二度目の転生はありふれた職業な世界   作:ライダーGX

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更新が遅れてすいませんでした。

なかなか進まなくて遅れました、ではどうぞ


第16話 最下層への道 後編

新一達が奈落の底…真の大迷宮を順調に攻略している……かと思えた。

現在新一達はと言うと……。

 

『『『うわああああああああああ!!!!』』』

 

「「「「「「「「「「「「シャァアアアアアアアアアアアアア!!!!!」」」」」」」」」」」」

 

今現在新一達は恐竜のようなトカゲの魔物に襲われていたのだ、しかも大量に…。

それも頭に妙な花が咲いていた。

 

「くっそどうしていつもこうなるんだよ!!」

 

「誰だよ!あんなの呼び出したのはよ!!」

 

「「軍平!! 君でしょ/あんたでしょ!!!」」

 

「ええっ!?俺か!?」

 

っとその事に驚きを隠せない軍平、それもその筈、軍平はこの階層に降りてきた時にその魔物の尻尾を踏んでしまって、怒らせてしまったのが1つの原因だった。

 

「お前が魔物の尻尾を踏んだんだ! それで追い掛け回される羽目になるんだよ!」

 

「ってそうなのかよ~~~!!」

 

軍平はその事に叫びながらも必死に新一達と逃げ、頭の上に花がある魔物から必死に逃げていた。

 

「新一、頑張れ~…」

 

「貴女は超気楽ね!!!」

 

ユエは新一の荷物の上に載っていて、それに千春が思わずツッコミを入れる。

すると目の前に大きな岩が見えてきて、逃げ場がないことに新一達は思わず目に入る。

 

そして腹をくくって、魔物に対抗しようとした時に、それを制するように前に出てきたユエがスッと手を掲げた。

 

「“緋槍”」

 

するとユエの手元に現れた炎は渦を巻いて円錐状の槍の形をとり、一直線に魔物の口内目掛けて飛翔して、あっさり突き刺さって、そのまま貫通した。

周囲の魔物を容赦なく燃やし、更に溶かして絶命させた。

 

残った頭に生えた花だけを残して。

 

新一達はそれに呆然としたまま立っていた。

 

「すっげぇぇ…彼女の魔法」

 

「何だか僕たちの出番、少なくなった感じ」

 

新一は勿論の事、進次郎達も少しばかり出番が少なくなった事に少々疑問を感じ始めていた。

最近ユエの無双ぶりが目立ちはじめ、新一達に魔物を倒す余裕が徐々に無くなってきている、それを感じた新一はユエに問う。

 

「おいユエ、ちょっとでもいいから俺達の出番残しておいてくれないか…?」

 

「……私、役に立つ。パートナーだから」

 

それを聞いた新一は少々ため息を吐き、そしてユエに語る。

 

「分かったよ、だがユエの魔力は強大だ。そんなに打ちまくったら魔力が切れる。きよしと千春と共に後方援護に回って欲しい、前衛は俺と進次郎、軍平の3人でやる」

 

「…新一、ん…」

 

少しばかりしょぼんとするユエ、その様子に新一達は少々苦笑いをしてしまう。

 

そしてきよしはユエによって切り落とされた恐竜の魔物の首を見る。

 

「それにしてもこの魔物の頭、なんで花があるんだろう?」

 

「…可愛い」

 

「……もっと他に言う事ないの?それ…」

 

ユエの言葉に千春は言うが、新一はその魔物の頭を見ながら呟く。

 

「……」

 

「どうしたのだよ新一? さっきからその魔物をジッと見てよ」

 

「気になる事でもあんのかよ?」

 

進次郎と軍平がその事を聞き、それを新一は立ち上がって振り向き、言おうとした時に。

 

「シャァアアアア!!!」

 

まだ生き残りがいた魔物が新一に襲いかかってきて、それに進次郎達がすぐさま構えた瞬間。

 

 

 

ズッバァァァァン!!!!

