新年明けましておめでとうございます。
今年最初の投稿です。
オルクス大迷宮からようやく外に出てきた新一達、出た先のライセン大峡谷にてウサ耳少女が双頭ティラノに追われているのを助けた所、何故か新一にしがみついて、待っていたかの様に言っている。
それには新一達は訳が分からず、取り敢えず新一達はそのウサ耳少女の話を聞くのであった。
一応魔物が来ない場所に移動し、近くの岩に座って話を聞いた。
「それで、君は一体何者なんだ?」
「おっと!そうでした! 申し遅れました、私は兎人族ハウリアの一人、シア・ハウリアといいますです! 先程は助けていただいてありがとうございます! 取り敢えず私の仲間も助けてください!」
っとその言葉を聞いた時、新一は彼女…シアの頭に手を置いて、“纏雷”を流し込む。
「アババババババババババババ!!!?」
シアは少しばかり真っ黒になって倒れる。
「おいこら!勝手に話を進めて決めるな! なんだよさっきから!?君は話は聞かない所か、非常識にも程があるぞ!」
「ちょっと新一君! 落ち着いてよ!」
千春が新一を何とか抑えながら言い、シアは少々黒い煙を上げながら立ち上がる。
「す、すいません…、で!でも!もっと優しくしてくださいよ!私みたいな可愛い美少女を丁寧にしないと、いつか後悔しますよ!」
「いや自分で可愛いって言わない方はいいよ…」
きよしの言葉にシアは耳に入らなかったことが唯一の幸い、新一はその事に思わず目を細めながら見る。
確かに見た目は良い感じの少女、スタイルは良いし、胸はある。しかし中身はご覧のとおり残念なウサギである事には間違いない。
それを考えると少しばかり頭が痛くなる新一。
「でもボロボロな服で可愛らしさはゼロ」
「グエッ!!それはいくらなんでも酷いです!」
ユエの言葉に流石のシアは言い返す、しかしユエの言う通り、シアの服はボロボロであり、よくそんな格好で来られたと言える。
ちなみに新一の格好は白いコートに赤のラインが入った物で、下には黒色のベスト、防刃ベストと防弾ベストの両方を併せ持ったベスト、これは新一自身が自ら作り出したものであり、きよしの自身作じゃない。
黒いズボンを着て、ブーツを履いた物を身につけて、指だしグローブを付けている。
進次郎は茶色のジャケットに水色のジーンズ、カットブーツの様な靴を履いて、ジャケットの下にはシャツを着込んでいる、しかしこれは普通のシャツではなく、完全防刃のシャツである為、丈夫である。
軍平は筋骨隆々の身体を見せつける様な格好で、タンクトップをした上に袖なしの灰色ジャケット、赤ハチマキを巻いている。
きよしは普通の服装とは違い、右と左の袖の長さが違い、右が短く、左が長い感じの上着を着込んでいる、右手には弓の玄を引きやすくする為の手袋を使用している。
以前つけていた手袋と全く違っており、かなり頑丈な生地で出来ている。
千春の服装は基本的なローブで、唯一違う所は胸の谷間が唯一見えている所で、以前は見えてないローブだった、そしてスカートはロングからミニへと変更している所である。
だがシアはこのあと飛んでない一言を言い出す。
「で、でも! 胸なら私が勝ってますよ! 流石にそちらの人はともかく、そっち女の子はペッタンコじゃないですか!」
「ええ!?私に向けてるの……ッ!?」
「「「「っ!!?」」」」
っとその事を言ったシアに新一達は思わず言葉が止まる。
言ってはいけない言葉がユエの頭の中に入ってくる
“ペッタンコじゃないですか…ペッタンコじゃないですか…ペッタンコじゃないですか…”
命知らずのウサ耳少女の言葉が響き渡り、長いロングヘアーの髪が徐々に浮き上がってくる。
するとシアはようやく自分が言った言葉に理解したのか、徐々に身体が震えだしてくる。
「お、おおおお…、お許しを~……」
命乞いをするシアに、ユエの耳には届いておらず、右手をシアに向ける。
「“嵐帝”」
突如発生した竜巻に巻き上げられ錐揉みしながら天に打ち上げられるシア。
「アァァァァァァ!!!!」
シアの悲鳴が峡谷に木霊し、きっかり十秒後、「グシャ!」という音と共に新一達の前に墜落した。
今の彼女は気絶しながらピクついている状態で、今は何とも言えない状態だった。
それには新一達はただ眺めてるだけしかなかった。
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そしてシアが意識を取り戻して、彼女の話を聞いた。
