50階層で封じ込められていたユエを自由にさせた新一、しかしその時、サソリの魔物が突如現れ、新一とユエに岩のトゲを放った。
ズバッ!!
トゲの攻撃を新一がロングソードで一気に切り裂き、新一はサソリの魔物を見る。
今まで気配はなかった筈なのに、突如現れた、それを考えると新一はユエの方を一度見て納得する。
「なるほどな、どうやらユエを相当じゃなく、絶対に外に出したくない様だな」
「新一…」
「大丈夫だ。ユエは下がってろ! それとこれを被ってな」
っと新一は爪熊だった毛皮をユエに渡す、ユエはそれを受け取る理由が分からなかったが、すぐに今の自分の姿を見て確信する。
今のユエは素っ裸だった為、それにすぐに隠して上目遣いでポツリと呟く。
「新一のエッチ」
「なんでそうなる…、隠れてろよ!」
そう言って新一はロングソードだけじゃなく、ドンナーも取り出して突き進む。
サソリの魔物は向かってくる新一に岩のトゲを放つ。
それを新一はロングソードで切り落として、更にドンナーで反撃に出る。
ガキン!!!
だがドンナーの銃弾、タウル鉱石で作られた銃弾がいとも簡単に弾き返されて、サソリの魔物は更に岩のトゲを出して反撃する。
「チッ!」
舌打ちをする新一はすぐさまトゲを切り落として、物陰に隠れて様子を疑う。
「あの魔物…、随分と硬いな、タウル鉱石で作った銃弾が弾き返されるなんて、どんな仕組みなんだ? 出来れば調べたいけどね!」
そう言って新一は向かっていき、サソリの魔物が放ってくるトゲの岩を切り落としながら近づき、そしてサソリの魔物が尻尾の毒針を使って新一を刺そうとする。
新一はそれをかわして、ロングソードでサソリの魔物の尻尾を斬ろうとする。
ガキン!!!
しかしサソリの魔物の体はかなり頑丈で、ロングソードでも斬ること出来なかった。
新一は表情を歪ませながらも、その場を直ぐに引く、サソリの魔物がハサミで攻撃してきたのに対し、新一はそれを飛びながらかわす。
そして新一は試しにサソリの魔物の目を狙ってドンナーを撃つ、するとドンナーの攻撃がサソリの魔物の目を直撃して、目を潰されたサソリの魔物は大きく苦しむ。
「キシャァァァァア!!!」
その隙に新一は一度体制を整える。
そしてユエが新一の側にやって来る。
「新一」
「ユエ! こっちに来るな!危ないぞ!」
「ちょっと首を貸して、力になれると思う」
「え…何だって?」
新一はユエの言葉に少しばかり首を傾げるも、ユエは新一の首にキス…否、首に向かって噛み付いた。
「ぅお!」
あまりの突然に新一は思わず声が出るも、ユエは新一の事にお構いなく彼の血を吸っていた。
ユエは新一の血を吸いながら、自分の力を蓄えていた。
そんな中でサソリの魔物は苦しみながらも、新一達を捉え、襲いかかろうとする。
しかしそれを新一はドンナーを使って阻止し、何とか抑える。
そして血を吸い続けたユエは、新一から首元を離れて、舌なめずりする。
「…ごちそうさま」
そう言ってユエは立ち上がり、サソリの魔物に向かい合う。そしてサソリの魔物に向けて片手を上げた同時に、その華奢な身からは想像もできない莫大な魔力が噴き上がり、一言呟いた。
「“蒼天”」
するとユエが放った魔法、サソリの魔物の真上に直径上、6mくらいあるな青白い炎の球体が現れる。
直撃したわけでもないない筈が、サソリの魔物はその場から逃げようとする。
しかしそれをユエが許すはずもない。
ユエは伸ばした指差しを振り、青白い炎の球体が逃げるサソリの魔物を追いかけ、そしてその場に押しつぶす。
「グゥギィヤァァァアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!????!!???!」
サソリの魔物はかつてもない悲鳴をあげ、同時に青白い閃光が辺りを満たして見えなくなってしまう。そして魔法の効果時間が終わったのか、青白い炎が消えていく。
痕跡には、外殻を赤熱化させ、表面を融解化させたサソリの魔物が苦しみながらもがいていた。
ユエの膨大な魔力の威力に、新一は思わず唖然とする。
「うっそん。マジで…?」
新一がそう呟くと、ユエが肩で息をしながら座り込んでいる姿を見かけ、新一は近寄る。
「大丈夫か?」
「うん…、最上級……久々に使うと疲れる」
「ははは、上出来だ。後は俺に任せてくれ」
「うん…、頑張って」
そう言って新一はサソリの魔物の方を見る、サソリの魔物は今だ健在で、今にも動き出そうとしていたが、ダメージが大きいのか動くにもやっとだった。
新一は爆縮地を使い、サソリの魔物の真上に降り立つ。
そしてドンナーをしまい、ロングソードを片手に持つ。
「さて……ここでおさらばだ、じゃあな」
っと新一はロングソードを一気に振り下ろし、サソリの魔物の命を絶つのであった。
そしてその肉とサイクロプスの肉をちょっとばかし食べて、新たな力が得る。
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天道新一 17歳 男 レベル:67
天職:勇者:副天職:錬成師
筋力:4800
体力:6300
耐性:4800
敏捷:7100
魔力:8600
魔耐:8600
