自分でも驚くほど頑張った体育祭は終わった。
吐き気を催すサービスカットを見て思わず逃げて戻るに戻れない内に……
で、終わったあとに先生方から注意を受け、家に帰ると両親からはスゴかったと誉められクラスでは発目嬢みたいな目で見る視線が増えた。そして学校全体で言えば……微妙な目線が、ついでに近隣やら通学中にヒーローに成らないのか聞かれることが多くなった。面倒臭いことに
そうそうJr達は家にいる。親が孫みたいな扱いで受け入れてくれた。…いや正確には私が戻す前に親に取り入ってたと言うべきか。体育祭で覚醒孫悟飯みたいな事をしとけばよかったか?
体育祭が終わって数日後。
「すまないのさ!突然に呼び出したりして!」
さて……なんで校長室に呼ばれたんだ?
本当になんで呼びだされた。
なにも悪いことは……先生方々が結構いる。うつむいてゲンドウボーズをしているパワーローダー先生。
あれか!
あの公衆の面前の逆サービスか!
…最近、あの時の光景がガチムチ系のプロヒーロー(♂)好きのサイトに流れてたのが判明したそうだからな……。アレの説教か。
いや、アレは私は悪くない。没収品を持っていた。先生が悪い。むしろあんな光景を見せられた私と、あんな男の服を溶かして自滅してしまったスライムが被害者だ!
「何か勘違いしてるようだけど、今回の呼び出しは君に提案したい事が有るからさ!体育祭での君の活躍を鑑みて提案したいんだけど……神像くん、ヒーロー科に転科しない?」
ヒーロー科に?
普通科ならともかくヒーロー科に?
体育祭でやらかして聞かれることが多かったが、まさか校長から聞かれることになるとは。
返答は数日待ってくれると言われたが特に悩むことなくその場で返事をした。
校長室から出た。
「……まさか……ああもアッサリとヒーロー科への転科を拒否されるとはな」
「校長は驚いてない様ですが、予想してたんですか」
「そうだね。アレだけ力があってヒーロー科を受験してないなら、元からヒーロー科を忌避しているか興味がないだろうからね!」
「忌避?なにかそうなる情報でも?」
「んー……彼の通ってた小学校の校長と知り合いで、昔の小学校の時の彼の写真を送って貰ったんだけど、見てくれるかい」
「こ、これは……なんといいますか」
「……随分と今と違うな」
「ハッキリ言えば見事なまでにヴィランにしか見えない容姿だよね。」
「……ええ、はい、言い難いことですが」
「あの本当に小学生の神像ですか?面影はありますが…………サイズそのものは今と殆ど」
「確かに当時の彼らしいよ。校長に当時の事を聞くと随分と大人しい子だったらしい。何時も一人でいた……悪く言えば孤立していたようなのさ」
「まぁ、それはしますよね。」
「ミッドナイト」
「あ、スイマセン」
「…………校長、神像が今の容姿になったのは何時です?」
「いつ頃今の容姿になったのかボクも気になって確認したけど、小学生の頃は彼の姿は変わらなかったそうだ。それで中学に確認したけど中学に入学した頃の彼の写真がこれさ」
「……前より今の容姿に近いと言えば近いですが、まだ随分とちがいますね。顔も体つきもゴツイ」
「まだヴィランぽいですね」
「で、卒業の時の集合写真」
「あ、今の容姿ですね」
「聞いてみると中学の二年の最後ぐらいの時に今の容姿になったそうだよ」
「つまり……今の容姿になってから一年ほど」
「中学二年と言えば進路を決める頃だよな。その頃にこの二つ目の容姿じゃ……」
「そうだね。あまり力は出してなかったみたいだけど能力の高さは中学でも知られてたそうだ。それでもヒーロー科を薦められたりすることはなかったみたいなんだよ。だけど三年になってからそれとなくヒーロー科を薦められてたみたいなのさ」
「うわぁ…三年って、容姿が変わってからですか。露骨な事をしてますね」
「……そりゃそんな事があったならヒーロー科に入りたいとは思わねーよな。」
「今はヴィランって言えないぐらいだけど……一年前までの姿だと下手するとヴィランみたいな扱いされて苛められてた可能性もあるのよね。特にヒーロー志望の子供がヴィランぽい子供を苛めるって話はよくあることだし」
「………………ヒーロー科相手に恨みをもつ素地があるということか。それなのにヒーロー科の有名どころの雄英にきた……校長」
「神像くんがヴィラン連合のスパイというのは、今のところ考えてないよ。」
「……そうですか」
「イレイザー、スパイならあんな目立つ奴使わないだろ」
