「じゃ、行ってきま~す」
「行ってらっしゃ~い」
ゆたかは宿主であるこなたに一言告げて、外に出た
本日は、仲良し四人で色々な所に行くらしい
軽いスキップをしながら待ち合わせ場所である公園までゆったりと行く
その公園には、ベコベコになった自販機が一台あるのが特徴だ
たまに、チェイサー!!と言う掛け声が聞こえるらしい
あと、頻繁に雷が落ちる
「あ、皆来てる!」
「小早川さ~ん!」
「ユタカ~」
「……」
どうやら、ゆたかは少し遅れていたようだった
待ち合わせ場所には、みなみ、ひより、パティの三人が居た
「皆、待った?」
「そこまででもないっすよ」
「イエス!ワタシ達もついさっき来たばかりデス!」
「そんなに気にしなくていいよ」
実は、この三人はゆたかが来るより十五分前に着いている
その間、ひよりが幻覚で遊んだりとしていた
主に、みなみが弄られたが
仕返しにみなみの自衛用の竹串がひよりとパティに向かって飛んだが
「じゃあ、何処に行く?私は何処でもいいっすよ」
「ゲーセンにいきましょう!!」
「この間も行ったような……」
「気にしちゃダメデス!!」
「あはは……」
パティのゲーセン通いのお陰で結構財布に被害が出てる三人である
ゆたかはこなたにお小遣いを貰っているが
こなた曰く、一人で使いきれない程のお金が毎月入ってくるんだとか
ゆたかは未だにこなたの通帳を見てないので、真相は闇の中である
「よし!今日こそ十連勝するっす!!」
ひよりとパティは着くなり格ゲーのコーナーに走っていった
ゆたかとみなみは苦笑いである
「何しようか、みなみちゃん」
「……ぐるっと回ろうか」
この二人はよくメダルゲームコーナーやUFOキャッチャーのコーナーをぐるりと回っている
「あ、これ可愛い!」
ゆたかはリスのぬいぐるみに目をつけた
「……取ってみる?」
「うん!」
ゆたかは早速歳相応の可愛い財布から百円玉を取りだし、UFOキャッチャーに入れる
「あう!」
「惜しい!」
「えう~……」
何度も失敗する内に、何時の日か、こなたが言った言葉が脳内でリピートされた
『偉い人は言いました。UFOキャッチャーは貯金箱であると』
正にその通りだと半泣きでその言葉に同意した
「……一回やっていい?」
「いいよ……ぐすん」
みなみが結構シンプルなデザインの財布から百円玉を取りだし、一枚入れる
そして、アームを操作していき……
「取れた」
「ほんと!?」
一回でポンと取った
「いいな~……」
「はい」
みなみはゲットした景品をゆたかに手渡す
「へ?」
「あげる」
「ありがと!!」
さっきの半泣きの状態から一転、一気に笑顔になった
その後もゆたかがメダルゲームでお金を刷っていったり、みなみがその横で慰めたりと、そんな事が続いた
「あ、そろそろいい時間だね」
「じゃあ、ひより達を呼んでこようか」
「うん!」
二人はパティ達が居るかと思われる場所に歩いていく
案の定、二人が足を運んだ先に二人は居た
「ぐぬぬぬぬ……あ~!!負けた~!!」
「ドンマイデス!」
丁度二人のゲームも終わったようだ
「よし!勝った!!」
ゆたかとみなみはひより達の裏から聞こえた声が誰かに似てるなと思いながら、ひより達に声をかけた
「ひより。そろそろ時間」
「へ?岩崎さん?あ……もうこんな時間っす……」
「じゃあ、ショッピングに行こっか」
「イエス!」
「うぉっ!?小早川さん達!?」
ゆたかが自分の名前を呼ばれ、その方向を向く
「あ、若瀬さん!!」
「しまった!!!」
若瀬と呼ばれた人物は百八十度ターンし、逃走した……かと思われたが
「……あり?」
「私の幻覚っすよ。委員長」
ひよりの幻覚により、間違ってゆたか達の方へと走っていた
「あばばばば……」
「イズミ!久しぶりデス!!」
「い、いずみ?はてさて、誰のことやら」
「若瀬さん……誤魔化しきれてない」
「あ、あはははは……」
ゆたか達の前に居るのは、若瀬いずみ
能力は水流操作。レベルは2
「若瀬さんもゲームやるの?」
「ま、まぁね」
「もしかして、私と同類とか?」
「ギクッ!!?」
「ゴマカせてませんよ」
「……お願い!!学校の皆には言わないで!!」
それはそれは見事な土下座だった
周りに人が居なかったのは運が良かったからであろう
「わ、若瀬さん!?言いませんから土下座を止めて!!」
「言ったら死ぬ!!」
「そこまでっすか!!?」
取り合えず、四人が説得していずみを立たせる
その間に格ゲーの方はCPUにボコボコにされていた
「取り合えず、皆には内緒にしててって事だよね?」
