大悟「???」
大悟は脳の理解が追い付いていなかった。
戦いが終わり、つい先ほどまで大悟は八坂の御殿にある客室で寝ていた筈だった。
しかし、いざ目覚めてみればどこかもわからない赤茶けた砂漠の上に立っていた。
大悟は世界を旅してきたこともあって景色を見ればすぐに思い出せるのだが、今いる場所は何処の地域にも当てはまらない。
ゴゴゴゴ……!
大悟「…っ、地震か!?」
───これは幻覚か?そう思った矢先、地鳴りと共に大地が揺れ始める。
足下をすくわれないよう、大悟はその場でしがみつくように伏せていると
ドガガァァァァン!!
「ゴォガゴォガ!パァァァーーーーーッ!!」
大悟「!?」
突如、地中から岩石と砂煙を巻き上げながら怪獣が出現した。
砂煙が晴れ、怪獣の風貌が明らかになると、大悟は顔を上げ、目を丸くした。
何故ならその怪獣はゴルザとメルバ───ティガである自分が倒した2体の古代怪獣が合体したような姿だったからだ。
大悟「何だ、あの怪獣!ゴルザか?!いや、メルバなのか?」
何処かわからない土地に飛ばされ、更にゴルザとメルバの特徴を併せ持つ怪獣の登場に大悟はますます意味不明になる。
だが、このまま野放しにする訳にはいかない。ティガに変身しようと懐のスパークレンスを取り出した時だった。
《 Boot up!Lightning! 》
「伏せて下さい!」
大悟「ッ!?」
電子音と青年の声が後ろから聞こえてきた。
危機迫った声音に大悟はすぐさま指示通りに頭を伏せた。
すると、自分の真上を通って雷光が直線上に放たれ、怪獣の頭部に炸裂した。
「ゴォガゴォガ!パァァァーーッ!!」
「大丈夫ですか?!」
怪獣は頭部から走る電撃で身体中が痺れる。
怪獣が怯んでいる隙に青年は大悟を保護すると、そのまま近くの洞窟の陰に身を隠した。
身を隠す中、大悟は薄暗い洞窟に差す光で露になる青年の顔を見た。
背は180センチ。年齢は自分の2つ下くらいで、明るい茶髪にサファイアのような青い瞳をしたイケメンだった。
服装は自分に支給される予定のXIG隊員服に似ており、先ほどの電撃光線を放ったであろう白い銃を右手に持っていた。
大悟は青年の名を訊ねてみることにした。
大悟「助けてくれてありがとう。僕は長野 大悟。君は?」
大翼「あっ、はい。僕の名前は
大悟「XIG-SELECT?」
大翼「はい。地球を中心に太陽系の超常現象や怪事件の調査、侵略者からの防衛を目的とした組織です!……ご存知ないですか?」
首を傾げる大翼の問いに大悟は頷く。
XIGは自分が所属する予定の組織なのでわかるが、XIG-SELECTなんて組織は聞いていない。
別に組織があるのか?と大悟が思った矢先、先ほどまで痺れていた怪獣は活動を再開した。
ゴルバー「ゴォガゴォガ!パァァァーーッ!!」
大翼「ゴルバーの奴、もう回復したのか!」
大悟「ゴルバー?それがアイツの名前か!」
大翼の独り言から目の前の怪獣の名前がゴルバーであると察した大悟。
“ゴルバ”ではなく、“ゴルバー”なのは安直なネーミングと思われなくないだからだろうか。
ゴルバー「ゴォガゴォガ!」
それはさておき、自分を攻撃した大翼を見つけたゴルバーは額のメルバの眼からオレンジ色の破壊光線で襲いかかってきた。
大翼「うわっ!?」
ドォォンッ!
