セレナが何故か蘇って記憶を無くしてキャロル陣営に味方する話   作:にゃるまる

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GXを再確認も含めて見直してるんだけど、OPの翼のバイクが爆発するシーン。
あれ何回見ても単なる事故にしか見えないんだけど、私だけかな?


第11話

少女にとってシャトーの生活は充実した物である、だが唯一苦痛に感じる時間が存在するのだ。

それはーーー

 

「は~い♪ではでは今日も今日とてこの時間がやって来ました~♪」

 

クルクルと回転しながら姿を表したガリィの登場に少女は明らかに嫌そうな表情を見せた。

朝、自分と師匠の朝食を作り終えた自室に来訪してきたガリィの用件を少女は把握している。

しているのだけれどーーー

 

「ガリィさん、また今度に………」

 

「ガリィとしてはそれでも良いんですけども~、どこぞの大食いさんがお腹空かしちゃってるんですよね~、まあガリィは良いんですよ?ガリィはね~♪」

 

ぐぬぬ、とガリィの言動に少女は唸る。

基本的に暇潰しの意味も兼ねて少女の鍛練に最も多く付き合ってくれているのがミカである。

しかし戦闘特化のミカは元々がエネルギー消費率が激しい。

その為に少女との鍛練の度にエネルギー補給を担当しているガリィから想い出を補給してもらっている。

では、そのガリィはどこから想い出を補給しているのか?

簡単である、目の前にいる少女(無限補給タンク)からだ。

 

「む~………分かりました、分かりましたよぅ………」

 

少女とてミカのエネルギー消費が誰のせいであるのか、なんて重々承知している。

なので諦め半分、覚悟半分で渋々……本当に渋々とガリィの要求に答えるようにその小さな唇を差し出す。

 

「そうそう、何事も諦めが肝心ですよ~っと」

 

小さな唇に自らの唇を触れさせる。

少女(純粋)と少女(悪)のキス、それはさながら一枚の絵のような美しさがあるのだが、ガリィからすればこれは単なる補給………であるのだが、ちょっとした悪戯を思い付く。

少女の口内に舌を入れると少女が驚愕のあまり飛び退こうとするが、それを力で抑え込んで少女の口内をなで回す。

水音と共に口内を駆け巡る舌は歯茎に添うようにゆっくりと動く。

ゆっくり、ゆっくりと一本一本ずつ歯を舐めまわしていく。

段々と力が抜けていく少女の様子を見ながら今度は舌と舌を絡ませるように………としたが、

 

「っぷは!!が、ガリィさん!?ななな、何をしてくれますかぁぁぁ!!」

 

少女キレる。

それはもう真っ赤になってキレた。

もうちょっとだったのになぁと残念そうにするガリィはそんなキレた少女をからかうようにクルクルと回り始めた。

 

「なになに~?ちょっとした女の子同士のお遊びじゃないの~、そんなに怒っちゃってどうしたのん?」

 

「記憶が無くてもこれが遊びの範囲を越えてるってのは分かりますッ!!嗚呼……ごめんなさいまだ見ぬ旦那様、貴方の妻は汚されてしまいました………ヨヨヨ…」

 

「うわ、嘘っぽいわね」

 

何ですかぁぁ!!とキレる少女はそこそこに吸収した想い出を確認する。

 

「しっかし、相変わらずの量よねぇ。これガリィ以外だったらあっという間に溢れ出ちゃうわよ」

 

「う~……」

 

元々想い出を集め、分配する為にオートスコアラーの中では群を抜いて想い出の保有容量が多いガリィだが、そんなガリィでさえも少女からの補給は気を抜いてしまえば自らが内側から破壊されかねない危険行為でもある。

だからこそ少女からの補給はガリィに一任されており、ファラもレイアもガリィから補給を受けている。

他の面々には出来なくて自分だけが出来る、そこに優越感を感じる辺りがやはりガリィだろう。

 

「………………はぁ」

 

目の前で未だにキスのショックから立ち直れていない少女を見てこれも慣れた光景だなとガリィは思う。

はっきり言えばガリィも少女を好ましいと思っている。

どこか人を寄せ付ける魅力を持ち、けれども少女らしい愛らしさとからかった時の反応もガリィには好印象であり、なんやかんやと可愛がってしまっているのが現状だ。

まあマスターに比べたら劣りますけどね、と付け足しておく。

 

「(それに………)」

 

少女が来てからマスターはよく感情を露にするようになった。

昔のマスターは命題を果たすためならばとがむしゃら過ぎて、いつか折れてしまいそうな程に不安定だった。

けれども最近はまだまだ躊躇こそあるが怒ったり笑ったりと以前まで見せなかった顔をよく見せるようになってくれた。

それが何よりも嬉しいと感じ、そしてそれを成したのが自分ではない事に不甲斐なさを実感させられた。

だからガリィは少女に感謝と、そしてちょっとだけの嫉妬心を抱く。

だからこれぐらいの悪戯は許してほしいものだ。

 

「まぁご安心しなさいな、その唇はガリィだけの物にしてあげるわよ」

 

「え?何ですか?告白ですか?」

 

違うわよッ!と騒ぐガリィの後ろでこいつら朝から元気だなと疲れたキャロルは思いながら、今日の朝食の献立が何かを気にするのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「駄目よセレナッ!!男がダメなら女なんて………許せないわッ!!」

 

「……マリアはいったいどうしたのですか?」

 

「えーと、なんか最近色々とお疲れみたいデス…」

 

「……マム、マリア休ませてあげた方が良いんじゃないかな?」

 

 

 

 

 

 

 

 

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基本的にシャトー内部には限られた面々しかいない。

シャトーの主であるキャロル、そのキャロルに作られたオートスコアラー達。

これが少女が知る全ての面々である。

シャトーでの生活も結構な日数が経過しているが、それ以外の面々とは一切出会った事もなければ訪れる客人の姿を見た事もない。

そういうものなのかな、と何気なく思っていたある日

 

「ほぅ、お前が噂のキャロルの秘蔵っ子と言うワケダ」

 

部屋を来訪してきたのは今まで見た事もない、ぬいぐるみを抱えた少女がそこにいた。

 

 


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