 

 

 

新一のロングソードが一閃で魔物の胴体を斬り、その魔物はそのまま真っ二つになって倒れる。

ロングソードをしまう新一の様子に、進次郎達は改めて見る。

 

新一のステータスは自分たちとは比べ物にならないほどに上がっている事を。

すると新一は進次郎達がこっちを見ている事に気付く。

 

「ははは、改めて驚いたか?」

 

「あ、ああ…、本当に変わっているんだな…」

 

そう言う進次郎達、そして新一は先ほどの魔物を見て、何やら“違和感”を感じていた。

それにユエが問う。

 

「どうしたの…?」

 

「いや…妙に手応えがないっと思ってな」

 

「あ?手応えがない…?」

 

「なんだよそれ」

 

「それって新一が強すぎるから?」

 

っときよしの鋭い指摘に思わず新一は少々言葉をなくす、その様子に千春はこっそり笑っていた。

 

「そ、それもあるが、通常ならもっと良い感じに強い筈なんだ。この奈落の大迷宮は異常な程強い魔物が多い」

 

「うん、私を封印していたあの魔物も強いから、当然だと思う」

 

「え?マジで…?」

 

「うん、マジ」

 

進次郎の問いにユエは頷き、それに軍平達は思わず顔を見合わせるのだった。

新一は嘘は言わないし、ユエが言った言葉に偽りもない、そう考えると少しばかり疑問になっていく進次郎達。

 

「今は考えても仕方ない、先に進もう。この階層は少し調べて、下の階に続く階段を探そう」

 

っとその言葉にユエと進次郎達は頷き、次の階層に続く階段を探した。

 

 

 

───────────────────────────────────────────

 

 

 

新一達は下の階層に続く階段を探している中で、ユエは時々新一の血を吸い、自分の空腹を満たしていた。

 

「もう!!いい加減にしなさいよ! どんだけ新一君の血を吸えば気が済むわけ!?」

 

それを見かねた千春は怒鳴る。

 

「貴女が気にすることじゃない」

 

「あのね!」

 

「お、落ち着けよ千春。ユエもすぐに反抗するんじゃない」

 

「新一、この女うるさい」

 

「うるさいって何よ!!」

 

っと千春とユエの少しばかりの口論が始まり、それに新一は呆れ、進次郎と軍平は何も言えず、きよしは慌てた様子で止める。

 

「や!やめなよ! 2人共大人げないよ!」

 

「「うるさい/うっさい!!」」

 

「ひっ!!」

 

2人の猛烈な視線に怯えるきよし、その様子に新一は声を掛けようとした時に、新一の技能の気配感知が何かを感じ、それに新一は振り向く。

 

「っ!!」

 

「ん?どうした新一?」

 

「…マズイな、60から80体の魔物が急接近している、こっちを包囲するかの様に囲んできている」

 

「ええ!?そうなの!?どうするの!?」

 

「一旦包囲される前に逃げる。これだけの魔物を相手にするには厳し過ぎる」

 

新一の言葉に少し心配になってきたきよしと千春、するとユエが新一に言う。

 

「新一、私達なら出来る」

 

「ユエ…駄目だ、この階層の魔物は妙に可笑しい、ここは対策を立てながら引くぞ!」

 

そう言って新一は走り出し、それに続くように進次郎たちもついて行く。

ユエは納得しないまま新一の方を見る。

 

すると新一は少しばかり策があるかの様な表情をしていて、それにユエは気づいた。

 

 

 

しばらくして新一達は走り続け、後ろから魔物が追いかけてくる様子が見える。

そして目の前に縦割れのある洞窟らしき入り口が見えて、それに新一が皆に言う。

 

「皆!あそこに行くぞ!!」

 

「おうよ!」

 

そう言って新一達はその洞窟に入り、丁度その縦割れの洞窟は大の大人が2人分が入れるくらいの大きさで、当然魔物の恐竜は入ってこられない。

新一は入り口を錬成で閉じて、その様子に進次郎達は一息する。

 

「ふぅ~…疲れた」

 

「何とか逃げ切ったぞ」

 

「……」

 

「どうしたのよ新一君?」

 

千春は新一の表情を見て、それに新一は答える。

 

「皆…、気を引き締めろよ。ここに“元凶”がいるぞ」

 

っとその言葉に進次郎達は表情がぐっと引き締まり、そして武器を取り出して構える。

 

ゆっくりと中央に近寄り、辺りを警戒する新一達。

すると全方位から緑色のピンポン玉のようなものが無数に飛んで来て、新一達は背中合わせになり、飛来する緑の球を迎撃する。

 

しかし100を超える緑の球は容赦なく襲い掛かり、それを新一はロングソードとドンナーで斬り、そして撃ち落とす。

 

「おりゃあ!!」

 

進次郎は双剣で斬り落として、軍平も同じように斬り落とすが、背後から緑の球が迫る。

それを新一がドンナーで撃ち落とす。

 

「うぉっ!?」

 

