむ…!」
せっかく見つけた巨人像に名残惜しそうにする九重だが、命には変えられないので差し出す大悟の手を取ると、2人は外を目指して走り出す。
そして、それから少し経つと、美しくそびえていたティガのピラミッドは跡形もなく消え去った。
ピラミッドのあった場所には露になった3体の巨人像が静かに佇んでいた。
ゴルザ「ゴォガゴォガ!」
メルバ「パァァーーーーーッ!!」
巨人像を目にしたゴルザとメルバは歓喜に満ちた雄叫びをあげる。
洗脳されていながらも本能的に自分達を苦しめた光の巨人に言葉では表しきれない恨みがあるのだろう。
その光景に曹操は口角をあげながら呟く。
曹操「確実に探し出すとはいえ、因縁のある相手にさせるとはスポンサー様も随分意地が悪いな…」
ダイナ「スポンサー、スポンサーって……さっきからお前の言うスポンサーって誰だよ?」
曹操「君も知っている筈だよ。もう大体、察しがついているんじゃないのかな?」
問いかけるダイナに「もうわかるだろう?」と言わんばかりの顔で返答する曹操。
曹操の反応にダイナ、ガイアも頭に浮かんでいた解答候補が濃くなるのを実感すると、代表してガイアは静かにその名を告げる。
ガイア「……『根源的破滅招来体』」
曹操「その通り!大正解だよ!」
ガイアの解答に曹操はにんまりと笑みを浮かべ、パチパチを送る。
『
予想した答えだが、実際に言われるとまた違う衝撃がある。
ダイナ「はっ…!ぶっ飛ばす奴らが1つになってごちゃごちゃしなくて済むぜ。そうとなりゃ、尚更邪魔しねぇとな!」
ガイア「ああ!巨人像は破壊させない!」
そう言い放ったダイナとガイアは、巨人像に歩み寄るゴルザとメルバに向かって走り出すが…
ヘラクレス「おおっと!」
ガイア「グァッ!?」
ダイナ「グワッ!?」
ヘラクレスが放った虹色の磁力光線に捕まってしまう。
足に力を込めて踏ん張るガイアとダイナだが、磁力の吸引力には敵わず、元いた場所に戻される。
ヘラクレス「おいおい、俺達と遊ばずにどこに行こってんだァ?」
ジャンヌ「もし、この先へ行きたいのなら♪」
ジークフリート「僕達を倒してみるんだね」
ヘラクレス、ジャンヌ、ジークフリートは交代交代に話すと、2人の前に立ちはだかる。
ガイア「…デュアッ!」
ダイナ「ハッ!」
どうやっても戦いを避けられない悟った2人は臨戦態勢を取ると、ジャンヌ達へ向かって駆け出した。
ガイア達がジャンヌ達に行く手を阻まれる中、ゴルザとメルバは今まさに巨人像の破壊に取りかかろうとしていた。
ゴルザ「ゴォガゴォガ!」
ガァンッ!
ゴルザは力強く巨人像の胸元をひっぱたき、その場でクルリと回って尻尾で脚部を攻撃。
勢いついた尻尾の威力に脚部は呆気なく砕け、姿勢を保てなくなった巨人像はそのまま地面に崩れ落ち、半壊する。
ガァンッ!
メルバ「パァァーーーーーッ!!」
メルバも後頭部から嘴で突き刺して頭を吹っ飛ばすと、翼を広げて上昇すると、前へ飛びながら足で巨人像を蹴り倒す。
ゴルザ「ゴォガ!ゴォガ!」
メルバ「パァァーーーーーッ!!」
ゴガァンッ!ガァンッ!
ゴルザと地上へ降り立ったメルバは念入り半壊した巨人像へ追い討ちをかける。
ゴルザは足で踏みつけ、メルバは嘴で突き刺す。
情け容赦ない破壊攻撃に2体の巨人像はあっという間に粉微塵になった。
ゴルザは残った1体の巨人像の肩をガシッと掴んで揺さぶり、地面へ叩きつける。
九尾の一族が長年護り続けた巨人像のうち、最後の1体をゴルザとメルバは破壊しようとしていた。
九重「母上だけでなく、巨人像も……!許さぬっ!」
自分の母親が護り続けた巨人像を破壊される光景を前に九重は怒りを堪えきれず、ゴルザとメルバのもとへ駆け出す。
大悟「っ!?九重、無理だ!よせっ!」
あまりもの無謀な行動に大悟は慌てて引き返すよう呼び止めるが、九重は足を止めない。
近付いた九重はゴルザ、メルバをキッと睨み付けると両手を前へ突き出す。
九重「くらえっ!」
ボォッ!
そう叫んだ九重は掌から無数もの小さな火球を放った。
無数もの小さな火球はゴルザ、メルバに直撃し、破壊活動の手を止めさせたが…
ゴルザ「……」
メルバ「……」
やはり無謀であろうか。
幼い九尾の狐火程度ではゴルザ、メルバには全く通用せず、破壊活動を邪魔した九重を視界に捉える。
九重「あ……」
ゴルザとメルバの冷たく獰猛な目に威圧された九重は顔を真っ青にして腰を抜かした。
───自分なら何とかなる。
しかし、現実は残酷。どうにもならない。
絶望のあまり、肩をカタカタと震わせ、涙すら込み上げそうになった。
メルバ「パァァーーーーーッ!!」
恐怖ですくみ、動けなくなった九重に向けて、メルバは目から破壊光線を放とうとしていた。
ガイア「九重!?」
ダイナ「おいっ!逃げろっ!」
ガイアとダイナは外にいた筈の九重がここにいることに疑問を抱くが、メルバが攻撃しようと察し、逃げるように促す。
だが、九重はそれすらも耳に入れる余裕がなく、腰を抜かしたままだった。
ジークフリート「余所見は禁物だよ」
ガイア「ッ、グァッ!」
助けに行こうとするガイアだが、邪魔せんと振り下ろしたジークフリートの剣をバックステップで避ける。
本当なら今すぐにでも助けに入りたいが、今戦っているジャンヌ達に妨害されてしまう。
ダイナも同じ理由だ。
しかも、彼らは怪獣メダルの力で強化されており、一瞬の油断すらも許されない。
メルバ「パァァーーーーーッ!!」
九重「っ!」
そうこうしている間にもメルバは目からオレンジ色の破壊光線を放つ。
九重は直気を取り戻すがもう遅く、光線は目前に迫っていた。
万事休すかと思われたその時、
大悟「危ないっ!」
九重「わっ!」
駆けつけた大悟が九重を押し飛ばす。
勢いよく横へ吹っ飛んだ九重は地面に体を打ち付けるも、光線の軌道から外れた。
ドォォォーーーーーンッッ!!
