セレナが何故か蘇って記憶を無くしてキャロル陣営に味方する話   作:にゃるまる

34 / 150
暴走します


第34話

建ち並ぶビル群、見慣れた景色。

ほんの少し前に未来お姉さん達と遊んだのを思い出す。

あの時は本当に楽しかったなと、また遊びたいと、過ぎていく想いを胸にセレナは立ち上がる。

 

ビルの上に立つセレナの眼下に広がるのは、無数のノイズ。

大地を埋め尽くさんばかりに数を増していくノイズの群れ。

そしてそれに抗うのはーーー3つの閃光。

赤、青、そしてーー黄色。

その顔が見慣れた人物である事に痛くなる胸を抑えて、セレナはただ見つめる。

 

ーーーこの戦いの行く末をーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………うそ」

 

条約締結の数日後、セレナは呼び出された師匠の部屋で見せられた映像にそう声を漏らす。

シンフォギアがキャロルの計画に必須な存在であると知っていた。

だが………それを纏うのがまさか………

 

「………響さん」 

 

映像に写し出される顔ぶれは、そのどれもが見知った顔。

立花響、風鳴翼、雪音クリス。

かつて出会い、結んだ縁の相手が映像では映し出されている。

時に血にまみれ、時に苦しみ、それでもなお立ち上がる三人がそこにいた。

 

「……これでもお前は計画に参加するのか」

 

キャロルとてこんな手段は取りたくなかった。

キャロルは知っていた、セレナが装者達と縁を結んでいる事を。

友と呼べる絆を作り上げている事を、知っていた。

………それ故に、敢えて彼女にこの映像を見せた。

計画に加担する意味を理解させる為に………

 

計画に加担する、それは彼女達と戦わなければならない道だ。

少女にはあまりにも過酷な現実だと理解している。

キャロルもそんな現実を知らせたくはなかった。

だが、セレナが計画に参加するのであればこれは避けられない現実だ。

早々に現実を認識させると同時に僅かに期待していた。

これを見て計画から抜けてくれれば、と。

だが、同時に思っていた。

 

「………はい、それでも、です」

 

この少女はきっと折れはしないだろうな、と。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………………」

 

セレナはただ眼下で広がる戦いを見つめていた。

キャロルから命じられたのはあくまで静観。

シンフォギア装者とフィーネ、この両者の戦いに手出しはするな、と命じられている。

ただし、装者が負けそうになればその時は密かに手を出せとも命じられ、セレナは待機していた。

 

《マスター、どうかこれを》

 

背中に感じたぬくもりは連れてきていたアルカ・ノイズが被せてくれたタオルケット。

暖かい時期になったとは言えビルの上にいるのはやはり寒さを感じていたのでちょうど良かった。

 

「ありがとう」

 

《いえ》

 

被ったタオルケットで身体を包みながらその場その場で変わる戦場をただ見つめる。

幾度かあった絶望的光景はもはや過去の話。

《エクスドライブ》シンフォギアの限定解除にて発現する圧倒的な戦闘能力を保有する機能。

それを纏った三人の装者は無数のノイズを相手でも難なく打ち倒していき、もはや勝利はほぼ確定であろう。

安心すると同時に思う、思わざるを得なくなる。

 

「(いつかは、戦わないといけないんだよね………)」

 

戦いたくはない。

彼女達を知るセレナが思うのはただそれだけ。

だが、戦うしかないのだ。

キャロルに協力する、それはそう言う道なのだと分かっているから………

 

「………?」

 

ふと、ノイズに動きがあった。

無数のノイズがまるで川のように動き始め、フィーネと呼ばれる女性の元へと集まっていく。

集まったノイズが段々と形となり、まるで特撮に出るような怪獣のような姿へと変わっていく。

 

「………特撮だとああいうのって負けフラグですよね」

 

勝敗こそついてないが、予想はついた。

もはや静観する意味はないだろう。

戦闘が激化すれば居場所がバレてしまうかもしれないし、引き上げましょうか、と背後を振り替える。

そこにいたアルカ・ノイズの数を何気なく数えてーーー気付いた、気付いてしまった。

 

一体足りない、と。

 

「え?え?えぇぇ!?」

 

慌てて周囲を見渡すが、その姿はどこにも見えず、消えたアルカ・ノイズが最近作った特殊タイプである事を思い出しつつ、まさかと見たのはーー現在進行形で怪獣に変身しつつあるフィーネ。

いや、まさか、けど………

 

「………違う、よね?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

----------------------------------------------------------------------------------------------------

 

作者です。

はい、またです、また暴走します。

ここでやるのか?と思われる方もいると思いますが、やります。

暴走しますが、その前に一言………

シリアス展開まじ苦手ッ!!

