新一達が植物の魔物を退治してから約数日がたち、いよいよ最下層への道がすぐそこまで来ていて、現在99階層にいた。
その一歩手前の階層で新一達は装備の確認と補充にあたっていた。この先何が起こるか分からないからだ。
ユエはその様子を飽きもせずにただじっと見つめていた。
新一は超神水を複数のボトルに入れて、進次郎達用に詰めていた。
ボトルに入れてる超神水が減らない事を、進次郎は気づいて問う。
「おい新一、さっきからそれ、一向に減らないみたいだが?」
「ああ、これのおかげだ」
すると新一は首にある無限ペンダントを見せて、それに進次郎達は首をかしげる。
「なんだそれ?」
「ネックレス…? 違うようだけど」
「ドックタグだよ、でもそれが何?」
進次郎と千春は首傾げ、きよしがそれに問うと、新一は答える。
「無限ペンダントだ、女神リリアーナから貰った物で、これを身につけてると弾や水、手榴弾が無限になるんだ」
「はぁ!!?マジか!!?」
「何それ!それでずっと弾が減らなかったの!? どおりで!!」
新一の問いに軍平ときよしは驚きを隠せず、進次郎と千春は口をポカンと開けたままになっていた。
そしてユエは見ていた様子に飽きて問う。
「新一…、いつもより慎重…」
「うん? ああ、次で100階だからな。もしかしたら何かあるかもしれないと思ってな、それにここは表の階層とは違って真の大迷宮の階層、念入りにしておく必要がある」
っとそう言って新一達は準備を進める。
最初にいた階層から80階を超えた時点で、ここが地上で認識されている通常の大迷宮の感覚は無くなっていて、真の大迷宮の感覚になっていた。
当然普通ではないことは確かだった、だがここまで来られたのは新一の能力もそうであるが、ユエは勿論の事、進次郎たちもこの大迷宮の階層を超えてかなりのレベルアップがはかれた。
そして今の新一達のステータスはこの通りである。
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天道新一 17歳 男 レベル:98
天職:勇者:副天職:錬成師
筋力:10300
体力:12000
耐性:10300
敏捷:10700
魔力:20100
魔耐:20100
技能:全属性適性[+全属性效果上昇][+消費魔力減少]・全属性耐性[+全属性效果上昇][+持続時間上昇]・物理耐性[+持続時間上昇]・魔法耐性・錬成[+鉱物系鑑定][+精密錬成][+鉱物系探査][+鉱物分離][+鉱物融合][+複製錬成]・複合魔法・格闘術[+身体能力上昇][+豪脚]・毒耐性・麻痺耐性・剣術[+斬撃效果上昇][+大剣術][+両手剣術]・射撃[+精密射撃][+連射射撃][+安定射撃]・剛力[+豪腕][+金剛][+怪力]・縮地[+爆縮地]・先読・高速魔力回復・熱源感知・気配感知・気配遮断・魔力感知・魔力操作[+魔力放射][+魔力圧縮]・胃酸強化・纏雷・天歩[+空力]・風爪・夜目・遠見・石化耐性・威圧・念話・言語理解
上地進次郎 17歳 男 レベル:81
天職:双剣士
筋力:1320
体力:1520
耐性:1340
敏捷:2010
魔力:1600
魔耐:1750
技能:双剣術[+斬撃速度上昇][+無拍子]・火属性適用[+火属性效果上昇][+消費魔力減少]・火属性耐性[+火属性效果上昇][+持続時間上昇]・縮地[+爆縮地]・先読・剛力・豪脚・言語理解
郷田軍平 17歳 男 レベル:81
天職:大斧戦士
筋力:1700
体力:1800
耐性:1700
敏捷:1450
魔力:1390
魔耐:1410
技能:大斧術[+斬撃效果上昇]・土属性適用[+土属性效果上昇][+消費魔力減少]・土属性耐性[+土属性效果上昇][+持続時間上昇]・剛力・身体能力[+全身強化]・縮地[+爆縮地]・言語理解
飯島きよし 17歳 男 レベル:80
天職:弓手
筋力:1100
体力:1120
耐性:1100
敏捷:1310
魔力:1220
魔耐:1230
