僕のお父さんは円卓最強の騎士   作:歪みクリ殴りセイバー

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休日で暇だったので今週分あげときます
あと、感想でよく聞かれることに答えますぞ

Q.他のサーヴァントはいないの?

A.いません。バビロニアのアニメを見た感じ、カルデアに他のサーヴァントがいなさそうだったので。ダヴィンチちゃんやギャラハッドがいるので召喚システム自体はあります。

Q.ギャラハッドの逸話はどういう風に伝わっているの?

A.原典通りです。史実にないギャラハッドのカムランの戦いなどについては伝わっていませんが、実際にそれを経験した者(カムランの件でいうならモードレッドやアルトリアなど)の記憶にはあります。ギャラハッドは史実にないことはマシュには伝えてません

Q.FGO編、話を端折りすぎでは?

A.運営からの削除対策というのと、いちいち書いているとテンポが悪くなり、話数も増えるのでやむなく……。なにより詳しく知りたいならば本家をプレイするなり、動画で見るなりしていただければと。FGOやってない人にはわかりづらくなってしまうかもしれないので申し訳ない

Q.ギャラハッドの恋の相手ってガレスなの?

A.違います。恋に関する云々は前世(ギャラハッドになる前)の話です。ギャラハッドにとってガレスはよき後輩的な感じ。仲は良かった。作中では前世=ギャラハッドになる前の人生、今世=ギャラハッドとしての人生(マシュに憑依している現状含む)としています。分かりづらくてすまないさん

今後の展開などに関すること以外で他にもよく聞かれることがあれば、次話以降も書きます


成長

 野営をしていた立香達の元に一人のサーヴァントが現れた。

 真名を聖女マルタ。祈りによって竜種を屈服させたという、正真正銘の聖人の一人であり、今は黒ジャンヌに使役されているサーヴァントの一人でもあった。

 

『そのはずなんだけど、なんで聖女様がステゴロ!?』

 

 マルタは紛れも無い聖女である……のだが、攻撃方法が不良(ヤンキー)そのものであった。殴る蹴るは当たり前、時には急所狙いの一撃を放ち、果ては自らが使役するタラスクという竜をぶん投げて攻撃するはちゃめちゃっぷりである。

 数の上では四対一であり、圧倒的に有利な戦局であるはずなのだが、その内訳が騎士、弱体化された聖女、王女、音楽家と実に戦闘に向かないメンツ揃いであるために実質マシュとマルタのタイマンであった。

 だがギャラハッドは武勇でその名を轟かせた生粋の騎士である。例え中身が一般人でも、失態を多々犯していても騎士である。そこらの聖女(ヤンキー)に負けるほどヤワでは無い。

 特異点Fの激闘を経てマシュ自身の魔力許容量が上がったことと、マルタが狂化を付与されて理性が飛びがちだったのも相俟り、さほど苦戦をすることなく打ち破る。

 最後に理性を取り戻したマルタはこう言った。

「竜の魔女が操る竜に打ち勝つつもりならば、リヨンという町にいる竜殺し(ドラゴンスレイヤー)を訪ねよ」と。

 カルデアの次の目的地が決まった瞬間であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 リヨンで彼女らを待ち受けたのは、やはりと言うべきか瓦礫と惨劇……そして敵である。

 リヨンでカルデアを足止めしたアサシンは打ち倒したが、サーヴァント以上の巨大な生命反応が迫る。

 撤退か、竜殺しを探すか……。その判断は現場の人物であり、サーヴァントの行使権を持つマスター、即ち藤丸立香に託されるが判断は下せなかった。

 黒ジャンヌを倒すには竜を倒すのが必須で、そのためには竜殺しが必要だ。だが、竜が来るまでに竜殺しを見つけられなかったらここで全滅は確実だ。そんな重い判断を、実戦経験はおろか訓練経験すらロクにない立香が下すのは無理があった。

 

 ——————————立香、竜殺しを探しておいで。万が一、黒ジャンヌと竜が来ても僕とマシュで食い止めてみせる。

 

「ギャラハッドさん……」

 

「無茶です! 黒ジャンヌだけならともかく、彼女には竜とワイバーン、それにサーヴァント達がいるんですよ!?」

 

 ここは俺に任せて先に行け。無意識に立てた死亡フラグを、これまた無意識にジャンヌが叩き折りに行く。

 

「……大丈夫だと思います。私も更にギャラハッドさんの力に馴染んできました。私一人では到底無理でしょうが……ギャラハッドさんがいるなら、耐え忍ぶくらいはできます」

 