大悟と大翼はその場から疾走し、避難する。
先程まで身を隠していた洞窟は木っ端微塵に吹き飛んだ。
その後も次々と放たれる光線をかわしていく。
大悟「こうなったら…!」
ティガに変身するしかない!大悟はスパークレンスを前へ突き出してから引っ込めると同時に水平にした片方の腕と交差させる。
そのまま回転させようとした時、その腕を大翼に止められる。
大悟「?」
大翼「ここは僕に任せて下さい」
疑問の表情を浮かべる大悟に大翼は自信ありげにそう言うと、そのまま三歩前へ出る。
バックルの左側に差している紫色のUSBメモリに似たガジェット───『XIGハイパーキー』を取り出すと、上部のスイッチを押した。
《 Ultraman Trigger!Multi Type! 》
大悟「(ウルトラマン……トリガー?)」
シグハイパーキーから聞こえる知らないウルトラマンの名前に大悟は疑問符を浮かべる中、大翼はXIGハイパーキーを白い銃───『XIGスパークレンス』の持ち手の下部スロットに装填する。
《 Boot up! Zeperion!》
装填認証音声が流れると、大翼はXIGスパークレンスの銃身を手動で開き、スパークレンスモードに変形させる。
左右に開いたウィングパーツから菱形のレンズが現れた。
大悟「(何か、似てる……)」
変形したXIGスパークレンスと自分が手に持っているスパークレンスと見比べて、大悟は似ているなと感じた。
大翼「未来を築く、希望の光!」
そう言いながら、大翼はXIGスパークレンスを左斜め前へ突き出してからゆっくりと顔の真横へ持ってきて水平にした片方の腕と交差させると、戦士の名を叫ぶ。
大翼「ウルトラマン……トリガーーッッ!!!」
《 Ultraman Trigger!Multi Type! 》
その掛け声と共に内側に一回転させたXIGスパークレンスを掲げ、トリガーを押す。
すると、次の瞬間。XIGスパークレンスのレンズ部分から放たれた目映い光が大翼を包み、戦士───ウルトラマントリガーへと変身させた。
大悟「……ッ!?ティガ!?」
大悟は目の前にいる大翼がウルトラマンに変身した状況に驚愕する。
小顔ながらもティガに似た容姿とボディーカラー。
手足と胸元に金色のプロテクターに額に輝く菱形のクリスタル。
そして、胸元の中心に青く輝く菱形のカラータイマー。
これこそウルトラマントリガーである。
トリガ-「エァッ!」
トリガ-は軽く開いた右手を前、左握り拳を後ろに引いた───何処かティガに似たファイティングポーズを取ると、ゴルバ-に立ち向かっていく。
ゴルバ-「ゴォガゴォガ!」
トリガ-「フッ!テヤッ!」
ゴルバ-は大木のような両腕を振り回して攻撃するが、トリガ-はその優れたフットワークを駆使してかわすと、横腹に回し蹴りを打ち込む。
その一撃にゴルバ-の体勢は崩れる。
トリガ-「タァッ!トゥアッ!!」
ゴルバ-に生じた僅かな隙にトリガ-は格闘戦で攻め立てる。
左右のパンチを胸元へ打ち込み、左のチョップを脳天に炸裂された後、右足のストレートキックで蹴り飛ばした。
ゴルバ-「パァァァァ--ッ!!」
ドォォォォォォンッ!!
吹っ飛ばされたゴルバ-は付近の岩山に叩きつけられる。
岩山はゴルバ-の重さに耐えきれず吹っ飛び、岩石が辺りに飛び散る。
トリガ-「テヤッ!」
順調な流れを掴んだトリガ-は追い討ちをかけるべく、ゴルバ-のもとへ駆け出す。
しかし、このままやられっぱなしでいるゴルバ-ではない。
ゴルバ-は岩山から崩れ落ちるいくつもの岩石を拾うと、それを一直線に向かってくるトリガ-に投げ付けた。
トリガ-「ゥウアッ!?」
ゴルバ-「ゴォガゴォガ!パァァァァ--ッ!!」
飛んでくるトリガ-が気をとられて怯む中、ゴルバ-は背中の翼を広げると空高く飛翔。
ある一定の高度に到達すると、そこから急降下して体当たりをくらわせる。
トリガ-「ゥウアッ!!」
もろに受けたトリガ-の胸元からは火花が飛び散る。
トリガ-は何とか捉えようとするがその隙もなく、Uタ-ン飛行するゴルバ-の体当たり攻撃をまた受けてしまい、仰向けに倒れてしまう。
トリガ-「フッ!」
《 Circle Arms. Multi Sword.》
負けじとすぐさま立ち上がったトリガ-は虚空に手をかざすと、何処からともなく飛んできた武器を手にする。
丸い輪に紫色の刃が着いた剣────トリガ-専用武器であるサ-クルア-ムズである。
サ-クルア-ムズを手にしたトリガ-は大地を蹴って飛翔する。
ゴルバ-「パァァァァ--ッ!!」
トリガ-「ツアッ!タァッ!」
そうはさせまいとゴルバ-は額のメルバの眼からオレンジ色の光線で撃ち落とそうとするが、トリガ-はかわしながら、ときにサ-クルア-ムズの刀身で防ぎながら、上昇していき、ゴルバ-の背後に回り込んだ。
《 Maximum!Boot up!Multi!》
トリガ-「ェアァァァァ----ッ!!」
ゴルバ-「ゴォガァァァ----ッ!?」
ドォォォォォォンッ!!
