終わりなき者たち   作:ヤマガラなり

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遅くなりました。感想ほしい、ほしい、ほしい


episode5 無断の代償

「で、セフィロト倒して万々歳のまま解放される訳ないよねぇ……」

あの戦いから2時間ほど経過していた。その後俺は野戦病院に未来と雪菜を搬送した後拘束され2時間ほどベットに放置されている。しばらく待っていたが疲れからか睡魔に負けてしまった

 

「4号機のパイロットに対する処遇はどうする?」

「アレは軍の機密中の機密いくら候補パイロットとはいえ国連軍、自衛隊という訳では無い一般の学生が動かしたとなると死刑は免れまい」

薄暗い中で5人の老人達は神原光希の処遇を考えていた。その場の空気は無罪放免で解放する気はないように見えた。

「しかし殺すのは惜しい…」

その老人達の手元には彼が操縦したデータが残っていた。そのデータは一般兵と比べると操作技術は劣っているものの反射神経、機体制御の項目だけエースパイロット達のものと同等の物が備わっていた。そこでその5人の中で一番若い老人が口を開いた。

「強引ですが神原光希は自衛隊に入隊というのはいかがですか?このデータを見る限り最前線で戦っているパイロット達を凌駕しかねない宝かも知れません。操作技術などは学生には必要最低限の事しか教えていない為そこを訓練しあのアルカナと合わされば一騎当千のパイロットになりうる可能性があると私は思っています」

「しかし可能性がありうるということで4号機を託すに至るとは思いませんが」

その疑問は確かだ。最高機密に当たるものを素人に任せていい訳がないのだ。

「もちろん見極める必要があります。期間は…3ヶ月程で良いのでは?もし彼が4号機のパイロットの素質がないとしたら私の首を落とせばいい」

その一言が決め手になったのか神原光希の処遇は決定した。

「では神原光希に対しては自衛隊への強制入隊という事で問題は無いな?」

「それで異論はありません。まずは襲われた地域の復興と国家総動員法の中身を詰めなければなりませんな」

 

「…………君達の忘れ形見は守ってみせる」

誰にも聞こえないように言ったはずだか言葉には決意がみなぎっていた。

 

「……神…君……神原光希!!!」

急な怒鳴り声で目が覚めた。いつの間にか寝ていたようだ

「……おはようございます。おやすみなさい」

そう言って人類が抗うことが出来ない二度寝という禁忌を犯しそうになるが無理やり体を起こされた

「貴方ね…よくこんな状況で寝れたわね」

飽きられた表情で呟くめっちゃ美人さん。美人な人の表情って絵になるなぁと思いながら寝惚けた頭を回しだした。

「確認したいんだけど病院に送った2人は無事なんですか?」

自分の身よりまずは未来と雪菜の安全を確認しよう。どうせ今の状況から察するに死刑とかはないだろ

「あら?自分の事は聞かないのね。普通独房に放り込まれたら自分の身を心配しない?」

「独房には放り込まれたけど連れてこられる過程で手荒のマネをされてないのと2時間ほど放置されていたからそこまで重要視されてないと思っていたからです」

「残念5時間放置されていたのよ貴方。……見た目によらず意外と頭良いのね」

「美人は心に闇を抱えてるって言うのは本当みたいですね」

「………………72時間後にまた来るからそれまで放置するわね。生きてまた会いましょ」

そう言い独房から出ていってしまった

「待って待って待って、72時間放置は死ぬから、どうもすみませんでした!!!!」

大きな声で謝っていると戻ってきて下さった。

「次はないわよ?…さて、神原光希君」

美人さんは佇まいをただし真面目な顔になった

「まずはお礼をセフィロトの侵攻から守ってくれたことに関してはありがとう。でも国の機密に無断に乗るのは頂けないわね」

やはりあの機体は国の機密だったかぁ……だよなぁビーム兵器に攻撃を受けても破壊されない装甲にあの出力そりゃそうだよなぁ……

「はい、その件に関してはごめんなさい。でもあの状況であの機体に乗らなかったら死んでいたので反省はしていますが後悔はしていません」

「別に責めてる気はありません。ただそう言って本音を貰えると嬉しいわ。さて、まずはあの女の子達…祐希未来さんと君塚雪菜さんは無事です。今は普通に意識はあるとのそうです」

まずは守りたいものを守れた。2人に無事に会えたらまずは頭下げて謝り倒すしかない。まあ無事に会えたらだけど

「さて、まず今の君の状況を理解してもらおう。まずは上の意見は君を自衛隊員として強制入隊させようという考えで纏まっている」

覇?まてまてまて、なんで?死刑はないにせよ監禁か監視付きの自由とか思っていたけど……いや待てよ。セフィロトは日本にやってきたということは自衛隊員になったら戦うという事だ。そんなのほぼ死刑と変わらない……少しでも敵を道連れにして死ねということか……

