宝石が愛されるためにヒーローになる話   作:パンプジン

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柘榴倶楽部という要注意団体があるんですね。


やっぱりニッソは冒涜的ね

 

「そういえば、なぜ過去はこんな所にいるの?」

 

 少し話しただけだが、過去からはちゃんとした教育をされただろう仕草や話し方をしている。この子を育てた人は愛情たっぷりに育てているのが柘榴にはよくわかった。

 だからこそ、こんな薄汚れた檻に入れられているのはおかしいのである。財団だったら倫理委員会がとてつもなく騒ぐだろう。

 

 過去は柘榴のその問い掛けに泣きそうに顔を歪める。

 それに驚いた柘榴は、過去を抱きしめ頭を撫でながらあやす。

 過去はひゃっくりをあげながら必死にここにいる理由を話した。

 

 幼いながらも必死に話した内容をまとめると、過去は車に嫌がる友人を乗せようとするところを見て、その友人を助け一緒に逃げたらしい。だが友人とは途中で別れてしまい、しかも誘拐犯にも見つかり友人の代わりと捕まってしまったらしい。

 

 その話を聞いて、柘榴は過去がオブジェクトではないということに安心した。財団であれば、そんな逃がすリスクのある確保方法を取らない。子供であれば、学校経由で色々と手を回せば確保などたやすい。

 それに 過去を誘拐した人は誰でもいいと言ったらしい。尚更財団ではない、そういう所は比較的ちゃんとしているはずだ。

 

 財団が関わっていないのなら、自分の好きに動くことにした。

 

「じゃあ、一緒に逃げちゃいましょうか」

 

 柘榴はそういうと、過去をそのまま抱いたまま立ち上がり、首に手を回させて左腕に座るように抱き直す。

 そして檻の扉まで近づき、檻の大人なら屈むぐらいの鉄格子の扉を手前に引っ張り力任せに引きちぎる。

 それを見た過去は驚いて声をあげた。

 

「柘榴ちゃん凄い!とっても強い個性なんだね!!」

「力には結構自信があるのよ」

 

 ふふんとドヤ顔をする柘榴に、ぱちぱちと過去は拍手を送る。

 

「ここから早く逃げた方がいいんでしょうけど、新しい服が欲しいわねぇ」

 

 流石に靴もないのは嫌だわと、扉の方に投げた足の指を元に戻しながら柘榴はため息をつくと、過去はなにか思いついたのか、柘榴の耳に手を当て、ひそひそと話しかける。

 

「あのね、かこね、お洋服ある場所わかるよ」

「あら、じゃあ先にそこに行ってもいいかしら?」

 

 こそこそ話す過去が可愛くて、柘榴も同じように、過去の耳に手を当て静かに話す。

 

「でも、なんで場所がわかるの?」

「かこの個性ね、さわったもの昔のことがわかるの。それで、いつでも逃げれるようにここに連れてきた人のこと見てたの。だから出口もわかるよ!」

 

 頑張って案内するね!とやる気を出す過去に、頼りにしているわと頭を撫でる。

 

 ーー個性ね......まあサイコメトリーも個性といえば個性かもね。超能力だけなら確保対象ではないかしら。それでも要注意団体に見つかったら大変ね。だったらここは要注意団体の施設かも......

 

 そこまで考えると、柘榴は方針を決める。この施設を徹底的に破壊し、再建不可能にすると。

 いたいけな少女(超能力者)を誘拐するような組織だ。壊しても構わないだろう。

 

 そう考えながら檻のある部屋から鍵を破壊し白い廊下に出る。過去の案内の元、長い廊下を走る。

 柘榴はコッコッコッと、廊下に石同士がぶつかる音を響かせながら軽やかに走る。過去はそのスピードに目を輝かせて、首に巻き付く腕の力を強くした。

 

 ここだよ!と過去が指さす場所には、分厚い鉄の扉があった。

 鍵は扉の隣に10桁の数字キーが設置してある。

 やろうと思えば扉を壊せるだろうが、ここまでいろんな監視カメラに写ってきたのに、誰にも会わなかったことに違和感を感じる。

 

 考えても仕方ないかと、柘榴は壊そうと腕を振り上げようとするが、過去が待って!と止める。

 

 かこ、番号わかるよ!と柘榴の腕から飛び降り、そこそこ長い番号をうちこむと扉は起動音とともに開いた。

 

 そこには映画のように大量の銃器や刃物、様々な物騒な道具が壁にかかっており、床には重そうなコンテナがいくつか置いてあった。

 

 過去はひとつのコンテナに近づくと開けようとするので、柘榴はそれを手伝う。その中身は新品の黒い服がたくさん積み上げられていた。

 