「うん……」
「確かに、私達も委員長の姿を見て気がついたから……」
「バレませんよ!!!」
「お願い!誰にも言わないでね!!じゃ、さらば!!!」
いずみは一瞬の隙を突いてピューっとゲームセンターを去っていった
その後、他のゲーセンに行ったのは知るよしも無い
「……なんか、嵐のように去っていったっすね」
「……そう」
「……イキマしょうか」
「……だね」
四人は釈然としない気分でゲーセンを後にした
その後、四人は服を見たりケーキ買ったりして過ごしていた
その間、ツンツン頭の少年が赤髪神父に絡まれている光景を見た気がするが、四人は忘れようとの事で、その場を去った
ゆたかはツンツン頭の少年と知り合いらしいが、皆に流されてスルーした
「じゃあ、カイサンとイキマしょう!!」
「そうっすね。時間も時間っすもんね」
「……今日はこの辺で」
「うん!」
時刻は夕方、中学生は帰らないといけない時間帯だろう。それに、学園都市ならではの完全下校時刻も迫ってきている
「じゃあ、彼処でお別れっすね」
「そうだね」
ちょっと寂しそうな声で答えたゆたかがすれ違った学生四人組の一人と少しだけ接触する
「あ、すみません」
「あぁ!?肩ぶつかっといてすみませんだと!?」
いきなり怒鳴られたゆたかがビクッとその場で少しだけ跳ねる
「へ?」
「(うわっ、昔の不良みたいっす……まだ絶滅してなかったみたいっすね。流石に漫画のネタにも出来ないほど古いっす。あと、髪型もザ・不良って感じっす)」
「人の肩にぶつかっといてそれだけかぁ!?あぁ!!?」
「え、えっと……」
「だから、謝ってるじゃないですか」
珍しく、みなみが怒っているとゆたかにでも分かる雰囲気で不良に話しかける
片手はポケットの中に入っており、指の間には計四本の竹串が用意されている
「こちとら骨が折れてたかも知れねぇんだぞ!!?」
「(アタリ屋……デスね。つまらないデス)」
「それなりの対価支払って貰おうかぁ!!?」
その言葉にパティはみなみの隣に、ひよりはゆたかの前に立ち、戦闘体勢を取る
パティの背中に回した片手には紫電が迸っている
そして、もう片方の手にはパチンコ玉が握ってある
この状況では警備員も風紀委員も呼ぶことが出来ない
内心、みなみ、パティ、ひよりは焦っていた
もし、相手が自分より高度な能力者なら……と
「体で支払って貰おうか?」
その瞬間、みなみの竹串が四本、逆さに四人の額に飛んだ
「おっと」
「ッ!!」
だが、それは直前で停止した
「てい!!」
今度はパティの手から紫電が飛ぶ
が、それは急に狙いとは全く別の方向へと移動した
「念動力に電撃使いか」
「が、レベルではこっちが上の方だな」
紫電は不良の一人の人差し指の上に塊となって止まっていた
「不味い……」
「二人とも!逃げるっす!!」
瞬間的にひよりが四人に幻覚を見せる
レベル1だが、逃走するための幻覚を見せるのは用意である
「おっと、逃がすかよ!!」
さらにもう一人の不良から炎の球が飛び、地面に激突、四人を囲むように広がる
「しまっ!!」
「これで逃げられねぇな」
さらにパティがパチンコ玉を磁力で操り、相手の鳩尾へと飛ばす
超電磁砲程の威力が無いが、怯ませるには十分な威力だ
が、
「あ?なんだこりゃ」
念動力で簡単に止められた
「パティ!」
「ハイ!!」
みなみの呼び掛けにパティは瞬時に残りのパチンコ玉をみなみに渡す
「シュート……!!」
それを念動力で一気に飛ばす
「さっきので分かってなかったのかぁ!!?」
が、それも念動力で止められる
「(不味い……能力じゃあっちが上手の上にこの炎の熱気……ゆたかが…………!!)」
みなみの悪い予感は的中しており、ゆたかは地面に座り込んで、息を荒くしている
元々夏で全体的に気温が高い上に炎の熱気
普通の人ならまだしも、ゆたかは生まれつき体が弱い
簡単にダウンしてしまう
しかも、相手は男、しかも四人
能力無しの戦いでも完全に組伏せられるだろう
「(……詰み?いや、まだ…………)」
上手く頭が働かないまま、打開策を考える
が、状況は完全に詰みだ
……だが、それは四人で戦った場合のみである
「たぁ!!!」
突如、横から無数の鉄の棒が不良達を襲う
「ぐっ!!?」
不良の一人が念動力で止めようとするも、止まらず、不良達に鉄の棒が当たる
「……そこっ!!!」
さらに、通常ではあり得ないほどのスピードで飛んできた小石が一人の不良の腹に当たり、そのまま吹っ飛び、その不良は気絶した
「だ、誰だ!!?」
