新一達の天職とステータスが分かり、その内容で訓練が始まって二週間が経った。
皆が訓練に励む中、新一は自分のステータスプレートを見て少しばかり考え、今のレベルの内容を見て考えていた。
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天道新一 17歳 男 レベル:10
天職:■■:副天職:錬成師
筋力:■■■
体力:■■■
耐性:■■■
敏捷:■■■
魔力:■■■
魔耐:■■■
技能:全属性適性・全属性耐性・物理耐性・魔法耐性・錬成・複合魔法・格闘術・剣術・斧術・射撃・棒術・剛力・縮地・先読・高速魔力回復・気配感知・魔力感知・言語理解
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この通り、レベルが10までに上々に上がっただけで、何も変化していない。と言うか…今だ天職がどんなものなのか全く分からない。
これでは全く手詰まり状態になりかねない。
新一はそれに少しばかり感がていると、進次郎達がやって来る。
「おーい新一、何考え後としてんだ?」
「俺の天職の事を考えていたんだよ。訓練では結構良い感じなんだが」
「そっか…、新一君はまだ天職は分からないままなんだよね。副天職は錬成師でしょう?」
「あ~!!そうだ!!」
っときよしが何やら大声をあげて、それに新一達は振り向く。
「どうした?きよし」
「いいことを思いついた! ねえ!新一は錬成出来るんだよね?」
「ああ…とりあえずはな、だがどこまで錬成出来るか分からんが」
「大丈夫だよ! 設計は僕がするから、新一はそれの通りに作ってくればいいんだ! よ~し!僕の望んでいた物が出来るぞ!!」
きよしは興奮しながらどこかへと行ってしまい、その様子を唖然としてしまう新一達。
「あいつ…急に人が変わるよな。なにかできるとなると」
「まあ~あいつは昔っからだよな」
新一達はそう思いながらも、自分たちの訓練に戻り、ステータスの向上を伸ばすのであった。
因みに進次郎のステータスはこうだ。
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上地進次郎 17歳 男 レベル:9
天職:双剣士
筋力:63
体力:83
耐性:89
敏捷:114
魔力:76
魔耐:124
技能:双剣術・言語理解
郷田軍平 17歳 男 レベル:9
天職:大斧戦士
筋力:105
体力:170
耐性:140
敏捷:66
魔力:59
魔耐:57
技能:大斧術・剛力・言語理解
飯島きよし 17歳 男 レベル:8
天職:弓手
筋力:32
体力:64
耐性:71
敏捷:88
魔力:97
魔耐:121
技能:弓術・言語理解
早川千春 17歳 女 レベル:7
天職:魔道士
筋力:19
体力:44
耐性:27
敏捷:22
魔力:157
魔耐:212
技能:全属性適性・全属性耐性・調理+[全毒無効効果]・言語理解
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こんな風に、進次郎達のステータスとレベルは上昇して、良い感じのコツをつかみ始めている。
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翌日後、新一は訓練するために訓練所へと向かう中…。
「ぐあっ!」
「ん?」
なにか音が聞こえ、新一はその音の発生場所に足を踏み入れる、するとそこにはきよしが檜山達に寄ってたかってリンチされている様子が目に映った。
きよしが何か抱えている物が見え、それに檜山達が蹴って蹴りまくって、それを引き離そうとしていた。
「おい!いい加減にそれ渡せよ?」
「あんな奴の為になんでそんな必死なんだよ。有り得ねえっつの」
「はぁ…はぁ…、君…君達には…関係ないだろう。ぼ、僕は…新一の為にやってるんだ!」
きよしがボロボロな状態になりながらも、檜山達に向かって目線を向けて睨みつけ。それに檜山はイラっとする。
「なんだよその目はよ!!」
