魔法少女リリカルなのはINNOCENT 超絶レアなアバター持ちの高校生   作:真庭猟犬

2 / 5
二話目です。主人公のアバターと特殊能力が登場します。


Tale2 テイルズファントム

「……っつう。まだ耳がキンキンなってるじゃねえか」

 

「ごめんね」「ごめんなさい」

 

 

エイミィ&アリシアの絶叫から数分後。海聖小の三人に「俺は後で参加する」と言っておいてブレイブデュエルを始めさせ、俺は三人と共に一時見守る側に着いた。

 

 

「かっかっか。二人とも年頃の少女だからの」

 

「むしろお前は確信犯だろうが。つうかお前は俺とあんま歳変わんねえじゃん」

 

「カカ。人を見かけで判断するのは愚の考えじゃよ」

 

「そうかい。で、エイミィとアリシアは何で絶叫したんだよ?」

 

「だって、ねえ。お兄さんのアバターって【テイルズファントム】と言ってとんどもないレアなタイプなんだよ。性能は初期段階から異様に高いし、複数の強力な特殊能力を持っているんだよ」

 

「だけど、欠点が多くてね。まず特殊能力の一つの【無辜の怪物】はイメージが強くないと失敗するし、モンスターになるって日常にはないから動かしづらいの。三珠さんは例外だけどね」

 

「いや、それくらいTRPGでの経験があるからいけるぜ。ロールプレイしたのは人外系が殆どだったしな。最近は動物に変化するキャラもやってるし、イメージは十二分にできてる」

 

 

トントンと人差し指で頭を叩く。TRPGではGMは複数のキャラやモンスターを演じ、ストーリーやダンジョン・フィールド等を想像した上でプレイヤーにそれらを語るのでイメージするのは容易い。と言うかそういう想像力がないとGMはできない。

 

 

「そういやシンはTRPG部だっけ。それなら納得できるよ」

 

「伊達に回数を重ねてないからな。っつうわけでそろそろ行くか」

 

「待たぬか。お前さんのデッキは[R]のスキルカードばかりで[N]はないじゃろう?」

 

「そうだが、何でお前は知ってるんだ?」

 

「そりゃ妾の旧作のデッキだからの。自分のデッキがどういうものか知ってて当たり前じゃ」

 

「「三珠さん……」」

 

 

二人のジトッとした視線も気にせず、三珠は笑いながら三枚のカードを俺に渡した。見てみると全て[N+]だがやはり一枚はスキルカードだった。

 

 

「一つ助言してやろう。【テイルズファントム】の強さは欠点でもある強いイメージ。その気になれば竜となって火を吹く事もできるぞ」

 

「……サンキュー」

 

「あと、テストプレイヤーが乱入してるから早うせんと全滅するぞ」

 

「そういうのは早く言えアホ!!!」

 

 

悪態を吐きつつシュミレーターの方へ走る。視界の端にチラリと見えた大笑いする三珠と顔を青くしたエイミィとアリシアは記憶に新しかった。

 

 

★★★★

 

 

三珠視点

 

 

「かっかっか! やはり妾の目に狂いはなかったか!」

 

 

先程のシンの悪態聞き、妾は笑ってしもうた。妾が《()》だった時以降の男どもと比べると数少ない真っ直ぐな漢だったからかもしれぬ。しかし、クロと違って遠慮なしってのもあるかのう? それはおいとくとしておこう。妾達は仕事があるからの。

 

 

「いつまで青褪めとるんじゃ。シンのやつ変わった変身をしておるぞ」

 

 

妾はモニターに映された異形の怪物を見て笑う。シン、お前さんはどこまで成長するかのう?

