ソードアート・オンライン 〜剣豪と絶剣〜   作:☆さくらもち♪

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《第10話》

第74層迷宮区。

ボス部屋がある場所の目の前まで来たルア達。

その後ろにはクラインが率いる《風林火山》のギルドメンバーもいた。

 

「しっかし強えなあ……」

 

嘆くようにクラインは何一つ止まることのなかったルア達を見ていた。

敵が現れようともすぐさま倒されていた為、クライン達はかなり安全な状態だった。

 

「ユウキ」

 

「んー?」

 

「行くよ」

 

「うん」

 

お互い準備が出来るとボス部屋の扉を押し開ける。

中は大広間のように広く、所々には灯火の台座があった。

そしてその広間の中心には見た事のある相手が居座っていた。

 

「……先、行く」

 

キリト達にとってはあまりいい思い出もないのだろう。

その相手を見た瞬間に足が止まっていた。

例えキリト達であろうとここまで来ておいて引き返すという選択肢はルアにはない。

 

「ボクも」

 

ユウキは当然のようにルアに着いて行く。

開かれた扉は2人を迎え入れると重々しく音を立てて固く閉じられた。

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

キリト達を置いてきたルアは少しばかり昔を思い出していた。

第1層の時に起きた出来事はSAOプレイヤーにとっても中々消えることのない事だった。

無論、ルアはそれを知っていて尚且つ間近で見てもいた。

 

「今は、2人だけ」

 

「うん。ボクとルアだけ」

 

「……本気で行くよ」

 

「了解っ」

 

2人の前に立っていたのはかつて第1層のボスの面影を残してながらも醸し出すオーラは全くもって異なっていた。

《ザ・グリーム・アイズ》と呼ばれる青羊の悪魔。

巨大とも言える躯が両手で持つ大剣は当たればひとたまりもないとわかる。

 

「GUOOOOOOOOOOO!!!!!」

 

大剣を持ちながら勢いよく走り出してきた悪魔をルアは二刀で対応する。

防御には一切振らずに攻撃と敏捷に特化させているルアが唯一真正面から防御出来る技。

しかし、その防御すら力技で悪魔は大剣でもって押し潰そうとする。

 

「……ばーか」

 

ルアの真骨頂は無限とも言える武器の顕現。

ルア自身が攻撃しなくとも顕現させた武器によって幾らでも攻撃は出来る。

 

「さあ!いっくよー!」

 

今まであればルア単独だったので攻撃出来る時には一気に攻め立て、それ以外では回避と回復に費やしていた。

しかし今回は違う。

 

「はあああ!」

 

ルアがタンクを担っている為、がら空きな後ろや横から《片手剣》スキルでユウキが攻撃を仕掛けていた。

ダメージディーラーがもう1人増えただけで削りきれる体力も増えていくの必然だった。

「ルア!大丈夫?」

 

「ん、大丈夫」

 

ずっとタンクをしながら武器を出現させていたルア。

《幻想剣》という強力なスキルを持ちながらも払う代償は脳の負担。

本人が平気そうにしていても心配になってしまうユウキは時折ルアの様子を見ながら攻撃していた。

 

「長いよ。早く潰れちゃえ」

 

中々決定打が出ないルアはその長さにイライラとしていた。

そしてその決め手を撃つ。

自分の手に持つ愛刀の1本を思いっきり悪魔の中心に突き刺す。

当然ながら武器も片手しか使えなくなるが。

 

「ユウキ!離れて!」

 

「……?分かった!」

 

よく分からないユウキはとりあえず素直に悪魔から離れると突き刺した刀からおぞましい程の刺々しい武器が悪魔の内側から現れた。

《幻想剣》の出現範囲に制限はない。

イメージさえ出来れば相手の体内にさえそれを出すことさえ可能だった。

 

「GYAAAAAAAA!!!」

 

突如として自身から出てきた武器に困惑しながらもその痛みを訴えているのか悲鳴をあげていた。

 

「ねえ、ユウキ」

 

「なに?」

 

「いつまでも味方でありがとう」

 

「……当然だよ」

 

『銀霜刀』 を1度鞘に納刀すると、鞘ごと持って構えを取った。

 

「これが僕の扱う殺人剣。現実世界でも使える本物」

 

 

「……『断命剣』」

 

悪魔の首筋に向かって鞘を鋭く薙ぎ払う。

続いて引き抜いた刀を横に一線。

流れるように真っ直ぐ縦に斬ると悪魔の動きが止まった。

元は人の首を斬り飛ばし、トドメに身体を縦に半分にする対人の殺人剣。

 

「すごい……」

 

美しい動作にユウキはその動きに見惚れていた。

元よりルアには惚れていたが、更に惚れ込んだような感じだった。

恋は惚れた側が負けとも言うぐらいに。

 

「ふー……ん、む……!?」

 

すごいすごいと褒めたたえるユウキに抱きしめられたルアはされるがまま、ユウキに身体を預ける。

 

「凄く綺麗だったよ!」

 

「……元は人を殺す為の技術」

 

「それでも、ボクはその美しさに見惚れた。ルアだからだよ?」

 

「……ずるい」

 

何故こうもユウキは自分に欲しい言葉を言ってくれるのか。

ずっと疑問に思っていてもユウキという少女は素直であったからこそひた隠しにしない真っ直ぐさがあった。

結局自分もユウキと同じ恋の病にかかった者同士なのだからと。

 

「……キリト達は?」

 

「先に帰ってると思うよ。メッセージ飛ばしておいてあるから」

 

「……なら帰ろ」

 

転移結晶を使ってすぐ様宿屋でチェックインすると、部屋に即入る。

そしてユウキは部屋の明るさを暗くする設定にすると、ルアと共にベッドに倒れ込む。

 

「ユウキ?」

 

今までとは少し様子の違うユウキに違和感を感じていた。

何かを急ぐような、慌てているような。

 

「ごめんね。もうボク我慢できないや」

 

身につけていた防具や服を一切取り払うと生まれたままの姿になるユウキ。

いきなりそんな状態になったユウキに少し困惑を隠せなかった。

 

「はぁ……はぁ……」

 

甘い吐息と共にルアに触れるその手は微かに震えていた。

我慢出来ないと言いながらも本気でルアが拒絶してしまえば何もしないのだろう。

それにルアはもう見てしまっている。

泣きそうな表情をしながらも縋るようにルアに手を延ばすユウキの姿を。

 

「ユウキ、好きだよ」

 

「あ……ぅ、ほんと、に?」

 

「うん。だから泣かないで」

 

美少女の泣く姿は様になるものの、悲しみで泣く姿は嫌いだった。

ルアもユウキと同じように服を外すとユウキに抱きつく。

 

「ん、暖かい」

 

「嫌いにならないで……ごめん……ごめんよ……」

 

「我慢出来なかった……のはよく分からない。僕はそういうのが疎いから。だからユウキが教えて?」

 

良くも悪くもルアは純粋。

ユウキと同じような状態になれば良いと思いルアも脱いだが、そういう行為をする事すら知らなかった。

 

「ひっく……ほんと、に良いん、だよね?」

 

「うん。いいよ」

 

初々しい2人は夜の光の中で、ベッドで裸にながら抱き合いながらも幸せそうに眠りについていた。

 

 

 

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