緑谷くんはクソデクです   作:色々残念

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緑谷くんはクソデクです12

指名手配犯分倍河原仁を追っていた荼毘。路地裏に分倍河原を追い詰めて蒼炎で頭に紙袋を被った分倍河原を焼き殺そうとした荼毘だったが、分倍河原を仲間に引き入れようと企む異能解放軍の面々が現れて荼毘に襲いかかる。鍛え上げた体術と個性で異能解放軍を焼き尽くしていく荼毘。次から次へと現れる異能解放軍は完全に分倍河原を守っていた。鍛錬を積み重ねた個性を用いる異能解放軍達は随分と厄介な相手であり、長期戦は耐えられない荼毘の体質も相まって苦戦を強いられる荼毘ではあったが彼に獲物を逃がすつもりはなく。近寄れば焼き尽くされる蒼い炎の壁で分倍河原とその他を区切り、分倍河原の元に駈ける荼毘。俺が裂ける分裂すると声を漏らす分倍河原に蒼炎を浴びせようとした瞬間、空から降ってきた異能解放軍が1人。両腕に氷の腕を纏い振り下ろしてきた異能解放軍の攻撃を躱した荼毘は蒼い炎を異能解放軍に向けて放射した。それは異能解放軍の1人が操る氷とぶつかると氷が溶けて水となり炎熱で蒸発して水蒸気が周囲に広がる。異能解放軍潜伏解放戦士の1人外典が操る氷の竜と荼毘の蒼い炎が衝突する度に水蒸気が撒き散らされた。外典の操る氷によって退避させられた分倍河原に蒼炎が飛ぶが、氷により邪魔をされて分倍河原にまで届くことはない。まずは眼前の相手を始末することだけを考えようとした荼毘は両手から蒼い炎を放出して空を自在に飛び、空中で操った氷を足場に立つ外典に高速で接近し、腹部に蹴りを叩き込んで氷の足場から外典を落とした。落下しながら氷を操り新たな足場を形成しようとする外典に蒼い炎を喰らわせて焼き尽くそうとする荼毘だが、外典が着ていたコートによりそれは阻まれる。蒼い炎を放出して急速に接近し、フードを被っている外典のフードを引っ張り上げて顔を露出させてから顔面を掴み蒼炎を直接叩き込む荼毘。外典の焼き尽くされた頭部とコートを着こんだ身体が動くことはもうない。一つの戦いを終えた荼毘が標的の分倍河原を探すが既に異能解放軍に連れ去られた後のようだった。度重なる異能解放軍達や外典との戦いで身体が限界を迎えていた荼毘はそのまま崩れ落ちるように倒れ込んだ。

 

「ああ、くそ、標的取り逃がしてるようじゃ、まだまだレッドやグリーンには及ばねえな俺は」

 

自嘲するかのように声を漏らす荼毘の身体から焦げ臭い煙が溢れていた。限界を迎えた荼毘の身体は完全に熱がこもり、身体機能に異常をきたしている。暫くは動くことさえも出来ないだろう。それでもヴィジランテとして活動を続ける荼毘はこれからも戦いを続けていく。

 

