緑セミのヒーローアカデミア   作:ソウクイ

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親に捨てられてた場合


外伝一

 

「く、来るな!!ば、バケモ…ノ」

 

「バケモノ?違うオレは悪魔だ……」

 

…なんてな。

 

フフフ、いやいやバケモノと言われるとそう言いたくなったが、違うキャラの台詞だ。同じ作品で出た時期も近くて案外似合ってるとは思えたが、私は化物でも悪魔でもない。いや化物と言えば化物かな?悩ましい。やはり肯定すべきか。否定で良いのか。

 

「た、たすけ、ぐ、げえぇえ」

 

と、食べてしまっていたから悩んだの無駄に成ったな。まぁ"皮だけ"にされた彼になら化物と言われても仕方ないと認めよう。

 

ふむ、周りにはもう居ないな。

 

腹八分目だが良いか。そろそろこの町を出ることにするかな。町を見返すと相変わらず食後はホラー映画の様な光景だ。一式の服と皮だけが落ちている道を歩き人の居ない町を出る。最後に一礼。

 

 

ご馳走さま。

 

 

 

 

 

 

 

私はこの地球の"様な星で"、前世と同じく日本と呼ばれる国の何処ともしれないゴミの山のなかで産まれた。

 

産まれたばかりの私には最初から"人としての記憶"があった。"本当の地球の"2000年代の日本という国で住んでいた男性の記憶がね。そんな記憶をもって別の世界に生まれた。名前は地球と同じ歴史も似ているのに致命的に違う世界に。"個性"等という力がある人の”様な”生き物が住む異常な世界に産まれた。 

 

まぁ相手からすれば私の方が異常なのだろうな。自分の事ながら私自身も異常なんだと思っているよ。自分の肉体も人のモノとは駆け離れ異常だ。姿は前世的には怪物なんだがこの世界では可笑しくない。常識外れなのは圧倒的と言う言葉も生温い強さだ。

 

私の今の肉体は前の記憶に有るある漫画の語のキャラに酷似している。さらに言えば姿だけでなく能力も同じと思えるものを持っていた。

 

人造人間セル、ドラゴンボールに登場するセルの初期の姿にソックリだ。何で別世界でこんな姿なんだろうね。神様のイタズラというヤツだろうか。思い出せばセルになってると気付いた時に初めに私が抱いた悩みは、自分が平穏無事に生きられるかだったな。結果的に言えば……無理だった。  

 

いや元から詰んでいた。産まれて意識を持った時点で私は不法投棄品が色々と落ちていた山の中で捨てられていたのだからね。

 

捨て子の様に捨てられたか。それとも神様みたいな存在に造られてこの世界に送られたか。まぉこの世界の人からは生まれてないか。何故なら私は卵から産まれた。流石にこの世界でも人が卵を産むとかないだろう?

 

セルにソックリ。

どう考えても立場がヤバイ。

 

”本来の地球”と考えて見世物か人体実験など明るくない未来しか想像出来ない。セルがいて世間の反応はどうなるか。…と、世界の事を知らない時はそう考えていた。

 

初めは反応を恐れながら、ゴミ山を出てコソコソと近くの町に入ってみたんだ。熱烈なドラゴンボールファンでリアルなセルの着ぐるみを着てるだけと誤魔化せないかと思いながら。

 

それで町に出てセルの姿に驚かれると思ってた私が逆に驚かされたよ。腰が抜けるとかと思った。それはそうだろう。町に人外が溢れてたからね。人とソックリだけど人と違う。この時は別世界に生まれ直した事も"個性"なんてモノも知らなくて驚いて当然だ。

 

しかも見たのは偶然にも怪人みたいな容姿の相手ばかり。セル並みに怪物に見えた。

 

地球じゃない?それか地球は宇宙人に侵略されたのかミュータント的な存在で溢れてるかと思ったよ。当時の私は驚いて混乱し逃げるように町から立ち去った。それからゴミ山に逃げ何日かして空腹で辛くなった頃に、こう考えを変えた。人外ばかりだからこそセルの姿で紛れることもできるとね。宇宙語なら無理だが日本語も聞こえたし話もできるはず。