だが、その代わりに大悟が光線の着弾地点に入ってしまった。
当然、避けられる筈もなく、大悟は大爆発に巻き込まれた。
九重「大悟!?大悟ぉぉーーーーーッ!!」
ガイア「グァッ!?」
ダイナ「フッ!?」
アーシア「!?」
目の前で起きたショッキングな光景に九重は叫ぶ。
その悲鳴にも似た叫びを耳にしたガイア、ダイナ、アーシアはそちらへ顔を向け、唖然とする。
九重「大悟…!私のせいじゃ…!私のせいで…!」
「「「……」」」
膝をついた九重は土を握り締め、涙声で自身を責める。
土を握り締める拳には流れ落ちた涙がポタポタと積もる。
嘆き悲しむ九重の姿にガイア、ダイナ、アーシアは悼まれない気持ちに包まれる。
だが、この時誰も知らなかった。
大悟が爆発したところから飛び出した1つの光が倒された巨人像へ溶け込むように一体化したことを。
巨人像の額にある菱形の器官は人知れず淡い白い光で輝いている。
ゴルザ「ゴォ…」
邪魔者が消えたことを確認したゴルザは唸り声をあげながら最後の1体に近付くと、大きく足を上げる。
巨人像の頭部を簡単に覆う厚さを持った足で踏み潰そうとするが
ガッ…!
ゴルザ「?」
その寸前、何かにぶつかって足が阻まれる。
疑問に思ったゴルザは首を傾げてチラッと足下を見ると、巨人像がひとりでに両腕でクロスさせて足を防いでいた。
どういうことだと思った矢先、
「チャァッ!!」
ゴルザ「ゴォガァァ!?」
巨人像に生気が宿ったかの如く鮮やかな色が入ったかと思うと、立ち上がり様に腕を振り上げて立ち上がる。
足をはね除けられたゴルザは驚愕の声をもらしながらスッテンコロリと倒れた。
右腕を天高く、曲げた左腕を顔の横へ上げた巨人は平手にした右手を前、握り拳にした左手を胸元近くに構えたファイティングポーズを取る。
『!?』
九重「あれは…!?」
曹操「巨人だとっ!?」
石像から突如として生物として蘇った巨人の姿に思わず目を奪われる一同。
曹操もこの予期せぬ事態に先程の余裕から一変して、口をあんぐりと開ける。
赤、青紫、白の体色。
胸元には翼のような意匠のプロテクター。
闇夜の中で光る乳白色の瞳と胸部で青く輝く『カラータイマー』。
そして、その顔立ちは神仏の如く神秘さと菩薩のような優しさを持っていた。
木場「…くっ」
イリナ「……う、うぅん…」
アーシア「っ、皆さん!」
皆が巨人の復活に気をとられていると、気絶していた木場、イリナ、ゼノヴィア、ロスヴァイセが目覚め始める。
アーシアがほっと安堵の笑みを浮かべる中、木場達は安定しない頭を抑えていると、見慣れない巨人が2体の怪獣と相対している光景に目をとられた。
ロスヴァイセ「これは一体……」
アーシア「巨人ですっ!巨人が甦りましたっ!」
ゼノヴィア「だが、どうやって?」
口をポカーンと開けるロスヴァイセに現状を伝えるアーシア。
しかし、一同はゼノヴィアの呟きを筆頭にどうして巨人が蘇ったのかわからない様子だ。
爆発に巻き込まれる危機一髪の瞬間、大悟は光となって巨人の体内に溢れた。
大悟の生命を得ることで、巨人は永き眠りから目覚めたのである…!
メルバ「パァァーーーーーッ!!」
ゴルザ「ゴォガゴォガ!」
古の巨人を睨み付けながら威嚇するゴルザとメルバ。
最初はゴルザが相手をするのか先陣をきって前へ出ると、メルバは走って離れる。
古の巨人「……」
対する古の巨人は乳白色の瞳で静かに見据え、状況を見極めると、ゴルザに向かって駆け出す。
近付いた巨人は前へ軽く跳躍すると、助走を加えたジャンプチョップをゴルザの脳天に炸裂させる。
ゴルザ「ゴォガゴォガ!?」
怯むゴルザに休む間も与えず、古の巨人は流れるような動きで胸元へチョップを叩き込む。
そして、そのまま頭を掴んで引き寄せると、膝蹴りを2発食らわせ、首に腕を回してロックする。
メルバ「パァァーーーーーッ!!」
古の巨人「ッ!」
メルバ「ピィピィ~~~!?」
ゴルザのピンチにメルバは加勢しようと駆けつけるが、古の巨人に蹴っ飛ばされ、呆気なく地面へ倒される。
ゴルザ「ゴォガゴォガ!」
ジジジジ……!
その隙に脱出したゴルザはピラミッドの外壁を破壊したのと同じ紫色の破壊光線を額から放とうとしていた。
古の巨人「ッ!」
それを許さない古の巨人はゴルザの口元と額をガシッと掴んで中断させる。
ゴルザも負けじと頭を掴む古の巨人の手を振りほどいて両手首を掴んで、力比べを始める。
メルバ「パァァーーーーーッ!!」
その間に翼を広げたメルバは飛び立って降下すると、ゴルザに気をとられる古の巨人の背中へ体当たりを食らわせる。
古の巨人「グアァァッ!?」
背中からきた衝撃に体制を崩した古の巨人は驚愕の声をあげながら、前方へ吹っ飛ばされる。
受け身を取って最小限にしても伝わるダメージに頭を振って堪えると、直ぐ様身構える。
ビィィィィ──────!!