教員寮入口に居る壊理の元に来訪者が現れた。その来訪者に壊理はゆうえいのふのめんと声を漏らす。雄英の負の面と言われた相手が誰かと言うと勿論物間だった。雄英の負の面は笑いながら何言ってんのかなこの子ォ!何言ってんのこの子ォ!?と言いながら壊理を指差している。そんな物間を指差しながら通形ミリオが文化祭の時、君のこと雄英の負の面と教えたんだと言うと物間は僕こそ正道を征く男ですけどォ!?と言葉を返す。とりあえずそれを聞いた緑谷は、君が正道を進んでるところを見たことないよ雄英の負の面と言っていた。そんな4人の元に1年A組担任教師相澤消太が現れて、おう、緑谷、通形、悪いな呼びつけて、物間に頼みたいことがあったんだが、如何せん壊理ちゃんの精神と物間の食い合わせが悪すぎるんでな、まァ入れ、と言って教員寮に入ることを進める。そんな担任教師に物間が僕を何だと思ってるんですかぁと言いながら笑っていた。教員寮に入って物間に壊理の個性をコピーさせた相澤消太だったが、物間はスカですね、残念ながらご期待には添えられませんイレイザーと言う。物間は個性の性質そのものをコピーする。そのため何かしらを蓄積してエネルギーに変えるような個性だった場合、その蓄積まではコピーできない。だから壊理の人を巻き戻す個性をコピーすることは出来なかったようだ。何でコピーを?と問いかける通形に相澤が、壊理ちゃんが個性を発動させられるようになったとしても使い方がわからない以上、暴走の危険がある、だから物間がコピーして使い方を直に教えられたら彼女も楽かと思ってな、そう上手くはいかないか、と言った。それを聞いていた壊理が、ごめんなさい、私のせいで困らせちゃって、私の力、皆を困らせちゃう、こんな力無ければよかったなぁ、と沈んだ声を漏らす。そんな壊理の前でしゃがみこんで目線を合わせて緑谷出久は、そんなことは無いよ壊理ちゃん、君の個性は多くの人を助けられる可能性を秘めてる凄い個性だよ、要するに使い方だと思うんだ例えば包丁だってさ危ないけど、よく切れるもの程おいしい料理がつくれるんだ、だから君の力は素晴らしい力だよ!と言って笑顔を見せる。緑谷の言葉を聞いていた壊理は、私、やっぱりがんばる、と決意をした。

 

ライフスタイルサポートメーカー大手デトネラット社を調査するサー・ナイトアイ。ヒーローサポート事業への本格参入に踏み切ったデトネラット社。闇市に流れている商品であるサポートアイテムが正規の会社であるデトネラットから流れてきたものだという情報を掴んだサー・ナイトアイだが、常時監視されているサポートアイテムは遠隔操作で爆破されて証拠が残らないようになっていた。闇市の市場を荒らしているデトネラット社に憤りを隠さない裏社会の人間もいるようで、そういう人間達から異能解放軍に関する情報を入手することができたサー・ナイトアイ。入手した情報を持ち帰ろうとするサー・ナイトアイに異能解放軍の手が伸びる。異能解放軍潜伏解放戦士達が集団でサー・ナイトアイに襲いかかった。大量に押し寄せる異能解放軍達から逃走するサー・ナイトアイ。鍛え上げられた個性を持つ異能解放軍達に超質量印という1つ5kgもする印鑑型の投擲武器を投げつけていく。相手の動きを予測して攻撃を回避していくサー・ナイトアイ。多勢に無勢で追い詰められてしまうサー・ナイトアイだったが、そんな時に現れた1人のヒーロー。異能解放軍達を拳の一振りで吹き飛ばし、もう大丈夫、何故って、私が来た!と力強い声を発するオールマイトがサー・ナイトアイの救援に駆け付けた。その場に居た異能解放軍達を全て倒したオールマイト。サー・ナイトアイはオールマイトに深く感謝をして、手にいれた情報をオールマイトに話す。デトネラット社の悪行を聞いたオールマイトは、今回倒した彼等はデトネラット社に何らかの関係があるのだろうか、と疑問を口にする。今回の件には異能解放軍とやらが関わっているとサー・ナイトアイは語った。デトネラット社代表取締役社長四ツ橋力也が新たな異能解放軍の指導者という可能性が高いと言ったサー・ナイトアイ。今回貴方が倒した連中は異能解放軍の一部でしかないと言うサー・ナイトアイはオールマイトに、異能解放軍の指導者と戦う時には貴方の力が必要になることは間違いない、と断言した。

 

