誰か聞いてくれよ、実は目が覚めたら火黒になってたよ。
何を言っているんだと思う人もいるが、何度でも言う火黒になってたよ。
火黒って何だよと知らない人もいるかもしれないが、火黒とは結界師に登場する凄く強い妖怪だ。
そんな火黒に気がつけば俺はなってた。
「全くどういうことだ?」
声も元々の俺の声ではなく、火黒の格好いい声になってる。
近くの水溜まりを鏡代わりに覗くと、そこには顔や体に包帯を巻いたミイラ男で、頭の包帯からぼさぼさの髪が出ていて何処から見ても火黒だった。
「やっぱり火黒だよな・・・」
それから俺は火黒なら刀を出せることを思い出し、刀が出るかとりあえず試してみた。
すると右手から刀が出て、火黒の力は問題なく使えた。
ついでに試し切りで近くの木を斬ってみると、綺麗かつ軽く斬れて斬れ味は抜群だった。
「だったら・・・」
今度は妖力を込めて斬ってみると、目の前の木からかなり遠くの木まで斬れてしまった。
「やっべ!」
流石にやり過ぎたため俺は急いで移動することにした。
それから見知らぬ何処かの森をうろうろと歩いて行く内に光が見えた。
「あれは・・・街か」
森を抜けた先にはビルや飲食店などの建物が多く建てられ、夜だというのに未だに眩しかった。
「さてさて、どうしたものかね?」
今の自分の見た目であそこへ行っても怖がられるかもしれないため、騒ぎになることは今の自分にとって好ましくはない。
「ん?」
少し遠いがそこから大きな妖気を感じた。
「もしかして妖怪がいるのか?」
人間ならともかく妖怪なら今の自分でも怪しまれないだろうと考え、大きな妖気が感じる場所に行くことに決めた。
「美人の妖怪だったらいいが、一体どんな妖怪がいるのかね」
うっすらと笑みを浮かべ火黒となった俺は向かうのであった。
「あのドームか」
人間に見つからないために建物の屋上から屋上へ移動し、多くの人が集まっているドームの近くに到着した。
「感じる妖力は三つ・・・いや今一人が消えた?」
ドームの中の妖力を感知すると、強い妖力の持ち主が消えたのだ。
「あの中に入れば分かるか」
両手から刀を出すと、ドームの屋上に移動する。
「この辺りでいいか」
そう言うやいなや両手の刀で屋上の一部を斬った。
屋上を斬ったことで外の人間達は少し騒がしくなったが、気にせずドーム内に入る。
ドーム内では一つ目の巨大な妖怪と美人の妖怪が戦っていた。
他には可愛い人間の少女が戦いを見守っていた。
「貴様!一体何者だ!?」
一つ目の妖怪は突然現われた火黒に問いかけた。
「俺か。俺は火黒。名前以外はよく分からない妖怪さ」
笑いながら自己紹介すると、一つ目は口から空気の塊を飛ばしてきた。
「貴様が何者だろうと関係無い!貴様も霊界送りにしてやる!」
そう言って何度も空気の塊を飛ばしてきた。
「おいおい!聞いてきたのはそっちだろ」
自分から聞いてきて攻撃してくる一つ目に、火黒はやれやれと呆れていた。
「ええい!ちょろちょろと小賢しい!」
避け続ける火黒に一つ目は苛ついてるようだった。
「確かに逃げるのも飽きてきたな。ささっと終わらせるか」
素早く一つ目の背後に移動し、右手から刀を出す。
「おのれ!」
一つ目が振り向くと同時に刀を振る。
「何だ、この程度か」
首を斬り落とされた一つ目は霧散して消えてしまった。
眼下では美人の妖怪が此方を信じられないといった表情で見ている。
どう話しけるべきかと悩んでいると、先ほどの一つ目とは違う強力な妖気を感じた。
片目を茶髪で多い黄色と黒のちゃんちゃんこを羽織った少年がこちらを警戒しながら見ていた。
「ほう。ゲゲゲの鬼太郎か」
あの美人の妖怪も何処か見覚えがあったと思ったら猫娘に似ている。
そして、一つ目によって霊界に送られた人間達が戻ってきた。
流石にあの二人とは違い、自分だと騒ぎになる為ドームから出ることにした。
「まさか本物の鬼太郎に会うとは。あの猫娘は本当に美人だったなあ」
面白そうにしながら火黒は走るのであった。
火黒の喋り方が変かもしれませんがどうかご了承ください。