檜山の蹴りが、きよしの横腹に突き刺さり、それによりきよしは表情を歪ませる。
「っぐ!!」
蹴られたきよしは身体をより丸くするも、何とか耐え抜いていて、それにより檜山達はイラつきが徐々に達する。
「くっ!いい加減に!」
檜山が訓練用の剣を抜こうとしたその時、檜山の腕が誰かに掴まれる。
「あっ?」
檜山が振り向いた先は、新一が檜山の腕を掴んでいて、鋭い眼光を立てながら檜山を睨んでいた。
「何してんだよ…おめぇ」
「し…新一」
「て!天道!? てめぇ!離しやがれ!」
腕を掴んでいる新一の左手を解こうとする檜山。しかし新一の手は全く動かず、更には握り締める手の力が徐々に強くなっていった。
それには檜山の腕が痛みに耐え切れない。
「いででででででで!!!や!!やめろ!!!」
「こいつ!!!」
近藤が新一に向かって、剣の鞘で使って背中を強打する。
だがそれを受けても、新一はビクともせず、更に檜山の腕を握り強める。
「あだだだだだだだだだだだだだ!!!!!いでででででぇぇぇぇ!!!」
「て!てめぇ!!ここに焼撃を望む──“火球”!」
「ここに風撃を望む──“風球”!」
斎藤と中野が魔法を使って新一に向かって放ち、魔法が新一の身体に直撃する、魔法自体は一小節の下級魔法だ。それでもプロボクサーに殴られるくらいの威力はある。
それは、彼等の適性の高さと魔法陣が刻まれた媒介が国から支給されたアーティファクトである事が影響を及ぼしている。
だがそれでも新一は全くビクともせず、更に力を強めていく。その影響に檜山の骨がミシミシと悲鳴を上げる。
「だあああああああああああああああああああああああああ!!!!や!やめてくれえええええええええええ!!!」
猛烈な痛みに耐えられない檜山は悲鳴をあげ、近藤たちはそれに驚きを隠せず、思わず尻餅をついてしまう。
「ひいいっ!!」
「な!なんだよお前!?」
近藤たちは魔法を受けても平然としている新一の怯え、きよしはふらつきながらも新一に言う。
「新一!もういいよ! 僕は…平気だから!」
「何が平気だよ…、そこまでされておいてさ。それにテメェ等もテメェ等だ、俺が気に入らなかったら…直接言いに来いよ!」
「ぐあああああああああああ!こ!この野郎!!!」
檜山は新一に向けて、残っている左手を使って殴りかかる。
ガツン!!!
新一の右頬に当たるも、全くビクともせず、更に鋭い目線が檜山の目を捉えていた。
「ひぃぃ!!」
「さっきも言ったが、俺が気に入らなかったら直接来い、いくらでも相手してやる!」
そう言って新一は檜山の手を放り離して、檜山は腕を抑えながらこがりながらもがいてた。
「いででででででで!!!いででででよよおお!!!」
「「「檜山!!」」」
近藤たちが檜山に駆け寄り、新一はきよしの元に駆け寄る。
「新一!!」
すると進次郎たちと香織たちが突然悲鳴が聞こえて、慌てて駆けつけるとそこに新一たちがいて、今に至る。
そして進次郎達は新一ときよしの元に行き、きよしがボロボロになっている様子に進次郎は新一に問う。
「どうしたんだよ?!」
「檜山達がきよしに一方的な暴行をしていたんだ」
「貴方達…きよしに何をしたのよ!」
千春が檜山たちを睨みつけ、それに檜山達はその場から逃げていく。
「おい待てよ!!」
軍平が呼び止めるも、檜山達はもうすでにいなかった、軍平は舌打ちをしながら拳をぶつけ合わせ、新一は香織の方を向く。
「白崎、すまないがきよしに治癒の魔法をかけてくれないか?」
「え、うん…でも天道君も怪我が──」
「俺は平気だ」
新一の言葉に香織は心配しながらも、きよしの元に寄って、治癒魔法をかける。香織の治癒魔法によりきよしの身体が徐々に癒されていく。
雫は新一の方を見ながら、右頬の後を見て問う。
「本当に大丈夫なの?」
「ああ、大丈夫だよ…、あの野郎…」
新一が檜山のことでイラついている時に、肝心の者がこう言う。
「だが檜山も天道の様子でかなり怯えていたぞ、もしかしたら檜山は天道になにかしたんじゃないのか?時々天道の不真面目さもあったからな」
「あっ?!お前本気でそう思っているのかよ!!」
軍平が光輝の言葉に怒りが出て、それに光輝は軍平の方を向きながら言う。
