ソードアート・オンライン 〜剣豪と絶剣〜 作:☆さくらもち♪
紺色少女であるユウキとパーティを組んだルアは少し動きを見るために1度一人での戦闘姿を見ていた。
ユウキの持ち味は一体どのような武器なのか。
「はぁ!」
片手用直剣を使ったオーソドックスな戦い方ではあったものの、ルアが目をつけたのは異様なまでのスピード。
「とぉ!」
「早いな……」
彼女と並ぶスピードの持ち主は片手でも数えれるほどしかいないぐらいに素早い。
一撃一撃こそ軽い方だったがそれをカバー仕切る攻撃速度と次に繋げる連携技までの動きに無駄がなかった。
「伊達に異名持ちなだけはあるのか」
《絶剣》とも呼ばれるユウキは数々のデュエルに勝利してきていた。
その無類なき勝利に付けられた渾名こそが『絶対勝利の剣』。
様々な言われ方をするも最後に収まったのは絶剣だった。
「ふ〜……ねぇねぇ!どうだった?」
戦闘スタイルとしてはソロでもパーティでも臨機応変に対応出来る良い立ち回りだった。
「ん……良いんじゃない。僕から見ても戦闘は問題ないと思った」
無意識に『俺』から『僕』へ変わっていっているがルアが気づいた様子になかった。
「そっかそっか!じゃあ一緒に倒そー!」
「僕の戦い方見てからでもいい気がするけど」
「多分大丈夫だと思うよ?」
謎の自信を持っているユウキにどう言葉をかければいいのか分からなくなっているうちにいつの間にやら出現したモンスターが大量にいた。
「まっ、いいや。行くよ」
ルアが愛刀を抜き払うと何もない空間から突如として武器が出現する。
そんな光景を初めて見たユウキは興味深そうに見ていた。
「それってエクストラスキル!?」
「一応ね。いつの間にか出てたから」
通常では見ることがないスキルが『エクストラスキル』と呼ばれる。
初期から出現していなかったりするものも該当されるが、ルアが使っているのは『ユニークスキル』と言われるSAOプレイヤーでもたった1人しか習得出来ない特別なものだった。
「あまり人に教えないでね」
「うん」
今まで誰にも見せたことがなかったそれをユウキに教えた事は果たしてルアにとって良かったのか。
未だにユウキの目的がイマイチ判明していなかったが彼女を1度は信頼すると決めた。
「……っ!」
ルアが走り出すとユウキの視界から一瞬にしてその姿が消える。
それと同時に武器も発射されながらモンスターがどんどん砕け散ってゆく。
「すごい……」
一時的に両片手に刀を持っているルアは目で追う事すら厳しいほどに超高速連撃を畳み掛けていく。
しかし愛刀では無い方の武器は1度攻撃として使った際に1発で砕け散ってしまう。
発射されてくる武器を掴み取ってはまた奮い壊れてはまた掴み取る。
「ふー……」
ルアが1度一呼吸するとあれ程までいた大量のモンスターは全て蹴散らされていた。
「すごいね、ルア!」
「……そう」
純粋にルアの戦闘を真正面から褒めたユウキに嬉しいと思ってしまった彼は恥ずかしいからか顔を伏せる。
「……もう帰る」
「へっ?ボクなんか嫌なこと言っちゃった?」
「今日はもう終わるだけ」
「そ、そっか。良かったぁ〜……」
変なことを言ってなかった事に安堵しながらユウキは自分の前にいるルアとどうやって一緒に居れるか考えながらついていった。
ーーーーーーーーーー
初めこそその噂が本当なのか確かめるために向かっただけに過ぎなかった。
曰く、第58層の迷宮区には高効率の狩り場がある。
だがそんな美味しい話に釣られない訳がなかった。
色んなプレイヤーが向かうもその狩り場までの道があまりにも過酷故に諦める者が殆ど。
辿り着けたのはいないとさえ言われていた。
「ん……?」
実力は自分の異名が証明する。
自惚れてはいないものの、その事だけは自信を持って言えた。
だからこそ噂の狩り場に向かってみれば自分の戦闘音ではない物が奥から聞こえた。
「誰かいるのかな」
好奇心が湧いて見に行けば広めのフロアに真ん中で棒立ちする男の子を見つけた。
それはもう自分の好みにどストライクな男の子が。
「ぁ……」
あれが現実世界でも同様とは限らないのに何故かあの男の子にだけなら何もかも曝け出してしまえると感じてしまった。
「ど、どうしよう」
初めての思考に頭が混乱しかけていると身体は無意識に歩き出していた。
「誰」
突然現れた自分に射殺せるのではないかと思える殺気と警戒がその眼に映っていた。
「え、えーっと」
よく分からない返答に戸惑ったのか考え始める彼だったが今いる場所からレベル上げと聞かれていた。
元々来た目的も相まってそう答えれば移動すると言われてしまった。
だからこそ突発的に出たのだろう。
「あ、あの!」
「……なに」
「ボクと一緒に組みませんか!」
「……はぁ?」
何を言っているんだ、みたいな返答だったものの仕方ないと呆れられながらパーティを組むことになった。
「分かったよ」
「ありがとうございます!ボクは『
「……俺はルア。よろしく」
ルア。
そう告げた彼の名をしっかりと記憶に刻み込んだ彼女。
その眼は誰にも見えないよう覆い隠されながらも強く燃える恋情があった。