ソードアート・オンライン 〜剣豪と絶剣〜   作:☆さくらもち♪

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おまけ話みたいなものです。
《第6話》で眠ったルアが見ていた夢の内容になります。


《第?話》夢に映ったのは飢えた愛情

女性と男性が幼い赤子を抱いていた。

とても幸せそうな表情て赤子を見つめる男女は恐らく夫婦なのだろう。

 

「……」

 

突如としてこんな夢を見てしまったルアはどうしようかと思った。

意味もなく見続けたとしても過ぎた出来事だった。

もう思い残す事なんてないからと。

自分が何故生まれた後に未だ生かされているのかも理解していた。

だからこそ自分の親に対する興味なんてものは一切なかった。

 

「なんて、つまらない」

 

よく覚えていた。

夢を見ていた光景はよく脳裏に焼き付いていた。

来なければ良かったのにと何度も思い返して。

それでもなお仕方のないことだと諦めてしまった。

 

『あなた。この子の名前……もう決めてあるの』

 

『そうか……!なんて付けるんだい?』

 

『この子は……鈴華(すずか)よ。瑠璃(るり)はお兄ちゃんね』

 

妹が生まれてきた日から、兄への接し方が変わった。

両親は産まれたばかりの妹に世話を焼くようになり兄の事など忘れてしまったように話をしなくなった。

齢にしてまだ6歳の少年が、理解してしまったのだ。

自分の存在なんて鈴華の代わりだったと。

 

「悔しくなんてない。恨んでもない。妬ましいとは思わない」

 

後悔なんてものをする内容がなかった。

相手は赤子なのだから。

恨むことはなかった。

相手は何も知らない無垢な赤子だから。

妬ましいとは思わなかった。

もう既にそんな感情は擦り切れたから。

 

『僕は……何?』

 

自分で自分を肯定出来なくなった少年は、次第に自己を認知出来なくなっていった。

家族なんていうものは既に忘れ去られていた。

家にいた使用人は触らぬ神に祟りなしの如く、少年に関わろうとしなかった。

結果的に掃除洗濯料理は全て自分でやらなければいけなくなり、必然として生き抜く技術となって身に付いていった。

そんな少年がある年齢になった時、思い出されたかのように父親に呼び出されていた。

 

『寄生虫の如くこの家に住み着くお前にぴったりな仕事だ』

 

かつて優しい目を向けてくれた父親は冷酷で厳しい視線を向けていた。

 

『近々、鈴華の誕生日パーティーを開く。貴様はその場に招くご令嬢のご機嫌取りでもしておけ』

 

この事が少年から母親と父親と妹を切り離す一言だったのだろう。

誕生日パーティーの当日には政治家や投資家など名が知られる御仁と関わりを持ち、持てる限りの力を使っていつかこの家から出ていく為の地盤を整えていった。

 

『瑠璃様』

 

『瑠璃様』

 

『瑠璃様』

 

あちこちで少年の名を呼ぶ声があった。

しかしその全ては女子のもの。

少年の見た目は良かったが為に容姿に魅入られてしまう子があまりにも多かった。

 

「……」

 

その日から疑問に思い、自分の出生を調べ始めた。

父親と母親の容姿からはあまりにも少年の容姿は似ていなかった。

月光のような銀髪に、大空や大海原を思わせる蒼眼。

 

『なんだ……』

 

少年が手に取っている報告書には。

 

ーーーーー依頼されました釘宮瑠璃様とご両親に関しましては、一切の血縁関係は有り得ません。

過去を遡ると瑠璃様を養子として迎え入れた形となっておりました。

 

少年は当然だと思った。

本当の親ではないのだから愛情なんていうものはなかった。

ならば容姿についても説明がつくと。

 

『……もう、やだよ』

 

何もかもやる気がなくなったように。

自分自身を呪った。

知らない方が幸せな事もある、とはよく言ったもので。

少年が養子だったということも知らなければ親からの愛情を求める道化になっていたのだろう。

 

「…る………!……て!」

 

「僕は後悔だけはしない。あなた達の為に割く時間があるのなら彼女の為に割く方がよっぽど有意義」

 

もう興味が失せたように夢の内容の思考を止めると目が覚めていくような感覚があった。

 

「ごめんね。ユウキ。心配ばっかかけて」

 

不安にさせすぎてしまっている大好きな少女のためにも。

先を諦めることはもうしない。

今の自分があるのは少女のおかげだったのだから。

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