二度目の転生はありふれた職業な世界   作:ライダーGX

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遂にあのヒロインとの出会いです。

どうか見てください。


第12話 迷宮での出会い

新一が奈落の底での迷宮を探索してから日が過ぎて、もう50階層まで降りてきた。

 

ここに来るまでにかなりの道中だった。

 

とある階層で毒の痰を吐く大きなカエルと毒蛾に、通常よりも巨大なムカデ、更に頑丈な鱗を持つ魔物を相手にし、新一は思わずため息が出る。

新一はそれらの物を食べて、超神水で洗い…浄化で試した所、ムカデや毒蛾以外の物は意外な程に旨みがあり、更にカエルの肉がとても美味かった事が、何故か新一には悔しい思いする事になった。

 

そんな感じで新一は下に降り続け、気付けばもう50階層まで来ていた。

 

今だに終わりが見えない迷宮。そして新一のステータスはこんな感じになっていた。

 

 

 

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天道新一 17歳 男 レベル:63

 

天職:勇者:副天職:錬成師

 

筋力:3930

 

体力:4400

 

耐性:3930

 

敏捷:5830

 

魔力:6000

 

魔耐:6000

 

技能:全属性適性[+全属性效果上昇]・全属性耐性[+全属性效果上昇]・物理耐性・魔法耐性・錬成[+鉱物系鑑定][+精密錬成][+鉱物系探査][+鉱物分離][+鉱物融合]・複合魔法・格闘術[+身体能力上昇][+豪脚]・毒耐性・麻痺耐性・剣術[+斬撃效果上昇][+大剣術][+両手剣術]・射撃[+精密射撃][+連射射撃][+安定射撃]・剛力[+豪腕]・縮地[+爆縮地]・先読・高速魔力回復・気配感知・気配遮断・魔力感知・魔力操作・胃酸強化・纏雷・天歩[+空力]・風爪・夜目・遠見・石化耐性・言語理解

 

 

 

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っとこんな感じにレベルが完全に上がっていた。

そして50階層で捜索していると、何かとても頑丈で、厳重そうな扉が有り、それを新一は見上げながら見ていた。

 

「…こんな扉がこの奈落の底にあるなんてな、まさしくパンドラの箱…開けてはならない感じがビンビンくるよ。でもここを通らないと先には進めない」

 

そう言って新一はロングソードとドンナーを抜いて、荷物を置きながらその扉の方を見る。

 

「悪いけど、開けさせて貰うぞ。そのパンドラの箱と見た扉…」

 

新一はパンドラの箱と見る扉に近寄る。

扉には見事な装飾が施されていて、更に中央に2つの窪みのある魔法陣が描かれているのが見えた。

 

「ん?なんだこれ…、こんなの見たこともない。王国の図書館でしっかりと覚えたはずなんだが…、いや…あそこで覚えた事はこの奈落では通用しないな。仕方ない…錬成で試してみよう」

 

そう言って錬成で扉に穴を開けようとした時に。

 

 

バチィィン!!!!

 

 

「ッ!!!」

 

扉から赤い放電が流れ、それに思わず新一は飛んで下がり、手から少し煙が出ていたが、すぐに消えていったので、はらって扉の方を見る。

 

 

──グオォォォオオォ!!!

 

 

すると突然、野太い雄叫びが響き渡る。

 

扉の両側にある壁と一体化していた巨大な像が突如動き出し、像として同化していた灰色の肌が暗蒼色に変色し、そしてもう一体の方が暗緋色に変色して新一を睨みつけていた。

それを見た新一はその巨人の魔物…『サイクロプス』を見て納得する。

 

「なるほど…、こいつらはここの番人って訳か。まあいいさ、先手必勝!!」

 

っと新一はドンナーを構え、暗緋色のサイクロプスに向けて撃つ。

 

サイクロプスは突然の攻撃に対処する事が出来ず、目を撃たれて倒れる。

 

「グオオオオォォォォオオオ!!!」

 

もう一体のサイクロプスは倒された仲間を見て、怒りを爆発させ、巨大な腕を振り下ろしてくる。

それを新一は回避して、距離をとり、更に技能の空力を使って、空中に足場を作って飛び、サイクロプスの首元を狙ってロングソードで斬る。

 

 

ズバァァン!!

 

 

首を斬られたサイクロプスは無残に倒れ、新一はロングソードとドンナーをしまい、サイクロプスを見る。

 

「意外と呆気なかったな。いや…俺が強くなりすぎたって所か……ん?」

 

新一はサイクロプスの中に何かがあるの見て、それを取ると、宝玉の様な魔石が出てきた。

 

「魔石…、こいつら自体が鍵という事だったのか、でももう1個揃ったらあの扉も開くって事だな」

 

確信した新一はもう一体のサイクロプスからもう1つの魔石を取り出し、扉の窪みにはめ込むと、魔石から赤黒い魔力光が迸り。

そこに魔法陣に魔力が注ぎ込まれていく。そして扉の鍵は開き、扉はゆっくりと開いて、新一はその中へ入っていく。

 

 

 

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新一は開いた扉の奥に進むと、部屋には光が1つもなく、真っ暗で大きな部屋が広がっていた。

 

「やっぱり暗いな…ん?」

 