「ええ~つまり、君の所の兎人族は【ハルツィナ樹海】にて数百人の規模の集落を作ってひっそりと暮らしていた。しかし他の亜人と比べて能力が低く、他の者達から格下と見られていた。そんな中である者が固有魔法を手にしていたと聞いて、有り得ない事が起きてしまった…。
本来魔法を持ってしまうと言う事は他の種族と同じ危険な存在となってしまう……。簡単に言えば見捨てなれければならないと?」
「は、はい…。そしてハルツィナ樹海深部に存在する亜人族の国【フェアベルゲン】で女の子の存在がバレれば間違いなく処刑されると言う事を聞いて、それでハウリア族はその女の子を隠して、16年もの間ひっそりと育ててきました。ですが先日とうとう彼女の存在がばれてしまって…」
「ハウリア族はフェアベルゲンに捕まる前に一族ごと樹海を出た……って事だな?」
新一の言葉にシアは頷く、それらを考えるとその人物がもう既に分かってしまった。新一は目の前の少女を見る、ハウリア達が言っていた女の子…その人物がこのシアだって子が。
「なるほどな。大体分かったぞ…その女の子が君だって事が、しかし君が一体なんの固有魔法を持っているんだ? 俺達がここに来るのを予測していたみたいだが…」
「あ、はい。“未来視”といいまして、仮定した未来が見えます。もしこれを選択したら、その先どうなるか? みたいな……あと、危険が迫っているときは勝手に見えたりします。まぁ、見えた未来が絶対というわけではないですけど……」
「つまりここぞってばかりに見えてしまう事があるって事か?」
「はい!そうです!」
進次郎の言葉に頷くシア、それを考えるとシアのその未来視の魔法はかなり有能な魔法である、未来は絶対に見ることが出来ないため、かなり便利な魔法である。
しかしその魔法に少し気になる事がある新一。
「ん?それならさっきなんで使わなかったんだ? 使ってたらあの魔物にバレずに済むのに…」
「え?! じ、自分で使った場合はしばらく使えなくて……」
「…ちなみに聞くが一体何に使ったんだ?」
「えへへへ。友人の恋路が気になりまして……」
「あらっ!! ただの出歯亀じゃないか! 貴重な魔法だろう!」
「うぅ~猛省しておりますぅ~」
シアはウサ耳をションボリとさせながら反省の色を見せて、それに新一はため息をつく。
「はぁ…たくぅ、まあいい。どの道俺達はハルツェナ樹海に向かう必要があったからな。いいぞ、そこに向かっても」
「っ!うわああああああ!! 最初から良い人だと思ってましたよ!! ありがとうござごわぁ!!!?」
興奮したシアが新一に抱きつこうとした時に、新一が頭を抑えて黙らせる。
「落ち着け…。全く」
「いいの?新一」
ユエはすぐに決めた事に問いかける。
「いいんだよ、ハルツェナ樹海には大迷宮がある。そこに向かって調べて行こう。そう言えば自己紹介がまだだったな。俺は新一、天道 新一だ」
「俺は上地 進次郎!よろしくな!」
「郷田 軍平!筋肉をこよなく愛する男だ!!」
「僕は飯島 きよし。きよしって言っていいからね」
「私は早川 千春。それと私の胸指すのはやめてね」
っと鋭い視線で釘を刺す千春にシアは顔を真っ青になりながら頷く。
そして最後にユエが語る。
「……ユエ」
「新一さんに進次郎さん、軍平さんにきよしさんと千春さん、そしてユエちゃんですね」
名前を何度か反芻し覚えるシア。しかし、ユエが不満顔で抗議する。
「……さんを付けろ。残念ウサギ」
「ふぇ!?」
ユエらしからぬ命令口調に戸惑うシアは、どうもユエを外見から年下と思っているらしく、ユエが吸血鬼族で遥に年上と知ると土下座する勢いで謝罪した。
どうもユエは、シアが気に食わないらしい。しかしそれを気にしては何も始まらない。
「ユエ、もういいから行くぞ、ほら、シアも乗れ。出発するぞ」
「……新一、少し気にして欲しい」
「はいです~♪……っ!?」
っとシアは乗り込めって言葉に勢いにのられてしまい、ちょっとばかり新一達の乗り物を見て一瞬戸惑った。
「えっと…これはなんですか?乗り物…なんでしょうか?それに、新一さんもユエさん、それに進次郎さん達も魔法使いましたよね? ここでは使えない筈なのにどうして…」
魔力駆動四輪車を見て戸惑いを隠せないシア、それに新一は苦笑いしながら言う。
「ははは。それはおいおいな、さて出発だ進次郎!」
「おうよ!」
進次郎が魔力駆動四輪車を動かして、シアの同族が居るハルツェナ樹海へと向かうのであった。