セレナが何故か蘇って記憶を無くしてキャロル陣営に味方する話 作:にゃるまる
はっきり言って文章力がないゴミ以下の作者の手によって生まれた作品ですが、どうか読んでくれると嬉しいです(白目)
第1話
―――光が見えた。
真っ暗な闇の中で輝く1つの光。
弱弱しくて、儚くて、今にも消えてしまいそうな光。
闇の中でただ1つ輝くその光に、無意識に手が伸びる。
少しの衝撃で消えてしまいそうなその光を優しく包み込み、そして――――――
「――――ゾ――――?」
むにゃむにゃと寝言を紡ぎながら幸せに眠る。
人間の3大欲求とまで言われる眠気に抗うなんて無駄な事誰がする必要があるのだろうか?
私は抗わない(確固たる意志)
ひたすらにこの眠気に包まれながら静かに眠っていたい。
そう願う少女の気持ちは――――
「ん~?そんな所で寝てたら邪魔になっちゃうゾ?」
とにかく赤色と人間のそれと比べるのが馬鹿だと思う位大きな爪を持つ少女によって阻まれた。
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キャロル・マールス・ディーンハイム
数百年を生きる錬金術師の彼女は父から最後に託された命題≪世界を知れ≫
その命題を果たす為に世界を壊そうとしている中々にヤバい思考の持ち主であるのだが、そんな彼女の目的達成に必要不可欠なのが≪チフォージュ・シャトー≫
詳しい説明をするとダレるので簡単に説明すると、全てを解剖しちまうヤバい機械だと思ってくれたらよい。
さてそんなチフォージュ・シャトーは本拠地の意味も兼ね備えている。
当然な事にキャロルの私室を含めた様々な部屋もあるのだが、その中の一室。
「……ふむ」
チフォージュ・シャトーの主であり、此処にはいない4つの人形たちの主でもある少女キャロルがそこにいた。
チフォージュ・シャトー完成の為、日々忙しく動き回っている彼女の視線の先にあるのは幾つかの聖遺物。
チフォージュ・シャトーの建造、またはオートスコアラー達の強化に繋がる聖遺物が無いかとかつて集め、そして倉庫に埋もれていた聖遺物を引っ張り出して調べていたのだが……はっきり言ってキャロルのお目に叶う聖遺物は無かった。
それに落胆するわけでもなく、まあこんな物かとどこかつまらなそうに引っ張り出した聖遺物を眺めていく。
「…しかし、俺の事ながら良くもまあこれだけ集めた物だ」
キャロルからすればさほどの価値もないであろう無数の聖遺物。
もしもこれを見る人が見れば仰天祭り…で済めばどれだけ良いか……
時間を無駄にしたなと部屋を後にしようとしたキャロルがふと視線を向けたのは1枚の鏡。
これは何の聖遺物だったか?と記憶からその正体を呼び覚ますよりも早く―――
≪マスター、お忙しい中大変申し訳ありませんが緊急の報告が≫
オートスコアラーの1人≪ファラ≫
中々に曲者ぞろいのオートスコアラー達の中ではまともな彼女からの報告にすぐに思考を切り替える。
≪どうしたファラ?≫
≪はい、実はミカがチフォージュ・シャトー内部で侵入者を発見、現在対象は逃走中で今はミカが追撃をしています≫
≪何?そんな馬鹿な…≫
チフォージュ・シャトーは特殊な場所に存在している。
歩いて迷い込む…なんて出来るはずがないし、一般的な手段ではそもそも辿り付く事さえ出来ない。
そう、一般的な手段では、だ。
――――考えうる可能性は1つ、か。
≪ファラ、至急レイアとガリィと共にミカと合流して対象を捕らえろ。殺すな、そいつには聞きたい事がある≫
≪ご命令通りに≫
ファラからの連絡が切れたのを確認し、必要はないだろうがと念の為に部屋を後にする。
再度放置される様に置かれた聖遺物達の中で静かに輝く鏡の存在に気付かずに――――
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どうしてこうなった。
少女の脳裏を現在進行形で支配するその言葉と共に少女は駆けていた。
何故か?それは簡単だ。
「捕まえちゃうゾ~♪」
背後から迫る笑顔溢れる鬼との鬼ごっこから逃れる為だ。
「何で…こんな…事にぃ…!!」
思い返す事数分前。
眠っていた少女の前に突然現れた笑顔が眩しい赤色の巨大な爪を持つ少女に起こされる、そこまでは良かった。
だが少女はん~?と暫く顔を覗き込まれたかと思えば、
≪あれ?見た事ない顔だゾ?ん~?ちょっと待つんだゾ≫
疑い発言+どこぞに連絡イベント発生、からのーー
≪ファラがお前を捕まえろって言うから捕まえるんだゾ~♪≫
そうして始まったのがこの鬼ごっこだ。
向こうは遊んでいるつもりだろうが、此方は全速力。
更に言えば寝起きすぐの全速力ダッシュははっきり言って辛い……ッ!!
