二度目の転生はありふれた職業な世界   作:ライダーGX

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とうとうタイトル通り、新一が覚醒します、どんな風になるかはお楽しみ


第8話 奈落での覚醒

突如魔法が新一に直撃し、橋が崩壊しベヒモスと共に奈落の底へと落ちた新一。

 

「新一いいいいいいいいいいい!!!」

 

「おい嘘だろう!!!?」

 

進次郎達は新一が落ちたことに信じられずにいて、きよしと千春は膝を落としてしまいながら床に手をつく。

 

「天道君!!」

 

「香織!!」

 

雫は香織を羽交い締めで抑え、香織は必死にもがいていた。

 

「離して雫ちゃん! 天道君が!天道君が…!!」

 

「だめだ香織!君まで死にに行く気か! 天道はもうダメだ!このままじゃ、君まで壊れてしまう」

 

光輝は必死に香織に気を使う言葉を言ったつもりだった。だがそれは香織だけじゃなく、進次郎達まで逆効果を与えてしまった。

 

「おいテメェ!! 今なんて言った!!」

 

「勝手に新一を死なすなよ!!」

 

「そうよ! それにダメって何!? 天道君はまだ死んでない!そう!絶対死んでないだって!だって──」

 

光輝の言葉には進次郎達は勿論、今の香織にそれを受け入れる余裕がない。

皆はそれにオロオロするしかなかった。

 

 

 

ダンッ!!

 

 

 

すると香織の首筋に強い手刀が入り、それにより香織は気を失ってしまう。

香織に手刀を入れたのはメルドであり、光輝は思わず香織を見て、メルドの方を向けて睨むが、それを雫は遮る様に機先を制し、メルドに頭を下げる。

 

「すいません、ありがとうございます…」

 

「…礼などやめてくれ、もう誰1人死なせる訳には行かないんだ…。お前達も分かってくれ」

 

「しかし!」

 

「上地君!」

 

進次郎は雫の方を見て、香織を抱える雫は頭を横に振りながら言う。

 

「今はここを出る事を考えましょう…。さあ、光輝と一緒に皆を率いて、貴方は光輝と同じ皆を率いる力がある…天道君にそう言われたでしょう」

 

「クッ……、ああ…分かったよ」

 

「進次郎…」

 

進次郎は悔やみながらも皆の方を向き、光輝と共に叫ぶ。

 

「皆!!一団となってここを脱出だ! ここで諦めたら終いだぞ!」

 

「生き残ることだけ考えるんだ!撤退するぞ!」

 

進次郎と光輝の言葉にクラスの皆はノロノロと動き出し、雫は香織を背負いながら歩き、光輝もその様子を見て歩き始める。

そして進次郎達は橋から落ちた新一の方を人目見て、悔みながら皆の後を追いかけるのであった。

 

 

 

 

───────────────────────────────────────────

 

 

 

 

一方、橋から落ちた新一は…。

 

「どわああああああああああああああああああああああああ!!!」

 

そのまま奈落の底に落ちていき、もうここで死ぬかと思いきや、横から噴水の様な水が一気に吹き出てきて、それにより新一はその水圧に押され、横の壁にある穴に吸い込まれる。

しかもその穴はウォータスライダーの様に急斜面で、何度も急なカーブに流されて、そして最後に穴から飛び出てしまう。

 

「うおああああああああ!!!」

 

新一はそのまま背中から落ちてしまう、しかも運の悪い事に…。

 

 

 

グザッ!!!

 

 

 

「ぐぅっ!!!!」

 

どうも落ちてしまう所に大きなトゲがあったらしく、それにより新一は左腹部の横腹にトゲが刺さってしまった。

 

それに苦しむ新一はそのトゲを壊して、刺さっているトゲを見て錬成させる。

 

「れ、錬成…!!」

 

苦しみながらもトゲを長く細い棒にさせて、綺麗な棒に変換させた後に棒をゆっくりと抜いて、そして棒は綺麗に抜けて、新一は抜いた所から出る出血を止める為、火の魔法を使う。

 

「“火種”!」

 

火を使って出血する所を塞ぎ、火の熱さに苦しみながら血が止まった事に新一は近く壁に持たれ、そのまま地面へと座り込む。

 

「ダァア! ぜぇ…ぜぇ…ぜぇ…ぜぇ…! クッソ…!」

 

汚い言葉を放ちながらも新一は、少しばかり先ほどの事を考えた。

さっきの魔法…あれはどう見ても誤爆ではない、明らかにこちらに狙っての攻撃だった。しかも放った場所を見ると、その犯人はもう明らかだった。

 

「ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…、クッ…やってくれたな…“檜山”のクソ野郎!」

 

先ほどの犯人は檜山だった、何故檜山が攻撃したのは明らか、完全に香織関係で、それを妬み、殺せば香織との関係を完全に断ち切ろうと考えたのだろう。

だがそんな事をしても無意味だって事は檜山も知っているはず、だが檜山はそれに全く関係なく、殺せば終わると考えた。

 

「戻ったら絶対に覚えてろよ…! だが今はそれよりも…」

 

新一は辺りを見渡す、見た所洞窟の様な場所で、岩や壁があちこちとせり出し、明らかに不気味な所であった。

 

立ち上がって新一は少しばかり進もうとすると、何かの気配を感じ、それに隠れてやり過ごす。

 

 

ドスン…ドスン…ドスン…!ドスン…!!ドスン…!!!