 トップスを広げてみるとハイネックの長袖で、男性用のため柘榴にはすごく大きい。しかし贅沢も言ってられないと着てみると、みるみると縮んでいきぴったりと柘榴の体にフィットした。パンツの方もはいてみると同じように縮んでいきスキニーパンツのようになる。

 色々と思うところはあるが、まあ要注意団体だし、そう事もあるだろうと深く考えるのはやめておく。

 

 過去がブーツも持ってきてくれたので、それをはいてホルスターのついたベルトもあったのでそれを巻く。

 適当に手の大きさにあった銃をホルスターに突っ込み、過去が見つけた肩掛けの小さな鞄に、これまた過去が見つけたグレネードをいくつかを入れ、背負う。丁度よさそうな警棒と大型ナイフをベルトにさすと準備は完了した。

 

 ーー銃はあまり使わないようにしたいわね。

 

 小さな過去の前で人を撃つとなると、確実にトラウマになる。できるだけ人は殺さず過去を外に逃がすことを第一目標と定めた。

 

「柘榴ちゃん、スパイみたいでかっこいい!!」

「そうでしょう」

 

 ポーズをとったりして二人できゃっきゃとはしゃぐ。

 いや、そんなことしてる場合じゃないと我に返り、柘榴は過去を抱き上げ、部屋を出る。

 

 出口に向けて過去の案内のもと靴のおかげで走りやすくなった廊下をかける。

 出口に近づけば近づくほど、武器の部屋の方では聞こえなかった人が争う音が聞こえてくる。今まで誰にも合わなかったのはこの音のせいだろう。

 

「次の曲がり角曲がって真っ直ぐ行けば出口だよ!」

「了解」

 

 過去のその言葉に走る速度をあげようと足に力を入れようとするが、柘榴の耳に大勢の人がこちらに走る音が聞こえてきた。

 

 敵である可能性が高いため、曲がり角の手前で止まり、過去を下ろし音のする方を覗く。

 そこにはこちらに向かって走ってきているコスプレ集団がいた。

 

 えっ......なに......、なにあれ......?

 

 混乱で思わず言葉が乱れてしまうぐらい、やってくる人達が敵なのか味方なのかわからない。

 コスプレ集団を引き連れているだろうスーツの細長い紳士も、その髪緑の髪に金のメッシュとファンキーでなんだかもうよくわからない。

 

 

「まあ、要注意団体だったらあるかもしれないわ」

 

 あの人たち頭おかしいしと、財団のことを棚に上げつつそう呟く。

 わからないことは全て要注意団体だからで片付けることにした。

 

 柘榴は少しばかり混乱したまま、敵か味方かわからないのなら、全員ぶちのめしてから考えようと、鞄からスタングレネードを取り出す。

 

 過去に離れて耳と目を閉じるように伝える。

 コスプレ集団がギリギリまで近づくまで待って、柘榴はスタングレネードのピンを引き抜くと、曲がり角に放り投げ自分の耳を塞ぎ目を閉じる。

 

 すぐに耳を閉じていても大きな音と光を感じると柘榴は警棒をベルトから引き抜き、曲がり角の紳士におどりかかる。

 

 紳士はとっさに腕で顔をガードしたらしく隙だらけだ。柘榴は紳士の胴に向かって警棒を振り上げるが、その腕に何かが巻き付かれとめられる。

 腕に巻きつかれた物を見ると、それはムカデの胴体だった。

 それの繋がる先を見ると、ムカデ頭がこちらを睨んでいる。

 柘榴は巻き付かれムカデを切ろうと、ナイフを引き抜きムカデに向かって振り下ろすが、当たる前にムカデは逃げてしまう。

 柘榴は床を蹴って後ろに飛び退く。そして、威力が弱かったのか体制を立て直しつつあるコスプレ集団に向かって笑いかける。

 

「うふふ、ニッソは本当に冒涜的ね。ムカデを人間みたいに作り替えるなんて、本当に頭がおかしいわ」

「君は何者だ!」

 

 ムカデ頭の声を美しい微笑みで無視する。ムカデが人と同じ知能があり言葉が話せることに、顔には出さないが少しばかり驚いた。

 

 カナヘビさんと同じようなものと結論付けつつ、どうやってこの集団から過去とともに逃げるか頭を回す。

 

 戦う?人数が多すぎて無理。というか私のスピードに追いつく時点で逃げるのも難しい。

 

 どうしたもんかと考えていると、

 

「わあ! ヒーローだ!」

 