 

二回目の町、やはり化物が多い。冷静に見ると人に見える相手も居る。しかし化物と居て平然としてるなら中身は怪しい。更に怖くなったけどそれでも勇気を出して町に入った。

セルの姿も特に問題ないと思っていたのに、なぜか注目を集めていた。ザワザワと騒がれて指を刺されたりした。

 

混乱しながら私はなるべく人に見える女性に声をかけ役所への道を聞こうとした。化物の町でもきっと役所もある。役所なら相談できると思ってだ。しかし道を聞いた女性が私の姿を見ると…悲鳴を上げてきたんだ。

 

なにもしてないのに何故だと思ったよ。……まぁ今考えると、漫画に出ていたセルのままの姿。つまりは、そう……全裸だったから。

 

セルが全裸なのは普通だと思う私はそれに気付かず困惑した。あとタマゴから出てきた時にあったヌメヌメした液体が全身をまだ覆っていた。話しかけた女性は悲鳴をあげ助けてと叫んだんだ。悲鳴を聞き付け直ぐ様に奇抜な衣装の奴が来たんだ。そしてなにもしてない私が変態と決めつけた。

 

今思うと尤もだと思うよ。ヌメヌメした体で全裸で女性の前に立っていたのだからね。更に言えば産まれたばかりなのに子どもと見えなかったしね。私が変態と言われるのは当然。しかしその時はそんな事はわからなかった。変態と言うのも暴言で理不尽な糾弾としか思わなかった。相手は格好からは変人としか思えない。そんな変人を応援する人々。因みに相手はヒーロー。

 

当時の私の認識ではなにもしてないのに変態の犯罪者扱いするヒーロー(変人)に、ヒーロー(変人)の活躍に期待する化物の野次馬に囲まれているという状況。

 

空腹の状態で変人や周りから一方的に悪扱いされた事で苛々としていた私は、自棄になって八つ当たりぎみに変人、ヒーローにバカじゃないかと言ったんだ。ちょっとした不満の現れだ。なのにまさか一言そう言っただけで容赦も躊躇いもなく私を攻撃してくるとは思わないだろ。

 

ヒーローは人に聞こえない大きさでぶっ殺してやるとかチンピラみたいな事を言った。そして殴りかかるような動作をしたんだ。三メートルぐらい離れた位置でね。間合い的にどう考えても殴ったりするには手が当たらない距離、何したいんだと思ってると手を振りかぶった、瞬間目の前が爆発した。この爆発に個性なんて知らない頃の私は変人が爆弾を投げるなりしたと思ったよ。

 

当然だけど人を相手に爆弾を爆発させた相手への評価は、変人から危険人物に…なりかけた。完全に直撃した爆発、なのに痛みがない。爆発ぽく見せた虚仮威しかと思った。実際はこの体のお陰でダメージが無かっただけだろうね。この身体はどんな兵器で攻撃されてもダメージを受けた経験がない程の防御力だ。

 

しかし当時は自分の防御力について気付かなくてね。皮肉とかでなく本心から何だただのこけおどしかと言うと、怒った変人から爆発が何発も追加されたんだ。

動き回りドンドンと近づいて爆発を繰り返す変人。近付く度に爆発音だけは大きくなるだけでダメージはなかった。それでも鬱陶しかった。ヒーローは間合いにいた。今度は確実に私を殴る様に見えた。防御しようと腕を交差させた。更に意識せずに尻尾が自然と動いていた。

 

………防ぐ思いだけで私に攻撃の意思なんてなかった。そもそも尻尾が動くと気づいてもなかった。

 

尻尾が動いたと気づいたのは払われた尻尾が変人の彼に当たると気づいた時だった。そして……尻尾が当たると彼の上半身が砕けた。まるで風船が割れるようにパンとね。肉片と血がバケツの水を掛けられるように掛かった。自分の肉体がどういうものか全く理解してなかった当時の私は、意図せず殺害をしてしまった。