 

 

明らかにこちらに近づいているのが分かり、それに新一はロングソードを抜いて、警戒していると…。

 

 

ズバン!!!

 

 

突如鋭い刃が新一の横を通り過ぎて行き、隠れていた場所の岩が綺麗に斬れたのだ。

それに新一は思わず目を見開いた。同時に悲劇も起きる。

 

 

ドテッ…。

 

 

新一の左腕が綺麗に斬られていて、それに新一は思わず腕を抑える。

 

「ぐぅっ!!!(斬られた!? どうして…警戒していた筈!?)」

 

新一は後ろを振り向くと、そこには2m近くもある巨躯で白い毛皮をしている巨大なクマがこちらを見ていて、長い両手にある3本の長く30cmはある鋭い爪が光っていた。

どうやら新一はあの魔物の鋭い爪によって斬られてしまった様だ。ただ何よりスキルの気配感知が全く聞かなかった事に焦りを感じていた。

 

「(くっそ!!怪我のせいで気配感知が薄れていたのか!? このままではマズイ!どこかに隠れる必要がある!!)」

 

「グゥゥオオオオオオオオオ!!」

 

クマの魔物は鋭い爪を新一に向けて振りかぶり、それに新一は落ちた腕を放り出して、飛んで回避した。

新一は一旦撤退する為に錬成を使って大きな穴を作り、そして塞ぐ。

 

クマの魔物は追いかけようと穴を掘り始め、新一は逃れるために更に奥に進んでいく。

 

「錬成‥!錬成‥!錬成‥!錬成‥! お前と遊ぶのはまた今度だ…!」

 

錬成を繰り返していく中で、斬られてなくなった左腕からポタポタと血が流れていき、徐々に意識がなくなり始めていた。

 

 

 

 

───────────────────────────────────────────

 

 

 

 

 

「錬成‥!錬成‥!錬成‥!れn『ゴポッ!』アデッ!!」

 

錬成を続けていく中で大きな空洞へとたどり着いた新一、痛む腕を抑えながら立ち上がり、そして新一の目にある物が映る。

 

「いででで………、なっ!これは…!」

 

彼の目に映ったのは、バスケットボールぐらいの大きさで、青白く輝く鉱石だった。その鉱石に新一は思わず見とれてしまう。

っとその時鉱石から一滴のしずくが落ち、それを見ると、そこに水が溜まっていたのだ。

 

それを見て、新一は少しばかりその水を飲む、すると体力と魔力が一気に回復し、それに新一は驚く。

 

「っ!体力が…これってもしかして、王国の図書館で読んだ事がある伝説の秘宝『神結晶』か?!」

 

新一は思わずそれを見て驚くしかない、なぜならもう既に遺失物と認識されている伝説の鉱物だったからだ。

そして新一が飲んだのは『神水』と言い、どんな怪我も病も治ると言われている伝説の水である。流石に腕は治ることは出来ないが、飲み続ければ寿命は尽きないと知られるものだ。

 

伝説の秘宝がこんな所にあるのは驚くしかない、しかしそんな時に新一の腹がなる。

 

 

 

グゥゥゥゥゥゥ~……。

 

 

 

「…こんな時に腹が減るなんて、俺って緊張感がないな…、でも何か食わないと」

 

しかしここには食料がない、食料は騎士団の人たちが持っており、新一は水しか持っていないのだ。

このままでは飢え死になってしまう、なんとしても食料を確保しないと、そう考えた新一はちょっとばかし危険な賭けに出る。

 

 

 

数時間後。

 

 

 

新一はある物を持って帰ってきた、それは魔物の肉…『二尾狼』の肉だった。

魔物の肉を食えば、少しばかり飢えを凌げるかと思ったのだ、しかし1つだけ問題がある、魔物には猛毒があるのだ。

 

魔物は魔力の影響で魔物の身体を強化し、更に人間が食えば、人間の体内を侵食し、内側から細胞を次々と破壊していくのである。

過去にその人が魔物の肉を食って、ボロボロになって死んだ記録があったのだ。

 

しかし新一には考えがあったのだ。

 

新一はある物を見る、それは先ほどの神水だった。これを同時に飲んで食べれば、もしかしたら助かるんじゃないかと思ったのだ。

あまりに危険な賭けだが、飢えから凌ぐにはこれしかない。

 

「…毒があるのはわかってる、だがやるしかない」

 