技能:弓術[+連射技術上昇][+安定技術上昇][+貫通技術上昇]・風属性適用[+風属性效果上昇][+消費魔力減少]・風属性耐性[風属性效果上昇][+持続時間上昇]・先読・短剣術・言語理解
早川千春 17歳 女 レベル:80
天職:魔道士
筋力:790
体力:890
耐性:790
敏捷:770
魔力:2900
魔耐:3100
技能:全属性適性[+全属性效果上昇][+消費魔力減少][+発動速度上昇]・全属性耐性[+全属性效果上昇][+持続時間上昇]・複合魔法・高速魔力回復[+魔素集束]・調理[+毒性完全無効化][+酸性完全無効化]・言語理解
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この通りに新一達はかなりのレベルアップをはかっていた。
その中で、新一はこっそり魔物の肉を食って能力を取り込み、自分の力を強めていた。それには勿論の事、千春にこっぴどく叱られた。
進次郎達は千春の作った料理で何とか猛毒に侵されずにすみ、飢えに苦しまずに済んだ。
そして準備が整い、下の階層へと進む、慎重に進みながら新一達は100階層に到達する。
新一達が降りてきた100階層は、無数の強大な柱に支えられた広大な空間が広がっていた、柱の一本一本が直径5mはあり、一つ一つに螺旋模様と木の蔓が巻きついたような彫刻が彫られている。
柱の並びは規則正しく一定間隔で並んでいる。天井までは30mはあり、地面には荒れた所はなく、平らで綺麗なものであった。
新一達が入ると、全ての柱にある松明が蒼く燃え始めた。
それには新一達はしばしその光景に見惚れつつ足を踏み入れ、そこを歩きながら呟く。
「凄い…、とても大迷宮の場所とは思えない」
「おう、こんなの上の階層では無かったよな?」
「うん…僕たちこんな凄い場所を見るのは初めてだよ」
「いかにもラスボスが出そうな場所だよな?」
「ちょっと軍平、やめてよそれ」
「…千春、軍平の言ってる事正しい」
っとユエの言葉に新一達は振り向き、それに問う。
「どういう事だユエ?」
「ん」
ユエは指を刺す方向に新一達は目を向けると、そこには巨大な扉があった、全長10mはある巨大な両開きの扉が有り、これまた美しい彫刻が彫られている。
「……確かに、軍平の言っている事は正しいみたいだ」
「いかにもラスボスの部屋だな」
「違う…多分反逆者の住処だと思う」
その事にユエは額に汗が流れ、千春は思わず生唾を飲み込む。きよしは身体が震えが出てきて、進次郎と軍平は武者震いがしてきていた。
新一もそれに例外ではない、少しばかり冷や汗が背中から流れ出ていて、今にも握りしめている手に血が流れ出ている。
しかしそれでも進むしかない事に新一はすぐに我れを取り戻して、皆の方を向く。
「皆、ここから先は途轍もない戦いが待っている可能性が高い。準備はいいな?」
「っ!お! おうよ!!」
「おう!やってやるぜ!」
「うん…!怖いけど!」
「私達は新一君がいるから大丈夫!」
「…私達は、皆がいるから大丈夫」
皆の様子を見て、新一は頷き、そして皆は進む。
するとその瞬間、扉と新一達の間に30m程の空間に巨大な魔法陣が現れた。赤黒い光を放ち、脈打つようにドクンドクンと音を響かせる。
「「「「「「ギャアアオオオオオオオオオオ!!!!」」」」」」
すると新一にはその魔法陣に見覚えがあった。かつてベヒモスが現れた時と同じ感じがした、だが目の前にいる物はそれとは全く違うオーラと威圧感が感じさせていた。
「でっか!!」
「おいおいマジか!?」
「…勝てる気がしない」
「よ!弱気になっちゃダメよ!」
「そう…大丈夫…、私達、負けない……」
その言葉を聞いて、新一はロングソードとドンナー、そして背中にシュラーゲンを背負い、荷物をできるだけ遠くに置いた。
「行くぞ!!この階層をクリアして、この迷宮を攻略するんだ!!」
『『『おう!!』』』
その事にユエ、進次郎達は頷きながら叫び、新一と共に向かい、巨大な魔物『ガーディアン』に向かっていくのであった。