セレナが何故か蘇って記憶を無くしてキャロル陣営に味方する話   作:にゃるまる

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作者の暴走再び………


第20話

パーティーが終わってはや数日。

あれからいつも通りの日々が経過しているのですが………最近師匠と話す機会があまりありません。

ここ最近の師匠は忙しそうで、食事も食べたらさっさと作業へ戻ってしまう毎日。

力になりたいとは思っているけど、まだ未熟な私では力になれず、こうしてアルカ・ノイズ達とシャトーの掃除をするのが今の私が出来る精一杯の事だと頑張っています。

 

《担当エリアの清掃完了しました》

 

声と同時に現れたのは掃除機を片手に、逆の手にはごみ袋を持ったアルカ・ノイズ。

任せたエリアの清掃が想像よりも速く終わった事に流石ですね、と頭を撫でる。

表情こそ変化がないアルカ・ノイズですけど、心なしか嬉しそうに見えます。

暫く撫でながら、別エリアがまだ終わっていないのに気付き、そこの応援に行って貰おうと考える。

 

「それじゃこのエリアの清掃に協力してもらっても良いかな?終わったら休憩にするからね」

 

《御意》

 

あれから暇を見てはアルカ・ノイズの改造を行い続け、気付けば家事全般、そしてコミュニケーション能力を持たせる事に成功しちゃいました。

パーティーの時はまだコミュニケーション能力が試作段階だったから片言でしたけど、今では流暢な会話が可能になるまでになりました。

その成果を見てほしくて先日、師匠に御披露目したんですけど…

《キェェェェェェアァァァァァァシャァベッタァァァァァァァ!!》とキャラ崩壊するまでに叫ばれたのには驚かされました……あんな師匠初めて見ましたよ…

 

さてそんな本来の設計目的とはかけ離れてしまった一家に一匹、便利な家事全般おまかせアルカ・ノイズ。

今日も今日とて彼らに指示を下しながらシャトーの通路を掃除していく少女であったが、ふと何気なく向けた通路の先に見慣れた背中を見つける。

 

「…師匠?」

 

そこにいたのは今日は部屋に籠ると言ったはずのキャロルの姿。

暗がりにいるせいかその姿をしっかりと確認する事は出来ないが、その背格好はまさにキャロルそのもの。

どうしてこんな所に?もしや何か必要な品でも取りに出てきたのだろうか?そんな事を考えながら少女は通路の奥にいるキャロルに声を掛けようとするが―――

 

「――――ッ!?」

 

小さく驚きの声を出したかと思いきや通路の奥へと消えていった。

…どうしたんだろう?と首を傾げるが、去っていく背中を見て、気付く。

通路の奥へと消えていくキャロルが身に纏うその衣服が―――いつもと別物であることに。

 

「…あんな服あったかな?」

 

基本的にキャロルが身に纏う衣服は大抵同じデザインの物が多い。

稀に外向け用らしきしっかりとした衣服を見つけた事はあるが、それを身に纏う姿は見た事がない程、キャロルの服装は限定されている。

なのに、今通路の奥へ消えたキャロルは黒いローブの様な衣服を身に纏っていた。

少女が知る限り、キャロルが持つ服にあんなデザインの物はなく、キャロルの性格上あんな服を身に纏うとは思えない。

ならばいったい………とそこまで考えてハッとある可能性に気付く。

 

「もしかして………侵入者!?」

 

あり得ない話でもない。

その証拠に先日やってきたプレラーティも勝手にシャトーに侵入した事は既に少女も知っている。

今度あったら勝手に入っちゃいけませんと説教しないといけないと覚悟を決めているが、今はそれは置いておこう。

過去に起きた事が今また起きる、それは決してあり得ない話ではない。

そして今日に限ってファラ達は外へ出ており、此処にいるのはキャロルと少女のみ。

研究に忙しい師匠に代わってシャトーの平和を守らないと、そう覚悟を決めた少女は周りにいたアルカ・ノイズ達に振り返ると―――

 

「みんなッ!!コードHYH発動だよッ!!」

 

謎の命令を下すのであった。

 

 

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「はぁはぁ………ッ」

 

キャロルに良く似たその人物はあまり使う事がない全速力でのダッシュに息切れをしながら背後を振り替える。

………どうやら追いかけてくる様子はないらしい。

その事にホッと安堵するように息を吐いた。

 

「まさかこんな場所で会うなんて………」

 

あの少女の事は良く知っている。

自らの主であるキャロルから接触を禁じると命じられているからだ。

普段は接触しないようにと警戒しているのだが、まさかこんな端のエリアにいるとは思わず油断していた。

もしも接触したと知られたら大変だと慌てて逃げ出したが、追いかけてくる様子がない事に一安心し、今日の作業を終わらせないと、と足早に向かおうとしてーーー気付いた。

 

「………?」

 

遠くから何か聞こえたような、と。

例えるとすれば、バイクのエンジン音のようなそれは最初は気のせいかと思えるほど僅かにしか聞こえなかったが………それが段々と大きくなっていき、迫っている事に気付いた。

え?え?と困惑しながら背後を振り替えるとーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《ヒャッハァァーッ!!!》

 

 

 

 

 

 

 

セグ○ェイらしき乗り物で迫るモヒカン頭のアルカ・ノイズがそこにいた。

 

 

 

 

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コードHYHこと《ヒャッハァ!!》の誕生にはある人物が大いに関係していた。

シャトーのもめ事の原因は大抵お前、ガリィである。

彼女の本来の目的は人々から想い出を奪い、それを分け与える事にある。

だが少女がいる以上、そんな事をわざわざする必要性が無くなったガリィは、必然的に暇な時間が多くなった。

そんなガリィが時間潰しに始めたのが、読書。

どこからか入手した本の山をつまらなそうに読むガリィであったが、その姿を見た少女もまた読書に興味を示した。

そして読書の先輩であるガリィにおすすめを聞いたのが………それが運の尽きであった。

あのガリィがまともな本を勧めるはずなんてなく、少女に渡されたのがーーー某胸に傷のある男の世紀末物語。

 

ガリィとしては反応を見て楽しむつもりだったのが、少女は意外にもハマってしまった。

そこから生まれてしまったのがコードHYH。

ヒャッハァ状態の高速移動可能なアルカ・ノイズによる捕獲作戦が、こうして生まれてしまった。




ヒャッハァ!!
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