「まぁ目立つスパイも居るけど、私が話した感じヴィラン側って感じはしなかったわよ。イレイザーもさっき直接みてヒーロー側を嫌ってるようには見えなかったでしょ?」
「…………一応敵意は感じませんでしたね。ただヒーロー科に迷わず入らないと決めたのも事実ですよ」
「うーん、ヒーロー科に好意的でないって可能性はあるのか?たんにサポート科が好きだってだけかもしれないけどな。担任のパワーローダーから見てどうなん?」
「神像の印象は…………常識人だと自認したマッドという感じです。サポート科では問題児筆頭の一人ですよ」
「……あ、あはは、あの服だけを溶かすスライムは彼の発明品でしたね」
「あの放送事故スライム、パワーローダーの服を溶かしてから吐いてたみたいだけどなんなん?」
「…………ヴィランでなくても質が悪そうだな」
「話を戻すよ。今回彼にヒーロー科の転科を薦めた理由は色々な所から彼がサポート科である事が可笑しいって電話が多数あった事も有るけど、ボクとしてもアレだけの力があってヒーロー科に対して好意的でない可能性があるのも放置できないと思ったからさ。サポート科ならヒーロー科と関わる事も有るだろうけど、どうせならヒーロー科で直接交流をもって欲しいと思ったんだよ。」
「ヒーロー科になれば自然とヒーロー科に好意的になると思ったんですか」
「…しかし本人が拒否しましたね。このままサポート科で良いんですか?」
「かめはめ波とか、ちびっこを産み出す能力もそうだけど、素のスペックも並みのプロの増強系を押し退けてるしな。本人の意思とはいえ……このままサポート科ってのは惜しすぎる」
「並みのプロどころか……イレイザーが実況の時にボソッて言ってたよな。パワーもスピードもあの脳無って怪物より上かって」
「……脳無ってヴィラン連合が出した対オールマイトの相手で、実際にオールマイト相手に真っ正面からソコソコ戦えてた相手よね。その脳無より上って感じたのイレイザーヘッド」
「…………オレの認識とか関係なくても、巨大ヴィラン相当のロボを蹴りあげたパワーを見れば誰でもオールマイトクラスと思うでしょう」
「あー確かにあの馬鹿げた光景をみればオールマイト級だって認識になるよな」
「テレビの体育祭の特番だとオープニングがあの蹴りあげたシーンか、かめはめ波がよく使われてるのよね」
「オレのラジオのリスナーから来る質問も神像の事ばかり!三年含めてヒーロー科全部の話題を喰ってやがるんだよな!……ヒーローに成らないのかみたいな質問ばかりでウンザリだ!」
「プロヒーローからもインターンの申し込みもあったよ」
「おいおい!プロからもそんなの来てるのかよ!」
「それは来ますよ………………正直に聞きますけど、最後のチビっ子との戦闘…………アレ見えました?」
「……………」
「………………やっぱりサポート科はなぁ」
「……本人がサポート科を希望するならサポート科でしかたないさ。だけど体育祭で見せたオールマイトクラスと思える力を見るとナニも対処しないなんて無理だね」
「どうするんです」
「サポート科はヒーローの装備品を作る科だよ。ヒーローの装備を作るならヒーローの事をよく知っていた方が良い。なのでヒーロー科の授業に参加して貰うつもりさ。その時により詳しい能力とヒーローの適正があるかもみてもらいたい」
「「……」」
「ん、どうしたんだい?」
「それ結局はヒーロー科に入れてるのと変わりないんじゃ」
「……今回から試験的にサポート科の装備品開発をより円滑にする為に、直接使う相手を見た方が良いだろうとサポート科にヒーロー科の授業に参加して貰う事になった。A組とB組にそれぞれ二名ずつ。A組の二名はこの二人だ」
「………………サポート科の神像セルだ。どうぞよろしく。」
なんで私は転科に断ったのにヒーロー科に来てるんだろうか。なんで今まで無かった事が行われるんだろうか。まさか私が原因なんだろうか?自意識過剰すぎるか。まぁヒーロー科に来ることは良い。発明品を作る参考に成りそうだからな。
だが、この組み合わせは悪意じゃないか?
「同じくサポート科の発目明です!」
なんでセットでA組にされた。
「「「「………」」」」
驚いてる感じだなぁ。
麗日嬢と緑谷くん、その大丈夫なんだろうか?みたいな視線はなにかな?……発目嬢だろうなぁ。
明らかに敵意を向けてるのが一人いる。
「なお二人にはインターンにも参加してもらう。既にプロヒーローからも参加の許可を貰っているのでしっかり見学してくるように」