サ-クルア-ムズの刀身にエネルギーを込めたトリガ-は横一文字に振り払った。
飛んでいく紫色に輝く斬撃はゴルバ-の両翼を斬り落とし、飛行を支える部位が無くなったゴルバ-は地面へと落下していった。
ゴルバ-「ゴォガゴォガ!パァァァァ--ッ!!」
地面に土砂を巻き上げながらゴルバ-は立ち上がる。
翼を失っても尚、闘争心は消えておらず、翼を斬り落としたトリガ-への憎しみでヒ-トアップしていた。
トリガ-「ハァッ!」
地上へ降り立ったトリガ-はサ-クルア-ムズを地面へ突き刺すと、突き出した両腕を交差させ、真横へ広げる。
すると、横一直線に紫色の光のラインが描かれると共に体の手足や胸にある金のプロテクターが紫色に光輝き、エネルギーが溜められていく…。
トリガ-「トゥアッ!!!」
エネルギーを溜めたトリガ-はそのまま腕をL字に組み、白色に輝く破壊光線を放つ。
ティガと同じ必殺光線────ゼペリオン光線だ。
ゴルバ-「ゴォガゴォガ!!ピィィィ----ッ!!!」
ドガガガガガガァァァァァンッッ!!!
対象を捉えた白色光線はゴルバ-に命中し、瞬く間にゴルバ-は断末魔をあげながら爆発四散した。
大悟「……」
その光景を終始眺めていた大悟は開いた口が塞がらなかった。
───ゴルバとメルバの合成怪獣。
───聞いたことのない防衛組織。
───ティガに似たウルトラマン。
しかも、そのウルトラマンはティガと同じ光線技を使った。
困惑しない筈がないのだ。
大悟「…?」
そのせいなのか、急に眠気が大悟に襲いかかる。
まぶたが重く、足下がふらつく。
あまりもの睡魔に大悟は両ひざをついた。
大悟「……ウルトラマン……トリガ-……」
トリガ-「……」
薄れる意識の中、大悟は目の前に佇む巨人の名を呟く。
トリガ-がこちらをジッと見つめるのを最後に大悟は意識を失った。
大悟「………はっ!?」
ガバッと身を起こした大悟は辺りを見渡す。
景色は先程までいた砂漠ではなく、裏京都の客人用の寝室で、敷き布団の上に座っていた。
大悟「あれは夢、なのか?」
この状況を見て、大悟は今の今まで体験していた出来事は全て夢であると納得した。
見知らぬ土地にXIG-SELECTにウルトラマントリガ-───夢にしてはやけに鮮明であったが、どれもあり得ないことばかりだった。
そう、きっと夢なのだろう。
戦闘での疲れが溜まった影響で見てしまった夢だ。
大悟は自らに言い聞かせて納得させ、再び布団に横になろうとした時だった。
大悟「ん?」
枕元に何かがあるのを目にした。
寝る前には明らかに無かったことはこの部屋を何日も使っている大悟にはすぐわかった。
大悟はそれを手に取ると、紫色のUSBメモリに似たガジェット────大翼が使っていたXIGハイパーキ-だった。
大悟「何でこれが?」
大悟は夢の産物であるものが現実にあることに不可解に思いながらXIGハイパーキ-に目を通す。
キ-の正面にはステンドグラス状の絵が描かれているが、手に持っているキ-に描かれているのはトリガ-ではなく、ゼペリオン光線のポーズを構えるティガだった。
大悟は不思議に思いながら、大翼が使っていたようにキ-の上部スイッチを押した。
《 Ultraman Tiga!Multi Type! 》
はい!ということで2ヶ月投稿しなかったお詫びとしてのサプライズ回でした。
現在(2021年)放送中の『ウルトラマントリガー』に便乗しまして、こういったコラボ回を書いてみました。
最後は意味深な終わりをしてますが、ストーリーには一切関係ありませんので、PVの気持ちで頂くと幸いです。
相棒にしたい怪獣は?
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ピグモン(ウルトラマン)
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セブンガー(ウルトラマンレオ)
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ミラクロン(ウルトラマンゼアス2)
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マキーナ(ウルトラマンティガ)
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リドリアス(ウルトラマンコスモス)
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シェパードン(ウルトラマンギンガS)