異能解放軍最高指導者リ・デストロこと四ツ橋力也を狙うヴィジランテのレッドだったが、彼の行く手を阻む異能解放軍に所属するヒーロー達。熟練した個性を振るうヒーロー達の動きを凝血で封じながら先へと進むレッド。室内で遂に対面した四ツ橋力也とレッドだったが、ストレスという個性を用いて身体強化した四ツ橋力也が巨大化した左腕を振るう。高速で振るわれた腕を潜り抜けて接近したレッドが胴体にナイフを突き立てようとするが、反応した四ツ橋力也が右腕も巨大化させてナイフを弾き飛ばした。弾き飛ばされたナイフが天井に突き立ち、交互に振るわれた四ツ橋力也の両腕を高々と跳躍して避けたレッドが天井に突き立ったナイフを引き抜く。四ツ橋力也の身体がストレスの個性で巨大化していき、動きも早くなっていった。レッドに振り下ろされる四ツ橋力也の巨大化した両腕、それをレッドが躱すと直撃した箇所から大きく陥没していき崩れ落ちる床。1階層分程落ちていく四ツ橋力也とレッド。着地した2人が互いに駈ける。四ツ橋力也の眼球を狙いナイフを横に振るうレッド、それを回避してレッドの胴体を掴もうと素早く腕を伸ばす四ツ橋力也。四ツ橋力也の腕を蹴り距離を取ったレッドを掴むことは叶わない。ナイフを斜めに振るうレッドのナイフの刃を指で挟み込みへし折る四ツ橋力也。へし折った鋭利な刃をレッドに投げつける四ツ橋力也だったが、レッドは顔面に向かって回転して飛んできたそれを余裕で避ける。巨大化した右拳を高速で突き出した四ツ橋力也の拳から放たれた風圧を鞘から引き抜いたナイフで切り裂くレッド。ナイフを鞘に納めたレッドは2丁の拳銃を取り出すと1丁を四ツ橋力也の背後に放り投げた。もう1丁の拳銃で四ツ橋力也を狙わずに宙を舞う1丁の拳銃の引き金を狙い撃ち、個性破壊弾を発射させて四ツ橋力也の背中にそれを命中させる。個性破壊弾を命中させられた四ツ橋力也はストレスの個性を発動出来なくなり、巨大化していた身体も元に戻ってしまう。背負っていた鞘から日本刀を引き抜いたレッドは四ツ橋力也の首を切り落とす。見事だと言葉を発した四ツ橋力也の首と身体が溶けて消えていく。この四ツ橋力也は本物ではなく分倍河原の個性で増えた分身だったようだ。レッドは拳銃を拾い上げてその場を後にする。本物の四ツ橋力也を探してレッドは動く。

 

炭酸水を操るヴィランが率いるグループが現れて人々の鞄を奪い取り財布を盗んでいく。そんな最中、現れたオールマイト。サポートアイテムを使用したヴィランをものともせずに圧倒的な力でヴィラングループを全て気絶させて鞄や財布を奪い返した。被害者達に奪われた鞄や財布を返していた時に炭酸水を操るヴィランが両腕に着けていた炭酸水をウォーターカッターの様に噴出させる籠手が爆発して跡形も無くなる姿を見たオールマイトは籠手がデトネラット社製であると見抜く。遅れてやってきたヒーローのスライディン・ゴーが爆発で破壊された籠手の残骸を見て、闇市製の粗悪品ですねこれはと誤魔化す様に言っていたのを聞いたオールマイトは、ヒーローにも異能解放軍の手は伸びているという情報が確かであると確信していた。恐らくはスライディン・ゴーも異能解放軍の一員であるだろうと考えたオールマイトは、この場で追求することはせずに証拠を集めてから捕まえることに決めている。スライディン・ゴーに後を任せるようなことはせずにヴィラン達を警察に引き渡すまでオールマイトは事件現場にいた。ヴィラン達を警察に引き渡した後はマスコミのインタビューに軽く答えてからその場を後にするオールマイト。サー・ナイトアイの調査は成功したがデトネラット社の社長である四ツ橋力也と私が対峙している姿がサー・ナイトアイの個性である未来予知で見えたと言っていたことから、四ツ橋力也による抵抗は間違いなく考えられる。四ツ橋力也の個性がどのようなものかはわからないが、サー・ナイトアイが見た予知では四ツ橋力也の身体が巨大化していたということから身体強化系統の個性である可能性が高い。一瞬で勝負が終わらずに対峙ができていたことから四ツ橋力也の身体強化はかなりのものだと推測出来る。USJで襲撃してきた脳無と同じかそれ以上の実力を持っていると仮定しておいた方が良さそうだ。まだまだ引退することは出来そうにないなとオールマイトは考えた。

 

