緑セミのヒーローアカデミア   作:ソウクイ

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第7話

さて降りてきたはいいが……なんだこの向けられるイヤな視線は?

 

「ふむ……1000万のタスキじゃなくて私に視線が向いているような気がする。見間違いか。見間違いだな。ヒーロー候補があんな殺意レベルな視線を見てくるわけがない」

 

チンピラだけは違和感皆無。

あれは本当にヒーロー科でいいのか?

 

「いえ私にもそんな視線を向けてる様に見えますよ」

 

「僕にもそう見える」

 

「ウチにもそう見える」

 

「神像さんなにをしたんです?」

 

全員一致か。では気のせいでないのか。

それと最後、私のせいと言いうのはどういうことだ。

 

「酷い冤罪だな。私が何か出来るわけがないだろう。私達はついさっきまで空の上だったんだからな」   

 

「そう言われると確かにそうなんやけど、ならどういうことなんやろ」

 

本当にな。なにがあった?

ふとJr.達が視界に入った。 

 

まさか……あの子達のせいか?

 

「いや、Jr.たちも遊んでただけでなにもしてないだろうし……」 

 

「って!それや!あの子達が原因や!」

 

「おいおい、なんでJr.たちが原因だと断定できるんだ」 

 

「遊んでたって言ってたけど、あの子達っていったいどんな遊びをしてたん」

 

「いや?私は知らんよ」

 

「「……」」

 

いやいや見られても本当に知らんよ。

子供たちの遊びが原因なのか?いったいどんな遊びをしていたのか。私は上のJr.たちを見た。

 

「「「きぃい!!」」」

 

お母さま頑張ってと言われた。

 

一応は親だというのは認めるが、なぜおかあさま呼びなんだ…。産んだんだからおかあさまで間違いないのか?私はメスだったのか!?いやそれかナメック星人みないなものか。性別なかったのか私は……。

 

『時間も後僅かって時にラスボスが降臨してきやがった!さぁ!ラストのラスト!1000万ポイントを奪うために立ち向かう勇者は誰かいるか!』

 

「我々はラスボス扱いなのか……酷くないか」

 

ポイント的には間違いじゃないにしても言い方と言うのあるだろう。

 

「我々じゃなくて、神像くん個人の事だと思うよ」

 

私個人?……嬉しくない評価だ。

 

「あ、ラスボスを倒しに勇者の方が来ましたよ」

 

勇者でラスボスだと、此方がラスボスとかいて魔王にならないか。

来たのはイケメンチームか。この世界が漫画世界としたら主人公かそのライバル役ぽい奴のチームか。

 

「「「ききぃ!!」」

 

フレーフレーおかあさま!イケメンに制裁を!ってJr.達の声援がきた。……おかあさまよりはラスボスがマシか。あとウチの子供がイケメン嫌いな件について。

 

『おお!盛り上がれ野郎共!現在二位の轟チームが一位のラスボスと対峙した!!』

 

観客の歓声。歓声の中の応援で私達に向けられてるのが聞こえない。おのれイケメンだからか。他チームは遠巻きにしている。恐らくあのイケメンをしのげば騎馬戦は此方の勝ちは確定…は!!これはベジータフラグか。油断大敵、また負けてしまう。

 

「周りのチームも警戒してくれよ。どのチームも隙をついて狙ってくる可能性はある」

 

「うん、わかってる」   

 

轟チームの背後辺りに集まった他チームもチャンスが有れば来るだろう。しかしチンピラチームはチャンス関係なく来るかと思えば来ないな。なんだ。見ればチンピラが誰かにタスキを奪われていた。奪ったチームを応援しよう。

 

「余所見とは余裕だな」

 

怒りの声?よそ見だけでそれほどるか?…そう言えば跳ぶまえにJrが執拗に彼の尻を小突いてたな。それでか。大観衆の前で尻蹴されたせいかで怒ってるのか。親として相手がだろうと謝っておくか。

 

「そんなに怒らないでくれイケメンくん。Jr.達が君の尻を執拗に蹴っていたのは謝ろう」

 