技能:全属性適性[+全属性效果上昇]・全属性耐性[+全属性效果上昇]・物理耐性・魔法耐性・錬成[+鉱物系鑑定][+精密錬成][+鉱物系探査][+鉱物分離][+鉱物融合][+複製錬成]・複合魔法・格闘術[+身体能力上昇][+豪脚]・毒耐性・麻痺耐性・剣術[+斬撃效果上昇][+大剣術][+両手剣術]・射撃[+精密射撃][+連射射撃][+安定射撃]・剛力[+豪腕][+金剛][+怪力]・縮地[+爆縮地]・先読・高速魔力回復・気配感知・気配遮断・魔力感知・魔力操作[+魔力放射][+魔力圧縮]・胃酸強化・纏雷・天歩[+空力]・風爪・夜目・遠見・石化耐性・言語理解
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サソリの魔物を撃退した新一はユエを錬成で作ったテントに入れて、一通りの事を聞いた。
「なるほどな、300年間…この場所に封印されていたのか。辛かったな」
「ううん、もう大丈夫、辛さには慣れた」
っとそう言うユエだが、彼女の手から少しばかり震える感じが見え、未だ心に影響が残っている事があると確信する新一。
するとユエは新一にある事を聞く。
「そうだ。新一に聞きたいことがあるの」
「ん?なんだ」
「さっき…吸血鬼の事を『不老長年』って言ってたよね。どうして吸血鬼を不老長年と思ったの?」
ユエはその事を気にしていたのか、新一にそれを聞いた。
新一は思わず黙り込んでしまう。
よく聞いているなと思いつつ、新一は己の過去を振り返りながら思う。
自分が積んできたかつての旅…、今ユエに話しても問題はないであろうと…。
「そうだな。ユエ…今から俺が話すのは少しばかり驚くばかりの話だが…聞いてくれるか?」
「ん…いいけど。どうして驚くばかりなの?」
ユエはそれに問い、新一は自分の話しを語り始める。
自分がこの世界とは別の場所、そこで勇者をしていていた時に、不老長年の吸血鬼と出会い、そこで色々聞いた事を、そして魔王を倒した事と転生した事をユエに話した。
ユエは新一が語りだした事に驚きつつも、ユエは新一の事を信じた。
「凄い…どれも驚く事ばかり。新一って凄いことをしてきたんだ…」
「まあな、それにしてもこいつ…、どんな甲羅をしているんだ?」
新一は先ほどのサソリの魔物の甲羅を取って、それを鉱物系鑑定で調べてみた。
【シュタル鉱石】
魔力との親和性が高く、魔力を込めた分だけ硬度を増す特殊な鉱石。
「なるほど、どおりで硬かった訳だな」
っとそう言って新一はその鉱石を使って、設計図を見ながらある物を作り上げていく。
新たに手に入れた追加技能の複製錬成によって、一度作り上げた弾を軽々と作り、少しづつ改良を加えつつ予備の為の弾薬を整え、新たな武装を作り上げた。
そして対人狙撃ライフル【シュラーゲン】が完成し、新一はその弾薬も完成し、新一の新たな武器が完成した。
その様子を見て、ユエは問う。
「新一、それは何?」
「ああ、これは友人が託してくれた武器の設計図をもとにした物だ、と言っても俺のオリジナルを入れてるがな」
「へぇ~」
ユエはそれに納得しながらも、また次の事を問う」
「ねえ、新一はどうしてここにいるの?」
「…そうだな、話しても構わないか」
っと新一は語り始める。
新一はある奴の行いのせいで、この奈落の底に落とされてしまい、ここをさ迷い続ける羽目になった、だがそれを脱出する為に出口を探している。
それを聞いたユエは涙を流していた。
「どうしたのだ?」
「ぐす…、新一…。つらい…、…私もつらい」
っと同様するかの様にユエは涙を流し、それを新一は頭を横に振りながら言う。
「別に悲しむ事はないよ。俺は皆にじゃなく、1人の奴がやった事なんだ。まあそれはいいさ、戻ったらたっぷりとお仕置きするつもりだから。それとユエ、ここの出口知らない?」
「詳しくは知らないけど、ここ…この迷宮は、反逆者の1人が作ったと言われてる」
「反逆者…?そんなやつが此処を?」
新一はそれを聞くとユエは頷きながら言う。
「うん、反逆者…神代に神に挑んだ神の眷属のこと。世界を滅ぼそうとしたと伝わってる…後の事はよくわからない」
「そうか…、俺が聞いてきた話しとはかなり違う所があるな…。まあいい、後に分かってくるさ。それよりもユエ、お前はどうするつもりだ?」
「え?どうするって…?」
「帰る所はないし、地上に出ても待っている人もいない。ユエ…どうしたんだ」
「…………分からない」
長い間、ずっと封印されてきた彼女、もうだれも待っている人もいない、それを考えるとユエはすぐに悲しい表情をする。
それを見た新一は言う。
「なら俺と一緒に来るか?」
「え?」
「魔法のない国、そこならばユエは安心して暮らせる場所がある、そこなら俺が戸籍を整えられるし、もしもの場合匿えるし、一石二鳥だ」
「新一の国……、うん…行きたい…、そこに行きたい…私」
っとそれに新一は頷き、そして新一は超神水で綺麗に洗い、焼いた肉をユエに渡す。
「ユエ、ご飯食べる?」
「……食事はいらない、確かに食事でも栄養価は取れる、でも…一番は新一の血」
「…え?」
思わず新一は変な声を出してしまう、そしてユエは舌なめずりをしながら近寄る。
「えっと……ユエさん? 何故舌舐りを…」
「新一の血…美味、熟成の味がする…」
「ええ~~……マジ」
新一は有り得ない表情をしながら少々引いてしまう。
「……いただきます」
「おい~~~~~~!」
っと新一はその事に声を上げる他、無かった。