緑セミのヒーローアカデミア   作:ソウクイ

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第4話

『お邪魔ロボが光の中に消えたぁぁぁ!!!なんだ、なんなんだ今の光りはぁ!?いやマジで何を撃ったんだ!?レーザーなのか!ビームなのか!?』

 

私は両手を前に付きだした形で止まっている。私はあの往年のあのヒーローの必殺技を放った。余韻に浸っている。本当に撃てたな。相当に抑えたけど初めて撃った。ウッテシマッタ。

 

……はぁ…

 

深い深い息が出た。

 

疲れた訳でもない。

 

これは、そうだな。

 

賢者タイム?

 

いや、違う…そうじゃなくて、その、なんだつまり冷静になった。 

 

なにしてるんだわたし。

いやほんと、何してるんだろう。

 

体育祭の熱に当てられたかな。それかよほどにあのチンピラが気に食わなかったのか…。それか力を使う機会に暴走してしまったのか。

 

ビルほどあったロボットが消し炭、やりすぎだろうと思う。やり過ぎ所じゃないな。あれでも相当に手加減はしたんだが……あんな攻撃出来るのプロヒーローにも居るんだろうか。周りを見ろ競技なんてそっちのけで全員が見てるじゃないか。

 

『アイツって何処の科のやつだ!?ヒーロー科でも普通科でも見たことないぞ!?あんな目立つの見過ごすとかねぇよな!イレイザーは見たことあるか!まさか乱入者?』

 

乱入者扱いは酷いな。しっかり開会式から居たろう。

 

『混乱を招くような事をいうな。開会式に普通に居ただろう。……ちょっと待て資料を確認する』

 

『イレイザー、それサポート科の資料』

 

『あぁそうだ…………だが見つけた』

 

『見付けた?』

 

『アイツの名前は神像瀬流…………………サポート科だ』

 

遠くの観客と近くの選手からザワザワとしてる声が多く聞こえてくる。そういう目線は地味に気にするタイプだから止めてほしい。浮いてる高さを下げていく。

 

『…サポート科…マジで?』

 

『マジだ』

 

『HEYイレイザー……あんなビーム射つサポート科がいるわけねぇえよ!!』

 

ビームじゃないんだが、ビームじゃなく、『気』は分類としてはなんになるんだろう?

 

『………言いたいことは判るが事実だ。それよりちゃんと実況をやれ。競技はまだ始まったばかりだ』

 

『いやそんな場合…………………いや実況しなきゃな!!俺が実況しなきゃ誰がやる!!競技は止まってない!!急いで実況の再開だ!だからイレイザーはその握り拳を下げようか。オーーット目を離した隙にいつの間にか先頭がもう第2障害物の間近まで到着している!固まってる野郎にガール共はさっさとリスタートしないと不味いぞ!』

 

見ていた人め改めてスタートした。私への注目は減った。とりあえず他生徒の実力を空から観察しよう。トップ集団は彼処か。氷を出すツートーンカラーに判りやすい爆発チンピラがいる。能力が一目で判る。チンピラしね。イケメン氏ね……。

 

ロボゾーンは抜けるとロボの代わりにデカイ穴がある。底が見えない。アレ掘ったのか?

 

『もう先陣が突入してて少し遅いが第二の障害の紹介だ!第二の障害はこれだ!デスフォーール!落ちれば終わりなそれは雄英の精神を体現している第二の障害!穴と穴の間に張られたロープをチマチマ渡りな!』

 

私のように空を飛べる相手には何の障害にも成らないな。

 

『選手がゾクゾクとデスフォールに突入していく!!ロープを渡れ!ただし!押し合いへし合いはご法度だぜ!』

 

ロープを凍らせて渡るツートーンカラー……よくあんなので渡れるな。爆発チンピラは爆発の反動で飛び越えている。

 

笑えるポーズでロープを渡る眼鏡。

 

一人かついで複数人でロープを渡ってる奴はなんだ。この先に団体戦があるとでも考えて協力関係でも結んでるのか?…あんな状態で上位を狙えるのか?

 

尻に変な生き物をくっつけて渡る女の子。

 

発目嬢はロープを無視して発明品で一気に渡ってる。何か叫んでるな。確かに早く通り抜けられてるが、それでもソコソコ上の順位を走る発目嬢は可笑しい。発明品さっきの穴ぐらいでしか使ってないだろ。なんで体力勝負でヒーロー科と張り合えてるんだ。

 

先頭が穴を抜けた

 

『先陣が抜けたぁぁ!しかしデスフォールを抜け待ち受けるのは最後の障害!なにもないように見える?大間違い!よく見たら地面が可笑しい!そこは戦場!怒りのアフガン!地面には大量の地雷が埋めてある地雷原!最後は地雷原を走り抜けろ!』

 

流石は発目嬢が通える学校と言うべきか頭可笑しいな。地雷が良いなら私の発明品もセーフだろう。

 

『最後の障害にトップが今入った!』

 

トップはかわらずチンピラとツートンか。チンピラは爆破の勢いで空を飛ぶ。ツートーンカラーは凍らせて上を滑っている。地雷があまり意味無いな。あの勢いなら後は数十秒でゴールにつくな。さてどちらが勝つかな。

 

『おい空中で見学してるサポート科(?)いい加減に前に進め』 

 

ん?……ああ、そう言えば私も参加者だったな。完全に見学者になっていた…此処から地上に降りたら手加減してるとなる。飛行して行くしかない。飛行して移動するのは初めてだ。……調整ができなかった。

 