「…………」

 

眉間がピクピクと動いた。

 

「……ああ蹴った本人にも謝らせるよ勿論。ほら謝るんだ」 

 

「ききぃww」

 

返答に氷がきた。謝罪したのに心が狭いな。巻き添えで氷付けにった他チームは可愛そうに。近くのチームは殆ど行動不能、で実質は一対一の状態か。

 

「じ、じ、神像くん!挑発しないで!?」

 

「挑発?怒ってるようだから思い当たる理由で謝罪しただけなんだが」

 

「……無自覚!」

 

なにをいってるんだか。

 

「ま、まぁ今はそれは置いとこ!目の前の事に集中せんと!轟くんたちはヒーロー科A組でトップクラスの強敵なんだよ!」 

 

「そうだね麗日さん!」

 

ほうそうなのか。イケメンでトップクラス……上のJr.達が中指立ててるな。私の気持ちの代弁か?

 

「トップクラスですか。此方チームは障害物競争で一位と二位の人が居ますが……向こうのトップクラスの人達は何位でしたっけ?」

 

「発目さーん!!?」

 

「そう言うこと言ったらアカンよ!」

 

向こうの敵意が過剰に高まった。

発言そのものは発目嬢なら言いそうな気もするが、わざとらしく聞こえる声量で言ったなら意図的な挑発か。何が狙いだ?いや発目嬢なら狙いは決まってるんだが……

 

「ふふふ、さぁ突撃して来てください」

 

後ろから明らかになにかを企んでる発目嬢の笑い声が聞こえる。やはり無意味な挑発じゃないか。相手から見えないようにゴソゴソと何かを取り出している。…しかし誤算が出た

 

「……なんでこないんです」

 

発目嬢の不満そうな声、たしかに来ないな。終わりの時間までそれほど無いのに対峙した状態で止まっている。しかしこのまま終わろうという感じは一切しない。チャンスを待っているという顔だ。

 

「なにかを狙ってるな」

 

「ボクもそう思う。飯田くんも轟くんも!みんな全く諦めちゃ居ない!」

 

緑谷くん以外と熱血か?

 

「一発勝負、奪い返されないように時間ギリギリが狙いだろうかな」

 

「うん!そうだと思う」

  

それなら、少しだけなら相談する事ができる。

 

「あの四人の個性は、二人はクラスメイトなら知ってるんじゃないか。なるべく手短に教えてくれ」

 

「僕がわかってる範囲だと、上にいる轟くんの個性はビル一つ丸ごと凍らせる事もできる氷の個性、女性徒の八百万さんは生き物以外色んな物が作れる創造の個性、その隣の上鳴くんは放電、前の飯田くんの個性はエンジン、早く走れる」

 

大体は第一競技で見て知っていたが、一つサラッととんでもない個性が出たな。其のままの意味なら私でも恐いぞ。この騎馬の状態を考えると……

 

「どうでると思う」

 

緑谷くんが聞いてきた。相手のでかたか。出来たらヒーロー科からの見解から聞きたかったな。こういう場合は先ずは素人から聞くのか?

 

「相手の個性から考えて彼方の打つ手は……即席でやるとなると極単純に氷か放電で此方の動きを止めて、エンジンによる急接近でタスキの奪還などが考えられないか?」

 

「なるほど」

 

「しかし……八百万嬢の創造の個性があると。例えば造る物によっては遠距離からの奪還も可能だろうな。他にも彼女なら作るものによっては妨害も攻撃もどちらでも出来る。やはり色々と考えられて彼女だけは何をしてくるか検討を付けるのは難しい」

 

こう言う見解だがヒーロー科の意見はどうだろう。

 

「…確かに言われてみれば他の三人の個性だと大体何が出来るか予想できるけど、八百万さんの個性だけは何をしてくるかわからない。……そう考えると一番警戒しないといけないのは轟くんじゃなくて八百万さんなのか」

 

「デクくん神像くんの二人にそう言われるって、八百万さんすごいんや……流石は推薦組」

 