物語上仕方ないけどまじ苦手ッ!!

やとこさ解放されたんだ!!派手にやるぜぇぇ!!

そんな思いでの暴走です。

ではどうぞ。

 

----------------------------------------------------------------------------------------------------

 

 

 

 

 

《はぁ~BBAの中あったかいなりぃ》

 

フィーネと一体化し、黙示録の赤い竜と化したフィーネの体内。

そこでノイズ達は呑気にしていた。

というのも、身体の制御はフィーネがしているので彼らはする事がなく、はっきり言えば暇なのである。

外の光景こそ見えているが、見えているだけで何か出来るわけでもなく、ただひたすらに暇しながら駄弁っていた。

 

《なぁなぁ、これBBA勝てる?》

 

《無理じゃね?あれ如何にも感じになってたし》

 

《いやいやまだ分かんねぇよ?BBAネフシュタンとデュランダルあるしワンチャンあるで》

 

《行けるさ!オレらのBBAならッ!!》

 

映し出される光景を話のネタにしながら、呑気に会話を広げるノイズ達。

絶賛押されまくりのBBAことフィーネを応援していると、ふと遠くが騒がしいのに気付いた。

なんだなんだ?と野次馬根性でその様子を眺めるノイズ達はーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《ぬぉぉぉぉぉぉぉッ!!》

 

 

 

 

 

 

 

 

無数のノイズを千切っては投げ千切っては投げるラ○ウを目撃するはめになった。

 

《アイエエエエ!?ラオ○!?ラ○ウナンデ!?》

 

驚きのあまり片言と化したノイズの叫び声さえも○オウは凪ぎ払っていく。

その姿はさながらダンプカーだろうか、群がるノイズを薙ぎ倒す様にしながら突破していった。

 

《マスター!!マスター何処におられるのですかぁぁぁぁ!!マスターァァァァァァ!!》

 

ラ○ウノイズは気付けば此処にいた。

覚えていたのはマスターの背にタオルケットを掛け、後ろに下がろうとしてビルから転落してしまった所までだろう。

目が覚めたら熟女大好きノイズ先輩達に囲まれた彼は、吠えた。

吠えて吠えてーーー暴れる道を選んだ。

ロリコンと熟女好き。

両者は決して交わらない運命、会えば殺し会うのが定めなのだッ!!と。

 

《除け除け除けぇぇぇぇ!!うおぉぉぉぉマスターァァァァァァ!!》

 

そしてロリコンは駆けていく。

自らの主の元へ、ロリコンである彼の救いへ、駆けていくのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぐぅぅ!?な、なんだ!?何故身体を上手く動かせない!?私の中で何が起きている!?」

 

セレナは思わずあわわと混乱してしまっていた。

完全に特撮の怪獣と化したフィーネ、変身後は圧倒的な火力と再生力でその力を盛大に振る舞っていた。

それまで優勢に戦いを進めていた装者達が苦戦するほどの実力に、あわやと思っていたのだが………

突如苦しむように身悶えし始めてーーー今に至る。

 

「あの身悶えって………いや、違うよね?違うよね!?」

 

必死に否定するセレナであったが、その背後にいたアルカ・ノイズ達は察していた。

あれあいつだよなー、と。

 

身悶えする隙だらけのフィーネを前に装者達の動きは速かった。

クリスと翼のコンビによって苦しむフィーネに対して攻撃が決まり、弾き出された完全聖遺物であるデュランダルは響の手に渡りーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………終わっちゃった」

 

デュランダルの影響で暴走仕掛けたり、それを止める為に三人でデュランダル握ったりと色々とあったが、最終的にはデュランダルから放たれた一撃がフィーネに命中し、決着がついて………………いや、ついてしまった。

 

《マスターァァァァァァご無事ですかぁぁぁぁ!!》

 

フィーネの身体と化していた部分から見慣れたアルカ・ノイズが此方に手を振りながら走りよって来たのを見て、セレナは思った。

これ本当に良かったのかな?と

もしや、私はなんか色々とやってしまったのではないかな?と、

そしてーーー戦闘が終わった以上、此処にいては色々と不味いのでは?と

 

「………撤退!!撤退ーー!!」

 

走りよって来たアルカ・ノイズを即座にジェムに戻すや否やセレナは吠えてテレポートジェムを叩きつけて颯爽と引き上げていった。

そのあとに月の欠片が落ちてきたとかあったらしいが、セレナがそれを知ったのはシャトーに帰り、状況を見ていたキャロルからの大説教の後であった。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。