 無謀な目でも、蛮勇の目でもない。確信を持った眼差しでジャンヌを見つめ、「出来る」と言い切ったのだ。危ない橋を渡らなければ逆境は覆せないことは、戦場を知っているジャンヌもよく分かっている。

 

「……無理はなさらぬよう。ご武運を」

 

 結局はジャンヌが折れることで話はまとまり、マシュを残して立香と他のサーヴァント達は竜殺しの探索に向かうことになる。

 

「マシュ、騎士様、頑張ってね! んっ……」

 

「!?」

 

「……あちゃー、またマリアの悪いクセが出たか……。まぁ精々頑張ってくれ。人の骨が砕け、肉が裂ける音なんて聞くに耐えないからね」

 

 突然の接吻に、この特異点で一番の驚愕がマシュの脳内を駆け巡った。マリーの悪い癖とは、感極まるとキスをすること。かつてはそれで王宮内が割れかけた、とはアマデウスの言である。

 普段は明るい立香は何も言わなかった。顔色は優れなく、正直心配ではあるが、もっと心配すべきはこれから死地を対処する自分なのだと気持ちを切り替える。

 

 ——————————緊張してる? 

 

「……はい。アーサー王の時はキャスターさんとマスターがいましたから……。いえ、ギャラハッドさんだけだと不安だということではないんですけど……」

 

 マシュは訓練は誰よりも積んできた自負はあれど、実戦経験は浅い。それも多対一であり、格上の相手と戦うことなんてなかった。出来るという自信と能力はあっても、それを気持ちに乗せられるかどうかはまた別問題だ。

 

 ——————————マシュはペンドラゴンの意味を知ってる? 

 

「ペンドラゴン、ですか? アーサー王の名としての意味なら確か……竜を統べる者、でしたよね?」

 

 何故今そんなことを聞くのだろうか? 会話に脈絡を感じられなかったが、ギャラハッドは切羽詰まった場面ではあまり無駄なことを喋らないことをマシュは理解している。

 

 ——————————そうそう。アーサー王は竜を統べる者であり、僕は一応そんな人の盾なんだ。竜を統べる者の盾に竜が歯向かうなんて、片腹痛いとは思わない? 

 

「……そうですね。その通りです」

 

 余計な肩の力が抜けていくのが自分自身でも分かった。

 確かに黒いジャンヌ・ダルクや、彼女が従えるサーヴァント達、それらをも超える生命反応を持つ竜は恐ろしい。だが、自分の背を支えてくれているのもまた、アーサー王の盾であり、円卓の騎士であり、誇り高き大英雄なのだ。

 守りに於いて、英雄多しと言えど彼を上回る存在はいない。少なくともマシュはそう信じている。

 ある意味、ギャラハッドに対する妄信的とも言える想いが彼女の闘志を燃やしたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あらあらぁ? 気配を感じて追ってみれば……まさか一人しかいないとは、もしかしてお仲間に見捨てられちゃいましたか?」

 

 サーヴァントとはまた違う、とんでもない圧迫感がマシュを襲う。暴力というモノが竜という形で顕現したような、理性なき力。

 邪竜ファヴニール。それが黒ジャンヌの切り札だった。

 反応がないマシュに、黒ジャンヌはつまらなそうに顔を歪め、ファヴニールに一思いに踏み潰すように指示を下す。圧倒的な質量に加え、真性の竜の筋力から放たれる一撃は大地を粉砕するほどの威力だろう。……本来ならば。

 

「……何ですって?」

 

 力強い青い魔力の聖盾が、一歩も引くことなくファヴニールの破滅の一撃を防いでいた。チンケな羽虫にも劣る存在に自分の一撃を防がれたという事実がファヴニールのプライドを一気に沸騰させ、怒りは更なる力となってマシュに襲いかかる。

 

 ——————————……うん。やっぱり、マシュはすごい強くなったよ。

 

「……私がすごくなったというより、ギャラハッドさんが引き出せる力が増えただけな気もします」

 

 ——————————そりゃあマシュがいきなり名だたる英雄達と渡り合えるようになったら、僕の役割がなくなっちゃうじゃないか。

 

 流石にまだそこまでの強さはマシュにはないが、強くなったという感想に嘘はない。盾捌きや身のこなし、状況判断力……何より、この状況でも一歩たりとも竦まない精神力を身につけている。たった数回の実戦しかこなしていないのにである。ギャラハッドがそれを身につけるのに、一体何戦したかは数えていない。

 前までだったら多重防御術式でしかいなせなかった攻撃を、ただの防御魔術で受け止め、力をそらす。そんな芸当もマシュ自身が強くなればこそだ。

 

「……なるほど。バーサーク・ライダーを倒すだけはありますか」

 

 彼女は次の命令を従僕に下した。その合図を感じ取ったファヴニールは大空を舞い、口に魔力を集中させて炎を溢れ出させる。もしアレが着弾したら、リヨンはおろか近隣の町まで焼け野原と化すことは想像に難くない。

 

 ——————————いやぁ、知性がない竜ってホントワンパターンだなぁ。舐め腐った攻撃をして、凌がれたら猛攻。それでも仕留められなかったら最大火力でドン! 

