とある科学の幸運星(ラッキースター)   作:白銀の勇者

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第十六星

「う~ん……」

 

ペキポキとこなたの背中から聞いててちょっと気持ちのいい音がなる

 

「よし!復活!」

 

そういって、炎を纏わせた風を手のひらに作る

 

能力に問題は無く、一回頷いたこなたは台所へと移動した

 

「おはよ、ゆーちゃん」

「あ、おはよ~」

 

同居人であるゆたかに挨拶をする

 

起きたばかりなのか、まだ寝巻きのままでぬいぐるみを抱きながらソファに座ってテレビを見ている

 

髪の毛も下ろしている

 

「今日は何処か行くの?」

「ううん。今日は家で宿題かな」

「そっか。頑張ってね」

「おねえちゃんは?」

「能力復活したし、とうまのお見舞いかな?また入院したらしいし……」

「当麻おにいちゃん、入院したの?」

 

実は、上条とゆたかは面識があったりする

 

結構長い付き合いからなのか、ゆたかは上条を当麻おにいちゃんと呼ぶ

 

上条がこれを親友に話せば、恐らくフルボッコが待っているだろう

 

「なんでも、右手吹っ飛んだとか言ってたけど……」

「え?」

「まぁ、見に行ってくるね」

「う、うん……」

 

ゆたかはあの時上条を止めておけば良かったかもと心の中で思っていた

 

「あれ?能力使えるの?」

「うん。だから空間移動でちょちょいと行ってくるね」

「着替えないと駄目だよ?」

 

分かってるよ~と言いながら自分の部屋に戻り、空間移動を応用した早着替えをする

 

これが結構早く終わるのである

 

「じゃ、イテキマース☆」

「おねえちゃん!ご飯ご飯!!」

「あ、忘れてた」

 

ゆたかに言われてゆたかが用意した朝御飯を食べ始める

 

トーストに目玉焼きとベーコン、スクランブルエッグだけの簡単な朝食だ

 

「うん、美味しい」

「よかった~」

 

だが、ゆたかが作れるのはこれくらいである

 

一度、ゆたかに炒飯を作らせたら暗黒物質(ダークマター)が出来上がった

 

これはこなたが食べたが、半分ほどで気を失った

 

もう半分は偶然やってきた垣根が顔面真っ青にして食べた

 

二人とも丸一日気を失っていた

 

「じゃあ、今度こそイテキマース☆」

「行ってらっしゃ~い」

 

こなたは玄関に出た瞬間に空間移動を使い、上条の入院している病院まで空間移動を繰り返す

 

空間移動のレベル5は居ないため、こなたはレベル4の空間移動を使っている

 

そして、あっというまに到着

 

「えっと、とうまの病室は……あったあった」

 

上条のメールに書いてあった病室の番号を見つけ、その中に入る

 

「ヤフー、とうま。元気?」

「元気も何も……右手吹っ飛んで元気って言う奴が居ると思うか?」

「私は自力で治すけど?」

「お前に言った俺が馬鹿だった」

「元からでしょ」

「幾ら上条さんでも傷付きますよ!!?そういうこなたはどうなんだよ!!!」

「レベル5の優等生」

「私は馬鹿でございまする」

 

ベッドの上で器用に片手で土下座する上条

 

上条の土下座の価値は何処まで落ちるんだ

 

「で、大丈夫?」

「なんとかくっついたし、傷跡も残らないってよ。まぁ、心配ご無用だ」

「まぁ……魔術絡み?」

「その通り。お前を連れてったら楽だったかもな」

「止めてよね。私は科学サイドの人間だよ?」

「冗談だよ。だけど、そんなに心配しなくていいぜ」

「じゃあ……」

 

こなたが手にフルーツバスケットをテレポートさせる

 

「これも要らないね」

 

小悪魔的な笑みを浮かべて言うこなた

 

「フ……フルーツ……」

 

フルーツを見た瞬間、上条の目の色が変わる

 

まるで、何日もひもじい生活をしてきた人間のように

 

それでこなたは悟った

 

「まさか…………食費が…………」

「俺一割インデックス九割。殆どが食費に消えていきますよ……」

 

軽く病んだ表情で笑顔を向ける

 

「……剥いてあげる」

「お願いします」

 

本日二度目の上条の土下座

 

フルーツ>土下座の図がこなたの頭に展開された

 

「まぁ……食費がキツくなったら家に来ていいよ。ゆーちゃんも嬉しがるだろうし。はい、りんご」

「ゆーちゃん?」

「小早川ゆたか。私の同居人だよ。ほら、写真」

 