ゴルザは追い討ちに先程中断された額の紫色の光線を発射する。
古の巨人は立ち上がると、次々放たれる光線を側転で回避する。
光線が当たった地面からは次々と爆発が巻き起こり、闇夜を照らす。
メルバ「パァァーーーーーッ!!」
古の巨人「ッ!」
メルバは古の巨人が側転を終えたところを狙って接近し、両腕の鎌・カッターハンドを振り下ろす。
カッターハンドが危険と察した古の巨人は両腕で食い止めるが、メルバに誘導されるように体勢を入れ替えられ、ゴルザに背中を向ける形に変わる。
ゴルザ「ゴォガァァ!」
無防備となった古の巨人の背中にゴルザの額から放つ紫色の破壊光線が直撃する。
古の巨人「グアァァッ!!」
光線を背中に受けた古の巨人は苦しげな声をあげて膝をつく。
メルバ「パァァーーーーーッ!!」
古の巨人「グッ…!」
怯んだところでメルバの右フックが炸裂し、古の巨人は土埃を巻き上げながら地面に叩きつけられる。
メルバ「パァァーーーーーッ!!」
ゴルザ「ゴォガゴォガ!」
古の巨人「…ッ」
体勢を立て直す古の巨人のもとへジリジリと歩み寄るメルバとゴルザ。
最初こそは善戦していたが、1対2とあって古の巨人は劣勢になりつつあった。
ピキィンッ!
追い込まれる最悪の状況の中、古の巨人の額にある菱形のクリスタルが赤く輝いた。
古の巨人「フ"ゥ"ン"ン"ン"~~~……!ハァッ!!」
古の巨人は額の前で握り拳を作った両腕を交差させて振り下ろす。
その瞬間、古の巨人の体は首から全身へと赤く染め上がった。
ゼノヴィア「色が変わった!?」
ダイナ「アイツも俺みたいに出来んのか!?」
古の巨人のタイプチェンジに驚く一同。
真っ赤に染め上がった古の巨人は色だけでなく、筋骨粒々の逞しい体躯へ変化していた。
これこそ、ダイナのストロングタイプに相当する怪力形態───『パワータイプ』だ。
両手を力強く握り締めたファイティングポーズを取った古の巨人は大地を蹴って走り出す。
ゴルザ「ゴォガァァ!」
そうはさせまいとゴルザは額から紫色の破壊光線を放つが、古の巨人は右手をかざし、オレンジ色に輝く半球型の光の障壁───ウルトラシールドで受け止める。
メルバ「ピィィッ!!」
古の巨人「………ハァッ!」
メルバも目からオレンジ色の破壊光線で加勢に入るが、古の巨人は左腕を右腕に交差させて光の障壁の強度を上げて防ぎきり、両腕を振り払って霧散させる。
ゴルザ「ゴォガゴォガ!」
それならばと自慢のパワーで突貫を仕掛けるゴルザ。
それに合わせて巨人も助走をつけて前へ飛び上がると、フライングタックルを食らわせる。
ゴルザ「ゴォガ!」
パワー負けしたゴルザが怯んだ隙に懐に飛び込んだ古の巨人は素早く背中へ両腕を回すと、手前へ手繰り寄せるように締め上げる。
ガギボギボギ……!
ゴルザ「ゴォガァァ!?」
パワータイプの怪力で締めつけられ、背中から骨が折れたような不吉な音が響く。
背中の骨という骨がへし折られる感触にゴルザは口を大きく開けて苦悶の叫びをあげる。
フラフラとしながら悶えるゴルザから離れた古の巨人はゴルザの首をガシッと掴みつつ、背を向けた体勢で肩へ喉元を乗せると
古の巨人「ヂャァッ!!」
ドォォォォンッッ!!
背負い投げの要領で勢いよく投げ飛ばす。
怪力で体が浮かび上がったゴルザは綺麗な放物線を描きながら、勢いよく地面へ叩きつけられた。
ダイナ「すっげぇぇプレースタイルだ!」
ガイア「僕らも続くぞ!」
ダイナ「おうっ!」
古の巨人の戦いぶりに士気が上がったダイナとガイアは
それぞれタイプチェンジとヴァージョンアップに入る。
ダイナ「ン"ン"ン"ン"ン"ン"ン"~~……!グアァッ!!!」
ガイア「デュアッ!グァァァァ………デヤッ!!!」
両腕を交差させたダイナは額のダイナクリスタルを赤く輝かせ、ガイアは両腕を天高くあげて両手の間に現れた赤と青に輝く光を身に纏って赤い輝きに包まれる。
腕を振り払うと、ダイナはストロングタイプ、ガイアはスプリームヴァージョンへ変身した。
ジャンヌ「あら。ずいぶん逞しくなったじゃない」
ジークフリート「さっきよりと比べようがない迫力だ」
ヘラクレス「ハッハァッ!本気を出しに来たかッ!いいね、いいねェ!」
ガイアとダイナが全力で戦うことを察したジャンヌ達は嬉々に満ちた表情を浮かべる。
自分達が勝てるかもわからない形態になったにも関わらず嬉しそうなのは、同じ組織に属するヴァーリ同様、戦闘狂であることを物語っている。
ジャグラー「俺も混ぜてくれよ」
『?』