「気をつけろよ! ユエ!きよし!千春! 3人も気をつけろよ!」

 

「「「……」」」

 

「ん?おいどうした?」

 

進次郎が返事がないことに問いかける、そして返答してくる答えが…。

 

「……逃げて…新一!!」

 

「…み!皆…!」

 

「ダメ!!」

 

「「「っ!!」」」

 

いつの間にかユエの手が新一の方に向けられて、ユエの手に風が集束し、強力な風の刃が新一に襲いかかる。

更にきよしの弓が進次郎に向けられていて撃つ、同じように千春が軍平に向けて魔法が放たれる。

 

「ユエ!千春!!」

 

「きよし!止せ!!」

 

「待てよお前ら!!」

 

新一と進次郎に軍平はそれを慌てて回避し、まさかの攻撃に驚愕の声を上げるが、ユエ達の頭の上にあるものを見て事態を理解する。ユエ達の頭の上にも花が咲いていたのだ。

 

「くっ!!さっきの緑の球か!」

 

「操られてるのか!?」

 

「もしそうなら、下手に攻撃出来ねぇぞおい!」

 

そう考える新一達、進次郎と軍平は操られているユエ達に攻撃出来ないことに焦るも、新一は辺りを見渡す。

 

「(きっと何処かに、ユエ達を操っている魔物が居るはずだ。俺の技能の気配感知と魔力感知なら見つけられる!)」

 

新一は技能の気配感知や魔力感知を使って、ユエ達を操っている魔物が何処にいるか探った。

そしてその者が何処にいるか分かり、その場を見る。

 

すると新一の目線に気付いたのか、奥の縦割れの暗がりから黒幕が現れた。

 

アルラウネやドリアード等という人間の女と植物が融合したような魔物が新一達の前に現れた、女性らしいところはあるが、見てれば見るほど魔物の形をした女、完全に敵である証拠、それに新一は構え、進次郎と軍平は気付く。

 

「おおっ!!?なんじゃありゃ!?」

 

「女! …って訳じゃなさそうだだ、タイプじゃねえよ」

 

「おいおい…惚れてんじゃないぞ」

 

そう言う新一、すると植物の魔物は緑の球を打ち出し、それに新一は避ける。

すると避けるのが遅れた進次郎と軍平がその緑の球に辺り、頭に花が生えてしまい、操られる。

 

「しまった!」

 

「新一!!逃げろ!!」

 

2人の攻撃が新一を襲い、それに新一はかわして、操られたユエや進次郎達を見る。

 

植物の魔物がユエや進次郎達を連れ回すかの様に撫で回し、それに苦しみながらももがくユエや進次郎達。

 

「新一…、ごめんなさい…」

 

「すまねえ…!」

 

悔しそうな表情で歯を食いしばっているユエや進次郎達、その様子に新一はこれ以上皆に苦しい思いをさせない為に、ある方法を思いつく。

 

「……久しぶりにやってみるか、あれを…」

 

っと新一はロングソードとドンナーをしまい、ロングソードに手を伸ばして姿勢を低くする。

その様子にユエや進次郎達、更に植物の魔物は不思議そうに見ていて、新一はその植物の魔物を見る。

 

「『ソニックブレイド』!!!」

 

ロングソードを居合斬りで衝撃波の斬撃を放つ技『ソニックブレイド』が炸裂し、植物の魔物に目掛けて行く。

植物の魔物はそれに気付き、撤退しようと思ったが、時に既に遅し、ソニックブレイドが植物の魔物を切り裂いた、魔物の胴体を綺麗に真っ二つにし、地面にドサッ!っと音を立てながら倒れる。

 

そしてユエや進次郎達の頭についていた花が枯れて落ち、皆の拘束が解かれる。

 

「おお!身体が動けるぞ!」

 

「サンキュー!新一!」

 

「新一…凄い…!」

 

進次郎と軍平、そしてユエが先ほどの様子を見て驚きながら見ていた。

 

「でも新一、どこでそんなの覚えたの?」

 

「前の世界の冒険で覚えた技だ。久しぶりにやってみたけど、少し鈍っていた所があったが、まあ今後少しづつでもカンを取り戻していくさ」

 

そう言って新一はロングソードをしまい、植物の魔物を調べる。

進次郎達はそれに見合いながらもそれに強力し、それを調べた後に、この階層の階段を探して見つけ、最下層への道に進んだ。

 

そして徐々に最下層に近づいていく。

 

 

 


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