セレナが何故か蘇って記憶を無くしてキャロル陣営に味方する話   作:にゃるまる

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アンケートのご協力ありがとうございます!!
イエスと答えてくれた人が多くて嬉しい限りです!!
後前回同様、一番下を選ばれる方が多くて嬉しい気持ち半面、頑張らないとと思う気持ち半面で…本当にありがたい限りです。
時間が出来たらそういう話を書いて行こうと思いますので、出来れば今後も読んでくれるとうれしい限りです
長々と失礼しました、では本編をどうぞ


あ、今回短めです


第33話

提示された条件は3つ。

その内の2つは組織として結社に利益のある納得が出来る内容だと分かる。

だが3つ目、こいつは違う。

これは組織としても互いとしても利益がある条件ではなく、まるで我が儘を形にしたかのような条件でしかない物だとセレナでも十分に理解できる物でしかなかった。

 

「あの、これって…」

 

「君の誠意に心打たれたのさ。ボクは。

君の力になりたいと思ったのさ」

 

その言葉をそのまま受け止めるのであればそれは感謝するべき善意の行動と判断するだろう。

現にセレナはそう思っている。アダムの言葉をそう受け止めてしまっている。

だが、キャロルは違う。

この男を、アダム・ヴァイスハウプトと言う男を知る彼女だけはそこに≪裏≫があるのは確定事項だと理解していた。

だからこそ提案を蹴った。

この男の思考通りに事を進めればその先に良くない何かが待っている、理解しているからこその拒絶である。

 

無論、結社の力を計画に利用できると言うのであればそれは計画を果たすのに多大な力となる。

結社が抱える情報筋や物資、それに兵力、それをそのまま生かせるのだ。

力になる、それは間違いない。

だが、その利益を捨ててでもこの提案を受けるわけにはいかない。

結社は―――いや、アダムは何かを企てている。

その正体こそ不明だが、それにセレナの存在が大きく関わっているのはほぼ間違いないだろう。

人の弟子を何に使うつもりか知らないが……

 

「さっきも言ったがアダム、オレはお前の提案を断る。結社の力無くとも計画を果たす事は可能だ」

 

だからさっさと帰れ、言葉なくそう伝えるキャロルに対して、アダムが見せたのは不敵な笑み。

キャロルからすれば気味の悪いその笑みに背筋に冷たい物を感じるが、アダムはそんな事気にした様子が無いように、嬉々とした表情で――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それなら仕方ないね。残念だけど。

ではこの情報については自由にするよ。ボクは」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――察した。

アダム・ヴァイスハウプトが伝えようとする意図をキャロルは察した。

 

「(こいつッ!!!)」

 

この男は提案を受け入れないのであれば―――キャロルの計画を二課へとリークするつもりだ。

無論そんな事されれば計画は破綻する。

それどころか今まで歴史の闇に生きて来た錬金術師の存在さえもが露見され、二課に対策を講じる時間を作らせてしまう――ッ!!

 

「分かっているのか貴様…ッ!そいつをすればお前達とて――」

 

「別に構わないさ。ボクは。

仲良くできるつもりだよ。彼らとも」

 

噛みしめる歯から軋む音が鳴ったのをキャロルは耳にしながら考える―――否、もはや考慮すべき選択肢もない。

アダムにとってこの提案を受け入れないのであれば、それは二課への情報リークに加えて、結社が二課に味方する意味を表している。

二課に味方するのに唯一の欠点である≪あの女≫の存在も、今や二課は完全にその正体を掴んでいるからいずれは敵対し、組織を追放、または始末されるからその欠点も消えてしまう。

計画の破綻に加えて錬金術を力に加えた二課を相手にするのは、キャロルにとって最悪の展開でしかない。

いや、計画が破綻している時点で……

 

「――――クソッ」

 

もはやキャロルに残された道は1つしかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、あのアダムさん!!」

 

キャロルの私室を後にしたアダムの背後を慌てて追いかけて来たのだろう、僅かに乱された呼吸を正す様に呼吸をしたセレナは深々とアダムに頭を下げた。

 

「あの、ありがとうございました!!」

 

あの後、キャロルはアダムの提案を聞き入れた。

2人の間で起きた会話はセレナの耳に聞こえぬ様に行われていたので、その内容こそ不明だが最終的にはキャロルが嫌々+渋々のダブルコンボと言った何とも言えない表情で提案を受け入れ、条約は締結。

今後結社は物資、情報面での援助を行い、必要に応じて人員の派遣も視野に入れて活動を始める事となった。

だが、そこらの話はセレナにはさほど重要ではない。

彼女にとって重要なのは、そんな2つの勢力が手を結ぶ条約の条件に自分の参加なんて組織に一切の利益をもたらさない条件を入れてくれた事に対する感謝しかないだろう。

 

「気にしないでくれたまえ。

君の力になりたいと思っただけさ。ボクは」

 

「ですけど…」

 

アダムの貢献に対してセレナは何かしらのお礼をしたいと思っているが、彼女には何もない。

何かとお礼を、と必死に考えるセレナに対してアダムはそうだ、と提案した。

 

「それならお願いしようかな。君に」

 

優しい声と共にアダムが差しだしたのは1つのスマホ。

最新版と比べれば僅かに見劣りするそれを手渡しながらアダムは≪お願い≫を口にする。

 

「困った事があったらこれを鳴らすから力になって欲しいんだ。君に。

だから受け取って欲しいんだ。君に」

 

手渡されたセレナとしてはそれくらいなら喜んで、とスマホを受け取る。

ありがとう、そうお礼を言うアダムの表情は―――とても嬉しそうであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「種は蒔かれた。

後は待つだけだね。時を。

楽しみだよ。本当に………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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