 とコスプレ集団に走りよってしまう。

 柘榴の声に心配になったのか、こちらの方を覗いてしまったのだろう。

 柘榴が過去をさがらせようと抱き上げるよりも、ムカデの方が早かった。

 ムカデは過去を持ち上げ引き寄せると、鋭い目で睨んでくる。

 そして、コスプレ集団のリーダーであろうスーツの男が話しかけてくる。

 

「君はこの子をさらった組織のものか?」

「いいえ違うわ」

 

 男の言葉に柘榴は即答する。

 過去の反応を見るに、とりあえず過去の味方だろうと判断し、ナイフと警棒をしまう。

 

「私もここに仕舞われていたんだけど、その子が来たから可哀想と思って逃げることにしたの。悪かったわ、いきなり襲ってしまって。私には誰が味方で敵かわからなかったから」

 

 そういうと殺気立っていたコスプレ集団の雰囲気が和らぐ。

 スーツの男が柘榴に近づいてくる。

 柘榴は少しばかり警戒するが、スーツの男は気にせず柘榴の頭を撫でた。

 

「よく頑張ったな、ありがとう。外には君たちを保護してくれる警察がいる。まだ頑張れるか?」

 

 スーツの男の言葉に思わず頷く。彼からはどこか嗅いだことのある匂いがする。

 

 懐かしいと思った瞬間、柘榴は鮮明に思い出したのだ。

 

 薬指に指輪をおくった、アレクサンドライトと自分を呼んだ、愛をくれた博士のことを。

 

 曖昧になっていた大事な記憶を思い出し、様々な気持ちが襲ってきて柘榴は思わず涙を流した。

 涙を流す柘榴を見て、スーツの男は安心させるにいった

 

「センチピーダーがついて行ってくれる。もう少し頑張ってくれ」

 

 そしてムカデ頭、もといセンチピーダーと少し話すとスーツの男は他の人を連れて離れていく。

 

 柘榴は過去を抱えているセンチピーダーに近寄り、頭を下げた。

 

「先程はあまりにも酷いことを言ってしまったわ。本当にすみません。」

「いや、私も悪かった。それに、怖がれるのは慣れていてね、気にしなくていい」

 

 柘榴の頭をあげさせ、眉尻を下げながらセンチピーダーは少し悲しそうにそういった。

 柘榴はそんなセンチピーダーに申し訳なさそうに口を開く

 

「本当にすみません」

 

 柘榴は銃を引き抜き、センチピーダーの近くの床には発砲する。

 それに驚き固まったセンチピーダーの横をすり抜け、柘榴は全速力ではしりだした。

 

 

 ーー今、警察に捕まったら面倒なことになるわよね。研究所でモルモットなんてやりたくないわ。

 

 

 彼女の体は皮以外宝石におきかわっている。割れるぐらいなら、その皮に異常はないが、剥がしたり燃やしたりすると体から剥がれ元に戻らず、宝石が露出したままになるのだ。

 

 今の柘榴は、ほかのSCP-737-jp-1が実験を変わってくれたおかげで、綺麗に残っている。同じSCP-737-jp-1達の優しさを無駄にしたくない。

 もし警察に捕まり、その異常性から研究所で実験なんてされたら確実に皮は無くなってしまう。

 

 だから柘榴は逃げたのだ。

 

 廊下の途中に窓があり、外には森が広がっているのを見ると、柘榴窓に向かいそのままの勢いで窓にドロップキックをかまして叩き割り、外に出る。

 そして、眼前に広がる森の中に入り姿を消したのだ。




SCP-737-jp-1-g (アレクサンドライト)
名前:柘榴

:センチピーダーを見てまた日本生類創研か、確保しなきゃと思った宝石。財団に染っている。
ちゃんと洋服きたよ!銃とグレネードは森に捨てたけどナイフと警棒は持っていったよ!
ちょっとばかし過去ちゃんやセンチピーダー、ナイトアイに申し訳なく思ってるよ。
ナイトアイは博士に似てて親近感があるよ

賢く優しく勇敢な少女(名付け親)
名前:遠見崎 過去
個性:サイコメトリー
いきなり逃げてしまった柘榴にすごくびっくりしたけど、出会いからしておかしいから色々あるんだなって思ってる。
事情聴取では一緒に捕まってたって誤魔化してくれたよ。
でもやっぱりまた会ってお礼がいいたい。


センチピーダー
SCP財団に見つかったら確実に収容されてるとおもう。
柘榴の行動にめちゃめちゃびっくりしたよ。
そして逃がしたことに始末書を書くことになったひと。


サー・ナイトアイ
博士と似たような匂いがする人。後で思い出させてくれてありがとうと柘榴は事務所に手紙を送ったよ。
本当に死なせたくねぇ


次は一気に時間が飛んで試験です
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