そして奥には薄らと光が現れ、巨大な立方体の石が置かれていた。

 

何やら妙な感じがする新一は警戒しながら進んでいると、扉が急に閉じて、それに思わず振り向く。

 

「ッ!おいおい…脅かしっこ無しだぜ…!」

 

少々驚いた新一が呟いた。

 

 

 

 

「……誰?」

 

 

 

 

「え…?」

 

っとその時だった、突如弱々しくかすれた女の子の声が聞こえ、それに新一は思わず振り返る。

 

巨大な立方体の中心に“埋まっている女の子”が見えた、その女の子は金髪で、まだ12歳くらいの少女だった事に、新一は驚きを隠せなかった。

 

「少女……女の子?」

 

新一はその少女の様子を見て、思わずその場所に近寄り、その少女に問う。

 

「君、どうしてそこに? って言うか……なんで?」

 

「…私、先祖返りの吸血鬼、すごい力持ってる……だから国の皆のために頑張った。でもある日…… 家臣の皆……『お前はもう必要ない』って。

おじ様…『これからは自分が王だ』って言って、私……それでもよかった…、でも私…すごい力あるから危険だって、殺せないから封印するって…それで、ここに…」

 

枯れた喉で必死に語る少女の問いに、新一は思わず黙ったまま聞いていた。何より吸血鬼の末裔と聞いた時、同じような事を異世界ディスペアでも聞いたことがある。

 

ディスペアでの吸血鬼は人から隠れで過ごし、見つからないようにし、長年生き続けていた。

しかし魔王の手によって全てが滅び、もう生き残りはいないと思っていたが、唯一生き残っていた女性が居て、そこで当時勇者でもある新一達がある程度助言を頼み、それによって魔王の居場所が分かったと言う。

 

そして今戻って、新一はその少女の話しに少し問う。

 

「君、何処かの王族だったのか?」

 

「……ん」

 

少女は新一の問いに頷く。

 

「それに殺せないってどういう事だ? 不老長年の吸血鬼でも死なないことは…」

 

「…勝手に治る。怪我しても直ぐ治る…。首を落とされてもその内に治る」

 

「(も、もしかして…再生魔法? …再生液の元となっているのと一緒のか)…マジか、凄まじいな、でも…それだけ?」

 

「これもだけど…、魔力、直接操れるの…陣もいらない」

 

それを聞いた新一はそれに納得する、吸血鬼である彼女は新一が獲得した技能の魔力操作が同じように彼女にもあるっと確信し、その力に怯えた当時のその王族達は彼女をここに封印したと思った。

 

「…たすけて、私…悪くない! 裏切られただけ!」

 

今にも泣きだそうとする彼女は必死に新一に助けを求める。

 

それに新一は笑みを浮かばせながら言う。

 

「…任せろ、気安く見捨てるほど俺は落ちてはいない」

 

新一はそう言って彼女を捉えている立方体に手を触れる。

少女はその様子に目を大きく開き、新一はそれに気にしないまま錬成の技能追加の『錬成分解』を行う。

 

すると変形する筈の立方体は、まるで新一の魔力に抵抗するかの様に錬成を弾き始め、それに新一は少々表情を歪ませながらも徐々に追い詰めていく。

 

「へぇ…、当時の王族達は相当この子を出したくないみたいだな、すげぇ抵抗だ、でも俺の方が魔力は上だ!」

 

そう言って新一は魔力を一気に注ぎ込み、少女を捕らえている立方体は激しく抵抗するも、新一の魔力によってあっという間に粉砕されてしまい、少女はその場に倒れる。

新一は少し呼吸を整えると、その少女の下に行き、状態を確かめる。

 

「大丈夫か?」

 

「……うん、……ありがとう」

 

その言葉に新一は頷きながら見て、そして少女はある事を問う。

 

「…名前、何?」

 

「俺か? 俺は天道 新一。新一って呼んでくれ。君は?」

 

すると少女は「新一、新一」っと呟きながら大事なものを内に刻み込む様に繰り返し。そして、問われた名前を答えようとして思い直した様に新一にお願いする。

 

「…名前、付けて」

 

「え?付けてって…、思い出したくないの?」

 

「……ん、もう、前の名前…いらない。……新一の付けた名前がいい」

 

っとその事に少しばかり迷った、正直名前を付けるのはどうも苦手で、いつも適当な事ばかり言っていた。

しかし真剣に見つめてくる少女に、新一はちょっとばかし考え、そして言う。

 

「…“ユエ”、君の名はユエだ。ユエって言うのは俺の故郷で月を意味する言葉。最初に部屋に入った時、まるで月の様な光が出ていたから、それで思いついた」

 

「ユエ、ユエ、…うん。今日からユエ、ありがとう」

 

その微笑ましい美しさの表情に、新一は少しばかり照れながら言う。

 

「い、いや~それほどd──」

 

 

 

ゾッ!!!!!!

 

 

 

 

すると上から突如猛烈な気配と膨大な魔力を感じ、それに新一は思わず振り向く。

 

「っ!!?」

 

すると上にはサソリの様な魔物がこちらを睨みつけるように見ていて。そしてトゲのような岩を放ち、新一とユエに襲いかかってきたのだった。

 

 


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