 

さらに砕けた血と肉の一部が口の中に入り、嫌悪を感じながらこれは食糧だと私の本能が認識してしまった。その時の私は空腹だった。色々と精神的にも追い詰められていた。変人が死んだことに上げる野次馬(餌)の悲鳴で、精神的な限界と空腹が合わさり私の理性はとんだ。理性が戻ったのは全てが終わってからだった。

 

気付くと周りには人は居なくなり、地面に何百のグニョグニョとした肌色の皮と人が着てたような服だけが存在した。そしてあれだけあった空腹がなくなっていた。尻尾の先にこびりついた血と肉。

 

 

過程の記憶がなくても直ぐにそういうことなんだろうと理解したよ。

 

当時は取り返しのつかないことをしてしまったと思ったんだ。人だった精神が発狂した様な悲鳴を上げた気がしたけど、落ち着くと特に何とも思わなくなっていたね。

 

私は人じゃないセルだ。

セルにとって人は食い物、餌だ

 

肉体はセルでも意識は人だ。流石に人を食べるのは無理だが、この世界の人は私の知る人とは別種の生き物だ。だから食べても問題ないという認識になった。そう考えると楽になり自分の有り様まで一気に変わった気がした。

 

思い出すとあの日からだろうな。

肉体だけでなく心も少しセルになったと思えるのは。

 

で、空腹が無くなった後の私は心苦しいが皮になった彼等から色々と回収し、それから初めのゴミ山に戻ると満腹感に満たされた私は安らかに寝った。どれぐらい寝たか判らないが…脱皮して体が大きくなっていた。

 

起きてから拝借していたスマートフォンでテレビにを見ると、人喰いのバケモノというのがトップニュースになっていた。そんなのが居るのかと思っていると、人喰いのバケモノとして私の姿が映っていた。間抜けと言うのかな。それを見てようやくあぁそう言えば私は人ぽい存在を喰ったのだったと思い出した。

 

喰ったというより吸収か。テレビに写るのは防犯カメラの映像。私が腕で拘束して尻尾で突き刺し人を吸収していた。客観的に見るとかなりホラーだったよ。あの時は私が怖がってたのにね。

 

ニュースを見て…ニュースのキャスターが猫の顔なのが気になった。あの町だけが異常じゃない。改めてこの世界は何だとスマホのネットで調べてみた。

 

調べてわかった。この世界は自分が生きてきた地球とほぼ同じ世界。しかし個性というモノがある世界、出会ったのが宇宙人でも怪人でもなく分類的に普通の人達だと知った。そう私が吸収したのは普通の人だった。

 

それで辛かった……なんて特になく。罪悪感も嫌悪感も感じなかったよ。人への餌という認識は変わらなかった。知った後も、この地球擬きな世界の人を私は人(同族)とは認識できなかった。猿と人は違うみたいな感じか。私の同族は元の世界の人だ。

 

そしてこの世界の事を色々と調べてるうちに少し小腹がすいて、回収してあったコンビニ弁当を食べた。

 

それが初のマトモな食事だったんだ。しかしまったく物足りないと思った。量が足りないと言うのでなく……栄養が足りないと言うのか。幾つ食べても人を吸収したあとにあった満足感がなかった。食べたのにあったのがもどかしい空腹感。容姿は初期のセル、セルとしてまだまだ成長途上な私には生体エネルギーが必要なんだろうと、それが空腹感や物足りないと思う原因だろうと考えた。

 

ならどうすればいいか。

決まってる。

 

この世界の人を人と思わず餌と認識していた私は至極アッサリと、その日から生体エネルギーを集める為に人擬きを狩るために日本を飛び立ち世界各地を回ることにした。

 

その日からもう十年何年ほどか。

 

コツコツと人を吸収し、吸収した桁が六桁か七桁ぐらいになった頃には、私は世界的な有名人。有名なヴィランとして連日テレビに出ない日がない私、私の個性がなんなのか検討違いな方向に熱く議論され、テレビで私の活動中の地域の事が地震速報の様に報道されているのには毎度笑える。

