新一が奈落の底…、真の大迷宮でユエを見つけた時の事。進次郎達はオルクス大迷宮の90階層まで来ていた。
あれ以来ずっと迷宮内でこもっていて、戻らずにずっと探し回っていた。
余りにも攻略スピードに少々驚きを隠せないが、それは彼らが新一の生存を思う気持ちが、成長を強まらせたからだ。
そして彼らのステータスはこの通りになる。
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上地進次郎 17歳 男 レベル:56
天職:双剣士
筋力:600
体力:730
耐性:600
敏捷:880
魔力:650
魔耐:750
技能:双剣術[+斬撃速度上昇][+無拍子]・火属性適用[+火属性效果上昇]・火属性耐性[+火属性效果上昇]・縮地[+爆縮地]・先読・剛力・言語理解
郷田軍平 17歳 男 レベル:56
天職:大斧戦士
筋力:800
体力:980
耐性:880
敏捷:680
魔力:590
魔耐:610
技能:大斧術[+斬撃效果上昇]・土属性適用[+土属性效果上昇]・土属性耐性[+土属性效果上昇]・剛力・身体能力[+全身強化]・縮地[+爆縮地]・言語理解
飯島きよし 17歳 男 レベル:55
天職:弓手
筋力:480
体力:510
耐性:470
敏捷:560
魔力:680
魔耐:690
技能:弓術[+連射技術上昇][+安定技術上昇][+貫通技術上昇]・風属性適用[+風属性效果上昇]・風属性耐性[風属性效果上昇]・先読・短剣術・言語理解
早川千春 17歳 女 レベル:54
天職:魔道士
筋力:390
体力:490
耐性:370
敏捷:390
魔力:1100
魔耐:1300
技能:全属性適性[+全属性效果上昇][+消費魔力減少][+発動速度上昇]・全属性耐性[+全属性效果上昇][+持続時間上昇]・複合魔法・高速魔力回復・調理[+毒性完全無効化][+酸性完全無効化]・言語理解
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この様に進次郎達はかなりの成長を遂げていて、65階層にいたあのベヒモスを難なく倒す事が出来る様になったのだ。
進次郎達に取って大きな成果だったと言える、そして90階層に来た進次郎達は必死に新一を探していたが、中々見つからなかった。
「くっそ…、中々見つからねぇ、どこにいるんだ新一」
「この階層にもいないとなる、更に下の階層なのかな?」
「でもよ、もう90階層になるぜ? あと10階層降りたら100階層だ」
「……新一君、どこにいるんだろう」
千春は少しばかり落ち込む表情をしてしまう。
それに気付いた進次郎が慌てて慰める。
「お!おいおい!落ち込むなって千春! 絶対に新一を見つけるんだ!俺達は!」
「おうよ!」
「そうだね。もっと探そう千春、新一はきっと見つかる!」
3人の励ましに、千春は俯いた状態から顔を上げて、それに頷く。
「うん、そうよね」
「よし!上地軍団行くぞ!!」
「おうよ!!」
「はぁ…、もう慣れてきちゃったよこれ」
進次郎の軍団名にもう慣れてしまったことに、落ち込むきよし、進次郎達は次の階層に向けて進む。
すると千春の足元のすぐ近くに“この階層に存在しないトラップ”が反応する。
ガコッ!!!
「あっ?なんだ?」
突如奇妙な音をした事に辺りを見渡す進次郎達、すると彼らの足元の地面が突如開き、それにより進次郎達は落ちてしまった。
「「「「うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!」」」」
地面から空いた穴に落ちてしまった進次郎達、そして穴はゆっくりとしまっていき、そして存在しないトラップは消えて行く。
そして進次郎達は真下にあった奇妙な浮き輪の上に乗って、そのまま流れる川に下っていく。
しかももの凄い速さで下った。
「うわああああああああああ!一体何だこれえええええええええええ!!!」
「俺達どうなるんだあああああああああああ!!??」
「きゃあああああああああああああああああああ!!!助けてええええええええええ!!!」
叫びながらも進次郎達が乗る謎の浮き輪はそのまま流れる川を下っていったのだった。
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一方その頃、新一とユエは55階層辺りに来ていて、魔物を蹴散らしながら進んでいた。
新一のロングソードとドンナー、ユエの魔法を使って進み、下に降りる階層の階段を探していた。
「ふぅ…、意外とサクサク進めるな?」
「新一の剣と、私の魔法のお陰」
ユエはその事を言い、それに新一は頷きながら見る。
「そうだな、よし、このまま次の階層に向かおう」
新一はそう言ってユエと共に次の階層に降りる階段を探す。
っとその時だった。
……ゴゴゴゴゴゴ!!
突如謎の音が聞こえ、それに新一とユエは辺りを警戒し、その音は徐々に大きくなっていく。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!
「何だ…?」
「……」
新一達が警戒していると、横の壁が開き、そこから水が流れ込んでくる、そしてそこから…。
「「「「うわあああああああああああああああああああああああああああ!!!!」」」」
壁から4人の男女がやって来て、新一に目掛けて突っ込んでくる。
「え?えええ??ええええええええ~~~~~!?!?!!?」
ドガ~~~~~~ン!