息苦しさと横腹の痛みを抑えながらもとにかく逃げなくてはと走り回りながら周囲を確認する。
「ここ……どこ…?」
全く見覚えのない場所。
どこかの建物の中と言う事だけは分かっているけれど、ここがどこかはさっぱり分からない。
そもそも私はどうしてこんな所に寝ていたのだろうか?
誘拐?拉致?
考える限りの可能性が浮かんでくるが、今はそれどころではない。
幸い、と言うべきか彼女はあの大きな爪が邪魔しているせいか細かい動きが苦手らしく狭い路を選んで逃げているおかげで距離を埋められると言う事だけは回避できている。
しかし体力差は歴然、はっきり言ってしまえば今こうして駆けるのもやっとだ。
どこかで休憩しないと、と再度周囲を見渡して細道の先に1つの小部屋があるのを見つける。
あそこなら彼女は入ってこれないはず……!!
そう判断して残った体力で細道へと逃れようとし―――
「はいざんね~ん♪ここは通せんぼよお嬢さん♪」
細道を塞ぐように現れたのは青色が目立つ少女。
突然現れた第三者に思わず驚きながらも道を変えようとするが……
「残念ですがここまで、ですね」
「地味に逃げ回ってくれた物だ」
退路を断つ様に現れたのは緑、そして黄色が目立つ女性二人の姿。
後ろを振り返れば追いついてきた赤い大きな爪の少女。
絶体絶命、とはこの事だろう。
退路を断つ様に立ち塞がるはそれぞれの色が目立つ少女達。
突破…なんて出来るはずがないとどこかで察していた。
彼女達に私では絶対に勝てないと諦めに似た確信が確かにあった。
「追いついたゾ~♪ン?どうして皆来てるんだゾ?こいつ1人くらいあたしだけで十分だゾ?」
「マスターの指示だから仕方ないでしょ。あ、マスター見てます?ガリィはしっかりと役目を果たしましたよ~♪(笑顔)」
「ガリィちゃん……(呆れ)」
「……とにかく地味な結末だがさっさと終わらせよう。安心しろ、マスターの命令で命は取らない」
迫る4人に対して乱れる呼吸を整えながらもどうにかこの状況を打破する術を模索するが、絶望的に術はない。
……向こうは命は取らない、と言っているんだ。
大人しく捕まった方が良いのかもしれない。
諦めに似た感情が脳裏を支配し、黄色の女性が差しだして来た手を素直に握り返そうとして――――
≪諦めないで≫
悲痛な声を聴いた。
どこか懐かしく、けれど思い出せない声を聴いた。
……そしてそんな声に釣られる様に脳裏を過ったのは―――言葉。
それが何のか、分からないけどーーー言わないと、《歌わないと》いけない。
その思いに押されるように、少女は歌う。
知らない筈なのに、その口は勝手に、だけど自然に動いていた。
「Seilien coffin airget-lamh tron」