両陣営が意気込む最中、そんな声が何処からか聞こえたかと思うと、ガイアとダイナの前に降り立つ異形の影が1つ。
刺々しい体表の胸元には三日月型の古傷が真っ赤に輝き、左手に携えるのは日本刀に似た愛刀『蛇心剣』。
魔人の如き姿をした異形────ジャグラスジャグラーだった。
ガイア「ジャグラー!」
ダイナ「お前、何しに来たんだよ!」
ジャグラー「そう邪険にするなよ。俺もお前らと同じで奴等を倒したい……利害の一致ってやつだ。どうだ?ここは一時休戦して、手を組まねぇか?」
「「ッ!?」」
ジャグラー「相手は3人……俺を加えればこっちも3人。頭数的には問題無いぜ?」
唐突にジャグラーの口から出た共闘の申し出にガイアとダイナは驚く。
確かにジャグラー程の手練れが共闘してくれるのは有難い。
だが、相手はあのジャグラーである。
敵か味方かわからない立ち位置にいる存在だ。裏があることは明白である。
特に半殺しされた経験のあるダイナは信用ならない様子だ。
求められる決断にガイアは
ガイア「わかった。ここは協力してくれないか?」
ダイナ「な!?」
あっさりとジャグラーの共闘にOKサインを出した。
てっきり断るだろうと思っていたダイナは拍子抜けた声を出す。
ジャグラー「ンッフッフッ……話がわかって助かるぜ」
ダイナ「我夢!お前、正気かよ!?こいつは信用出来ねぇ奴だぞ!」
その判断に納得出来ないダイナはガイアに問い詰める。
その疑念に対しガイアは落ち着いた口調で答える。
ガイア「君の言い分はわかる。でも、相手は一筋縄ではいかない……1人でも心強い味方が欲しいところさ。状況が状況。ここはジャグラーの言う通り、一時休戦するべきだよ」
ダイナ「……わかったよ。そこまで言うんなら、仕方ないな」
ガイアの言い分に折れたダイナは観念したように呟く。
話がまとまったことを把握したジャグラーは左手に携える鞘から蛇心剣を抜刀すると、淡々と2人に指示を出す。
ジャグラー「よし。俺はあの姉ちゃんの相手をやるから、ガイアはあの剣士、単細胞はあのデカブツとやれ」
ダイナ「た、単細胞っ!?ていうか、勝手に仕切───」
ジャグラー「行くぞ」
ダイナ「あっ!?お、おい!」
抗議の声をあげようとするダイナをスルーして、そう言ったジャグラーはジャンヌ目掛けて走り出すと、ガイアも続いてジークフリートに向かって走り出す。
ダイナ「あーーー!もう知らねぇぞっ!」
置いてきぼりをくらったダイナは地団駄を踏んでやけくそ気味に叫ぶと、2人の後に続く。
ジャンヌ「さあ、やっちゃって!サンちゃん!」
「ピィィイッッ!!ピィィイッッ!!」
ジャンヌの指示を受けたサンちゃん、もとい聖剣怪獣は口から放つ火球と全身から射出する聖剣の雨でジャグラーを攻撃する。
ジャグラー「シャアッ!!」
カキィンッ!
ジャグラーは次々と向かってくる攻撃を蛇心剣で弾き、時に避けながら蛇心剣から斬撃を飛ばして反撃するが、聖剣怪獣の展開するバリアーによって届かない。
その状況にジャンヌはケラケラと嘲笑する。
ジャンヌ「無理無理!どんな技を使っても、この子のバリアーは突破出来ないわよ。さっき戦った天使ちゃんも傷1つ付けることが出来なかったわ!」
ジャグラー「バリアー?その姿に能力、キングザウルス三世の力を使ったか?」
ジャンヌ「大正解♪ていうか、よく知ってるね。
ジャグラー「まあ、昔ちょっと世話になったからな。ここより遠い遠い場所でな」
首を傾げるジャンヌにそう言葉を返すジャグラー。
ジャグラーは思い出していた。人間でいえば遥か遠い昔、『光ノ魔王獣』と呼ばれる怪獣の復活に利用したことを……。
そんなことがあったなと懐かしむジャグラーだったが、すぐに思考を切り替えるとジャンヌに訊ねる。
ジャグラー「ところで教えてくんねぇか?そのメダルをどこの誰から手に入れたか……」
ジャグラーがここに現れた理由。それは本来、この世界に存在しない怪獣メダルの出処を探る為であった。
ジャグラーが持つメダルはここより前にいた宇宙にて対峙した小悪党から押収したものだが、自分がばら蒔いた訳でも無いのに最近、何故か『
ジャンヌ「フフッ…結構面白い人だから教えてあげたいところだけど、それは無理。ポロリと口にでもすれば、殺されちゃうもの」
ジャグラー「そうか」
当然ながら自分達に不利益な情報を与えないジャンヌ。
ジャグラーも初めからわかっており、短く返事をする。
ジャグラーに興味を持ったジャンヌは今度は自分から問いかける。
ジャンヌ「ねぇ、個人的に思うんだけど、渡したのが誰なのか大体検討ついているんじゃない?
