僕のお父さんは円卓最強の騎士 作:歪みクリ殴りセイバー
というわけで一章はこれでおしまい!書いてて思ったのが、前話、前々話との落差がヤベェって思った!みんな心して読んでくれよな!久々の勘違いタグだ! でも視点はギャラハッドだけだ!
あと、マーリンのクズじゃないムーブに驚きすぎで笑ったぞ!アルトリアとの今後についても気になってるらしいけど、ガマンしてくれ!
……まるで広い海を漂っているかのような爽快感だった。
どこまでも続くまどろみと心地よさは、彼を蕩けさせるような……危険な快楽だった。
—————————————我ながら良くやったよな。
最後は思わず歯向ってしまったが、今こうして自分を自分として認識して存在出来てる以上、歴史の変換による修正的なものは起きていないようだ。幸い、前世もギャラハッドとして生きた記憶も残っている。アルトリア様と交わした約束は覚えていられそうだ。結婚式に出られないのは残念ではあるが、仕方ない。偽者でも、英雄として生涯を全うさせて貰っただけでお釣りが出る。
……そう。全うしたはずなのに、なぜ僕は未だにギャラハッドの姿なんだ!? え、まさかこのまま暗闇の中を漂うの?
…………イヤ──────! 誰か助けてぇぇぇぇ! なんで僕ばっかりこんな目にぃぃぃぃぃぃ!?
叫んでも叫んでも、誰かに届くはずもない。二度の生涯を終えてこの仕打ちとは、僕を転生させた神様はよっぽど僕が嫌いらしい。あれだろうか、仏教信者なのが悪かったのだろうか。改宗するから許してください。
とりあえず状況把握をするためにも移動を開始する。魔力シールドを足場にして、どうにか上下左右の感覚を自分に叩き込んだ。魔力とかいう不思議パワーにも慣れたものだ。そこらの厨二病なんて相手にならないぜ(イキリ)
『——————————————』
何かは全く理解できないけれど、何かがいることは理解できた。しかも何か意味のある言語を喋っているようだ。オー、ワタシエイケンニキュウデース。アマリムツカシ、ワカラナイネー! 嘘です、イギリスで暮らしてたから英語ペラペラである。
僕の必死なイングリッシュが通じたのかは分からないが、暗闇にいる誰かさんは黙ってしまった。
『————————ケイヤク———————』
契約? 計約? ケイ焼く? 流石にそれは可哀想じゃない? ケイ卿だってめっちゃ働いて頑張ってたのに焼き討ちはないでしょう。謎の存在Xが魔力干渉をしてくるから思いっきり拒否っておく。無理矢理させる契約は犯罪ですよ? 知らないですけど。
『……イズレ————テキ——————ホ—————マモ————』
いずれ? 敵? 穂? まも……魔物? いずれ来る敵が穂に魔物を放ち、摘みに来るとかそういう話? Xさんは農家なのかな? ……成る程、だいぶ飲み込めてきたぞ……。
つまり、いずれ来る敵から魔物を放たれるから、大切な穂を守って欲しいんでしょ?
『……ゼ』
是。つまりイエスってことか。スゴイぞ、言葉が通じないXさんと意思疎通ができている。この調子でどんどんコミュニケーションを取っていこう。ここはどこですか?
『がいあ也』
ガイア……つまり地球か。え、昇天しても地球にいるの? 普通天国とか天界とか、そういう場所に行くんじゃないんだ。もしかして天国とか地獄って存在しない?
『否。存在スル』
存在するんかい。
もしかしたら正確に言うなら死んだわけじゃないから、僕はまだいわゆる死後の世界に行けないのかもしれない。で、地球に戻ってきたけど気を失ってたところをXさんに助けて貰って、今お悩みを聞いていると……OK完璧に把握した。
Xさんにはお世話になりましたし、出来るだけの協力はしますよ。何をすればいいんですか?
『……契約』
む、ただのお手伝いか何かと甘く見ていたが、正式な仕事として頼むくらいにはガチ案件なのか。仕事な以上、出来る限りの事はしなくては。
僕が気を引き締め直していると、突然現れた光球が僕の体に吸い込まれていく。魔術で間違いない。これしきじゃ驚かんからな、こちとらギャラハッドという英雄を二十五年も演じてきた筋金入りの偽者なんじゃい!
『契約終了』
……へ? 書面に残したりしないの? ……あ、もしかして魔術的な契約って存在します?
『是』
あるらしい。多分魔術的な契約を今交わしたんだろう。ブリテンではないから面食らってしまったが、大丈夫理解した。何せ二回目の人生で超常現象を目の当たりにし過ぎたから慣れた。前世からじゃ考えられない成長だぁ……! そもそも前世には魔術なんてなかったけどね!
……さて、早速お仕事の時間なのだがどうすればいいのだろうか?
『汝、聖杯ヲ手ニ入レシ者也。————願エ』
……何を? いきなり願えとか言われても、大概の人は「は?」ってなりますよ?