新一はコップを錬成し、神水をすくって、魔物の肉を同時に食べて飲む。

 

「っ!ぅ!! アガァ!!!」

 

すると突然、新一は苦しみと猛烈な痛みが出始めた、魔物の毒がすぐさま全身に行き渡り、身体中の崩壊を始めたのだ。

だが神水の効果により、すぐに痛みは引いたが、またすぐに猛烈な痛みがあらわる。

 

治っては痛み出し、治っては痛み出し…っと何度も繰り返していく中、新一は必死にその激痛に耐えていた。

 

「(た!耐えろ…!!! 耐えて耐えて…必ず生き残て、必ず生き残る!!白崎との約束があるからな…! そしてアリスとの約束も!)」

 

っと新一はアリスの約束の事を思い出す。

 

 

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それは異世界ディスペアでの事、魔王を倒そうとばかり新一は何時も無茶する事があった、それにアリスは心配するばかりで、いつもアリスに叱られていたのだ。

魔法で手当てをしながら、新一に叱るアリス。

 

「新一さん! 少しは無茶はやめて下さい!どんだけ無茶をすれば気が済むんですか!?」

 

「すまねぇ。でも早いところ魔王を倒さないと」

 

「それでは理由になりません!」

 

っと猛烈に怒鳴るアリスに、新一は思わずドン引きする。

 

「いいですか!!そんな無茶ばかりじゃ! いつか命がつきます! ですから約束してください…必ず生き残る事を考えてくだいって!」

 

「え?まあ…それはいいk──」

 

「分かりましたね!!!」

 

「はい!!!」

 

新一はアリスのその言葉に、生き残る事を考え、そして無茶はしないと決めたのだ。まあ多少無茶はしているけど…。

 

 

 

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「(だから俺は…必ず生き残る…そしてこの痛み…耐えてみせる!!)ぐ!!ぐぅおおおおおおおおおおおおお!!!」

 

っとその時だった。前髪一部の髪から色が抜け落ち、日本人の特有の黒髪が変化していく。

 

次に、筋肉と骨格が徐々に太く大きくなっていき、更に筋量も増えいく、超回復という現象が起き始め、崩壊と回復の影響がそれに影響を及ぼしている。

腕の血管が浮き始め、そして瞳の色が茶色から赤に変色していくのだった。

 

そして変化はしばらく続き、新一は痛みを耐えるのであった。

 

 

 

 

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そしてしばらくすると痛みが収まり、新一は身体を起こし始め、身体を確かめる。

 

「…なんだ?急に痛みがなくなった…。それどころか、前より軽い感じだ」

 

っと近くの壁を見る、一部の壁は鏡のようになっていて、今の自分を見る事ができる、新一は今の自分を見ると、前髪の色が変わっていて、瞳の色が赤に変わっていた。

更に身長と体格が少しばかり変化していた、新一の身長は当時176cmで、10cm近くは伸びていた。

 

また、筋肉が一段と大きくなっており、腕の血管がより出ているのが分かる。

 

「ありゃま~…これはまた随分と変化したな。そうだ、ステータスプレートはどうなんだろう」

 

っと新一はステータスプレートを開いてみる。

 

 

 

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天道新一 17歳 男 レベル:20

 

天職:勇者:副天職:錬成師

 

筋力:700

 

体力:750

 

耐性:800

 

敏捷:900

 

魔力:1000

 

魔耐:1000

 

技能:全属性適性・全属性耐性・物理耐性・魔法耐性・錬成[+鉱物系鑑定]・複合魔法・格闘術・剣術[+大剣術][+両手剣術]・射撃[+精密射撃][+連射射撃]・棒術・剛力・縮地[+爆縮地]・先読・高速魔力回復・気配感知・魔力感知・魔力操作・胃酸強化・纏雷・言語理解

 

 

 

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っとその内容に思わず驚きを隠せない新一、その内容は天職が表示されているからだ。

 

「おいおい…勇者って。…へへへ、どうやら俺はまだ、勇者の座からまだ降りられないようだな。それに錬成の方も上がっている様だな?それに魔力操作…。詠唱もいらずに出来ると言う事か。胃酸強化…それで苦しんだのか。

しかし…どれもこれも優秀な物ばかりだ、これは便利で良いぞ。あと錬成の鉱物鑑定…、これなら鉱物を見て分かるかも知れない、強力な武器も作れるかもな、丁度きよしの設計図もあるし」

 

新一はポケットからきよしの設計図を取り出す、どうもあの後、きよしに返さず持っていたのだ。

 

「ここを脱出するための力になって貰うぞ、必ず生き抜く為にも!」

 

っと目の瞳を輝かせ、希望の光を消して途絶えない思いを背負いながら、きよしの設計図を見るのであった。

 

 

 




はい!こんな風になりました、変更点と言えば、髪が全体にならず、一部のみになっております。

更に外道にならず、純粋なまま保った状態です。

前の世界での経験がそれを露わにしています。

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