「俺は人として当たり前の事を言っているだけだ。檜山達も悪いところはあるが、天道も少しはやり過ぎだったぞ」
光輝は『基本的に人間はそう悪いことはしない。そう見える何かをしたのなら相応の理由があるはず。もしかしたら相手の方に原因があるのかもしれない!』と言う解釈がある。
彼の“ご都合解釈”がそう成り立ってしまっているのかも知れない、新一は光輝の気づいていない無関心な心にイラつきが出てくるも、今はきよしの様子を見て、連れて行く。
その時に新一は光輝に言う。
「少しは自覚しろ、その無関心な頭を」
「何?どう言う意味だ? 天道!」
光輝は新一にその意味を問いかけるも、新一達はその場から去っていき、香織は少しばかり心配しながらも新一の後を追いかけるのだった。
「あ!香織!」
新一達を追いかけていった香織を呼び止めようとする光輝だが、それを無視する香織、雫はそれを静かに見守る。
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新一達がきよしを連れて行く途中で、新一達を追いかけてきた香織がやって来る。
「天道君!」
「白崎?」
「ちょっと待って、今怪我を治すから」
そう言って新一に治癒魔法をかける香織、心配そうに見つめる香織に新一は少しばかり困る表情をする。
その様子を進次郎達はからかいそうになるが、それを千春が止めて、呆れながら睨んでいた。
進次郎達は千春の睨みを冷や汗を流しながら目線を逸らし、その様子に新一は呆れる様子になる。
「天道君」
っとそこに雫がやって来て、新一が振り向く。
そして雫が新一に向かって小さく謝罪する。
「ごめんなさいね? 光輝も悪気があるわけじゃないのよ」
「あれが悪気があるわけじゃない…か。とてもじゃないけど俺にはそうは思えないんだが」
「ぅ…ごめんなさい」
その事に雫は気になる所に新一は何とも言えない表情をする。っとその時背筋に強い視線を感じる、香織がスマイル表情の威圧感に思わず新一は勿論の事、雫は冷や汗をかいてしまう。
そんな中で、進次郎がきよしに先ほどの仕打ちを受けていたことを問う。
「きよし、お前はどうしてあんな仕打ちを受けていたんだ?」
「うん、実は新一にある物を持ってきたんだよ。ほら、錬成の!」
「ああ~あれか、それで?」
「実はこれを持ってきたんだよね!ほら!」
きよしは持っていた袋を開けて、それを新一に見せる、新一に見せたのは武器の設計図で、中には銃を元にした物があった。
新一はその設計図を見て、その内容を確認する。
「これがきよしが考えた物か?」
「うん、んでどうかな? 上手く出来そう?」
「分からないな、上手くできるかどうかやってみないとな」
「勿論だよ! 僕も必要な素材はかき集めるからさ! くぅ~!ワクワクするな~!」
メカオタクのきよしがここまで興奮するっと言うことは、自分が考えていた物が新一の力の助けによって実現されると言う事だ、天職とはまた別の才能である。
副天職がきよしにだったら、絶対に向いている職業だ。
その様子に新一達は笑うしかなかったのだった。
そして訓練が終了した後、いつもなら夕食の時間まで自由時間となるのだが、今回はメルドから伝えることがあると引き止められた。
何事かと注目する生徒達に、メルドは野太い声で告げる。
「明日から、実戦訓練の一環として【オルクス大迷宮】へ遠征に行く。必要なものはこちらで用意してあるが、今までの王都外での魔物との実戦訓練とは一線を画すと思ってくれ!
まぁ、要するに気合入れろってことだ! 今日はゆっくり休めよ! では、解散!」
そう言って伝えることだけ伝えるとさっさと行ってしまった。ざわざわと喧騒に包まれる生徒達、新一達のグループもその様子に少々焦る。
「おいおい本当か?」
「実戦か…マジでやるんだな」
「僕…未だに自信がないな」
「私も…」
そんな様子に、新一は不満はないが、流石に思うところはあった。
「(皆がこの調子か…、無理もない…でもこれが上手く行かなかったら、本当に前途多難だせ…)」
っとそう思うしかない新一であった。