 

ヴィランとはまぁ大袈裟に言ってるだけで犯罪者。個性を使った犯罪者。ヒーローも居るが単に個性を使って個性を使うヴィランを捕まえる職業。私の知ってるヒーローとは違うな。

 

ヴィランとして有名になってからはヒーローはもちろん、名を上げる事やらが目的のヴィランにも毎日襲われた。ありがたいことにね。襲ってくるのは実力自慢ばかり。基本的に強いほど餌としてとても栄養満点で美味しく感じるからありがたい。強い人間ほど旨い。まるで捕獲レベルなんてある某グルメ漫画。あれは強さと旨さは違うのか。

 

美味しいモノを求めるのは日本人の性だ。自分から強い相手を襲いに行くこともある。

 

各国の上位ヒーローや大物ヴィランは大変に美味しいんだ。どの国でもトップは中々。トップといえば主義としてヒーローのトップを吸収すれば、同じ国のヴィランのトップも必ず吸収することにしている。ヒーローのトップが消えると勿論治安が悪くなるのは当然、意外なことに悪のトップが消えても後釜狙いで同じく治安は悪くなる。だから両成敗にしてバランスをとることにしてる。何故か両方を食べるとヴィランもおとなしくなるからね。

 

ちゃんと私はその地域の治安の事も考えているんだ。まぁ軍隊に襲われて返り討ちにしてたら治安どころか幾つか国ごと崩壊した事もあるが、あれは自業自得だろう

 

この十何年、多くの人と結構な数の世界のトップクラスを吸収した。当然原点セルみたいに大量の生体エネルギーを得て無駄に力は充実している。ただ何故か完全体にならない。何かが足りないのか肉体の変化は起きない。サイズは原点セル並みに成長しても未だに初期の姿のままなんだよ。

 

元のセルと違って私が形態の変化がないと言うこともないと思う。何となくだがそう思う。それと本家のセルのように進化するのに特定の誰かが必要という訳じゃないとも思う。細胞に元から必要なピースがあると感じる。しかし完全になるには何か足りない。ただ栄養だけでもセルの完全体並みに強くなれそうな気もするが…最近、食欲不振だ。

 

最近は毎日、毎日変な相手が生け贄の様に人が送られてくるんだ。それが主に犯罪者、この世界で犯罪者=変態or変人といっていい。寄越されるのは正直吸収したくないと思える濃い変態ばかり、お残しはいけませんという精神で全部吸収する。変態なほど無駄に強いのか旨さはあるんだが、胃もたれする様な感覚がしてるんだ。

 

そのせいというかお陰というかエネルギーを蓄えたいという欲求も収まってきた。今はのんびりしようと思う。それで10何年ぶりに日本に帰ってきた。元日本人として擬きとは言え日本は壊したくないと思って避けてたんだが、欲求が収まってるなら問題ないだろう。

 

そして故郷擬きに帰ってきて私は捨てられた場所の初めのゴミ山の寝床に行くと……まさか少女によるスプラッターを見ることになるとは。

 

血濡れの死体にその死体の血を笑顔で吸ってる少女、ビクッときてしまったよ。血を吸っていた少女は私を見た。下手に可愛いから余計に不気味だ。血に濡れた片手のナイフが中々に恐ろしい。重火器より生々しくて恐ろしい。

 

少女があ!!っと何かを思い出した声をあげた。

 

「もしかして!もしかして!貴方って人喰いの悪魔さんです?」

 

一応ニュースでそう呼ばれるパターンもあるから頷いたが…………血が口についてる君の方がそう見えるんだがな。

 

「おお!超超有名人の人と会えるなんて感激です!!」

 

私を認識したのに血で濡れた顔でニッコリと笑っている。ああ頭のネジが緩んだタイプだ。言動とは違い警戒はしてる感じだが、恐怖という感情はあまりない手合いだな。私を食欲不振にさせた変態達と同類だ。

 