「通りすがりのお人好しです!!!」
「アンド、その子達の知り合いよ」
「みゆきさん!?」
「かがみさん!」
来たのは、ピンク色の髪に少しウェーブをかけた怒らせたら怖い人、みゆきと紫の髪を両サイドで纏め、片手に携帯を持った一般人、かがみだった
「大丈夫ですか!?」
「ったく、こなたが嫌な予感がするって言ってるもんだから来てみれば、馬鹿共に囲まれてたのね。差し詰、当たり屋とかでしょ?」
四人がコクコクと頷く
「じゃ、パッと済ませますか。こなた、テレポ」
かがみが携帯に一言言うと、二人が不良とゆたか達の間に割り込むようにテレポートしてくる
「サンキュ。あとはこっちに任せて」
かがみが通話を切り、ポケットに携帯をしまう
「さて、知り合いに手を出そうとした報い……受けて貰うわよ?」
「かがみさん……お手柔らかに」
「制止しないってことは、みゆきも殺る気でしょ……」
「殺りませんよ!!?」
と、本来のツッコミ役がボケながらも、二人は戦闘の準備に入る
みゆきは腕に巻いていたホルダーから鉄の棒を数本、かがみはグローブを手に着ける
そして、地面から数個の小石を拾う
「てめぇらもそのままぶっ潰してやる!!!」
「……ちょっと私の能力は特殊でね」
念動力で飛んできた竹串をかがみは全て手のひらで防御する
「っ!?」
「本来の肉体強化は怪力を出す程度なんだけど、私のは違うのよ」
そのまま竹串を握り潰し、不良に向けて駆け出す
「私のは副作用みたいなのがあってね!!!」
そのまま飛び上がる
「怪力の他にも!!!」
そして、空中からあり得ないほどの速さで落下し、
「だぁぁぁ!!!!」
不良の一人に踵落としを決める
その不良は地面に顔面からめり込んだ
「重力増加、硬化が付くのよ」
余談だが、この事をこなたに話したところ、重力増加がかがみとピッタリだと言った所、能力をフルに使用した投げっぱなしジャーマンを綺麗に決めたそうな
「ま、これも自分で使うかどうか選べるんだけどね」
残りは電撃使いに発火能力だ
「このっ!!!」
電撃使いが電撃を放ってくる
が、それはかがみの目の前で曲がる
「ッ!!?」
「ヒライシンです!!」
曲がった電撃はパティに吸い込まれ、そのまま地面に突き刺さった鉄の棒を介して地面へと吸い込まれた
「ナイスパティ!!!」
「しまっ!!?」
「ドラゴンスクリュー!!!」
「肉体強化関係なぶべらっ!!!」
かがみはドラゴンスクリューを決め込んだ
能力は使ってません
「このアマっ!!なめやがっ……」
ヒュン!!!
不良の目の前を物凄い速さの鉄の棒が過ぎ去る
「あら、外してしまいましたか」
不良がギギギギと音が鳴りそうな感じでみゆきの方を見る
そこには
「うふふふふ」
修羅が居ました
「あ……あぁ…………」
「うぉっ!?みゆきマジギレ!!?」
「辞世の句をどうぞ?」
かがみが高速でゆたか達の側に移動し、四人を百八十度回転させる
「見ちゃダメ!!トラウマになる!!」
『そんなに!!?』
みゆきは一歩一歩、不良に向けてゆっくりと歩き出す
「く、来るな……来るなぁぁぁ!!!」
「終わりましたか?」
かがみも後ろを向く
「う、うわぁぁぁぁ!!!!」
「さぁ……貴方の罪を数えてください」
直後、怒らせたら怖い人代表による風紀委員すら目を背ける程の虐殺が繰り広げられた
……数分後
「すいませんすいませんすいませんすいませんすいませんすいませんすいませんすいませんすいません」
「分かりましたら速くお仲間を連れて帰ってください」
「は、はいぃぃぃぃぃぃ!!!!!!」
不良はあり得ない速さで仲間を担ぎ上げ、帰っていった
「さ、終わりましたよ」
「あ、終わっ…………」
『…………』
みゆきの頬には、返り血らしき、赤い液体が一滴、付着していた
「か、帰ろう!!!」
『うん!!』
『ありがとうございました!!!!』
四人は余りの恐怖に二人に礼をしてダッシュで帰っていった
ゆたか、体はどうした
「…………ごめん、私も帰る」
「そうですか?では、私は寮が違いますので」
二人もその場で別れた
かがみがみゆきだけは起こらせないようにしようと心に決めた瞬間でもあった
怒らせたら殺される……と
一方、こなたは……
「ぬぐぉぉぉ……暑い~……頭痛い~……」
「こなちゃん……ドンマイ」
暑さと頭痛にうなされるこなたとそんなこなたに風を送り続けるつかさがいた
「調子のって
「あはは……どんだけ~」
結果、明朝までうなされるこなたであった
これからも、こんな感じでこなた以外の人物にスポットを当てていきたいと思います