ネックは八百万嬢、何をしてくるかわからない八百万嬢は考える時間と先手を取れる今の状態は不味そうだな…………なら先手を取られないように動けばいい。

 

私はJr.たちを見て指を下に向けるとJr.達がニヤリと笑った。

 

「「きぃい!」」

 

「え、ちょ!?またですの!?」

 

Jr.たちが急降下で降りてきて八百万嬢に嫌がらせ敢行している。あとイケメンの尻をついでに蹴っている。後者はしらんよ。

 

「コイツまた!俺の尻を!」

 

ついでにJrの一人を轟チームと自分達の前に配置する。これで物理的に急接近は困難になる。どんな奇策だろうと間にJr.がいると難しいだろう。

 

『おおい!真っ向勝負のラストバトル空気になってただろ!空気読め!』

 

『真剣勝負としては合理的だろ、まぁ空気読めと言いたい気持ち持ちもわかるが』

  

『空気読まないやつが空気読めとか相当だぞ!!そう言えば今更だけどあの子供ってルール的にどうなんだ?』

 

『誰が空気を読まないやつだ。審判がスルーしてるなら問題ないって事だろうな。それに確か神像が事前にミッドナイトに確認もしていた恐らくチビ軍団の事だろう』

 

「正々堂々と勝負しろよ!!」

 

野次が聞こえてきた。

 

あまっちょろいことを!勝てばよかろうなのだ!!とこのボイスで叫びそうになった。危ない危ないこれは負けフラグだ。グミ撃ちの二の前だ。

言ってないが少し負けそうな気がしてきた。フラグを立てた分、勝率を上げなければ(使命感)

 

「相手が混乱してる隙に少しずつ離れよう」ボソッ

 

慢心は負けフラグなら慢心は捨てて小さく動く。

 

「こすい!」

 

「い、いいのかなこれ」

 

「むぅ私のベイビーの活躍が」

 

味方から不満が出てるが知らん。

 

「八百万さん何とか引き離せないか!」

 

「そ、そう言われましても!きゃ!そんな所を!」

 

「あ!そうだ!コイツらガキッぽいし菓子とか物で釣れるんじゃね?イテェ!?」

 

電気個性の彼の尻が蹴られた。彼も一応イケメン枠か。たんに悪口と思ってか。それにしても物で釣れるとは愚かな……

 

「モノでですか、……ど、退いてくれましたら皆さんに後でお菓子を上げますわよ!」

 

自棄になってないか?

 

「まさか本当にJr.たちに対してのモノでの買収か?ハハハ私のJr.がそんな子供だましな手段が……」

 

「「キキィ!」」

 

Jr.達が空に戻っていった。

 

「通じるさ」(キレ声)

 

『グレート!!八百万の頭脳プレイが輝き妨害が消えた!』

 

『……頭脳、プレイ、か?』

 

「子供をたぶらかせるとはヒーロー科として恥ずかしくないのか!!」

 

「い、いえまさか私も通じるとは思いませんでしたので…すみません?…」

 

「というか今時お菓子で釣れるって……」

 

くっ!私に似て純粋過ぎな弊害か!

 

「みんな気を引き締めろ。理由はなんにしてもこれで前が開いた。このチャンスを逃す訳にはいかない。轟くんとれよ!」

 

「……あぁ尻の恨みを絶対に晴らす」

 

レシプロンバーストと聞こえた瞬間に轟チームが騎馬としては異様な速度で走ってきた。此処まで聞こえるエンジン音、そしてあの台詞確実に前騎馬の眼鏡の彼の速さか。いきなり速くなったら後ろの二人が転けないのか?