新一を巻き込んで、そのまま突っ込んで近くの岩に激突する。
そして新一の荷物は空に飛んで落ちる所を、ユエが難なくキャッチする。
「ほっ、……新一?」
ユエは新一の方を見ると、ごちゃごちゃ状態になりながら目を回す新一と4名、っと新一の顔に何やら“柔らかい”物が当たっていた。
「(ん…? なんだこれ…)」
「っ!!!いや~~~!!!」
1人の少女が一気に離れ自分の胸を隠しながら、右手で平手打ちをし、新一の顔面に向けて放つ、それにより新一の左頬に手形が出来る。
どうもあたっていたのは胸部らしく、どちらにしろ美味しい思いをしたのは誰も言うまでもない。
ペチン!!!
「ブヘッ!!!」
思わず受けてしまう新一、かなりの丈夫な体になっているはずだが、何故か痛いのが伝わる。
っとその時だった、手を出した少女が思わず新一の方を見て唖然とする。
「え……、新一君…?」
「はっ?」
その言葉に新一は見ると、先ほど振った人物は千春だった、そして周りを見ると、千春だけじゃなく進次郎、軍平、きよしの3人もいた。
千春の言葉に新一は唖然とし、そして進次郎達は千春の放った言葉を聞いて思わず顔を上げる。
「へ…新一?」
「進次郎…軍平…、きよしに…千春!」
新一の言葉に進次郎達は目を大きく開く。
「新一……新一!!!」
「新一!!生きてたのか!!」
「よかった~~!!」
進次郎達は新一に抱き寄せ、新一も進次郎達に向かって抱きついて、再会の喜びを分かち合う。
その際にユエはただ置き去りされた状態だった。
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「新一、本当に無事で良かったぜ!」
「新一君、あの時死んだかと思ったのよ…」
「すまない皆、心配かけたな」
新一達は一度キャンプを張り、お互いの状態を聞いていた。そして新一は進次郎達に心配かけた事に素直に謝る。
「謝らないでよ新一、僕たちは必死に探し出したことで十分なんだからさ」
「きよし…すまない」
「良いって事よ! …ところでよう新一、この嬢ちゃんは?」
っと軍平がユエの方を見ながら問い、それに新一は答える。
「ああ、彼女はユエだ、このオルクス大迷宮の奈落…真の大迷宮で見つけた子だ」
「真の大迷宮…? ってどういう事だよそれ!?」
「後で説明するよ、本名はあるんだけど、それは思い出したくないらしく、俺があたえた名で通している」
「思い出したくない…? 訳ありか?」
「まあそんな所だ」
進次郎の問いに新一は頷く、そんな中でユエは進次郎達をしばらく見ていて、新一の方を見て問う。
「新一、誰なの?この人達…」
「ああ、俺の親友たちの進次郎に軍平、きよしに千春だ。前に話しただろう」
「……そう、ユエ、よろしく」
無表情なままユエは答えて、その様子に進次郎たちは思わず冷や汗と流しながら見て、新一に聞く。
「な、なあ…。なんかすっげぇ絡みづらいんだけど」
「まあそのうちに慣れるよ、今はちょっと進次郎達の事を信用していいのか迷ってるだけ」
そう言う新一に進次郎はただ黙り込む、ユエは千春を見て……否、千春の“ある部分”を見ていた。
それには千春は気づいて、ユエの方を見る。
「ど、どうしたの?」
「……大きい」
「え?」
千春はユエの言った一言に思わず唖然とし、新一達もその言葉を聞いて黙り込んだ。
ユエがそう言うのもそのはず、千春は女子の中でも少しばかり大きいサイズを持つ者だからだ。
「さっき新一をぶった時、それを隠した。……羨ましい」
「ええ~~~!!! ちょっとなんでそうなる訳!!? って!男子共!聞いてるんじゃないわよ!!」
「「「「すいません…」」」」
ユエの視線に思わず隠す千春、そしてその千春の怒鳴りに素直に謝る新一達。
そして進次郎は新一にこの迷宮の脱出方を聞く。
「なあ新一、ここを抜け出す方法知らねぇえか? さっき俺達が落ちてきた場所、見たらまるで何もなかったかのように消えてたんだよ」
「一応1階層で調べたんだが、どうも上への階段が見当たらなかった。このまま最下層まで下りて行けば、出口に繋がる方法が在るはずだ」
「なるほどな、よっしゃ! そうと分かれば行こうぜ!「ちょっと待った~~~~!!!!」うぉっ!!何だよ!きよし!?」
突然きよしの大声に思わず皆は驚く、きよしは新一が持っているドンナーを見て目を輝かせていた。
「新一!!それ!!」
「ん?ああ…、これか。きよしの設計図から作ったドンナーだ、これのお陰でここまで来られたよ」
「うわ~~!!やっぱり僕は天才だよ! よく見せて!よく触らせて!! ねえ!他にもまだある!?もっと見たいよ!ねえ!ねえ!ねえ!!」
きよしは大興奮しながらドンナーの他に、シュラーゲンを取り出して見せ、その事に更に目を輝かせていた。
進次郎達は大興奮しているきよしの様子に呆れながら見ていて、ユエは千春の方を見て問う。
「彼、いつもあんな感じ?」
「えっと~…まあ、そんな感じかな」
っと千春はユエの言葉にそう答えるほかなかった。