 

 

★★★★

 

 

「っと、ちょっとばかし遅かったか」

 

 

リアライズアップしながら乱入すると、ダウンしているアリサとすずかが最初に見えた。やったのが誰なのかとなのはがどこにいるかと探せば、赤いゴスロリの少女がなのはの上空から得物を振り下ろそうと降下していた。

 

 

「チッ。ブラッドアート!」

 

『ギャハハハ!! 道は創ってるぜマスター!』

 

 

口の悪い相棒(デバイス)の声と足元から向こうへ続く道を見て俺はワードを言う。

 

 

「【地を駆けるもの】」

 

 

下半身を狼に変え、道を走ってブラッドアートを構える。

 

 

「なのは! しゃがめ!」

 

「ふえっ!?」

 

「早く!!」

 

 

やや怒鳴り気味になっちまったが、なのははすぐにしゃがんだ。俺はブラッドアートを大きく振るう。金属どうしがぶつかり合う大きな音が響き、赤ゴスの少女は顔を顰めながら右手を振った。

 

 

「~~~~~~ッ!! 何だよこの馬鹿力!」

 

『ギャハハハハ! マスターは『テイルズファントム』タイプだぜ。接近戦向けの装備でも厳しいぜ」

 

「玄人向けの超絶レア!? ってかその足はなんだよ!?」

 

「お、狼、なの?」

 

『あれは【無辜の怪物】、いや別の特殊能力でしょうか……』

 

 

赤ゴス少女、なのは、なのはのデバイスの順に疑惑の声が挙がるがデバイスの方は的を当てていた。

 

 

「特殊能力【邪紋使い(アーティスト)】。その一つである『ライカンスロープ』の特技、【地を駆けるもの】で下半身を変えたってわけだ」

 

 

テイルズファントムの特殊能力は【無辜の怪物】を除けば人によって数も性質も違う。三珠が言った『イメージ』によって変わるようだ。その代わり、使えるスキルカードは[R]以上だけと言う欠点もある。

 

 

「さらにいくぜ! 【アーティスト/アームズ】、【肉体調律】からの【変幻なる刃】!!」

 

『背後だ!』

 

「ッ! こんのっ!!」

 

「グッ!」

 

回避困難な奇襲は赤ゴスのデバイスによって失敗し、その上仕返しと言わんばかりに腹部への一撃を当てられてブッ飛ぶ。

 

 

「シンさん!」

 

「ゆだんたーてきだな」

 

「『『それを言うなら油断大敵(だ)(だぜ)』』」

 

「うっ…うっせー! いいんだよなんとなく合ってるから」

 

 

そういうのは年相応だな。けどま、このままじゃやられるな。

 

 

「ブラッドアート。あれやるぞ」

 

『ギャハハ! 【無辜の怪物】だな!』

 

「させるかよ!!」

 

 

無辜の怪物の発動させる前にケリをつけるようだが―――

 

 

「『遅い(おっせーよ)』」

 

 

―――イメージはもう出来上がってんだよ。

 

 

「無辜の怪物。【鋼鉄の怪鳥 デヴァッハ】!」

 

 

ブラッドアーツと一体化し、機械と融合した巨大な怪鳥となって攻撃を回避してなのはの所へ戻った。

 

 

「よっと。無事か、なのは」

 

「えっと……シン、さん…ですよね?」

 

「まあ、戸惑うよな。ゲームとは言え人がモンスターになるってのは。それはそうと、こっからどうするかが問題になる。相手はテストプレイヤーだから実力も経験も大きく差がある。一応俺はアバターの性能とこの姿でその差を補えるが、なのははまだ自分のアバターのタイプも解ってない上に経験が浅いからそれは無理だ」

 

「じゃあ、どうすれば「制服の女の子。『ストライカーチェンジ』を使って」ストライカー…チェンジ?」

 

 

突然の第三者からの声に俺達は意識を向けられる。どうやら味方らしい。

 

 

「君のデッキには[N+]のカードが2枚入ってるはず。その2枚を出して…。あとは君のデバイスが補助してくれるっ」

 

「二度目はないぜっ!!」

 

 

赤ゴスはなのはに狙いをつけて攻撃するが、そうは問屋が卸さない。俺は羽でなのはを覆い、スキルカードを発動する。

 

 

「【ミラージュコート】! なのは!」

 

「はいっ! カードリリース。ノーマル2枚! カードフュージョン! ストライカーチェンジッ!!」

 

 

二枚のカードが一枚のカードとなり、なのははそれをスラッシュした。

 

 

「ドライブレディ! リアライズアップ!!」

 

 

一度光に包まれた後、現れたなのはは服装もデバイスも変わっていた。

制服から白を基調としたバリアジャケットに服装を変え、デバイスも先端が音叉状のものとなった上に装甲が追加され、射撃系の武器に似たものになっている。

 