特別講師として雄英高校に招かれたマウントレディ。マウントレディが今日行うのはメディア演習。ヒーローの立ち振舞いを教授すると言ったマウントレディが行うのはヒーローインタビューの練習。一番手は轟焦凍ことヒーローネーム、ショートから始まった。ショートがインタビューを受けていると天然というか素直過ぎるところが露になってそこはマウントレディにとっては好評価だったみたいだ。どのような必殺技をお持ちでと聞かれた時に穿天氷壁という広域制圧や足止めに足場づくり等幅広く使える氷の技を見せつける。あとはもう少し手荒な膨冷熱波という技も、と技を紹介するショート。必殺技の紹介も終わり最後にマウントレディからアドバイスをされたショートは安心させたいなら笑顔をつくれると良いかもねと言われてぎこちないながらも笑みを見せてみてみたが、まだちょっと笑顔が固いからもう少し自然な感じで笑えるとなお良しとマウントレディに言われていた。技も披露するのか?インタビューでは?と疑問を口にした常闇くんにマウントレディは、皆があなた達のこと知ってるワケじゃありません!必殺技は己の象徴!何が出来るのかは技で知ってもらうの、即時チームアップ連携、ヴィラン犯罪への警鐘、命を委ねてもらう為の信頼、ヒーローが技名を叫ぶのには大きな意味がある、と語る。続いてヒーローインタビューを受けたのは飯田くん改めヒーローネーム、テンヤ。必殺技は高速移動のレシプロターボを紹介していた。続いて八百万さんことヒーローネーム、クリエイティのヒーローインタビューが始まる。その次は麗日さん改め、ヒーローネーム、ウラビティ。次は常闇くんことヒーローネーム、ツクヨミ。更に次は切島くん改めヒーローネーム、レッドライオット。次は尾白くんことヒーローネーム、テイルマン。その次は芦戸さん改めヒーローネーム、ピンキー。次は上鳴くんことヒーローネーム、チャージズマ。更に次は障子くん改めヒーローネーム、テンタコル。今度はヒーローネームが不明の爆豪の番がきて発言が荒々し過ぎるとマウントレディに不評を受けていた。爆豪の次が緑谷改めヒーローネーム、バイオレンスグリーンのヒーローインタビューとなる。落ち着いた様子でマウントレディからのインタビューを受けていたバイオレンスグリーン。必殺技を披露してほしいと言われたバイオレンスグリーンは目にも止まらぬ素早い手刀突きと風圧を発生させる蹴りを披露した。

 

ヒーローインターンが再開されてサー・ナイトアイの事務所に向かう通形ミリオと緑谷出久。インターンに向かう最中緑谷が「通形先輩どうかしたんですか?どことなく上の空って感じなんですけど大丈夫なのか心配になってきましたよ。久しぶりのインターンですけど集中出来ないくらいの何かがあったんですか?壊理ちゃん関係ではないのは解りますけど、通形先輩が思い悩むような出来事というのはとても重要な事のような気がしますね。僕に話せるような事だったらガンガン話してもらっても大丈夫ですけど、僕には話せないような話だったら無理に話さなくても結構ですよ。内緒話を無理にほじくり返すような事はしません。まあその場合は勝手に心配だけはさせてもらいますけどね。とりあえず今の通形先輩は隙だらけなので注意して下さいよ。今の状態でパトロールやっても成果は出ないような気がしますから、インターンが始まったら何か深い悩み事があったとしても切り替えて下さいね通形先輩。学生とはいえプロのサイドキックとして扱われるんですから些細なミスは許されませんよ。シャキッとして下さい通形先輩。悩み事があるのは解りましたけどもうそろそろ仕事なんで、仕事に支障をきたさないように気をつけましょう。僕から言えることは以上です。そろそろサー・ナイトアイの事務所に着きますんで気を引き締めて行きましょうか、ルミリオン」と一息で言った。それを聞いた通形ことヒーローネーム、ルミリオンは心配かけてごめんよグリーン、もう大丈夫、切り替えていくよ、ありがとう、と緑谷改めヒーローネーム、バイオレンスグリーンに感謝の言葉を返す。オールマイトから言われた、力を受け継ぐ事をサー・ナイトアイも望んでいるという言葉が頭の中を駆け巡っていたルミリオンだったがグリーンの言葉で今はインターンに集中しようと切り替えることができたようだ。これから始まるインターンで2人は異能解放軍の事を知ることになる。それがどんな未来を招くことになるかは、今は誰も知らない。


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