ジャグラー「……さぁな?」
探りを入れるジャンヌの問いにジャグラーはとぼけた口調で返す。
とぼける彼だが、ジャンヌの考える通り、ジャグラーには怪獣メダルを渡したのは誰かが検討ついていた。
後は決定的な証拠を掴むだけだが、これ以上聞いても無駄だと判断したジャグラーは蛇心剣をしまうと、ダークゼットライザーと3枚の怪獣メダルを取り出す。
怪獣メダルを目にしたジャンヌは目の色を変える。
ジャンヌ「っ!あなたも怪獣メダルを…!」
ジャグラー「ああ。お前達とは違うルートで手にいれたもんだがな。さぁて、そろそろ終わりにするか」
そう答えたジャグラーは3枚の怪獣メダルをダークゼットライザーに装填すると、ブレード部分をゆっくりと展開する。
《Alien Baltan.》
《Unitang..》
《X-Savarga.》
初代バルタン星人、ユニタング、
ジャグラー「
そのままトリガーを引くと、奇怪な現象が起こった。
ジャグラーの体から青白い無数の人影が飛び出したかと思うと、一瞬にして分身したジャグラーが聖剣怪獣を囲んだのだ。
『ハッ!』
ジャンヌが驚く間も与えず、大群のジャグラーはダークゼットライザーを前へ突き出すと先端から赤い閃光と共に糸が射出され、ジャンヌと聖剣怪獣を拘束した。
「ピィィイッッ!!ピィィイッッ!!」
ジャンヌ「……!?」
何とか糸を振りほどこうとする聖剣怪獣とジャンヌだが、何故か体が硬直してしまい、身動きがとれない。
ジャンヌに至っては声すらもあげることが出来ない状況だった。
ジャグラーの使ったメダルの1つ、初代バルタン星人にはありとあらゆる生物を硬直させる赤色凍結光線がある。
それによってジャンヌは声すらもあげられず、聖剣怪獣はバリアーで防ぐことが出来なかったのだ。
ジャグラー「シャアッ!!」
その隙に分身を戻したジャグラーは大地を蹴って空高く跳躍。
聖剣怪獣の真上に到達したジャグラーは逆さまになり、ダークゼットライザーを突き出して高速回転し始めると、闇のエネルギーで形成された1本のドリルとなって急降下する。
高速回転するドリルは聖剣怪獣の硬い胴体を簡単に突き破った。
「ピィピ₷₳ィ₵₭₧₧ッッ₰¢₳₲!!」
突き破られた衝撃でおかしくなったのか、聖剣怪獣はバグった機械のような判別不可能な声をひたすらあげていた。
スタッと降り立ったジャグラーは未だ身動きがとれないジャンヌとバグった聖剣怪獣に背を向けた姿勢で歩き始め
ジャグラー「あばよ」
ドォォォォォンッ!!
振り向かず、道中でそう言った瞬間、大爆発がジャンヌと聖剣怪獣を襲う。
身動きがとれない1人と1匹は何も出来ず、あっという間に倒された。
パシッ!
大爆発の中、飛んできた怪獣メダルをジャグラーは掴み取る。
開いた掌にあるキングザウルス三世のメダルは未だ力があることを証明するかのように怪しいオーラを放っていた。
ジャグラー「有り難く貰ってくぜ」
後ろで気絶しているジャンヌにそう言ったジャグラーは他の2人の戦いを見守ることにした。
ジークフリート「はっ!そらっ!」
スプリームヴァージョンとなったガイアはジークフリートと戦いを繰り広げていた。
接近戦に持ち込まれるのは危険と感じたジークフリートはひたすら距離を取って飛ぶ斬撃で攻撃していた。
ガイア「グァァァァ……!デュアァァァーーーーーッ!!」
ドォォンッ!!
ジークフリート「ぐっ、ぐあぁっ!腕が…!」
飛んでくる溶解液と火炎の斬撃を飛び込んで前転したガイアは立ち上がり様にフォトンエッジを放つ。
ガイアの頭部から放たれる赤色の光刃はジークフリートの右肩に命中し、吹き飛ばした。
ジークフリートも流石に苦悶の顔を浮かべた…
ジークフリート「──なぁんてね」
ガイア「ッ!」
のは演技でケロッと余裕のある顔に変わると、直ぐ様腕を再生させた。
何ともないように腕を動かす光景にガイアが驚いていると、ジークフリートは不敵な笑みを返す。
ジークフリート「ただ火炎と溶解液を出すだけが取り柄じゃないんだよ。何度傷つけられようが吹き飛ばされようが無限に再生できる」
ガイア「ッ!グァ…ッ!」
それならばとガイアは左腕を高々と上げ、両足を軸に錐揉み回転をし始める。
ブォンブォン…と激しい風切り音と共に突風が吹き荒れ、土煙が舞い上がる。
ジークフリート「何をする気かわからないが、邪魔させてもらうよ!」
嫌な予感がしたジークフリートは阻止するべく、双剣を持つ両腕に溶解液と火炎のエネルギーを込めようとした瞬間
ボンッ!!
ジークフリート「ぐあぁっ!?」
パワードアボラスとパワードバニラの顔を模した両肩の肩当てが針が刺された風船のように破裂した。
激痛に顔を歪めるジークフリートは先程のように再生を試みるが、何度力を込めても両肩は再生しなかった。
ジークフリート「何故だ!どうして…!?」
ジークフリートが動揺の色を見せていると、回転をやめたガイアが答えを提示する。
ガイア「簡単なことさ。回転することで周りの空間に歪みを与えて、体内の再生器官を破壊したんだ」
ジークフリート「あり得ない…!そんなことが……」
ガイア「これが地球の力なんだ!」
今起きた現象に信じられない様子のジークフリートにガイアは堂々と言い放つ。
理論や仕組みやら不可解な点が多すぎるが、回ればなんとかなるので気にしてはいけない。
ジークフリート「訳がわからないけど、勢いで押される訳にはいかないねっ!」
ジークフリートは双剣を振り下ろし、溶解液と火炎を纏った無数もの斬撃を飛ばす。
ガイア「デュアッ!!」
ガイアは全身を発光させて目にも止まらぬ速さで走りながら掻い潜ると、あっという間にジークフリートの目前に近付いた。
ジークフリート「っ!」
ガシッ!
ガイア「ダァァァァァーーーーーーーッ!!」
斬りかかろうとするジークフリートだが、ガイアに両手首を掴まれると、横へ投げ飛ばされる。
ドォォンッ!
ジークフリート「かはっ!」
地面に叩きつけられた衝撃でジークフリートは苦悶の顔を浮かべる。
口から肺に溜めていた空気が一気に抜けていく感覚を味わい、あまりもの激痛に両手に持っていた剣を離してしまう。
ガイア「デヤッッ!!」
ドォォンッ!!
ジークフリート「があっ!?」
間髪入れずガイアは倒れているジークフリートの足を片手で掴んで高々と持ち上げると、反対側の地面へ叩きつける。
またもや襲ってくる激痛にジークフリートは顔を歪める。
ジークフリート「くっ…!」
このままやられる訳にはいかないと奮起したジークフリートは立ち上がり様に両手をかざし、溶解液と火炎を放つ。
ガイア「ッ!グァッ!トォアッ!!」
ジークフリート「どぐっ!!」
紙一重のところで3連続バク転で回避したガイアは距離を取って助走をつけたドロップキックを浴びせ、ジークフリートを蹴り倒す。
接近したガイアはジークフリートの両脇から手を通して持ち上げ
ガイア「ダァァァァァーーーーッッ!!!」
ドォォンッ!!
