セレナが何故か蘇って記憶を無くしてキャロル陣営に味方する話   作:にゃるまる

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第4話

「ふむ……」

 

少女は意外にも協力的であった。

少女としても説明すると同時に自らに降り注いでいる異常を確認したいのもあるのだろう。

口早に必死で説明する少女、だがその内容は―――

 

「(何も分からない、か)」

 

少女は何も覚えていなかった。

己の名前も、出身も、家族構成も、そして何故此処に居るのかさえもだ。

シンフォギアについては論外、その存在もあのペンダントがシンフォギアであるとさえ知らないときたものだ。

 

「(嘘である可能性は否めない…しかし、だ)」

 

必死に説明しているその姿が演技であるとも思えないのも確か。

長年、人と言う存在を見てきた者としては嘘をつくかどうかの見分けもさほど苦もなく判別できるが、その長年の経験と勘が語る。

彼女は限りなく白に近い、と。

だからと言って彼女がどこぞの機関による手の者でないと言い切れないのも事実であるのだがな。

 

「(さて、どうしたものか)」

 

はっきり言って処遇に困る。

彼女のシンフォギアの力を利用できるのであれば良いが、それは記憶を取り戻した時に敵に回る危険性も考慮せねばならない。

未だ完成に至っていないチフォージュ・シャトー、そして父の命題を果たす計画。

これ等の情報が他の組織、機関へ渡るのは得策ではない。

かと言ってこの場で始末をするには勿体ないのも事実。

どうしたものかと、悩ませてくれる。

 

「あのですねぇマスター提案してもよろしいでしょうか?」

 

そんな折に口を挟んで来たのはガリィ。

呼んだ覚えのないガリィが此処に居る、それ即ちは……

 

「……俺の記憶が正しければお前には後始末を命じたはずだが?終わらせたにしては偉く早いじゃないかガリィ」

 

「え~?ちゃんと言われたとおりに後始末しましたよ~(笑顔)」

 

絶対にしてないな(確信)

まあガリィの事だからさほど驚きもしないと諦めながらガリィの提案とやらに耳を傾ける。

 

「えっとですね~、マスターとしてはその子の力を利用したい、けど本当に敵なのか?裏切った場合どうするか?それで悩んでいるんですよね?」

 

「…そうだな」

 

「だったらガリィちゃんの出番じゃないですか~♪私がちょちょ~と想い出を吸い取ってしまえばあれが演技であろうがなかろうが関係なし♪後は産まれ立ての雛鳥をあやす様にマスターが記憶を失った彼女に色々と教え込んでしまえば良いんですよ☆嗚呼、安心してくださいまし、ちゃんとセーブして吸いますので。まあ裏切った時は遠慮なく全て吸い取らせてもらいますけどね♪」

 

そんな使い方出来たのか?と創造主たるキャロルでさえも若干困惑するが、悪くはない案だ。

ガリィの提案、と言う点のみが唯一気にくわないが確かに想い出を吸い取ってしまえば記憶のあるなしなど関係ない。

そこに都合のよい情報だけを教え込んでしまえば便利な駒が1つ出来上がり、と言うわけだ。

 

「……ガリィ、その案を採用してや―――っておいッ!!」

 

ガリィの中ではもはや採用されるのは確定だったのだろう。

指示を下すよりも先にガリィの姿は少女の元へと移っており、既に顔に手を添えて準備万端どころか実行数秒前になっていた。

勝手な事をと怒るが実行しようとしていた事には変わりはない。

ならばとため息を漏らしながらそのまま見届けようとするが――――

 

 

 

 

 

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本日2日目の状況が理解できない謎シチュエーションに困惑するどころか胸が大いに高鳴る。

それも当然だ、急に現れた青い少女に顔を触れられたと思いきや急に大人のシチュエーションが繰り広げられようとしているのだから。

 

「(え?え?なに?え?ちょ?もしかして私――――キスされようとしてるッ!!?)」

 

病的なまでに白い素肌の顔がゆっくりと迫る。

迫る唇、拒否は許さないと顔を抑える手には力が込められ、ゆっくり、ゆっくりと迫る顔に全身が赤くなる。

覚えていないけれどこれってきっとファーストキスになるのでは?

いずれは好きな異性に捧げる予定だったそれを今奪われようとしている。

困惑するな、と言うのが無理な話である。

確かに目の前に迫る少女は可愛いと思う。

ドキドキしたりもしちゃってるのも認めるけど………

だけど私的にはやっぱり将来の旦那様を相手にしたいなって思ってるんだけど止まる気配ないんだけどぉぉッ!!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いけないわセレナッ!!セレナは一生私が養うから結婚なんて許さないわよッ!!」

 

「……えっと、マリアいきなりどうしたんデス?」

 

「え?あ、あれ?何だったのかしら……今セレナが……夢ね、疲れてたのかしら?」

 

「マリア、無理しすぎないでね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どこぞで誰かが吠えているなんて露知らず、少女は迫る唇を阻止しようともがき足掻き――――そして、抵抗虚しく唇が触れ合った。

同時に先ほどまで余裕綽々と言った青い少女の顔が僅かに歪むと同時に唇が離される。

時間にして数秒足らず、けれども私はその数秒で人生初のキスを奪われてしまったのだった。

 

「………私の………ファーストキス………」

 

奪われたのはあまりにも………大きな犠牲だった。

 

「……どういう事よ、こいつ」

 

キスを奪われたショックで悲しむ私は気づけなかった。

理解出来ない、そんな表情で睨みつけている青い少女の存在に――――

 

 




マリアのセレナ探知レーダーのお披露目である
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