 

しかしJr.が消えたからと言って無警戒すぎたな。敵は別にJr.だけじゃない。此方には残念ながら獲物を待ってるマッドがいる。

 

「きました!私のベイビーの晴れ舞台!」

 

発目嬢の肩に砲門があるモノが。

いやどこに隠してたというほどに大きい。

 

「なにそれ!?」

 

『おおっと!ラスボスチームがまた何かをやらかそうとしている!!』

 

「な!!」

 

眼鏡の彼のひきつる顔。それは砲身が向いていたら危険を感じるだろう。しかしもう遅い。

 

「発射!」

 

パンと言う発砲音と共に二発の玉の様な物が前の眼鏡の彼に向かう。あれぐらいの速度ぐらいなら避けられるかもな。一人のときなら。

 

上のイケメンが防ごうと氷を出そうとしてるが間に合わない。上の彼でそうなんだ走る事に集中していた下の三人の回避も間に合わない。

 

「ぐほぅぅ!!?」

 

『玉が鳩尾に直撃だ!あれは痛い!』

 

玉が腹と足にモロに当たる。さらに玉が割れて中身が出てきた。眼鏡の彼の足と腹を中心に緑のネバネバしたモノがくっついてる。……見たことがあるな。

 

『轟チームは動きを止めたあれはなんだ?スライムか!?』

 

「な、なんだこれは、足が」 

 

「ふふふふ!!どうですか!私のベイビー!スーパーネバネバくんは!」  

  

『ドストレートなネーミングだな!』

 

おい、その名前は明らかに私の開発したスーパースライムくんの模倣だろう?

 

「因みに何処かのスライムみたいに服が溶けたりはしませんが、接着力はどこぞのスライムより上です!」

 

私のスーパースライムくんに対抗してるようだが、一番大事な部分が抜けているな。肝心なのは接着力でなく服だけを溶かす能力だ(断言)改良した後は下着だけは残るようにした。

まぁ男の服なんぞ脱がさなくていいのでどうでもいい。眼鏡の彼はある意味助かったな。

 

「飯田、時間がない!」

 

「そ、それは承知してるんだが、スマナイ!ネバネバで脚がくっついてマトモに動かせないんだ」  

 

「なんだって!」

 

先頭の足をやられたのは騎馬戦だと致命的だな。だいぶ力を入れて足を動かそうとしてるみたいだが動くのが困難そうだ。

 

「……飯田、剥がせないのか」

 

「すまない。レシプロン状態で足を動かしても剥がれないなら俺の力じゃ無理だ!……八百万くんバーナーか何か燃やす物を作ってくれ!足の間の部分だけでも燃やしてくれたら足が動かせる」

 

「わかりました!」

 

八百万嬢がものの数秒でバーナーを作った。あの個性はやはり面倒そうだ。それにしても燃やすか。ネバネバは燃やすのが真っ当な対処か?

しかしあれが私のスライムの模倣だとすれば……。

 

「やってくれ八百万くん!」

 

「は、はい!いきますよ飯田さん!」

 

「熱っ、これで……燃えてない!?」

 

「そんな!」

 

「ふふふ残念ながら火耐性はありますよ。まぁ火でも何とか成りますが。なんとかできる強い火を出せば傍の飯田さんがただじゃすみませんので実質は火じゃ無理ですよ!」

 

「(なら凍らせて、凍らせてから取りのぞいて解凍、足りない。時間が!ギリギリに動きすぎた…!!)」

 

「…………詰みか」

 

「そんな轟さん!」

 

眼鏡くんは足を必死に動かそうとしてるが歩くような速度しか出てない。足のパイプから黒煙が出て眼鏡の彼も動きを止める。轟チームは意気消沈といった風情となった。正直、私のJr.で妨害してた方が負けかたとして遥かにましだったんじゃないか?

 

「ふふふ!!どうですか!私のベイビーは!何処かのお子さまよりすごいでしょう」

 

勝ち誇る発目嬢の声、とんでくるチンピラ。Jr.に蹴られた。落ちるチンピラ、そして終了の合図。

 

ふぅ……

 

「発目嬢のせいで無茶苦茶だったな」

 

そんな私の言葉を最後に微妙な空気で騎馬戦は終わった。

 

それにしても……私に向けられた視線がさらに痛くなってるのは、流石に今度は私のせいじゃないぞ。

 

 

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