『おおっと!この終盤にデンジャラス光線を撃ったヤツが動き出した!遅い!遅すぎる!いまさら動いても……って!はっや!!?え、なに瞬間移動か!?瞬きしてる間にデスフォールを抜けている!!!……ホークスより速くね?』

 

『……ノーコメントだ』

 

軽くのつもりで予想外にだいぶ進んでしまった。セルより弱いキャラでも数分で地球を回ったりしている。超速のロケットで飛んでるようなモノ…抑えても酷い速度になる。

 

『速度が一気に落ちたな。力尽きたか。しかし、それでも早いな…トップに追い付くな』

 

『超すごいビームも撃てて鳥系の異形も真っ青な速度で飛行!なんて規格外!しかも空の上だと地雷も意味をなさない!このままトップに躍り出るか!なんて!簡単に出来ると思うな!馬鹿野郎!!』 

 

ん?何かあるのか

 

『今までの障害物は空を飛ぶヤツにはなんの意味はない。それは飛ぶ奴には障害物競争が楽しくないな』

 

む、前方に何か浮かんでる。

 

『空飛ぶあなたに雄英からの素敵で過激なプレゼントフォーユー!対空ミサイルとドローンからの熱烈なお迎えだ!』

 

なに、ミサイル??良いのかそれは、あんな巨大ロボに地雷もあって今さらか。あれも上級生のサポート科の作品だろうか。私は出すことさえ出来なかったのに随分と……。

 

よし、破壊しよう。

 

破壊しよう。どう破壊しよう。ミサイルを殴りたくない。しかたない。かめはめ波を使ったならそのライバルの技でやるか。……もう、かめはめ波の後なら誤差だろ。

 

『おおっと!神像の手がまた光った!?まさかミサイル迎撃にまたあの光線か!?って!!ステイ!!ストップ!!!ミサイル迎撃にあの光線射ったらマジやばい!!!イレイザー!』

 

『…………いや待て、どうやらあの光線とは違うモノのようだ』

 

正解。

 

大丈夫だと言う風に手を上げる。手に少し気を溜める。そしてそれを両の掌から小出しに間髪いれずに両手で掌底を連続で繰り出す要領で無数に細かく連打で放出。

 

「ダダダダダダダダ!!」

 

通称グミ射ち。孫悟空も似た事をしていたが某王子の代名詞みたいになってる技。

 

『シヴィーー!!神像が超速の光の弾を連続して打ち出してる!!ミサイルとドローンが射的の的みたいに打たれて次々消し飛ばされていく!って!消し飛んでる!?一発一発どんな威力だよ!?会場の皆の代弁をしよう!なんでお前がサポート科なんだぁ!!』

 

『……適当に撃ってるように見えて、全部命中させている…』

 

流れ弾が観客席に飛び込んだりしたら怖いからね。ちゃんと一発一発丁寧にうってる。ドローンもミサイルも消えた。後に残ったのは灰になった煙ぐらいだ。グミ打ち成功か。…少し嫌な予感がするのはなんだろう。

 

 

前に進もう。

 

『トップ二人は既に地雷原の終盤!しかし障害を排除した緑のサポート科詐欺が再び動き出した!勝利するのは地上を行くものか!空を行くものか!さぁどちらだ!』

 

この速度だとギリギリ勝てそうだな。

 

「くそ!負けるかぁ!!」

 

「っ!!」

 

む、少しチンピラとツートーンカラーの速度が上がったな。少し勝ちたい気持ちはある。ただ………。

 

ドガン!!!

 

ん?後方で大きい爆発音がしたな。地雷の爆発音にしては大き過ぎるが。上から何かくる。大きめの何か……なんだ。グエッと聞こえたと思えば目の前が真っ暗だ。頭に何か覆い被さってるな。誰かの個性による妨害か?まぁ問題ないか。後は直線だけだ。

 

『おおっと!?コイツはとんでもないミラクルだ!トップがどうなるか更に予測不可能だ!』

 

トップがどうなるか予測不可能か。良いタイミングで目隠しされてるな。もし見えていたら勝つのに意地に成ってたかもしれないしな。

 

『さぁ!ラストの通路を抜けてきたのはコイツ等だ!?神像瀬流と緑谷出久だ!そして今……ゴォォォール!!体育祭第一競技1位は誰もが予想していない選手に決まった!!』

 

気になる台詞を聞いて急停止、しかしゴールテープは切った。そして止まった勢いで頭に被さったモノが外れた。

      

「ぐへぇ」

 

何か人に見えるな。痛いとか人の声だな。誰か私の頭から落ちたな。あぁ気づいていたさ。頭に乗ってたのが人だってことはな。ゴール前に私以外の名前も呼ばれた時にな。は?っと思ってる内にゴールをしていた。

 

恐らくタイミング的にあの時の爆発音、良く判らないが彼はあの爆発に吹き飛ばされて私の目の前にまで落ちてきたのか?そして私の頭に覆い被さった。……あの時実況の言ってたミラクルはこれか。確かにミラクルだ。どんな確率だ。

 

目の前を見えなくても問題はないとか思わず退かせば良かった。偶然の事故だろう。利用されたならともかく事故で彼に怒りを向けるつもりはないが、しかし私の頭に覆い被さってゴールをした。つまり彼の順位が一位なら…必然的に私は…

 

あのグミ射ちがプラグだったか。

つまり万年二位のあの王子の呪いか。

 

 

『奇跡の大逆転!一位はこの男!ヒーロー科A組。緑谷出久だぁあ!』

 

 

「チクシォォォ!!ベジーータめぇぇ!!」

 

思わず叫んでしまった。

 

 

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