あの子強い
俺は自分の無力さを呪った。
こんなに目の前で大変な目にあっている人がいると言うのに俺は何も出来ない。
───ヒーローなんて存在しない───
そう、この世の中にはヒーローなんて存在しない。
屁理屈かもしれないが、見方によってはヒーローが悪にも見えるのだから。
みんなを助ける小さい子が憧れるヒーローなんて存在しないのだ。
それを俺は悟った。
「桜ぁぁぁぁぁあ!死んじゃダメだぁぁぁ!」
ゲームで。
「わわっ!歩君急に大声出さないでよ!びっくりしたじゃん!」
隣の椅子に座り、一緒にギャルゲー的な奴をプレイしていた歩夢が驚いたように声を上げた。
「歩夢……俺は今とても悲しい気分なんだ……うぅ…桜が…」
さっきから言っている桜というのはゲームの中の登場人物で、棚からぼたもちが落ちてきてそれが喉に詰まり死んでしまうという涙を誘う死に方をしてしまった。
主人公は、丁度出掛けている時にだ。
助ける人もなく…
「よしよし、歩君が泣いてると私も悲しいなぁ。」
「歩夢ぅ……」
優しく、優しく頭を撫でてくれる歩夢。
心が安らぐようだ。悲しみが癒される。
「かすみ達は今何を見せられているんでしょうか……」
「2人でずっと歩んで来たんだもんね。歩だけに!」
「すいません、愛先輩少しだけ黙っててくれませんか!」
その後めっちゃ歩夢に慰めてもらって立ち直った。
やっぱ持つべきは幼馴染だな!
あ、でも死に方にヒーロー関係なくね?
まいっか
練習後の静寂の部室で1人が怪しげに笑っている。
「ぐふふ……これで、歩先輩を…ぐふふ」
闇が迫り始めている。
「あわわわ………大変………」
* * *
昼休み、彼方さんと昼寝を貪っていたら、突然かすみに部室に呼び出された。
大切な話があると言う事らしい。
衣装のサイズ変更とかかな…?前に恥ずかしいからって急に呼び出されて言われた事あるからさ。
ガラガラと鳴る扉を開け、中にいるか呼びかける。
「あ、やっと来ました?」
「お前が早く来いって言ったからダッシュで来たわ」
「あ、ならお茶でも飲みます?」ガチャ
「あ、貰う。あと何で鍵を閉めた?」
「聞かれて少々困るからです。」
ほう、と相槌を打ってゴキュゴキュとお茶を飲み干す。
「あ、やっと飲んでくれましたね……」
トロンとした目でこちらを見つめている。
あれ…眠気が………
「お前……なにを盛った……?」
「盛るなんて人聞きの悪い、入れてあげたんですよ。
プロテインを」
「そう言えばそんなに眠くないや。」
思い込みって怖いね。こいつがいかにもヤンデレっぽい行動取るから入ってるのが催眠薬だと思い込んだじゃないか
「筋肉付けたいとか言ってたじゃないですかぁ~」
「まあ、言ったけど……勝手に入れんなよ…
せめて言え。勝手にムキムキにしようとすんな。」
「言ったらつまらないじゃないですか~」
「何したの!かすみちゃん!」
鬼気迫る様な表情で飛び込んできた歩夢
「ど、どうした歩夢?」
「うん、あのね…ご飯食べてたらメールが届いてね?あ、貴方の携帯に届くメールが私の方にも届くようになってるんだけど……」
「おい、こらそれ初めて聞いたぞ」
「先輩、愛されてますね……」
「そしたらかすみちゃんに呼び出されて、しずくちゃんに昨日何か変な笑い声が聞こえたって言うから、何か大変な事になってるんじゃないかと……」
「おう、何も無いぜ。
お前からさっき大変な事が分かったけどな。」
「あ、何か飲んだり食べたりした?したら早くペっ!ってして、早く!」
「い、いや大丈夫だから……」
この騒動は歩夢の登場により、少しだけ収まった。更に新たな問題を生んだけどな。
なんであいつはいつもいつも俺がいる所に現れるんだ……
☆9 かささかさん
☆8 積怨正寶さん
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見たい映画があり過ぎて困ってる。T-34に冴えカノに……