ジークフリート「ぐはっ!?」
反り返りながら勢いよく地面へ叩きつける。
背中から叩きつけられたジークフリートは口から血を吐き出した。
ヘラクレス「オラオラァァ~~~」
ダイナ「グワッ!」
突貫を仕掛けようとするダイナだが、ヘラクレスの磁力光線によって動きを封じられる。
ダイナは抵抗しようとするが、体がヘラクレスの方へ引き寄せられていく。
ヘラクレスは頭部に生えているアントラーの大顎をカカカカカ…と小気味悪い音を立てながら広げ、待ち構える。
引き寄せられながら、ダイナは自然にヘラクレスへ背を向ける体勢となる。
ガシッ!
ヘラクレス「アントラー・スープレックスッッ!!」
頭部の大顎で捕らえたヘラクレスは勢いよく反り返る。
このまま後方の地面へ叩きつけようとするが
ダイナ「ハッ!」
ガシッ!
ヘラクレス「ヌオッ!?」
素早く脇から肩甲骨付近に両足を通したダイナによって阻止される。
ヘラクレスは足を離させようと腰を締め付ける大顎の力を強めるが、ダイナは大顎を掴むとギリギリと腕に力を込め
ダイナ「デェアッ!!」
バキィィッ!!
ヘラクレス「グォォッ!?」
豪快に大顎をへし折った。
掴むものが無くなりヘラクレスが動揺する最中、ダイナは大顎を投げ捨てると、前転して離れる。
ダイナ「デュッ!!」
ドォンッ!
ヘラクレス「グブッ!!」
再度ヘラクレスに近付いたダイナは顔面に拳を打ち込む。
まともに受けたヘラクレスの顔面からは火花が飛び散り、地面へスッテンコロリと倒れる。
ダイナはすかさず倒れたヘラクレスにボディープレスをくらわせる。
ヘラクレス「ごふっ!」
ダイナ「ハッ!ハァァァァ………!」
腹部の衝撃に苦悶の顔を浮かべるヘラクレスは口から血を吐き出す。
起き上がったダイナはヘラクレスの両足を掴むと、ハンマー投げのようにブンブンと豪快に回し始める。
ガイア「グァァァァ……!!」
それと同時にガイアもうつ伏せのジークフリートの脇に首を差し込み、両肩で抱え上げる体勢でクルクルと回る。
強烈なスイングにヘラクレス、ジークフリート共に三半規管を狂わされる。
ガイア「デヤッ!!」
ダイナ「ダァァァァァーーーーッ!!」
回転によって勢いをつけたガイアとダイナは2人を投げ飛ばす。
ドォォォォォンッ!!
ジークフリート「かっ!?」
ヘラクレス「ぐほぉっ!?」
宙を飛び、ジークフリートとヘラクレスは土埃を立てながら地面に叩きつけられる。
全身という全身の内臓や骨が悲鳴を上げる感覚に2人は苦悶する。
ダイナ「決めるぜ!」
ガイア「ああ!」
頷きあったダイナとガイアは空高く跳躍した。
同じ高度に飛び上がった2人は片足を突き出したポーズを構える。
ダイナ「ダァァァァァーーーーーーーーーーーッッ!!!」
ガイア「デュアァァァァァーーーーーーーーーーッッ!!!」
ガイアとダイナは落下の勢いとエネルギーを込めたダブルキックを放った。
ジークフリート「うぉあっ!?」
ヘラクレス「グォォッ!?」
ドォォォォォーーーーーンッッ!!
2人のウルトラマンの放った連携キックはジークフリートとヘラクレスの胸元に炸裂。
大きく後方へ吹き飛ばされた2人は苦痛の叫びをあげると、大爆発を起こした。
爆音が鳴り響く大爆発の中から3枚のメダルが飛び出す。
ジャグラー「よっと」
それを見逃さないジャグラーはどさくさに紛れて飛び出たメダルを手に取って回収する。
掌を開くと、回収されたメダルは3枚とも未だ力が宿っていた。
ジャグラー「上出来♪」
それを見たジャグラーは満足そうに微笑んだ。
古の巨人「……」
ゴルザを地面に叩きつけた古の巨人は追い討ちをかけようとすると歩み寄る。
メルバ「ピィィーーーピィィッ!!」
古の巨人「ッ!」
そうはさせんとメルバは突撃を仕掛ける。
古の巨人は咄嗟に回し蹴りを放つが、鈍重な動きのあまり、翼を広げて飛翔したメルバに軽々と避けられる。
メルバは空高々と飛翔していく。
ザッザッ…!
古の巨人「ッ!」
メルバに気をとられていると、近くで地面を掘り返す音が古の巨人の耳に届く。
その方角を振り向くとゴルザが地面を掘り返していた。
古の巨人に敵わないと判断し、逃げ出そうとしているのだ。
当然見逃さない古の巨人はゴルザに駆け寄ろうとするが
ビィィッ!
古の巨人「グァァッ!?」
背中から光線を受けて妨害される。
ゴルザの逃亡を手助けしようとメルバが空を舞いながら攻撃したのだ。
古の巨人「…ッ」
地上にはゴルザ。空にはメルバ。
どちらを優先するか一瞬悩む古の巨人だが、目の前で尻尾以外地中へ潜り込んでいるゴルザを優先すると、尻尾を掴もうと駆け出す。
メルバ「パァァーーーーーッ!!」
またも妨害せんとメルバは目からオレンジ色の破壊光線を放とうとするが
ロスヴァイセ「させませんっ!」
ドォォンッ!!