 

「んげっ…今度はセイグリットタイプ!? しかも『白』とか超がつくレアカラーじゃねぇか!?」

 

『ナノハ。最後のカードをスラッシュしてコールを』

 

「うん!」

 

「こっちも殺るぞ!」

 

『オッケイ!』

 

「スキルカードスラッシュ!」「焼き尽くせ。劫火……」

 

「やっべえ!? あの鳥マジで殺す気だ!?」

 

「ディバイン…ッバスター」「インフェルノ・ブラスト!」

 

 

なのはが放った砲撃と俺が吐いた熱線はシールドごと赤ゴスを飲み込む。さすがにオーバーキルにはなってないと思うが…

 

 

「てめえぇぇっ!!」

 

「うそっ、まだ…っ!?」

 

 

所々焦げているが赤ゴスはまだ戦える状態だった。俺は威力が小さく隙が少ないスキルを使おうとしたが、別のプレイヤーが赤ゴスの攻撃を止めた。その姿はリボンの色と身長を除けばアリシアと同じ少女である。

 

 

「ロケテスト中全国ランキング6位。ベルカスタイル『鉄槌の騎士』八神ヴィータ。そんな熟練プレイヤーが初プレイの初心者達に乱入なんて感心しないよ」

 

「へっ…全国2位様のお出ましか。上等だ。そっちの初心者ヤローども(・・・・・・・・)とまとめて……」

 

 

一瞬言葉が止まる赤ゴス―八神ヴィータ。俺を見て「初心者?」と言いたげな視線を投げられたので肯定の意味で頷く。

 

 

「初心者ぁ!? その鳥もか!?」

 

「鳥じゃねっての。俺は是枝進也。初プレイで下半身を狼にして武器と一体化しておまけに機械混じりの怪鳥となった上に熱線吐いたブレイブデュエルは完全無欠の初心者だ」

 

「悪かったからその目止めてくんねーか? なんか喰われそうで恐い」

 

 

涙目になっているので人間の姿に戻る。俺がデヴァッハだった時はかなり恐かったんだろうな。

 

 

「これでいいだろ?」

 

「あ、はい」

 

 

アッハイもどきが出たな。トラウマになってなきゃいいが。

 

 

★★★★

 

 

「しっかし、初っ端から色々あったな。いきなり熟練プレイヤーにアリサとすずかがやられて、俺がモンスターになったらなのはが超レアのアバターだったりなのはとフェイトが百合したりで」

 

 

あの後、ヴィータ(あの後話してトラウマになるのを防いで名前呼びにさせてもらった)が乱入したのはエイミィとアリシアの説明不足だったのを知り、フェイト(アリシアの妹だった)となのはが百合ワールドを展開する中で気絶から目覚めたアリサとすずかに経緯を話した後、俺はなのは・アリサ・すずかと途中までの道のりまで帰る事にした。今の話題は上記のものだ(メタいなby作者)。

 

 

「「そうね(ですね)」」

 

「にゃ、百合?」

 

 

アリサとすずかはやや苦笑い気味で返し、なのはは百合に反応したのか首を傾げている。

 

 

「ガールズラブの別名。女性版の同性愛とも言う。まさしくさっきのなのはとフェイトのやり取りがそれだ」

 

「まあ、フェイトはなのはにとっては王子様みたいなものでしょうしね」

 

「にゃっ!?」

 

「シンお兄さんは女性同士の恋愛を応援するぜ」

 

「にゃあああああっ!! 私、フェイトちゃんには憧れと言いますか」

 

「はっはっは。誤魔化すなようら若き乙女」

 

「ですから~~~!」

 

「シンさん思いっきり遊んでるわね」

 

「なのはちゃんの純粋さを利用しているからその分タチが悪いね」

 

「内緒話のつもりだろうがしっかり聞こえてるからな」

 

「「うそっ!?」」

 

「シンさん話を聞いてください~~!!」

 

 

途中分かれるまでなのはをからかいまくったが、翌日にアリサがなのはをからかったのをすずかから聞いた時はガチで笑えたのは別の話しである。




主人公のパーソナルカードにでた三体のモンスターは主人公の切り札と言える怪物なので【デヴァッハ】はそれにあたりません。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。