魔法少女リリカルなのはINNOCENT 超絶レアなアバター持ちの高校生 作:真庭猟犬
「シン。貴方のアバターに少し調整をいれてもらうわ」
TRPG部のメンバー(一名除く)とレヴィを連れてデュエルルームに移動すると、黒いセーラー服に似た服装の上に白衣を着た少女―シオンが自前のノパソをコードを通じて機械に繋げているままそう言った。
「調整ってなんだ?」
「部の全員のデータを総合的に見たんだけど、テイルズファントムはお父さんが遊びで導入したものだからあまりデータが少なく、しかも何気に能力が全体的に高すぎるからゲームにおけるバランスが崩壊するの。だから無辜の怪物の使用の制限と部活動で使ってたキャラシを参考にしたスタイルの固定をさせてもらうの。私のは防御は高いけど物理攻撃力が低めのものにしておいたわ。シンの場合、私達の中じゃテイルズファントムのスキル及び能力値が異常だから厳しく制限しておくわよ」
「どんだけ異常だったんだ、俺は」
「えー! それじゃつまんないよー!!」
レヴィが不満を言葉と態度で表してるがシオンはそれを無視して俺からブレイブホルダーとデータカートリッジを受け取ると、機械にそれらを挿した。
「我慢しなさい。私と両親が頭を抱える程の問題なのよ。シン、貴方はGMの時にオリジナルのモンスターばかり出していたでしょ。無辜の怪物で変身できるモンスターはそれしかできないのとスキルカードを3枚消費が発動条件にしておくわ。あと、切り札級の三つは特に厳しく、[R]以上のカード5枚と[N]または[N+]を3枚リリースする必要があるようにするわよ。特殊能力も無辜の怪物と【
「随分縛るのね」
「これでもシン限定でまだグレーゾーンよ。あと、無辜の怪物を発動する時は弱点が相手に分かるように表示されるから。で、今回使うのは何?」
「死を奪われた竜の王」
「それなら光と炎ね。そう言えば、光系の属性スキルは武器に属性付加のアレがあった筈……」
ノパソを通して機械を操作しながら懐を探るシオン。シュミレーターはまだ空いてないので会話でもしとくか。
「そういうわけだからまあ我慢しとけな」
「むー。制限なしのシンと戦いたかったよ」
「それだと、完全フルボッコにされるわよ。シンが用意してたオリジナルエネミーとストーリーは全て容赦なしだったから何度も鬼畜外道ストーリーとバトルになったのか、数えるのも嫌になるね」
「特に、クトゥルフ。あれ、怖い」
「茶番だけでリアルSAN値減らしが半端なかったからな。あとS.Wとかじゃ本気でデスシナリオがデフォだったから本気でヤバい。ジャンルが違うゲームとはいえ、それがリアルになるんだぞ」
「それでもやる?」
「ゴメン。遠慮するよ」
まあ、事実だから仕方ないとして、レヴィは真面目顔で返事するな。何か傷つく。
「シンのストーリー構成に対する外道っぷりはいいとしてお前ら何してんだ?」
「ギンか。ってかワックス落とすだけで見た目思いっきり変わるもんだな」
ワックスを落としに離れたギンの声がしたので振り向くと、レヴィと同じ髪色となったギンがそこにいた。シオンと俺は予め知っていたが、残りの三人にとっては驚愕もんだった。
「「「誰!?」」」
「「ギンだろ(でしょ)」」
「お前等反応が何気にヒデェな。シオン、何してんだ?」
「調整よ調整。シンのアバターのデータは完全に黒ゾーン突入だったから調整しているんだけど、グレーゾーンが限界なのよ」
「成程な。シン、お前はグランクレストの【
「? ああ」
「その中でよく使ってたのは何だ?」
「【アームズ】と【シャドウ】、【ライカンスロープ】に【レイヤー:ドラゴン】と【シューター】だな」
「殆ど近距離向けか……。スキルは何が多いんだ?」
「主に防御系ばかり。三珠から殆どが貰ったものだけどな。あと、変化できるモンスターはオリジナルのと、切り札系のはノートに纏めてたし、それを参考にしとくのはどうだ?」
『先に言えよ!!』
「ワリ! すぐに取ってくる!!」
俺以外のメンバー全員にツッコまれ、ダッシュでノートを取りに行くこととなった。
★★★★
数分後
「うん、これなら何とかできるわ。それより、シン。貴方がこれを持ってこれば頭を抱える必要はなかったのよ」
「悪かったって。で、俺のアバターの性質はどうなるんだ?」
「防御がライトニングよりの攻撃重視になるわ。機動力は少し高い程度ってところよ。無辜の怪物はデヴァッハにヴェイトゥスと切り札の三体を含めて7体。条件は最初に説明した通りだから」
「あいよ。そんじゃ、むk「待った!」おい……」
「悪いね。今回はテイルズファントムと私達ならではのステージでやらせてもらうから」
「何? それ」
「ああ、成程な」
「確かに俺達ならではってとこか」
「ルイ。大抵のアーケードゲームはステージの最期にボスが出るでしょ? シオンはそれを再現するつもりなの」
「把握」
ってこは俺がそのボスキャラになれって事か。RPは得意だし、やりがいがあるな。
「えっと、つまりボクがモンスターに変身したシンと戦うってこと?」
「有体に言えばそうよ。だけど、シンのRPはかなりヤバいからしっかり意志を保ちなさい。でないと個性等が死ぬかもね」
「……え?」
「レヴィ。シオンが言ってるのはシンが実際そういうRPをやってたのを見てたから言えることだ。過去に数人が隔離された病院行きになったことがあるからな」
ギン。それは去年のあの事件の事か? レヴィがかなり震えているんだが……。
「ど、どどどどどどどどうしよう!!??? ボク死ぬの!? 死んじゃうの!?!??」
「死ぬのはないが、俺がやるのは暗い感情が声に出まくりのやつだから安心しろ。まあ、泣くかもな、色んな意味で」
シュミレーションゲームだからこそできるRPの恐ろしさ、見せてやろうじゃないか。
「お兄ちゃん。ボク、対戦する相手、間違えた?」
「…………かもな」
外野が何か言ってるが無視の方向で。
★★★★
「シン。準備はいい?」
「いつでも」
いつもと違うフリーバトルのステージ。周囲を腐敗臭がする海に囲まれた小さな孤島ともいえる朽ち果てた遺跡の広場。そこに俺は立っている。
今からやるのはRP。但し、言葉だけのものじゃなく、ブレイブデュエル、アバターがテイルズファントムだからこそできるRPだ。デヴァッハの時もそうだったが、このRPは腕がなる。
「無辜の怪物。【死を奪われた竜の王 ヴェイトゥス】!!」
さあ、俺の、否、我の戒めに対し、どう挑むのだ、雷神の襲撃者。
★★★★
かつて数多の竜が跋扈していた国…
その国は今は朽ち果て、残されたのは腐敗臭が発生する海に囲まれた遺跡の跡しか残っていない
そこを訪れた雷刃の襲撃者は息を呑んだ
対峙するは肉体は腐り、一部一部から骨が見えているが、
それらが崩れることなく、竜の形を成している不恰好かつ不気味な怪物
【死を奪われた竜の王 ヴェイトゥス】―――
彼の濁りきった目には人に対する強い怒りと憎しみ…
そして、その感情を塗りつぶすかのような深い悲しみが宿っていた