 

「……私に、防げるのでしょうか?」

 

 ——————————大丈夫。あの聖剣エクスカリバーと拮抗するだけの宝具があるんだから。あの聖剣を防ぐの、僕の目標の一つだったんだよ? 先を越されて悔しいなぁ。

 

「ギャラハッドさん……。はい! やってみます!」

 

 自分と混在しているギャラハッドの力の一端を盾に込めると、前回よりも身体に力がみなぎる感覚が強い。活力を得た今、なんでも出来そうな高揚感に包まれ、それを解放する。

 

「焼き払え!」

 

「……宝具展開。開帳……『人理の礎(ロード・カルデアス)』!」

 

 かつて国を守りし堅盾と、かつて国を滅ぼした業火が衝突し、青空を夕暮れのごとく紅く染めた。防げど絶えぬ業火に耐え、放てど焼けぬ盾に苛立つ。

 竜の息吹は確かに脅威だ。たとえ軍で立ち向かえど、その一息で生存者は半分を割り、無傷のものはいなくなる。だが広域を焼くほどの範囲を持つからこそ、一点突破は厳しい。ブレスと同じく広域に渡る守護域を持つマシュの宝具とぶつかったのが、仮に一点を穿つ宝具……クー・フーリンのゲイ・ボルグなどであったらマシュはきっと死んでいた。

 互いの我慢比べが終わり、猛火が途切れた時に見えたマシュの姿は煤一つついていない無傷だ。この戦況では優位も何もないが、黒ジャンヌとファヴニールを狼狽させるには十分な結果である。

 もちろん、現時点のマシュにファヴニールを討ち取る手段は一つもない。だが、それはなんら問題にならない。古今より、竜を討つのは騎士にあらず。その専売特許は竜殺しのものだ。

 

「すまない。君達が耐えてくれたおかげで、少しは魔力を回復できた」

 

 突然現れた一人の男から放たれた光の筋がファヴニールを退ける。それだけではない。あれほど絶対的強者としての立ち振る舞いを崩さなかったファヴニールが、まるで被捕食者の小動物のような目を男に向けている。その様子を見て、男が探し求めていた竜殺し(ドラゴンスレイヤー)であることは理解するが、ファヴニールは大空を舞って逃げた。

 

「マシュが無事に生きていたことは嬉しく思いますが、とりあえず今は逃げますよ!」

 

「え、ちょっ……!」

 

 黒ジャンヌと、その切り札であるファヴニール。この二つを討つ手段があり、数の利を得ている今こそが勝機ではないのか。

 そんな疑問は明らかに限界を迎えた表情をしている男を見て氷解した。なんらかの事情で彼はもう戦えない……つまり、今ファヴニールを討つ手段はないのだ。

 そのことを理解したマシュはすぐに男に肩を貸し、逃走に転じる。無論黒ジャンヌもタダで逃がすわけではなく、ワイバーンと使役するサーヴァントで追撃をかけんと号令を下した。ギャラハッドからすれば、さっき使えと言いたいところである。

 何にせよ黒ジャンヌとの二回目の会合もカルデア側の逃走で幕を閉じるのだが、この出来事によって黒ジャンヌに強い警戒を抱かせることにもなったのだった。




マシュの成長をメインに据えた回。ぶっちゃけ強くしすぎかとも思ったけど、邪ンヌのファヴニールもフルパワーではないだろうしいいかと思い、そのままにしますた。

今回の話のまとめ

ギャラハッド「死亡フラグ建築」

ジャンヌ「そのふざけたフラグをぶち壊す!」

マシュ「私が今まで積み上げてきたことは、全部無駄じゃなかった……(某詠唱)」

すまない「すまない」

立香「メンタル衰弱」

王女&音楽家AUO「空気」

幕間でやるなら?

  • 円卓の騎士時代の話
  • 特異点の話
  • カルデア(事件前)の話
  • それ以外に出てくるキャラとの絡み
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