メルバ「パァァーーーーーッ!?」
その矢先、地上からロスヴァイセとイリナが魔力弾と光の矢で牽制する。
攻撃を受けたメルバは怯み、体から火花を散らす。
突然の支援に古の巨人は驚いたようにロスヴァイセ達を見下ろすと、ロスヴァイセは古の巨人を見上げて話しかける。
ロスヴァイセ「ここは私達が!あなたはゴルザをお願いします!」
古の巨人「…ッ!」
自分が敵か味方かもわからないの関わらず援護を買って出るロスヴァイセ。
彼女だけでなく、その他3人からも同じ眼差しと全幅の信頼に古の巨人は頷くと、改めてゴルザに向かって駆け出す。
掘り進んでいるゴルザの尻尾は既に4分の1が地中へ入っていた。
古の巨人「チャッ!」
ゴルザ「ゴォガ…!?」
完全に逃げ切る寸前、古の巨人はヘッドスライディングで地面を滑ると両手で尻尾を掴んだ。
掴んだまま立ち上がった古の巨人は尻尾を引っ張り、ゴルザを地中から引っ張り出す。
古の巨人「チャアァァァーーーッ!!」
地中から引っ張り出した古の巨人は尻尾を掴んだ腕を振り上げ、一本背負いの要領でゴルザを地面に叩きつけた。
ゴルザ「ゴォガゴォガ!?」
古の巨人「ハッ!ハァァァァァァァ……!!」
キュポンッ!
ゴルザが悶える中、距離を取った古の巨人は斜め下に広げた両手を回して上へあげ、胸の前にかざした両手の間に灼熱の如く赤い光球を形成する。
古の巨人「ハァッ!!!」
光球を右手に持ちかえた古の巨人は力強く真っ直ぐ右腕を伸ばして放つパワータイプの必殺技、『デラシウム光流』を放った。
ゴルザ「ゴォガァァ…!」
ドガガガガガガァァァァァンッッ!!
赤色のエネルギーの波はヨロヨロと立ち上がるゴルザに直撃し、たちまち爆発四散した。
木場「やった!」
ゼノヴィア「後はメルバだけだ!」
ゴルザを倒した一部始終を見た木場は微笑む。
ゼノヴィアの言う通り、残すはメルバだ。
メルバ「パァァーーーーーッ!」
イリナ「あっ!」
戦えるのが自分だけ……形勢不利と判断したメルバは対峙していたロスヴァイセ達への攻撃をやめ、更に高い上空へ逃げようとする。
ピキィンッ!
古の巨人「ン"ン"ン"ン"ン"ン"ン"~~……チュッ!」
空を飛ぶメルバが遠くなっていくのを目にした古の巨人は額のクリスタルを今度は青く輝かせると、額の前で両腕を交差させて振り下ろすと、今度は全身が青紫色に変化した。
ロスヴァイセ「また色が変わった!?」
古の巨人の2回目の変化にロスヴァイセを筆頭に驚く一同。色だけでなく、体格はパワータイプと対照的にスマートなものへ変化していた。
これこそ、ダイナのミラクルタイプに相当する俊敏形態───『スカイタイプ』だ。
古の巨人「チュッ!!」
メルバ「ピィィーーーーーッ!?」
ドォォンッ!
平手を作った両手で構えた古の巨人は大地を蹴って紫色の残像を残すほどのスピードで飛び上がると、上空を飛んでいるメルバを蹴り落とした。
古の巨人「…」
メルバ「カァァァ…!」
華麗な1回転で地上に降り立った古の巨人は素早く振り返って再度ファイティングポーズを構える。
フラフラと立ち上がるメルバは聞いたことがない苦悶の鳴き声を出していた。
好機と見た古の巨人は両腕を胸の前で交差させ、瞬時に左右に伸ばしてから上にあげてエネルギーを集約させると、両手を左腰に携える。
古の巨人「チャッ!!!」
素早く手裏剣を投げるように右手から光弾を投げつけた。
スカイタイプの必殺技、『ランバルト光弾』だ。
メルバ「ピィィーーーーーッ!!」
ドガガガガガガァァァァァンッッ!!
光弾を胸元に受けたメルバはのけ反ると、断末魔と共に爆発四散した。
曹操「このままじゃ儀式もろくに出来ないな。ゲオルク、撤退だ」
ゲオルク「わかった」
曹操に命じられたゲオルクは撤退の準備に取りかかる。
自分達の仲間だけでなく、甦った古の巨人によってゴルザとメルバも倒されたことで自分達が圧倒的に不利と判断したのだ。
曹操「宴はここまでだ。また会おう、XIGの諸君。それに伝説の勇者よ」
ガイア「待てっ!」
そう言い残して撤退しようとする曹操をガイアは止めようとするが遅く、曹操達と気絶したジャンヌ達を包み込んだ霧と共に消え去った。
「ォォオオオオーーーーッ!?」
ドォォォンッ!
それと同時に縛り付ける者がいなくなった八坂こと九尾の狐はけたたましい雄叫びをあげると、その場で眠るように倒れた。
八坂と対峙していた匙はその様子を見届けると、元の姿へ戻る。
匙「お、終わった……のか?」
突然のことに肩で息をする匙は首を傾げながら、寝息すら立てない八坂の顔を見上げた。
英雄派が撤退した後、我夢達は境内の中心に集まっており、休む間もなく戦い続けた匙はアーシアの治療を受けていた。
ちなみにジャグラーは目的を果たしたのかいつの間にかどこかへ消えていた。
戦いで崩壊した建物や荒れた地面は悲惨なものだが、アザゼル達が何とか修繕してくれるので安心だろう。
しかし…
九重「母上!起きてくだされ!母上!」
『……』
九重が何度呼び掛けても八坂は一向に目を覚ます気配がなかった。
曹操達の洗脳が余程強力だったのか、ピクリとも動かなかった。
それに加えて大悟までも失ってしまった。
幼馴染みである我夢やイッセーは勿論、心を通わせた九重にとっても辛いことだ。
九重「もうわがままは言いません。好き嫌いもしません。夜中に外へ抜け出すこともしません……。どうか、どうか、いつもの母上に戻ってくだされ……」
『………』
泣きじゃくりながら懺悔する九重を我夢達は悼まれない気持ちで見るしか出来なかった。
古の巨人「……」
九重「……?」
そんな中、後ろで伺っていた古の巨人が歩み寄る。
九重が不思議そうに見上げると、古の巨人は頷いた。
まるで任せろと言わんばかりに。
ピキィンッ!