『汝ノ願イヲ聖杯ニ告ゲヨ』
願い……もう一度、円卓のみんなと楽しく過ごしたいという願いが頭をよぎる。でも、もうあれは終わったことなのだ。蒸し返すのも違う気がする。多分、これからのことに使うべきなのかな?
……難しいな。やっと大きな一仕事を終えたばっかりなのに、これからのことを考えるのはちょっと時間が欲しい。
『是。決マレバ願エ。サスレバ叶ウ』
願いが叶うなんて夢のような話じゃないか。アレかな? 二度の人生を終えた僕へのボーナスステージ的な物だろうか? 何にせよ、少し考えよう。
……そういえば、どれくらい時間が過ぎたのか知らないけどお腹も空かないし眠くもならないな。やっぱり死後の世界……? ではないんだよなぁ、Xさんが地球って言ってたし。
……願い、か。
子供の頃に聞かれたらいくらでも答えられたのに、いざ大人になると語るのが難しくなってしまう。そもそも前世も今世も、そこそこ満足して終えることが出来たのだ。多少心残りがあるくらいがちょうどいい。
前世でも今世でも出来なかったこと、か……。……あったなぁ。我ながら庶民的過ぎて少し恥ずかしいけど。
『決マッタヨウダナ』
……えぇ。僕の願いは————
魔力壁越しに、とある一人の少女を多くの大人達が見つめる。少女は幼く、歳は二桁に行くか行かないかだろう。そんな少女を固唾を飲んで見守るのは、人理保障機関フィニス・カルデアの職員……いや、研究員だ。
彼らが期待するのは、実験の成功。
人理に刻まれし、名だたる英雄達を人の身に降ろし、受肉させた人間兵器を作る……凡そ人道的とは言えぬ実験だ。その部屋には万が一の暴走に備えて彼女を《処理》出来るようにさえしている。
「やったぞ! 成功だ……!」
誰かが呟いた。英霊を憑依させること……すなわち、悲願であるデミ・サーヴァントを作り出すことに成功したのだ。だが、様子がおかしい。
彼女を縛り付けていた拘束具は弾け飛び、普段の彼女からは想像できない理性なき瞳が職員達を射抜く。彼女と目があった職員は体を震わせ、悲鳴さえ上げたがそれを責める人はいなかった。
この組織の所長であるマリスビリー・アニムスフィアは、即座に命令を下した。途端、彼女がいる部屋のあらゆる壁面からレーザーが照射される。
彼女はそれを————避けなかった。
直撃。炎が部屋を覆う。だがその時、炎の赤とは違う青い魔力光が彼女から発せられた。炎から姿を見せた彼女は———無傷。
対サーヴァント用に作られたはずのレーザーは、彼女の髪一本を焼ききることすら叶わず破壊されていく。
全ての攻撃兵器を破壊しきった彼女は悠然とした足取りで彼らの方向に足を向けた。
コツ、コツ、コツ……。
かつて、足音にここまで恐怖したことはあっただろうか? 彼女が一歩一歩近づくにつれ、職員の心に恐怖が宿っていく。
やがて魔力壁と手が触れるくらいの位置まで近づくと、ゆっくりと手を掲げた。たったそれだけで、彼らを守る最後の砦は瓦解した。
悲鳴が研究所内を駆け巡る。最早彼らも先ほどまでの彼女と同じで、命の危機に瀕していた。……いや、彼が彼女に憑依したその時点で、彼らにはもう安全という言葉はなかった。
「名を……聞いてもいいかい?」
マリスビリー・アニムスフィアだけは普段の調子を崩すことなく、まるで友達に話しかけるような気軽さで名を問うた。
「…………この少女に手を出すな」
「約束しよう」
名は、答えなかった。それどころか依り代の少女の身を案じさえしてみせる。どうやら、高潔な英霊を引き当てたらしい。
最初からマリスビリーにはこの少女をもうどうこうするつもりはない。デミ・サーヴァントを作り出すことが出来るという事実と、成功のための条件。幸いこの少女のデータは腐るほどある。成功のカギが彼女自身にあるなら、今までの記録からでも理由は割り出せるだろう。もはや後は術後の経過観察以外することはない。
その言葉を聞いた瞬間、少女—————マシュ・キリエライトの体から力が抜け落ちる。地面に横たわる彼女を見て、マリスビリーはすぐに医務スタッフを手配するのだった。
———————————————フザケルナァ! 確かに……確かに『一生を添い遂げてくれる……まるで一心同体のような奥さんが欲しい』とは言ったよ? 言ったけどさぁ! 文字通りの一心同体だし、何より……この
かつてのブリテン最強の騎士の悲痛な叫びがマシュの脳内を駆け巡った。
ギャラハッド?? 歳。マシュ・キリエライトに憑依する。
というわけで第二章はFate/Grand Order編!……の前に、ギャラハッドとマシュ・ロリエライトの日常を何話かするぞ!
※ブリテンで関わったアルトリアはしばらく出ない
ガイア「もう訂正するのだるいから、そのまま話進めよ」
幕間でやるなら?
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円卓の騎士時代の話
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特異点の話
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カルデア(事件前)の話
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それ以外に出てくるキャラとの絡み