「つまりは捨て駒という訳ですか?敵を減らせて機密を知ってる俺を死刑ではなく遠回しに殺せるという事ですよね?」

「え?違うわよ。しかも捨て駒だと思ってる人を戦場に…武器を持てる状態にすると思う?」

極正論を言われた。でも府には落ちない。何故お偉いさんたちは俺を自衛隊に入隊させようとしているのか……しかも俺襲われる前にスカウトされてなかったか?あの時は同姓同名の可能性が会ったけど2回目でそんなミスはするとは思えない。

「なら何故強制入隊なんてさせようとしているんですか?」

「それは君が優秀株だからかな。君のアルカナの操作履歴を見させてもらった。確かに操作技術は劣っているが機体制御、反射神経に関しては軍で鍛えている軍人を遥かに上回っている。学校で教えているのは必要最低限の知識だけしか教えていないのにだ」

反射神経はわからないけど機体制御に関しては墜落事故を起こしてからシュミレーションでやり込みまくった結果だろうけどそんなの一流と比べたら二流三流と言える腕前だろう。

「しかも君は高校での実機試験においてバランサーが破損してる中で訓練中とはいえ空中機動、射撃、接近戦までこなして破損したスラスターで着地し被害はゼロに抑えた実績がある。今の軍でもそれができるのはひと握りも居ないだろう。しかもそれにもっと磨きがかかっているのもわかる」

美人に褒められるとめっちゃテンション上がらない?

俺はすげぇ上がる。

「しかも上は評価しているのか分からないが新型を君に任せたいようだ」

急に目が覚めた。話が上手すぎないか?訓練すれば一般の兵士より強くなるかもしれないというのは分かる。でもペーペーの高校生に新型を任すのはおかしい話だと思わないか?

「その話美味すぎませんか?新型に乗るって言うことはその分生存確率も上がると思うんですよ。それなら腕利きのパイロットを乗せた方が余程マシだと思います」

「その通りと言いたい所だかあの機体は量産を前提に製造されているから他のパイロット達にも量産次第配備される噂だ。だからこそこれから乗るであろう学生達のケースモデル悪い言い方をするとモルモットとして君を推薦されたのかもしれない」

多少強引だが納得出来るような出来ないような理由だ。

「それでどうする?一応選択肢はもう2つある」

「ろくでもない事でしょうけど一応聞きます」

「軍の監視下の元秘匿されてるアルカナの情報が世間に出るまで拘束されるか軍に入隊してアルカナのパイロットではなく広報員、工作員などの別の兵科に入隊する。ぐらいしか選択肢はない」

ですよねー。監視付きの拘束はまだマシだけどパイロット以外の兵科は勘弁だな。虫けらみたいに死にたくない………

「ちなみに1番のおすすめはなんですか?」

「拘束ね、間違いなく。余計な事をしなければ死ぬ可能性は少ないわ。どれがいい?」

即答だった。1番命を落とす可能性が低い選択肢を選んだこの美人さんは多分いい人なんだろう。

「てっきりアルカナのパイロットかと思いました。予想以上に優しい美人さんなんですね」

「さっきから美人さんとかしか言わないけど口説いてるの?私の名前は………あ」

そしてこの美人さんはやっと気づいたのだ。自己紹介をしていないことに。抜けてるところも可愛いですね(小並感)

「失礼しました。私の名前は柊美佐(ひいらぎみさ)階級は大佐よ」

めっちゃくちゃ偉い人やん。あの赤い彗星と同じ階級だぜ?

「それで柊さん選択肢聞く前から答えは決めています。俺は戦います」

そう2つの選択肢を聞く前に答えは決まっていたのだ。俺は…虫けらみたいに、簡単にその場の環境、運や不特定多数の確率で選べなく死ぬのだけは絶対にヤダ。せめて死ぬ時は少しでも何かを残して死んでやる……それに確かに俺は両親が死んでも別に悲しい訳ではなかった。でも身近な人が死ぬのは父さんや母さんだけで沢山だ!

「多分君はこれから地獄を見る。この前の地獄よりもっと酷いモノを見るそれでも戦えるか?後悔はしないか?」

「俺は…ただ何も残せず死ぬだけは絶対にしたくない。…それに守りたい人達がいるから」

「………そうか、なら歓迎しよう、地獄になってしまった国の一番最前線にようこそ神原光希」

そう言って手を差し伸べしてきた。俺は迷わずその手を掴んだ。

 

 

それが多分俺たちの長く続く物語?英雄譚?……いや、そんなにカッコイイものじゃない。ただ、そうだなここでは敢えて英雄譚の始まりとしよう。

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