古の巨人「フ"ゥ"ゥ"ン"ン"ン"ン"ンンン~~~~!!ハッ!!」
額のクリスタルが白く輝き、額の前で両腕を交差させた古の巨人は腕を振り下ろすと、赤と青紫の形態───『マルチタイプ』に戻った。
古の巨人両腕を広げて両手に淡い黄色の光を纏わせると、両手を重ね、八坂に向けて放射した。
すると、奇跡が起こった。
『!?』
淡い黄色の光に包まれた八坂は巨大な狐から徐々に人の形へと戻っていく。
そして、光が晴れた先には人の姿へと戻った八坂だった。
古の巨人「……ッ、グァァッ!」
[ピコン]
放射を終えた古の巨人は片膝をつき、胸元のカラータイマーは青から赤に点滅していた。
『セルチェンジビーム』は巨人のエネルギーを極限まで消耗させるのだ。
八坂「……ここは?」
しばらくしない内に意識を戻した八坂は重く閉じていた瞼を開ける。
まだ体が万全ではないが、命に別状はなく、ただ周りの風景を不思議そうに見渡していた。
九重「母上っ!母上ぇぇぇっ!!」
八坂が意識が戻ると否や、九重は泣き叫びながらいの一番に八坂に駆け寄り、その胸に飛び込む。
八坂は少々困惑しながらも九重を抱き、頭を撫でながら優しく語りかける。
八坂「どうしたのじゃ、九重。いつまで経っても泣き虫は治らんの」
九重「母上……うわぁぁぁん!」
久しぶりに聞いた母の顔、声、匂い……。
それを実感した九重は堪えていたものが一気に壊れ、ワンワンと泣きじゃくる。
アーシア「うぅ……九重ちゃん、良かった」
イリナ「うん、うん…」
その感動の再会にアーシアは滝のように涙を流す。イリナも貰い泣きし、同じ様に大粒の涙を流していた。
他の面々は涙こそ流してないが、心中は感動の渦に包まれていた。
八坂「……おや?あれはもしや……」
キィィンッ!
九重を宥める中、八坂は古の巨人がいることに気付く。
八坂はそのことに言及しようとした瞬間、古の巨人は目映い光に包まれ、段々と小さくなっていくと、大悟の姿へ戻った。
『大悟!?/大悟さん!?』
それを見た瞬間、八坂以外の一同全員は2重の意味で驚愕する。
1つは死んだかと思われた大悟が生きていたことと、2つは大悟があの巨人の正体であったことである。
八坂「そうか……。お主が『光を継ぐもの』であったか」
大悟「僕が……?」
八坂の言葉に信じられない様子の大悟。
古の巨人に変身したことが夢と思っていたが、すぐに懐に違和感があるのに気付くと、それを取り出す。
大悟「……嘘だろ?」
それを見た大悟は目を丸くする。
取り出したそれは音叉の形状をしており、古の巨人の胸元のプロテクターを模したパーツが先端にある神秘的なアイテムだった。
当然、入れた覚えのない大悟は今あったことが全て夢ではないことがわかった。
困惑する大悟に八坂はそのアイテムについて説明する。
八坂「それは『スパークレンス』。光の巨人に選ばれし者に力を授ける神秘の器具じゃ」
大悟「スパークレンス……」
八坂「お主が私や九重達を助けてくれたのだろう?感謝致します」
大悟「え、あぁ…」
そう言って頭を下げる八坂に大悟はどういった反応をすればいいかわからず戸惑う。
頭を上げた八坂は全員の顔を見渡す。
八坂「……ここにいる皆に知っておいて欲しい。何故、我ら一族があの墓を守り続けたのか。何故、大悟が巨人に変身できたのかを」
そう言うと、八坂は長々と語り始める。
八坂「昔、この地を荒らしていた邪悪を3人の光の巨人が葬った。我らはそれに感謝を込め、彼らを勇者と崇めた……。そして、ある日。3人のうち1人な勇者はこう我らに伝えたのじゃ。『遠い未来、私の光を受け継ぐものが現れる。その時までこの体を護ってくれ』と……」
我夢「それであのピラミッドを……」
八坂「作用。光が遠い星雲へ帰った後、残された肉体を墓に納め、その時が来るまで代々護り続けてきた。その後、九尾の一族は3人の勇者の中でも熱心に我らの救いの手を差し伸べてくれた勇者の名を忘れぬよう、後世に語り継いでいった……」
誰もいない裏京都の御殿。暗闇の中、倉庫にしまわれていたタイムカプセルが独りでに起動すると、ユザレの姿が投影される。
ユザレ『巨人を甦らせる方法はただひとつ……
八坂「その勇者の名は───」
2人は同時に、1分1秒ずれずに全く同じタイミングでその名を告げる。
大悟「ウルトラマンティガ……」
自身が変身した古の巨人───ウルトラマンティガ。
その名を聞いた大悟は呟きながらスパークレンスを眺める。
スパークレンスを眺める大悟の顔は困惑したものだった……。
次回予告
※(イメージBGM:ウルトラマンティガ次回予告BGM[初期])
大悟「僕はウルトラマンティガじゃないっ!!」
与えられた光に戸惑う大悟。
その時、現世に蘇ったガンQと鬼神が更なる怨みを込めて京都を襲う!
次回、「ハイスクールG×A」
「呪いの鬼眼」
お楽しみに!
D×Dのキャラにパワーアップアイテムを授ける?
-
授けない
-
小猫に授ける
-
朱乃に授ける
-
木場に授ける
-
サイラオーグに授ける
-
その他(リクエストボックスにコメント)