こなたは自分の携帯からゆたかの写真を見せる

 

「……オーケー。覚えた」

「本当は思い出したが良かったんだけど……あと、とうまは普通にゆたかって呼んでたよ」

「分かった……このりんごうまっ!!!」

「そりゃあ高級なの選んできたからね」

「うぅ……こんなの食ったの初めてだ……」

 

涙を流しながらりんごを食べる上条

 

「はいはい。ほら、みかん」

「サンキュ……これも美味い!!!!」

 

またパクパクと食べていく上条

 

「あぁ……幸せ」

「とうま、君がそれを言うと」

 

フラグが建った合図だと言おうとしたとたん、病室の扉が勢いよく開く

 

「とうま!お見舞いに来たよ!!」

「…………不幸だ」

「流石不幸に愛された男、上条当麻」

 

そう、インデックスが来たのだ

 

「あ!フルーツ!!とうまだけズルいんだよ!!」

「インデックスはこっち」

 

こなたはテレポートで転移させてきた物をインデックスに渡す

 

「へ?……あぁぁぁぁぁ!!!!」

「カナミンのDVDボックス。これを貰ってフルーツ食べないかフルーツ食べてこれ貰えないか。二つに一つだよ」

 

それはインデックスが毎週欠かさずに見ているカナミンのDVDボックス(初回限定版フィギュア等、限定グッズ付き。既に絶版)だ

 

実は、このDVDボックス、こなたが間違って一個余分に買ったものである

 

ゆたかはこれを見てないのでどうしようかと思ったところで上条からインデックスがカナミンを見ていると聞いたのだ

 

そして、今回は抑止力としてこれを行使した

 

レベル5だからこそ出来る作戦である

 

「ぐ……ぬぬぬぬぬぬぬ……」

「おぉ……」

「ちゃんと特典も全部あるよ」

「で、でもとうまの部屋にでぃーぶいでぃーを見る機械が……」

「じゃあ予約機能付き最新型DVDプレイヤーも」

「じゃあ、私は部屋でカナミン見てるんだよ!!!」

 

インデックスはDVDプレイヤーとカナミンのDVDボックス(プレミアの値打ちが既に付いている)を抱えて帰っていった

 

ちなみに、このDVDプレイヤーは買ったすぐあとにBlu-rayプレイヤーが出たため、使われなかった悲しいDVDプレイヤーである

 

「……嵐は去った」

「……神とお呼びしてもよろしいでしょうか」

「いや、普通にこなたって呼んでよ。さ、剥いてあげるからどんどん食べてね」

 

このあと、上条は満足するまでフルーツを食べることが出来た

 

途中、マジ泣きしていた

 

そして、こなたは病院を出た

 

「さて、何処いこうかな~」

 

と、言いながら適当にブラブラと歩き始める

 

数分歩いたところで、自販機が目に入った

 

「……何か飲もっと」

 

自販機に150円を入れ、ファ○タを買い、飲み始める

 

「……ん?」

 

人混みに目を向けた所、一人の人物が目に入った

 

真っ白の肌に真っ白の髪の毛、黒と白のシャツを着た青年だ

 

こなたはまた小悪魔的な笑みを浮かべて、その背中に忍び寄り、一気に抱きついた

 

「オワッ!!?」

 

青年はバランスを崩しかけたが、途中で踏みとどまった

 

「久しぶり!アッくん!!」

「その声……その呼び方……こなたか」

 

こなたが抱きついたアッくんという人物は、能力はベクトル変換、レベル5の第一位、一方通行(アクセラレータ)

 

「ンだよ……たかが一年ちょい会ってないだけだろォがよ」

「一年もだよ!!帝督も沈利も何か不機嫌だよ!?」

「あいつ等はほォって置けばいいンだよ」

「操祈に軍覇も?」

「あいつ等は尚更だァ!」

 

ちなみに、こなたはまだ一方通行に乗ったままである

 

「あ、この間超電磁砲に会ったよ」

「オリジナルか……」

「オリジナル?なんのこと?」

「こっちの話だ。そうか、お前、超電磁砲と……」

 

一方通行は何か思い耽ったような顔をする

 

その顔を見てこなたが声をかける

 

「まさか……実験?」

「……ちげェ。俺は帰る。じゃあな」

 

一方通行はこなたを振りほどいて人混みに紛れていった

 

「……変なアッくん」

 

こなたは知らない。一方通行がどんな実験に巻き込まれているのか……




取り合えず、レベル5の名前は全部出ました

食蜂さんは出るのが確定してますが……ソギーはどうしよう……

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