中身は何にしても見掛けは可愛い少女、こう言うタイプは個人的には襲ってさえ来なければ関わりたくない相手だと思っている。そしてこの少女は私を襲ってくる気はないようだな。少女を無視し初めての私の寝床だった場所をみる。今日は此処で休もうと思ってたんだが……

 

「寝床が血塗れだな」

 

「え、ここって貴方の寝床だったんですか。それはご免なさい」

 

本当に悪いと思ってるという感じの謝罪をされた。謝罪されて許さないほど心は狭くない。………あと改めて考えると今さらゴミ山で寝るとか無いなとも思う。

 

「いや気にしなくても良いよ。ではサヨナラ。私は別の寝床を探す事にする」

 

この場にいる理由もないので私は去ろうとした。サイコ少女の殺人現場から去るために…。

 

「あれ?私は放置ですか……人喰いの人なんですよね」

 

「……」

 

本当になんというか反応に困る娘だ。生け贄に送られた犯罪者でもこう言うタイプが一番面倒だったな。

 

「食べられたいのか?」

 

「いえ食べられたくないですよ。けど放置されたらされたで、何でかなーーって気になりました。乙女として不味そうに見えたとかならショックですし!」

 

「いや別に不味そうには見えないよ。空腹じゃないと言うのもあるが、極単純に話した相手は吸収する気になれないだけだ」

 

敵意や悪意をもたない相手と対話をすると、まぁ擬きなこの世界の人相手でもペットに向けるぐらいの親近感は出てくる。そうしたら食べるのイヤだろう。ペットを食べようと思う訳がない常識的に考えて。

 

「なるほど??…………………うーん…じゃあ私とお友達になりませんか?わたし超超有名人とお友達になりたいです!」

 

どこをどう『じゃあ』なんだろうな。しかしお友達か。たぶん利用しようとかそういうのでなく私とお友達になりたいというのは本気だろうな。こう言うタイプは良くも悪くも打算が少なくて純粋だ。

 

ただこの娘の言うお友達か。 

私が言うのもなんだが……怖い。

 

この娘はある国で出会った…頭を切り取って保管してお友達と言うサイコ系と似た空気がするんだ。一応確認してみるか

 

「一つ聞くが、其処の血塗れのもお友達か?」

 

「はい!私のお友達です!佐竹さんです!」

 

ほらみろ。ヤバげな笑顔で肯定された。

 

「お友達ということは、私も其所の彼みたいに血塗れのお友達にしたいと」

 

「違います。人喰いの悪魔さんの血はなんとなく気持ち悪そうです、お話だけするお友達でいいです」

 

「……」

 

真顔で言われた。

安全の為の嘘とかでなく本音ぽいぞ…。

 

いや…そうだな…セルの私の血は青いだろうから気持ち悪いの否定は出来ないか。それでお話だけするお友達……殺害対象じゃないという意味でも有ると思うが、お友達のランクとして下の感じがして若干悔しいと思うのはなんだろうな。

 

まぁそれは抜きとして考えて……日本に居るときの話し相手になってもらうのは悪くない。関わりたくないタイプだが私には選べるような贅沢もない。と言うことでお友達になる事にした。  

 

 

「それならいい。友達になろう」

 

「おお!とても嬉しいです!これからよろしくお願いします人喰いの悪魔さん!」

 

「私は人喰いの悪魔でなくセルだ」

 

結構セルとは名乗ってるのにテレビ報道では、何故か人喰いの悪魔やら別物の名前で呼ばれるのはなんでだ。

 

「セルさんですか。あ!私も名乗ってないでしたね。お友達になる前に名乗ってないのはうっかりです。私はトガヒミコと言います。好きなことはお友達の血をチューチュー吸うことです!」

 

女子高生ぐらいかな。女子高生の友達ができた、と、最後のを思うと素直に喜べないな。それにしても……好きなことはお友達の血を吸うことか。私は友達なんだよな?

 

「本当に私の血はいらないのか?少しだけなら……」 

 

「いらないです」キッパリ

 

「…………そうか」 

 

 

 

 


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